コロナ禍での就活において重視したいポイントが、ホワイト企業かどうかの見極め。
コロナ以前でもホワイト企業かどうかの見極めは重要でしたが、コロナ禍が長期化することで「長期的に働く」という点に注目されている昨今、より一層見極めが重視されています。
もし、ブラック企業に入社すると、将来性が見えないばかりか、自分や大切な人の命を脅かす可能性も。今回は、就活塾がコロナ禍でのホワイト企業の見極め方について解説します。
ホワイト企業とブラック企業とは?
ホワイト企業の見極め方を解説する前に、まずホワイト企業とブラック企業とは何かという点について解説します。厚生労働省ではこれらの定義はされていませんが、一般的な特徴を下記に挙げます。
ホワイト企業とは、従業員の待遇や福利厚生が充実しており、働きやすい環境が整備されている会社のことを指します。それゆえ、残業や離職率が低いことが特徴として挙げられます。
反対にブラック企業は、待遇や福利厚生などの面で問題があり、従業員が働きにくい会社といえます。長時間労働やハラスメントが常態化しているだけでなく、残業代や各種手当などの未払い、高い離職率などが特徴的です。
就活生はブラック企業を回避し、ホワイト企業に入りたいもの。下記では具体的な要素について解説します。
ホワイト企業の3つの基準
ホワイト企業かどうかを見極める指標として、下記の3つの要素が挙げられます。ホワイト企業に入社するためには、これらをしっかり見極めたうえでの就活が大切です。
長期にわたり経営できるビジネスモデルの会社
今後は長期にわたって経営できるように、堅牢なビジネスモデルを構築したり、生産性向上を図っている会社である必要があります。
これには日本社会の実態が背景にあるのです。日本の人口は今後大きな減少過程に突入するといわれており、2018年の時点で約1億2,600万人であった人口は、2048年には1億人を割り、2060年には9,000万人を割るという試算も出されています。
このように人口が減少すると、比例して少子高齢化も加速していきます。年々労働人口は減り続け、慢性的な人手不足の解決は難しい見通しです。
そのため「多くの人がいなければ成り立たないビジネスモデル」は、営業や開発などの業務が満足にできなくなります。少ない労働力で価値を生み出すビジネスモデルの構築と生産性の向上を行わなければ、労働人口が減った際に事業の継続ができなくなるのです。
こうした意味で、「長期ビジョンを持って従業員と一体感のある組織づくりをしている会社」や「生産性向上のための取り組みを積極的に行っている会社」が要素にあう会社といえます。
従業員が安心して働けるような環境の整備を行う会社
近年、「コーポレートガバナンス」の重要性が紛糾されています。
コーポレートガバナンスは企業統治と呼ばれ、「社内におけるさまざまな不正を防ぐ仕組みにより、長期的な視点で企業価値を増大させていく経営の仕組み」のことをいいます。
従業員が健康で快適に働いていくには、適切な社内統治が必要不可欠。不正や不祥事などのトラブルによって、企業価値や信頼が下がることを防ぐには必須の取り組みです。
「リスク要因を把握し対策していくことで、危険を最小化すること」や「従業員が健康で最大限のパフォーマンスを発揮できるために、各種法律を正しく理解し遵守すること」を行っている必要があります。
時代背景に沿って従業員のモチベーションを保つ会社
モチベーション要因として、働きがいと従業員満足度があります。
従業員満足度とは、給与や福利厚生などの会社から従業員へ与えられるモノに対するもので、働きがいは会社への愛着や信頼関係、自発的な貢献意欲などを指します。
人口減少などによる時代背景の変化によって、従業員が求めることも変化していきます。それらの変化に寄り添ったうえで、モチベーションを高く保てるような企業が良いでしょう。
具体例でいえば、「従業員のニーズに合わせた勤務形態の導入」や「従業員の健康を維持・増進していること」、「従業員の教育に積極的なこと」などが挙げられます。
コロナ禍から考えるブラック企業の特徴
前述のホワイト企業の要素を見たときに、コロナ禍でみるホワイト企業の見極め方にはどのようなものがあるのでしょうか。下記では具体例を交えつつ解説します。
根性論を過度に求めてくる会社
ブラック企業か否かを判断する指標はさまざまですが、多くの企業に共通している特徴として「根性論を過度に求めてくること」が挙げられます。根性論を利用して労働者を搾取したり洗脳したりすることが典型的です。
努力や根性が重要な局面はありますが、すべてを努力や根性で解決することは不可能です。
例えば「1日1,000人に対面営業しろ、根性があればできる」ということは、根性のあるなしにかかわらず不可能な話でしょう。経営者は根性で働いてくれれば助かりますが、長く持つものではありません。
日本でもコンプライアンスに対する見方が変わってきており、これらを無視して経営を続けることは難しくなりつつあります。コンプライアンスを無視して、無理を言ってくるような会社はブラック企業の可能性が高いでしょう。
緊急事態や危険性がある場合でも接客マナーを優先させる会社
これはコロナ禍で露呈している内容です。例えば、「いくら感染症が流行しているとはいえ、接客の時にマスクをつけたり、手袋をつけるのはマナー違反だ」などと主張してくる会社のこと。
実際に「店員がマスクで対応するのは失礼」「マスクの使用を禁じられた」などという接客業の方もおられました。
ウイルスを根性やマナーで抑止するのは不可能です。コロナウイルスは無症状のケースもあり、自らがお客様に移してしまう可能性もあるため、健全な経営者であればむしろマスクを付けて営業することを必須とするはずです。
このように科学的な理由を放棄して、マナーや慣習だけの精神論を押し付ける企業はブラック企業の可能性が高いといえるでしょう。
コロナ禍を自分のことでしか考えられない会社
前述の通り、コロナウイルスは無症状のケースもあり、知らずに他人に移してしまっていることも多くあります。
こうした中で、自分に症状が出ていないから対策はしなくても大丈夫、咳の症状はあるけど熱はないから大丈夫、というように自己判断で業務を続けさせるような企業はブラック企業の可能性が高いといえるでしょう。
こうした発言は、従業員やその家族、お客様をも危険にさらす行為となります。
上記のように、コロナ禍などの非常事態だからこそ見えてくる企業の実態があります。
迅速に在宅勤務や時差出勤を取り入れた企業は、柔軟に対応できるホワイト企業である可能性が高いといえますし、いまだに根性や精神でしか判断しない企業はブラック企業の可能性が高いといえるでしょう。
コロナ禍だからこそホワイト企業の見極めが重要に
コロナ禍が続き、新型コロナウイルスとの共存が必要とされている現在において、企業選びは非常に重要です。もし上記のようなブラック企業に入ってしまえば、自分や家族、大切な人の命をも脅かす事態となります。
就活生は緊急事態だからこそ、ホワイト企業の見極め方を養っていく必要があるのです。なお、このページでは特に取り上げなかったホワイトと企業が多い業界については以下のページでまとめているのでこのページの内容と併せてぜひご覧ください。