新型コロナウイルスの影響で9月入学の実施を検討している学校が増えている中、就活はどのように変わるのでしょうか?
これについて、就活指導を専門とする私が解説をしていきたいと思います。
数学検定1級保持者で東京大学工学部卒にもかかわらず、自身の就活に失敗し就職留年した経験から企業の人材戦略の道へ。
新卒の学生が一流企業に内定するための独自の方法論と、3年後離職率・OpenWorkでの評価・帝国データバンクの評点を用いた客観的視点から日夜ホワイト企業を研究。
研究内容を自社メディアで掲載したところ、就活生や親御様の間で話題となり、月間で35万PVを達成した。
現在も、塾生がカリキュラムを消化したものの、ホワイト企業の内定を1社も得られなければ授業料を全額返金という方針で、上位大学だけでなく、全国幅広い大学の学生の就活指導を行なっている。
「就職浪人からANAグループに内定した! 」「留年すれすれから日本IBMに内定! 」「指導を受けた次の日から大手企業の面接で落ちなくなった! 」など、喜びの声多数。
著書に「子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法」(日経BP社)がある。
結論:就活の解禁が5ヶ月ずれ込み、入社も5ヶ月ずれ込む
結論から言えば、大学の入学が5ヶ月遅れるのですから、卒業も5ヶ月遅れ、企業への入社も5ヶ月遅れることになります。
よって、多くの企業が9月入社となり、就活の解禁も5ヶ月遅れることになると見るのが妥当で、この辺りについてはまた経団連ルールが敷かれるのではないでしょうか。
その場合、従来は就活の解禁が3月となっていましたが、夏期休暇中の8月に解禁となることが予想され、元々8月や9月に行っていた夏期インターンが2月や3月に行われることになるでしょう。
移行年度については、企業が行っていた夏のインターンがなくなりますので、人事部の新卒採用担当はその時期だけ暇になりそうです。
ただ、この場合、移行年度は5ヶ月間まるまる新卒が入ってこないので、一部の企業はその分の埋め合わせを第二新卒マーケットから採ることになります。
特に、業績が上がっていて人員が不足傾向の企業や大量に人を採用している企業は悠長に5か月間新卒が入ってこないのを待つと機会損失に繋がりますので、第二新卒である程度の母数を4月に確保しつつ9月に新卒を受け入れることになるでしょう。
ここからは、各企業の就活スケジュールについて見ていきましょう。
外資系・ベンチャー企業の場合
元々、外資系の企業は経団連のルールに従っておらず、例年8〜9月のインターンで学生のレベルを見て、その後10〜12月頃に内定を出していました。
しかし、もし日系企業の多くが5ヶ月遅い9月に解禁するとなれば、こちらも遅めから動くことになるでしょう。
経団連加盟の日系の大手企業の場合
冒頭に説明した通り、就活の解禁を半年間遅らせることで対応すると思われます。
インターンから裏で声をかけて採用をしていた企業はそのスケジュールを5ヶ月間遅らせることになると思います。
日系の中小企業の場合
広報解禁を8月にした後は、例年通り通年採用をするでしょう。
学生および保護者はどう対応すればよいか
基本的に、始まりが5ヶ月間遅れるというだけなので、特にこれといってやるべきことは例年と変わりません。
変わるとすれば、海外に留学をしていた学生はスケジュールがタイトになることくらいでしょうか。
5月末に帰国し、6月でエントリー、7〜8月で選考・内定し、9月に入社にするのですから、就活後にすぐに入社というスケジュールになりますね。
これ以外に変わることがあるとすれば、就活のメインシーズンが3月ではなく8月になるので、暑くてたまらないと思います。
熱中症対策は念入りに行っていただければと思います。
一方、9月入学になることで第二新卒マーケットに歪みが出ますので、今回のコロナの影響で希望の企業には入れなかった大学生は一旦民間企業に就職し、この時期に転職活動をしてみることでランクアップを目指してみてはいかがでしょうか。
なんにせよ、多くの若者のキャリアが納得いくものになることを祈っております。