大学院を中退する就活面でのメリット・デメリットを解説

大学院を中退するメリット・デメリットと就活への影響
  • 「大学院を辞めたら就職できなくなる?」
  • 「大学院を中退したときの就活方法を知りたい」

とお考えではありませんか?

大学院に進学したものの、様々な理由により大学院の中退を検討している方もいると思います。

大学院を中退する場合には、学部卒や院卒とは就活のやり方が異なるので注意が必要です。

ここでは、大学院を中退するメリットとデメリット、辞めた場合の就活のコツを解説します。

中退前に考えておくべきことも紹介しているので、中退を後悔することがないようにぜひ最後までご覧ください。

この記事を書いた人:竹内健登

竹内校長の写真就活塾ホワイトアカデミー校長。デロイトトーマツグループの人材戦略コンサルタントを経て現在は就活コンサルタントとして活躍。

数学検定1級保持者で東京大学工学部卒にもかかわらず、自身の就活に失敗し就職留年した経験から企業の人材戦略の道へ。

新卒の学生が一流企業に内定するための独自の方法論と、3年後離職率・OpenWorkでの評価・帝国データバンクの評点を用いた客観的視点から日夜ホワイト企業を研究。

子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法研究内容を自社メディアで掲載したところ、就活生や親御様の間で話題となり、月間で35万PVを達成した。

現在も、塾生がカリキュラムを消化したものの、ホワイト企業の内定を1社も得られなければ授業料を全額返金という方針で、上位大学だけでなく、全国幅広い大学の学生の就活指導を行なっている。

「就職浪人からANAグループに内定した! 」「留年すれすれから日本IBMに内定! 」「指導を受けた次の日から大手企業の面接で落ちなくなった! 」など、喜びの声多数。

著書に「子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法」(日経BP社)がある。

大学院を中退すると就活に不利か?

