コンサルティング営業とは?セールスフローに沿ってポイントを解説!

数年前に日立が営業を2万人増員しコンサル重視へ転換したことが話題になりましたが、近年、コンサルティング営業を自社のサービスに導入して収益率を爆発的に向上させている会社が増えています。

この記事では、そんなコンサルティング営業を成功させる方法について私なりの観点から解説していきます。

この記事を書いた人:竹内健登

就活スクール「ホワイトアカデミー」校長。デロイトトーマツグループの人材戦略コンサルタントを経て現在は就活コンサルタントとして活躍。

数学検定1級保持者で東京大学工学部卒にもかかわらず、自身の就活に失敗し就職留年した経験から企業の人材戦略の道へ。

新卒の学生が一流企業に内定するための独自の方法論と、3年後離職率・OpenWorkでの評価・帝国データバンクの評点を用いた客観的視点から日夜ホワイト企業を研究。

自社メディア「ホワイト企業内定の教科書」で掲載したところ、就活生や親御様の間で話題となり、月間で35万PVを達成した。

現在も、ホワイト企業からの内定が1件も得られなければ授業料を全額返金という方針で、上位大学だけでなく、全国幅広い大学の学生の就活指導を行なっている。

「就職浪人からANAグループに内定した! 」「留年すれすれから日本IBMに内定! 」「指導を受けた次の日から大手企業の面接で落ちなくなった! 」など、喜びの声多数。

著書に「子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法」(日経BP社)がある。

コンサルティング営業って何?

きちんとした定義はないですが、おおまかに言うと相手の課題を提示し、それに対して戦略や解決策を助言し、その具体的方法として自社のサービスを導入してもらうことです。

銀行は必ずお金を返してくれる顧客にお金を貸したいものですが、そういった顧客ほど既に経営が上手くいっているのでお金を借りる理由がありません。

そこで、銀行はコンサルティング営業によってお金を借りてもらおうとしますが、相手が英語の教材を売っている通信販売会社の社長だった場合は以下のようにセールスします。

銀行員「御社は現在、通信で英語教材を販売されていますよね。

でも、今後事業を拡大させることをお考えであるならば、実店舗を持つことを強くお勧めします。

なぜならば、実店舗を持つことでサービスの単価を上げることが可能になるからです。

実際、同業の◎◎社は既に実店舗を出して反響を呼んでいますよね。

御社も是非検討してみてはいかがですか?」

社長「なるほどね~ちょっと検討してみよう。でも、実際に店舗を出すとなった時、その初期資金が気になるなあ」

銀行員「それであれば、当行から低金利で融資させていただくことが可能です。」

という形で、相手の望みを叶えるためのソリューションを提案し、そのソリューションの手段としてお金を貸し出すのです。

これがコンサルティング営業が課題解決型営業といわれる所以です。

コンサルタントはサービスに自分の頭脳を付加価値として加えることで販売を可能にしていくのです。

なぜコンサルティング営業が必要なの?

日立が大規模なコンサルティングセールス部隊を導入したのは、売り上げの4割を占める保守・運用からの収益を増やすためでしたが、単純にものを売るよりも保守・運用をする方が長期間の収入が見込める上、何よりも保守・運用には原価がかからないことがしばしばです。

よくWeb制作の業界ではHPを作るので40万円、その後の運用サポートで月5万円、といったビジネスモデルがありますが、最初の40万円とその後の保守にかかる料金を比べると、どう考えても保守からの売り上げの方が多いです。

とは言え、行けば魅力的な服が展示されてあるアパレルショップでは服を見ただけでとても欲しくなりますが、継続性のある無形のサービスはサービスを受けるまでその良さが分からないので、リアルで売る際には必ずと言っていいほどコンサルティング営業が必要になってきます。

こういったコンサルティング営業を既存のセールスに組み込むことで、より高付加価値なサービスを提供することが可能になり、それを販売することで事業の収益性や安定性が劇的に向上するのです。

コンサルティング営業のセールスフロー

コンサルティングセールスは無からお金を生み出す錬金術ですが、相手にソリューションを提案するのはそんなに簡単ではなく、誰にでもできるものではありません。

ソリューションを提案させてもらうにはコミュニケーションスキルが必要ですが、コンサルティング営業は基本的に以下のようなセールスフローで展開されます。

  1. ヒアリング(≒相手の自慢話を聞く)
  2. 課題点の発見(≒悩みの炙り出し)
  3. 悩みが続いた場合の不幸な未来の提示
  4. 桁外れなソリューションの提案
  5. 今取引する理由
  6. アクションの提示

以下、このセールスフローに沿ってコンサルティング営業のやり方について詳しく解説していきます。

1.自慢話の時間

相手が事業主だろうが社長だろうが、仲良くなって信頼関係を築かないと話すら聞いてもらえないので、まずはとにかく相手に興味を持って相手の話をどんどん聞いていきます

「どうしてそんなことをやろうと思ったのですか?」

「よくそんな発想が浮かびましたね!」

「そのアイデアを実際に行動に移せるところがすごいですよね。私なら思いついても怖くて実行なんてできないですもん……」

と話していくうちに相手はどんどん気持ち良くなり自分や事業のことを話してくれますが、こちらが提案するソリューションを的外れにしないためにもこのヒアリングは念入りに行うべきなのです。

