就活ではWebテストや面接など様々な方法で選考が行われますが、その中には筆記試験で「作文」を課す企業もあります。
しかし、いきなり作文を書けと言われても戸惑う方は多いのではないでしょうか。
もしかしたら、「作文を書くのなんて学校の読書感想文以来かも…。」なんて人もいるかもしれません。
実際、日常生活で作文を書く機会はなかなかありません。
ですので、作文に苦手意識を持つことは何も特別なことではありません。これから書けるようになれば良いのです。
この記事ではそんな就活での作文に困っている人のために、就活での作文の書き方から例文、頻出テーマまですべて解説してあります。
ぜひこの記事を読んで、就活での作文の書き方をしっかり身につけましょう!
編集長の白河を筆頭に、「人材紹介会社や大学のキャリアセンターでは教えてくれない、就職活動の本当の情報」を書いていくライター集団。
人材紹介会社の不都合な真実を暴き、就活生・転職者のために役に立つ情報だけを徹底的に公開していく。
企業が試験で求めていること
就活試験で多く出される作文試験ですが、企業は作文試験で何を求めているのでしょうか?
何も考えずに作文を書いていると、企業が作文試験で求めていることがわかりませんよね。
企業・作文を見る人によって、求めているものは変わりますが、基本的には作文を通して、あなたが企業で働く適正があるかを見ています。
主に見られるべきポイントは、「未来」「過去」「社会への関心」が大きいです。
出題者が何を見たいのか、考えて作文を書くことが大切です。
しかし、企業に意見を寄せすぎた作文は、わざとらしく感じられることがあるのには注意しておきましょう。
実際に私が作文と面接で、企業に寄せた意見を出し過ぎていたところ、「君の意見はどうなの?」と聞かれたことがあります。
なるべく企業寄りの意見が良いですが、不自然にならない程度にしておきましょう。
書くときに気を付けるポイント
作文を書くときには気を付けるべきポイントがあります。
意識して欲しいポイントを一つずつ紹介していきますので、ぜひあなたの作文に取り入れていきましょう。
丁寧な字で書く
字が上手でない人であっても、丁寧に書くことが重要です。
字の上手・下手はありますが、雑に書いている字は、すぐにばれてしまうものですよね。
丁寧な字で書くことは作文の基本中の基本です。
相手に読んでもらうものだということを意識して、失礼のないように丁寧な字で書くことを心掛けましょう。
最低文字数
文字数の指定がある場合は、指定された文字数の90%を書くことが大切です。
800文字以内の作文なら、720文字以上は書かなければ、良い作文とは言えません。
90%以下の文字数だと、寂しい作文になってしまいますし、相手の印象は良くありません。
また、90%以上にすることは重要ですが、文字数を越えることは絶対にNGです。
800文字以内と書かれていたなら、必ず文字数を800字に収めるようにしておきましょう。
不要な前置きはいらない
就活の作文において前置きは必要ありません。
例えば「就活というのは、就職活動であり今後の人生を左右するものです」という説明や定義は、作文に不要なものです。
そのため、文章の前置きを作らずに執筆していきましょう。
一文の文字数は70字以内・一文一義
一文は70字以内でわかりやすい文章にしておくことが大切です。
一文の中に意味を込めすぎてしまうと、何が言いたいのかわからなくなってしまいますよね。
ここでは、一つ具体的な例を挙げて説明していきたいと思います。少し難しい話題ではありますが、「仮想通貨」の作文を執筆していたとしましょう。
「仮想通貨はインターネット上で使われている独特の通貨で、代表的なビットコインだけではなく、イーサリアムやネムなど多くのアルトコインが存在しており、マイニングやマイニングと同じような作業で、自分で仮想通貨を手に入れることができます。」