大学院を中退すると就活に不利

一般的に、大学院を中退すると就活が不利になります。

なぜなら、学部卒や院卒と異なるアプローチで就活する必要があるためです。

ここでは、大学院中退の就活への影響について詳しく解説します。

中退理由によって就活への影響は異なるので、チェックしておきましょう。

ネガティブな理由による中退は不利に働く

大学院をネガティブな理由で中退した場合、就活に不利に働きます。

例えば、大学院での成績が悪い、研究が辛いといった理由で中退したとします。

すると、企業からは「会社でも仕事を途中で投げ出すのではないか」と思われ、マイナスに捉えられてしまいます。

また、大学院は狭いコミュニティです。

そのため、教授や准教授、他の院生との関係が悪くなれば大学院に居づらくなり、中退理由になり得ます。

この場合、企業からは、「入社後も職場の人間関係を理由に退職するのではないか」と思われてしまい、やはり就職が不利になります。

上記の理由で大学院を中退している場合、面接で話せるポジティブな中退理由を考えることが必要です。

既卒扱いになるため新卒限定の企業に応募できず不利

既卒扱いになるため新卒限定企業に応募できない

大学院を中退した場合、既卒扱いになるため就活が不利です。

既卒扱いだと、多くの企業が募集している新卒枠に応募できず、選択肢が少なくなるデメリットがあります。

また、既卒の場合は中途採用枠に応募することになりますが、中途採用枠には他の企業からの転職者も応募してくるため、採用の基準が高い点も注意が必要です。

大学院を中退すると、選択肢が狭くなるのと同時に内定獲得のハードルも高くなることを知っておきましょう。

研究の結果のアピールが弱くなり不利

大学院を中退すると、研究の結果をアピールしづらくなるため就活が不利になります。

就活では、面接でガクチカ(学生時代に力を入れたこと)について話すことが多いです。

院卒の場合は、研究をガクチカとして話せば、面接官に好印象を与えられます。

一方で、大学院を中退していると、ガクチカとして研究を話しづらくなります。

もし、ガクチカで研究について話したとしても、中退している以上研究を途中で放棄していることになるので、好印象を与えづらいです。

大学院の中退後に就活する場合、研究以外のガクチカを考える必要があります。

専攻分野の専門職への就職は難しくなり不利

大学院を中退していると、専攻分野の専門職への就職が難しくなります。

専門職の求人は、修士以上が条件になっている場合が多いです。

そのため、大学院を中退した時点で応募自体できなくなってしまいます。

また、大学院を中退すると、就活時に教授や研究室の人脈を利用できません。

人脈を利用すると専門分野へ就職しやすくなるため、それを利用できないのは明確に不利な点です。

専門分野の専門職への就職を検討している場合には、大学院中退を踏みとどまった方が無難と言えます。

修士・博士課程のドロップアウトの割合

大学院中退者の割合

文部科学省の調査によると、修士課程の中退率は2.6%となっています。

また、専門職大学院の中退率は4.4%、博士課程の中退率は5.4%です。

割合としては少なく見えますが、年間約7,000人が大学院を中退していると考えると充分多いと言えます。

中退理由の1位は「就職」で、その後に「転学」「学業不振」といった理由が続きます。

修士・博士課程を卒業せずに辞める3つのメリット

大学院を中退するメリット

大学院を中退すると様々なデメリットがありますが、いくつかメリットも存在します。大学院を中退する主な3つのメリットは以下の通りです。

  • 学業に費やす時間を減らせる
  • 学費の負担を減らせる
  • 就職できれば院卒よりも社会人経験を早く開始できる

それぞれ詳しく解説します。

学業に費やす時間を減らせる

大学院を中退するメリットの一つに、学業に費やす時間を減らせる点が挙げられます。

大学院では2~4年の研究期間が必要です。

大学院での研究に意義を感じない人や、自分に合っていないと感じる人は、大学院での時間を無駄に過ごすことになりかねません。

一方で、大学院を中退すれば、その分の時間を別のことに当てられます。

大学院での研究時間を無駄に感じてしまう方は、大学院の中退を検討する価値があります。

学費の負担を減らせる

学費の負担を減らせる

大学院を中退すれば、学費の負担を減らせます。

大学院に進学する場合、国立でも修士で136万円、博士で190万円以上かかります。

大学院を中退すれば、その分の学費が必要なくなるのがメリットです。

「大学院での研究が自分の思っていたようなものではない」という人は、早めに見切りをつけ、お金を節約することも選択肢の一つとなります。

就職できれば院卒よりも社会人経験を早く開始できる

大学院を中退して就職すると、院卒より早く社会人経験を積めます。

大学院に進学すると、学部卒の人より2~4年社会人になるのが遅れます。

そのため、大学院を中退してすぐに就職すれば、社会人をより長く続けらるのがメリットです。

修士・博士課程を卒業せずに辞めるデメリット

大学院を中退するデメリット

大学院を中退すると様々なデメリットに直面することになります。

大学院を中退するデメリットは、次の5つです。

  • 大学のキャリアセンターなどの助力を得られない
  • 推薦を得られない
  • 院卒より給料が安くなる
  • 既卒扱いになり新卒向けの募集に応募できない
  • 中退理由を考える必要がある