2.悩みの炙り出し

相手のテンションが極限まで高まったタイミングで事業に対する課題を炙り出しにいきますが、次の魔法の質問をすると相手は核心的な悩みをぽろっと出してくれます。

「そんなに上手くいっている◎◎社長なら、悩みなんてないんじゃないですか?」

こう言うと基本的に「いやいや、そんなことないよ~」と返ってくるので、すかさず、「え、◎◎さんでも悩みがあるんですか?」と悩みをどんどん深堀りしながら相手の悩みをこちらで言語化していきます。

人材コンサルであれば、「なるほど、つまり◎◎社長は新しい人材の採用と定着でお悩みなのですね。確かにそれは重大な悩みですね。」というように、自分の専門的な土俵に相手を引きずり込んでいくのです。

3.悩みが続いた場合の不幸な未来の提示

コンサルティング営業で重要なのが、課題を相手に認識してもらい、その重要性を分かってもらうことです。

先ほどの人材コンサルであれば、以下のように人材が採用できなかっり定着しなかったりしたときのデメリットを提示すれば間接的に課題を提示できます。

人材コンサルの営業「確かに人材の採用や定着ができないと組織が大きくならないばかりか人員が抜けていき事業規模が縮小してしまいますものね。

私どもが担当させていただいているコールセンターの◎◎社も実はそんな状態で、社長がひどくお悩みだったんですよ。

どれだけ人材を採用してもぽろぽろぬけていく……とは言え、正規雇用をするには人件費のリスクが高い。

でも、このままいくと事業がどんどん小さくなってしまい、2年前や3年前の状態に逆戻りしてしまう……あー、どうしようって。

現在では我々が支援させていただいて、そんなことはなくなったんですけどね。」

社長「へえ、どんなことをやったの?」

人材コンサルの営業「実はですね……」

という流れでソリューションの提案に漕ぎ着けるのです。

4.桁外れなソリューションの提案

ソリューションを提案する際には、多くのオファーを付けたり競合他社がやりもしなかったことを提案したりするなど、規格外のものであればあるほどコンペになっても勝てます。

ここは商品開発部の腕の見せ所ですが、営業も熱意を持って開発された経緯や思いを話すことで相手が巻き込まれていきます。

そうなるとこちらの土俵になり、相手はサービスが欲しくて仕方なくなるのです。

5.今取引すべき理由

法人相手だと契約まで長い時間がかかることが多く、そうそうすぐにサービス導入とはいきませんが、できるだけ早めに取引してもらうにはある程度相手を急かす必要があります。

そこで、以下のように今取引をするべき理由を挙げるのです。

「限定◎◎人なのでお早めに!」

「今はインドネシアが経済発展しているのでこの利率で提供できますが、2年後はどうなるか分かりません。買うなら今ですよ!」

「8月に値上げしますので、お申し込みはお早めに!」

「5月31日までのお申込みに限り、特典が付いてきます!」

などなど、今取引をするべき理由を挙げていくことで、相手は急いで動いてくれ、今、取引をしてくれるようになりますが、今取引をすべきだということをどれだけ強調できるかがクロージングのコツなのです。

6.アクションの提示

最後に、契約するにはどうすればいいか、申し込むにはどうすればいいかをこちらから話すことで、相手は頭を使わずにお金だけ出せばよい状態になります。

すかさず契約書にサインしてもらい、受注完了です。

コンサルティング営業は錬金術

以上がコンサルティング営業の流れですが、この手法は革命的で、錬金術とさえ言ってもよい技術だと思います。

なぜなら、何もないところからお金を生み出し、サービスは後から提供するという摩訶不思議な現象が起こり得るからです。

実際、コンサルタントの年収は他の業種よりも高くなることがほとんどですし、私自身もコンサルティング営業でキャリアをスタートさせてきました。

あなたも、このコンサルティング営業のスキルを身につけることで売れる営業担当になってくださいね!

ABOUTこの記事をかいた人

ホワイト企業への内定を専門とする就職コンサルタント。ホワイト企業への内定率は100%を誇っている。東京大学工学部卒。学生時代には大手企業(Sony、新日鐵、帝人、DUNLOP、DeNA、経済産業省、財務省など80社)相手に人事面からの支援を行っていたことがこの仕事を始めたきっかけ。 集客・営業代行のビジネスでは、東京大学で行った企画でゼロから1500人を集客しただけでなく、恋愛系企画においては朝日新聞・フジテレビ・AERAの一面にカラーで掲載。 その後、キャリアアップや人材育成の研修を行う外資系コンサルティング会社に就職。入社後、多くの中小企業の経営問題を人財育成の観点から解決に取り組むべく、新規事業・アプリ開発などを担当し、現在独立。 セミナーやコンサルティングを不定期で開催しており、過去の相談件数は500件以上。通算400回はセミナーを行っている。 クライアントには月収を6倍にした元サラリーマンや月商を3倍にした音楽の楽団長、所沢での学習支援業の起業に成功した大学生など幅広い。 趣味は読書と執筆。数学検定1級保持者。