非常に長くて何が言いたいかわかりにくい文章になっていますよね。
では以下の文はどうでしょう。
「仮想通貨はインターネット上で使われている通貨で、実際にある通貨ではありません。」
「仮想通貨は代表的なビットコインと、それら以外のアルトコインに分けられています。」
「アルトコインにはイーサリアムやネムなど、一つずつ名前が付けられていて、それぞれに特徴があります。」
「ビットコインはマイニングと言われる解析作業を行うことで、報酬としてビットコインをわけてもらうシステムがあります。」
「アルトコインにもマイニングと同じシステムがあるので、取引をせずとも仮想通貨を入手できるという仕組みです。」
仮想通貨の仕組みは難しいですが、一文ずつに分けることで知らない人でもわかりやすくイメージできますよね。
文章量が多いと主語と述語が入り乱れてしまい、話の流れが相手に伝わりにくくなります。
そのため、一文は70文字以内にし、一文一義の文章を心掛けていきましょう。
主語と述語のねじれ
文章には主語と述語の組み合わせによって、「単文」「重文」「複文」の3種類があります。
単文は主語と述語が一つのみ、重文は主語と述語が並列の関係になっている、複文は、主語と述語が入り混じっている状態です。
重文と複文においては、主語と述語がねじれてしまうことがあるでしょう。
「一文の文字数は70文字以内・一文一義」の項でもご紹介しましたが、長文になるほど主語と述語の関係がおかしい文章になりやすいです。
例えば、
「私の夢は、医者になりたいです。」
この文章は「私の夢」が主語なのですが、「なりたいです」が述語になり、主語と述語のねじれがおきています。
正しい主語と述語の関係にするなら、「私の夢は、医者になることです。」という文章にするべきでしょう。
文章が長くなればなるほど、主語と述語のねじれは起きやすくなってしまいます。
そのため、作文を作り終えた後は必ず文章を読み返し、主語と述語のねじれがないかチェックしましょう。
提示されたテーマに沿って書く
作文を書くときには、テーマに沿って書くことを意識していきましょう。
テーマとずれた作文を書いてしまっては、「ん?これは何の作文だったの?」という印象を与えてしまいます。
テーマは一つに絞っておき、あちこちに話が行かないようにし、複数の結論を作らないことを意識しましょう。
作文をテーマに沿って書くことで、タイトルと内容が一致し、内容が統一された作文にできます。
評価されるためのポイント
企業が評価する作文を作るためには、いくつかのポイントを意識しておく必要があります。
評価されるポイントを一つずつ紹介していきますので、ぜひ作文に取り入れていきましょう。
自分独自の考えを書く
作文を書く上では、正しい情報をまとめることが大切ですが、ありきたりな意見をまとめるだけでは評価されません。
あなただけの主観を入れておくことで、人間性を評価されるようになるでしょう。
そのため、作文においては、自分独自の考えを入れた方が良い作文となります。
書き出しを工夫する
作文に限った話ではありませんが、書き出しを工夫することで、読み手を惹きつける文章が作れます。
書き出しが工夫されていない文章だと、読み手はどうしても個性を感じられず、適当に流し読んでしまうでしょう。
しかし、書き出しを意識した作文は、他の学生より注目されやすくなります。
これはWeb上の記事を読むときでも同じではないでしょうか?
例えば、あなたが「就活 ポイント」と検索したときに、上から順番にきっちりとまとめられたサイトを見つけたとしましょう。
就活に大切なポイントが書いてあるので、しっかりと内容を読み進めていきます。
「ふう、びっしりとポイントが書かれていたので、読むのに疲れたな・・・」
再び同じような書き方をしたサイトを見つけたとき、読みたいと思うでしょうか?