デメリットを知ったうえで決断し、中退を後悔しないようにしましょう。

大学のキャリアセンターなどの助力を得られない

大学院を中退するデメリットとして、就活時に大学からのサポートを受けられない点が挙げられます。

大学院在学中は、キャリアセンターを利用できるため、面接対策や履歴書・ESの添削といった就活対策が可能です。

一方で、大学院を中退するとキャリアセンターからの支援を受けられないため、独力で就活対策をしなければなりません。

また、大学院にいれば、就活時に教授のコネで内定を得られる場合があります。

大学院を中退すれば、当然、教授の協力も得られないのでこれもデメリットです。

大学院を中退する方は、「自分の力で就職するんだ」という強い気持ちが必要になります。

推薦を得られない

推薦を得られない

大学院を中退すると、学校推薦で就職できないのがデメリットの一つです。

大学院では、研究室ごとに特定の企業の推薦枠が用意されており、比較的簡単に内定を獲得できる場合があります。

大学院を中退すると、推薦での就職ができず自力で求人を探し就活する必要があります。

推薦枠は専門分野に関する業界・職種であることが多いため、専門分野への就職を目指している場合、学校推薦という選択肢がなくなるのは大きなデメリットです。

院卒より給料が安くなる

大学院を中退すると、院卒より給料が安くなることがほとんどです。

厚生労働省の調査によると、院卒と学部卒の賃金は徐々に広がっていき、20代時点の月収で約2万円、40代になると月収で約10万円以上の差がついています。

大学院を中退すると、学部卒かつ中途採用または既卒枠での採用になるため、院卒より給料が安くなります。

大学院を中退すると、給与面で不利になることを知っておきましょう。

既卒扱いになり新卒向けの募集に応募できない

既卒扱いになり新卒向け募集に応募できない

大学院を中退すると、既卒扱いになります。

大学や大学院在学中に就活する場合、新卒向けの求人に応募することになります。

しかし、大学院を中退すると、新卒向けの募集枠に応募が出来ない事が多いです。

一部の企業は既卒者を新卒枠で採用する事がありますが、まだまだ少ないというのが現状です。

なお、一部の企業は大学院中退者を第二新卒扱いしている場合があります。

この場合は、第二新卒枠として応募することが可能です。

中退理由を考える必要がある

大学院を中退する場合、就活に備えて中退理由を考える必要があります。

大学院を中退した人が就活する場合、面接時にほとんどの場合で中退した理由を聞かれます。

中退した理由に対し、研究意欲の低下や人間関係の悪化といったネガティブな理由を挙げると、面接官にマイナスの印象を与えてしまうので注意が必要です。

嘘にならない範囲で、ポジティブに聞こえるような理由を用意しておきましょう。

大学院の中退者が採用されるためのコツ

大学院の中退者が採用されるコツ

大学院を中退する場合、中退者ならではの就活のコツが存在します。

大学院の中退者が採用されるためのコツは、次の6つです。

  • 就職活動する期間を決めて短期集中で臨む
  • キャリアプランを立てる
  • 中退後の無職期間を短くする
  • 一部の人気業界や大手企業に絞り過ぎない
  • 面接で答えるポジティブな中退理由を考えておく
  • 就職エージェントを使う

それぞれ詳しく解説します。

就職活動する期間を決めて短期集中で臨む

大学院を中退する人は、就職活動の期間を決めて短期集中で臨みましょう。

中退後は自分のペースで自由に就活できますが、逆に言うと就活期間を自分でコントロールしなければなりません。

明確に期間を決めずに就活すると、ダラダラと期間を先延ばしにしがちです。

そのため、「○月までに内定を獲得する」といったように締め切りを自分で決めてしまいましょう。

その際、締め切りが遠いと就活のモチベーションを維持するのが難しいため、集中して就活できるよう締め切りを近くに設定するのがおすすめです。

キャリアプランを立てる

キャリアプランを立てる

大学院を中退する場合、キャリアプランを立ててから就活するのが大切です。

就活の面接では、「将来どうなりたいか」を聞かれることが多いですが、中退者も例外ではありません。

もし、キャリアプランが曖昧なままこの質問をされ、あやふやな回答をすると「この人は無計画に大学院を中退したのかな」と評価を下げてしまいます。

就職後の1年後や5年後、10年後にどういった役職に就いているかを考えておき、面接で聞かれた場合ははっきりと答えられるようにしましょう。

中退後の無職期間を短くする

大学院を中退したら、できるだけ早く就職を決め無職期間を短くしましょう。

大学院を中退した場合、就活の面接で中退後の無職期間に何をしていたのか聞かれます。

中退後すぐなら「就活の対策をしていました」と言えば大丈夫ですが、あまり長いと理由作りが困難です。

また、無職期間が長いと「働く意欲があまりないのかな」と判断され、評価を下げる可能性があるので注意が必要です。

大学院中退後の無職期間が長くなればなるほど就活が不利になることを知っておきましょう。

一部の人気業界や大手企業に絞り過ぎない

一部の人気業界や大手企業に絞り過ぎない

大学を中退した人が就活するときは、応募する業界や企業を絞り過ぎないことが重要です。

中退者は既卒扱いのため、新卒採用より枠が少なく内定を獲得するハードルが高くなっています。

そのため、そこからさらに就職先を人気業界や大手企業に絞ると就職が難しくなります。

ある程度、選択肢を持てるように複数の業界・企業への応募を検討してください。

大学院時代に研究していた分野にこだわり過ぎず、視野を広く持って就活しましょう。

面接で答えるポジティブな中退理由を考えておく

大学院を中退した人は、就活の面接でポジティブな中退理由を答えられるようにしておきましょう。

大学院を中退した人の中には、後ろ向きな理由で中退を決めた人もいると思います。

例えば、研究が辛くなったり研究室内での人間関係で苦しくなったりといった理由です。

しかし、その理由を就活の面接でそのまま話すと、面接官に悪印象を与えてしまう可能性があるので注意が必要です。

中退理由を話したときに、前向きに聞こえるような理由を考えるのが大切です。

例えば、「研究のモチベーションを持てなくなった」という理由で中退した場合、「自分が本当に興味ある分野は〇〇だと気づいた」といったような答え方にすれば、ポジティブな印象を与えられます。