「違うサイトにしておこう」「今日は調べるのをやめておこう」と感じるでしょう。
しかし、こんな文章がだったらどうでしょうか。
「就活はあなたが思っているより難しくありません。「服装」「面接」「作文」のポイントを押さえるだけで、息をすることより簡単です。」
極端な例ではありますが、なんだか続きを読みたくなりますよね。
書き出しを工夫してあげるだけで、「早く内容が知りたい!」と読み手に思わせることができるのです。
作文でもこれと同じように、書き出しを工夫して企業の注目を集めることがポイントです。
意見を白黒はっきりさせる
「一般的には~です。」「~と感じる人が多いです。」など、当たり障りのない曖昧な結論を出すことは作文で評価されません。
中立的な意見や一般的な意見を聞きたいのではなく、企業はあなたの意見を知りたいのです。
あなたの意見は白黒はっきりさせて、自分の意見をしっかりと持っていることを表現していきましょう。
基本的な書き方
ここまで気をつけるべきポイント、評価されるポイントをご紹介してきましたが、作文の具体的な書き方を知っておいた方が良いでしょう。
作文の書き方を段階的に紹介していきますので、この書き方を意識しながら作文を書いてみてください。
1.アイデアを出す
まずは作文を書く前に、多くのアイデアを出していきましょう。
作文に使うか使わないかに関わらず、様々なアイデアを出すことがポイントです。
何も考えずに作文を書いていくと、方向性を見失ってしまいます。
出したアイデアを使わないのは簡単ですが、作文を書いている途中に、新しくアイデアを出すことは難しいです。
そのため、どんな作文にしていくのか考えるために、材料となるアイデアを出せるだけ出しておきましょう。
2.文章構成を考える
アイデアを出し終えたら、作文の構成を考えていきましょう。
いきなり書き始めてしまうと、方向性を失ってしまい、スムーズに内容がまとまりません。
そのため、序論・本論・結論と構成を考えて、順序良く作文を作っていくことが大切です。
作文において、最初に構成すべきなのは本論です。
一番伝えたい内容をまとめてからでないと、文章の流れが悪くなってしまいます。
本論を書き終えてから、印象的な序論を作成し、結論でまとめていきましょう。
序論は書き出しで惹き付けた興味に繋がる文章にし、本論はわかりやすさを重視しましょう。結論は作文全体の関係性を意識してみると執筆しやすいです。
基本的には、シンプルにわかりやすい文章で書くことを心掛けていきましょう。
3.時間配分を考える
文章全体の構成を考えたら、時間配分を考えていきましょう。
作文試験には制限時間がありますので、必ず制限時間内に書き終える必要があります。
作文を書いている途中で時間が来てしまうと、書きかけの作文を提出することになりますよね。
そうならないためにも、時間配分と掘り下げたい部分を事前に考えておくことが重要です。
4.文章を見直す
作文を書き終えた後は、見直しをしておくことがポイントです。
見直しの時間も考えておくことで、余裕を持って作文が作れるようになるでしょう。
見直すべきポイントは、「文章のわかりやすさ」「作文の統一性」「主語と述語のねじれ」です。
残り時間が少ない場合は、大幅な変更ができなくなりますので、わかりやすさを重視していくと良いでしょう。
ミスに気付いて急いで書き直すと、丁寧な字で書けなくなりますので、時間内で見直せる部分をチェックしていきましょう。
例文
それでは実際に400文字以内の例文を紹介しましょう。
私は学力と運動能力が平均的で、あまり長所と言える部分が少ないです。
しかし、何事においても真剣に取り組むため、一つずつ確実に覚えることに自信を持っています。
物事を諦めることが嫌いなので、一度心の中で「やる!」と決めたことは、最後までやり抜く根性を持っています。
昔から勉強・運動で一位を取ったことはありませんが、欠席をしたことは一度もありません。
私は裕福な家庭ではなかったので、塾に行けませんでした。
しかし、努力を続けていたため、成績を保つことができました。
周りの友達が自由に遊ぶ、勉強に専念できる姿を見ると、羨ましく感じることもありました。
今の私があるのは、何事にも真面目に取り組むこと、誰にも負けない根性があったからだと思っています。
目立つ長所のない私ですが、持ち前の根性で真面目に働き続け、御社に貢献する自信は誰にも負けません。(365文字)
あくまで例文なので、この作文を出したからといって、正解というわけではありません。
あなたの長所を盛り込みながらポイントを押さえて書くことで、しっかりとした作文が書けるようになるでしょう。
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よくあるテーマ
就活の作文試験でよくあるテーマについて、出題意図とポイントを紹介していきます。
企業はそれぞれのテーマでどこに注目しているのか、しっかりと把握しておくことで、より注目される作文が作れるようになるでしょう。
10年後の自分