就職エージェントを使う

大学院を中退した方は、就職エージェントの利用を検討してください。

就職エージェントとは、企業に人材を斡旋することで、企業から金銭を受け取るビジネスをしているサービスです。

自分に合った求人情報を紹介してくれる他、面接練習や履歴書添削など就活対策も行えます。

就職が決まるまで全面的にサポートしてくれるため、自力で就職しなければならない大学院中退者には大きな助けになります。

よくある修士課程や博士課程を中退する6つの理由とは

大学院を中退する本当の理由

大学院を中退する理由は、人によって様々です。

よくある大学院を中退する理由は、次の6つです。

  • 就職のため
  • 転学のため
  • 学業不振のため
  • 経済的理由のため
  • 指導教授との関係悪化のため
  • 研究で鬱になったため

それぞれ詳しく解説します。

就職のため

大学を中退する理由として最も多いのが、「就職のため」というものです。

大学院に進学したものの研究への興味が続かなかった人は、就職にシフトするケースが多いです。

また、なんとなく大学院に進学したが、他にやりたいことが見つかったため就職に切り替える人もいます。

中には、在学中に企業からスカウトされたため、就職に舵を切った人など理由は様々ですが、「研究より就職が魅力的に見えた」という点は共通しています。

転学のため

転学のため

意外に多い大学院中退理由が、「転学のため」というものです。

大学院に進学後、研究の内容が思ったようなものでなかった人や、他に研究したいことが見つかった人は、大学院を中退して別の大学や大学院に行く場合があります。

また、研究分野の他に研究室の環境も転学理由の一つです。

他の院生との関係が悪かったり、研究室の中で研究のやる気があるのが自分だけの場合、より良い環境で研究するために転学する場合があります。

学業不振のため

大学院に進学したものの、学業不振に陥った場合に中退する場合があります。

大学院では、研究内容がより専門的になりついていけなくなる院生が存在します。

また、大学では大学側に与えられた課題をこなすことで学んでいくのに対し、大学院では何を学びどう研究するかを自分で考えなければなりません。

この違いにより、大学院では学業不振になる人が少なくありません。

学業不振で大学を中退するのは、修士課程に進学したての人に多いです。

経済的理由のため

経済的理由のため

大学院を中退する理由の一つに、経済的理由が挙げられます。

大学院では、大学と同様に学費がかかります。

そのため、大学院に進学したはいいものの、途中で学費を払えなくなってしまう学生も少なくありません。

特に、大学院では大学のようにアルバイトをする時間的余裕がないため、より金銭的に苦しくなりやすいです。

指導教授との関係悪化のため

指導教授との関係悪化も、大学院の中退理由になります。

大学院の研究室は狭いコミュニティなため、一度、人間関係がこじれると修復するのが困難です。

特に、指導教授はそのコミュニティのボスのようなものなので、関係が悪化すると研究室に居づらくなります。

高圧的な態度を取る指導教授もいるため、関係が悪化してしまう人は少なくありません。

研究室では指導教授が異動することはないので、こちらから辞めることになります。

研究で鬱になったため

大学院の研究で鬱になってしまい、中退に追い込まれる人もいます。

大学院では鬱になってしまう要因が多いです。

上記で述べたような研究室内での人間関係の悪化はもちろん、研究についていけない人もそれが原因で鬱になってしまいます。

鬱になると研究が止まってしまい、それが長期に及ぶと大学院に行きづらくなります。

大学院に行かないと単位が取れず、結果として中退する人が多いです。

大学院を中退して後悔する前に考えておくべきこと

大学院を中退して後悔する前に考えておくべきこと

勢いで大学院を中退すると後で後悔してしまうので、中退前にいくつか考えておくべきことが存在します。

中退前に考えておくべきことは次の3つです。

  • 一時的な「逃げ」ではないか中退後を見越して考える
  • 第三者の社会人の意見を聞く
  • 指導教授や親に相談する

中退する前に目を通しておき、後悔のないようにしましょう。

一時的な「逃げ」ではないか中退後を見越して考える

大学院を中退するか考えている方は、それが一時的な「逃げ」になっていないか自分に問いかけてみましょう。

中退する前に、中退後にどのような将来を送るのかをゆっくりと考えるのがおすすめです。

その際は、考えていることをノートに書き出せば、考えをまとめやすくなります。

大学院を中退することで人生は好転するのか」「中退しない方が良いキャリアを送れるのではないか」を再度考え、中退するかどうかよく検討しましょう。

第三者の社会人の意見を聞く

第三者の社会人の意見を聞く

自分のなりに意見をまとめたら、第三者の社会人の意見を聞くのがおすすめです。

第三者に相談することで、自分が中退すべきかどうかに対する客観的な意見を聞けます。

この段階で家族や友人、教授に相談するのをおすすめしない理由は、アドバイスにバイアスがかかってしまうからです。

就活エージェントや第三者の社会人に意見を求めれば、バイアスのかかっていないアドバイスをしてもらえます。

指導教授や親に相談する

第三者からのアドバイスを聞き、考えをしっかりとまとめたら指導教授や親に相談してください。

その際は、感情的にならず自分の考えを論理的に伝えることが大切です。

中退する理由や中退後のプランなどを伝え、場当たり的な考えではないことを理解してもらいましょう。

面接の場で辞めた理由を伝える際のポイント

面接で中退理由を伝える際のポイント

就活の面接で中退理由を伝える際は、ポジティブな印象を与えられるように回答する必要があります。

ここでは、面接で中退理由を伝える際のポイントを紹介します。

後述している中退理由の回答例と合わせてチェックしてください。

明確な理由と共に今後の展望も話す

面接で大学院の中退理由を聞かれたときは、明確な理由と共に今後の展望を話しましょう。

中退理由を聞かれて、回答に詰まったりあやふやな回答になったりすると、「なんとなくで大学院を辞めたのだろうか」と思われてしまいます。

明確に回答し、しっかりと考えたうえで中退したことをアピールしましょう。

また、面接官が面接で知りたいことは、「今後どうしたいのか」、「なぜうちの会社を受けたのか」といった内容です。

そこで、大学院の中退理由を聞かれたときは、中退理由に合わせて今後のキャリアプランを話すことで、自己アピールに繋がります。

伝え方を意識するだけで聞き手の印象は変わる

大学院の中退理由を話すときは、内容はもちろん伝え方も意識しましょう。

伝え方を工夫することで、ネガティブな印象を軽減でき、上手く行けばポジティブな印象を与えられます。

例えば、経済困難を理由に大学院を中退した場合には「学費が無く、中退を余儀なくされました」と伝えるのではなく、「親に負担をかけず、自分が生活を支えるために自ら退学を決めました。1日でも早く御社で働きたいです」と伝える方が、面接官に好印象を与えられます。

面接で中退理由を聞かれたときの回答例

大学院を中退した理由の回答例

面接で話す大学院の中退理由を考える際、回答例を参考にすると考えやすいです。

ここでは、大学院を中退した理由を聞かれた場合の回答例3つを紹介します。

研究テーマを早期に社会で活かしたかった

ポジティブな大学院中退理由の例として「研究テーマを早期に社会で活かしたかった」というものが挙げられます。

回答例は次の通りです。

「私は、研究者を目指すつもりで大学院に進学しました。しかし、研究の中で、基礎的な研究を行うよりも、企業で実用的な研究を行い、研究内容を社会で活かす方が自分に向いていると感じるようになりました。御社の研究分野が自分の研究分野と同じだったこともあり、今回の募集に応募しました」

「基礎研究に適性がなかった」という理由も「実用的な研究で社会に貢献したかった」と伝え方を変えると、ポジティブな印象を与えられます。

早期に社会人として活躍したくなった

早期に社会人として活躍したくなった

大学院の中退理由として「早期に社会人として活躍したくなった」という理由はポジティブに伝えやすくなっています。

回答例が次の通りです。

「私は、将来的に〇〇という仕事をするために、大学院での研究が必要になると考え進学しました。しかし、研究を進める中で、一刻も早く社会人として働きたいという気持ちが強くなりました。御社の〇〇は私が目指していたものと同じということもあり、今回の募集に応募しました」

就職を理由に大学院を中退する人は少なくありませんが、上記のような伝え方ならポジティブな印象を与えられます。

学費が払えないなど経済的に苦しかった

「経済的に苦しく学費が払えなかった」という理由で大学院を中退した場合、伝え方によってポジティブな印象を与えられます。

回答例が次の通りです。

「私は、経済的に余裕がある家庭ではなく奨学金を借りて大学院に進学しました。しかし、父がリストラに遭い、経済的に困窮したため、家計を助けるために就職を決意しました。早期に御社に貢献できる人材になれるよう頑張りたいと考えています」

ただ「経済的な理由で中退しました」と伝えるのではなく、具体的な内容を伝えることで、面接官も理解してくれやすくなります。

大学院を辞めた人や辞める人におすすめ就活サイト

大学院の中退者におすすめの就活サイト

大学院を中退する場合、中退者向けの就活サイトを利用しましょう。

大学院の中退者におすすめの就活サイトは次の4つです。

  • JAIC
  • ハタラクティブ
  • DYM就職
  • UZUZ

それぞれ詳しく解説しているので、ぜひ就活時に利用してみましょう。

その①「JAIC」

JAIC
画像の引用元:JAIC

「JAIC」は、株式会社ジェイックによって運営されている、既卒や第二新卒などを対象とした就職サポートサイトです。

JAICの最大の特徴は、大学や大学院の中退者を専門としている「就職カレッジ中退者コース」を提供している点です。

中退者に特化した就職支援講座を実施し、就職までをサポートしてくれます。

中退者を採用したい企業を紹介してくれるため就職しやすく、就職成功率90.7%を誇っている点も特徴です。大学院を中退した人は、まずJAICを利用して就活しましょう。