10年後の自分というテーマは、「あなたと企業の未来にズレがないか」「入社意欲」「具体的な目標」を企業から見られています。
そのため、あなたの志望企業に対する未来を思い描きましょう。
企業で仕事をしている自分が、10年後何をしているかイメージすることが大切です。
また、具体的にどういった努力をするのか、段階的に書いていくと良いでしょう。
今のあなたが、目標のために努力していることを書くのも重要です。
現在、何もしていない場合は、努力する予定があるという文章を書いておきましょう。
将来の夢
将来の夢というテーマは、「夢・目標」「あなたの価値観と企業の方針」を企業から見られています。
そのため、あなたが持っている夢を思い描きましょう。
夢や目標を持つための経緯を書いておくと、説得力が高くなるのがポイントです。
また、なるべく企業の経営方針にあなたの夢を沿わせることが重要です。
そのための努力・熱意をアピールしておきましょう。
学生時代に力を入れたこと
学生時代に力を入れたことというテーマは、「あなたの人柄」「将来性・可能性」を企業から見られています。
そのため、あなたが力を入れたことを、経緯と結果で書いていきましょう。
あなたが学生時代に、どんなことを頑張ったのか説明することが大切です。
また、なぜ力を入れて頑張ったのか、経緯を書いていきあなたの人柄を紹介します。
その時の課題・目標を書き、やり遂げるための努力・工夫を詳しく書くことが重要です。
力を入れたことによる結果と、どんなことを学んだかをアピールしておきましょう。
未来や目標などに関するテーマ
未来や目標などに関するテーマで意識すべきポイントは、10年後の自分・将来の夢と同じです。
作文を書く際に意識すべきポイントは、企業に沿った内容に仕上げることでしょう。
あなたの価値観と企業の方向性が合っているかを確認するためのテーマとなります。
過去の経験などに関するテーマ
過去の経験などに関するテーマで意識すべきポイントは、学生時代に力を入れたことと同じです。
作文を書く際に意識すべきポイントは、その経緯と結果を盛り込むことでしょう。
あなたが過去の経験において、何を学んだのか、あなたの人柄や可能性を確認するためのテーマとなります。
一般社会などに関するテーマ
一般社会などに関するテーマで意識すべきポイントは、一般常識と価値観がずれていないかという部分を見られています。
作文を書く際に意識すべきポイントは、ある程度の常識やあなたの価値観を盛り込むことでしょう。
中立的な意見を述べるだけではなく、あなたの人柄や価値観を確認するためのテーマとなります。
対策方法
作文をスムーズに書くために日常でできる対策方法を紹介していきます。
様々な方法を紹介していきますので、「これならできそう!」と思ったものから積極的に取り組んでみてください。
本を読む
作文を書く上で重要なのは、多くの言葉を知っておくことです。
本を読むことで様々な言葉や文章に触れられるので、作文を書く力に繋がります。
また、多くの意見を取り入れることができるので、あなたの価値観を確認する練習にもなるでしょう。
添削してもらう
作文を第三者に添削してもらうことで、中立的な意見を得られるようになります。
あなたの考えを作文に盛り込むのは良いことですが、主観的になってしまうあまりに、本文の内容とずれてしまうことは少なくありません。
また、客観的な視点からあなたの考えにアドバイスをもらえるので、より具体的な作文を作れるようになります。
自分で見直すより作文の内容が深まるため、できる限り第三者から添削してもらうようにしましょう。
身近に相談できる人がなかなかいない……という人は、就活スクールを利用するというのも手です。
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量をこなす
作文をスムーズに書いていくためには、作文に慣れておく必要があります。そのため、とにかく量を書くしかありません。
メジャーな作文はもちろんのこと、多くのテーマで練習しておくことで、どんなテーマでもスムーズに作文が作れるようになるでしょう。
多くの作文をこなしていき、見直しを進めていくうちに、違和感のある文章に気付けるようになるはずです。
一つでも多く作文を書いて、作文試験に挑みましょう。
書くためのポイント
就活の作文を書くためには、様々なポイントを意識しなければなりません。
スムーズに作文を書くのはもちろんのこと、あなたの意見と企業の価値観をすり合わせる必要があります。
いきなり作文を書くことになったら、すらすらと文字を書いていくことはできませんよね。
また、どれだけ作文対策をしていても、対策をしていたテーマが出題されるとは限りません。
そのため、一つでも多くのテーマをこなしていき、量をこなして作文に慣れることが大切です。
就活はあなたの今後を左右するイベントですので、少しでも周りの人より優位に立てるよう、スムーズに作文を書けるようにしてくださいね。
この記事を参考にして、就活での作文の書き方を身に付けておきましょう!