その②ハタラクティブ

ハタラクティブ
画像の引用元:ハタラクティブ

「ハタラクティブ」は、レバレジーズ株式会社によって運営されている若年層向けの就職サイトです。

ハタラクティブは、未経験者の就職支援に特化しているのが特徴です。

既卒の人や中退した人の経歴や状況に合わせてアドバイスをし、適性にあった求人を紹介してくれます。

また、受ける企業に合わせて1社ごとに選考対策してくれるため、少ない応募数での内定を目指せます。

紹介している求人の業界や職種も豊富なので、自分が希望する業界に就職したい人は、ハタラクティブを利用してみましょう。

その③DYM就職

DYM就職
画像の引用元:DYM就職

「DYM就職」は株式会社DYMによって運営されている、フリーター・ニート向けの就職サイトです。

DYM就職は上場企業など厳選された求人の中から、就活者の適性にあった企業を紹介してくれるのが特徴です。

また、面接のサポートから内定獲得後のフォローまで、きめ細やかなサービスを受けられます。

その他、DYM就職は全国7拠点で面談を受けられるので、地方の方でもサポートを受けやすい特徴があります。

自分が住んでいる地域に対応している就職サービスが見つからない方は、DYM就職を検討してみましょう。

その④UZUZ

UZUZ
画像の引用元:UZUZ

「UZUZ」は株式会社UZUZによって運営されている、主に20代を対象とした就活サイトです。

UZUZの特徴は、充実したサポートです。

就活者の個性に合わせてマンツーマンでサポートしてくれ、企業ごとの書類添削や面接対策といった支援を受けられます。

求人数は多くありませんが、その分優良企業だけを紹介しており、入社半年後の定着率が96.8%と高いのが特徴です。

大学院中退後の就活が不安な人は、UZUZでしっかりとしたサポートを受けて就職活動を行いましょう。

大学院を辞める人が良く抱く疑問と回答

大学院中退のFAQ

最後に、大学院の中退にまつわるQ&Aに回答します。大学院を中退する前に目を通しておき、後悔のないようにしましょう。

中退すると内定取り消しになるか?

大学院を中退すると、内定が取り消しになる可能性があります。

企業が大学院生に内定を出すときは大学院修了を前提としている場合がほとんどです。

採用条件に大学院修了がある場合、大学院を中退したら内定取り消しになってしまいます。

ただし、内定を出した企業が、経歴よりも能力を重視している場合にはその限りではありません。

大学院修了という経歴より、学生自身の能力や考え方を評価している企業であれば、大学院を中退しても内定を取り消さないケースもあります。

企業によって対応は異なるので、事前に企業側に確認することをおすすめします。

新卒として就活できるか?

新卒として就活できるか?

大学院を中退した場合、既卒扱いになるので新卒として就活できません。

新卒枠で就活生を募集している企業には、そもそも応募自体できないので注意が必要です。ただし、大学院中退から3年以内で就職歴がない場合には、新卒者として扱う企業もあります。

これは厚生労働省が、大学卒業3年以内の既卒を新卒枠として扱うように通達を出したためです。

そのため、既卒者を新卒者として扱ってくれるケースでは、大学院を中退しても新卒の採用枠に応募できる事はあります。

ただし、厚生労働省の通達に法的な拘束力はありませんので、導入をしている企業は一部です。それに新卒者として扱う条件は各企業でバラバラですので応募できない事が多いと思いましょう。

求人内容をよく確認し、新卒枠が適用される場合はぜひ応募してみましょう。

専攻分野の専門職へ就職できるか?

大学院を中退した場合、専攻分野の専門職への就職は難しくなります。

専門職の求人の多くは、大学院修士以上を条件としている場合が多いです。

大学院中退は大卒扱いなので、応募自体ができなくなります。

また、大学院を中退すると、学校推薦による就職ができなくなるため、専門職への就活が難しくなってしまいます。

専攻分野の専門職への就職を目指している方は、大学院を中退するかよく考えてから決断してください。

公務員への就活は可能か?

公務員への就活は可能か?

大学院を中退しても公務員試験を突破すれば公務員になる事は可能です。

公務員試験には年齢制限がありますが、それ以外に条件がないため、大学院を中退しても受験可能です。

また、公務員試験では、ペーパーテストと面接を実施するため事前に勉強が必要になります。

その点、大学院の中退者は大学院まで進学した勉強ノウハウがあるため、効率よく試験勉強が可能です。

総合して、公務員は大学院中退者におすすめの就職先と言えます。

中退理由は嘘をついても良いのか?

就活の面接で大学院の中退理由を聞かれた場合、嘘をつくのはおすすめしません。

面接のプレッシャーの中で、辻褄が合うように嘘をつき続けるのは非常に難しい作業です。

印象がよく聞こえる中退理由を考えたとしても、面接で話していくうちにボロが出てしまいます。

また、仮に嘘をついて就職した場合、嘘がバレると経歴詐称になる恐れがあります。

ただし、「どうしても中退理由をポジティブに言い換えられない」という場合には、自己責任にはなりますが嘘をつくのも選択肢の一つです。(推奨はしません)

仮に嘘をついた場合は、入社後にもバレないように徹底的に隠す必要があります。

履歴書へはどのように書くべきか?

履歴書へはどのように書くべきか

大学院を中退した場合には、履歴書にもその旨を書くようにしましょう。

具体的な書き方としては、「〇年〇月 △△大学大学院□□研究科□□学修士課程 入学」と記載した項目の下に「〇年〇月 △△大学大学院□□研究科□□学修士課程 中途退学」と記載する事になります。

履歴書に記入する際は、「中退」ではなく「中途退学」と記載するようにしてください。

また、大学院の中退理由も合わせて記載するのがおすすめです。

「〇年〇月 △△大学大学院□□研究科□□学修士課程 中途退学」の下に「経済的理由による中途退学」「病気療養のため中途退学」と簡単に記載しておきましょう。

また、中退理由は必須ではないので、ネガティブな中退理由の場合は記載しなくて大丈夫です。

企業は大学院中退者にどんな印象を抱くのか?

企業は、大学院中退者に対して必ず大きなマイナスイメージを持つわけではありません。

ポジティブな理由や、やむを得ない事情があった場合には、ある程度理解を示してくれることもあります。

しかし、退学理由が本人に帰する場合には、中退者に対して悪い印象を抱く可能性が高くなります。

極力、悪い印象を与えないような伝え方を心がけましょう。

新卒枠と第二新卒枠のどちらにエントリーするべき?

大学院を中退した人が就活するときは、新卒枠と第二新卒の両方にエントリーしましょう。

企業の中には、既卒の人間であっても新卒枠で採用を行っている場合があります。

募集要項を確認したうえで、新卒枠の条件を満たしている場合は、積極的に新卒枠を利用してください。

このページのまとめ

まとめ

この記事のまとめが次の通りです。

  • 大学院を中退すると既卒枠での就活になる
  • 大学院の中退理由によっては就活に不利に働く
  • 中退者の就活ではキャリアプランを考え短期間で就職することを目指す
  • 独力で就活する必要があるため就活サイトを利用するのがおすすめ
  • 大学院の中退を検討するときは第三者のアドバイスを受けよく考えてから決めるのが大切

大学院の中退にはいくつかメリットがありますが、就活面ではデメリットの方が多いです。

そのため、しっかりと計画を建てて就活する必要があります。

また、就活サイトや就活塾など就活支援サービスを利用して就活するのがおすすめです。最後に少し宣伝になりますが、ホワイトアカデミーでは、既卒・中退者向けの就活コースを提供しています。

既卒生や大学院の中退者でもホワイト企業の内定を取れるように就活のサポートを致します。当スクールの既卒・大学中退者向けコースの詳細は以下のページでまとめていますので是非ご覧ください。
ホワイトアカデミーの既卒・大学中退者向けコース

就活の準備が進んでいない26卒におすすめの就活塾

ホワイトアカデミーとは?

ホワイト企業への内定率100%を誇る就活塾。
就活対策授業は就活指導のプロがマンツーマンで行い、
塾生の大手企業の内定獲得をサポート

  • 業界唯一のホワイト企業への内定保証制度を提供
  • カリキュラムを消化した24卒のホワイト企業内定率100%
  • 自己分析、業界研究、ES作成も講師が1からサポート
※ホワイト企業への内定率100%はカリキュラム消化者が対象です