ホワイト企業総合研究所を擁するホワイトアカデミーでは、毎年、3月1日の就活解禁に合わせて新卒で入りたい一流ホワイト企業ランキングTOP100を公表しています。
この記事では、働きやすさ、残業時間、有給休暇取得率、給与・福利厚生、成長環境、財務指標などを加味して作成した最新版のランキングを詳しい解説付きで公開していますので、ぜひ企業選びの指標としてご活用ください。
数学検定1級保持者で東京大学工学部卒にもかかわらず、自身の就活に失敗し就職留年した経験から企業の人材戦略の道へ。
新卒の学生が一流企業に内定するための独自の方法論と、3年後離職率・OpenWorkでの評価・帝国データバンクの評点を用いた客観的視点から日夜ホワイト企業を研究。
研究内容を自社メディアで掲載したところ、就活生や親御様の間で話題となり、月間で35万PVを達成した。
現在も、塾生がカリキュラムを消化したものの、ホワイト企業の内定を1社も得られなければ授業料を全額返金という方針で、上位大学だけでなく、全国幅広い大学の学生の就活指導を行なっている。
「就職浪人からANAグループに内定した! 」「留年すれすれから日本IBMに内定! 」「指導を受けた次の日から大手企業の面接で落ちなくなった! 」など、喜びの声多数。
著書に「子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法」(日経BP社)がある。
目次
新卒で入りたいホワイト企業とは?
「人によって理想のキャリアは違ってくるので、その人に合っている仕事ができるならどこでもホワイトになるんじゃないか」という話をよく聞きますが、新卒に限ってはそうでもありません。
というのは、新卒入社の時点ではまだ社会人経験がなく、仕事内容などについての理解も浅いため、仕事内容よりも会社の環境に大きく影響を受け、最初についた上司の仕事観が社会人としてのDNAとして刻まれるからです。
転職であれば前の会社の良いところや悪いところを見て次の会社の判断がつきますが、新卒ではそのような判断ができないので、やはり一番最初の会社を選ぶ上ではホワイト企業を見抜くことが重要になってきます。
ホワイト企業の基準については、実はまだそこまで具体的に定義されていないのが現状ですが、主な特徴は以下の通りで、イキイキと働くための良い環境が整っています。
- 社員の健康や労働時間などを重視し、長く働きやすい環境を提供
- 給料が良く福利厚生も充実
- キャリアアップに繋がる
- 半期ごとに会場を貸し切ってのお祝いパーティーがある(営業)
- 同期の仲がとても良く、よく集まって飲んでいる
- 情状酌量の余地があり、簡単にクビを切らない
逆にブラック企業の代表的な特徴は以下の通りで労働条件が非常に悪いです。
- 給料が低く福利厚生も充実していない
- 休みがない
- 残業時間が長い
- 定期的に社員が鬱で辞めていく
中には、朝の9時から夜の24時までお昼休憩中もおにぎりを食べながら仕事をしなくてはならないような、給料が高くてもあまりにも激務という職場もあり、そうなると離職率が高くなってしまい社員定着率は非常に低くなります。
「ブラック企業」という言葉がニュースや新聞を賑わせていますが、「ブラック企業だけには入りたくない!」というのは就活生の誰しもが考えることです。
少しでも良い環境で働きたいのなら、ブラック企業さえ避けられればそれでよいと考えるのではなくホワイト企業を目指しましょう。
なお、厚生労働省はブラック企業について「極度の選別を行う」「残業時間が長い」などの見解を公表しているので、興味があれば以下のページをご覧ください。
ホワイト企業の証「ホワイトマーク認定」
厚生労働省は、平成27年6月から、基準を満たした企業に対して3年間ホワイト企業の認定を与えるホワイトマーク認定を導入しています。
認定マークを受けた企業は他企業・就活生・取引先・消費者に対して「ホワイト企業である」と公表でき、社会的な信用度が高くなるだけでなく、社員も「ホワイト企業で働いているんだ!」という誇りを持てます。
ホワイト企業に入社すれば福利厚生も手厚く生活が充実するので、こういった認定を受けた会社への入社を目指した方が良いでしょう。
この他にも厚生労働省は「安全衛生優良企業」という認定も行っているので、興味があれば以下のページも覗いてみてください。
ホワイト企業というと、研修や家賃補助などの福利厚生に着目しがちですが、それらは名目上のもので実質的には運用されていない会社も結構あります。
ここからは、ホワイト企業を見極める上で重要な5つの指標をご紹介していきます。
重要指標1:働きやすさ
ホワイト企業の特徴として会社の雰囲気が良く離職率が低いことが挙げられますが、労働条件が良く人を大事にする文化があるので仕事をしやすい環境が整っているのです。
ホワイト企業では、ちょっと体調が悪くて早退するときも、まわりが笑顔で「お大事に」と言って家に帰してもらえるので、社員の定着率が非常に高く転職を考える人も少ないです。
誰だって条件の良くない職場で働くのは嫌ですからね。
もちろん、ヘッドハンティングされるなどしてキャリアアップしていく人も一定数いますが、それは極少数なので、やはりこの数字によって人が辞めやすい会社かどうかが分かります。
ちなみに、全産業の3年後離職率の平均は3割程度なので、それを超えたら、その会社には社員が辞めたいと思う何らかの理由がありブラックな可能性が高いです。
逆に2割以下というのが望ましいラインで、この基準を満たしていれば、それだけ社員を大切にしているのでホワイトな可能性が高いということです。
ホワイト企業を見極めるには離職率・定着率をしっかりと確認しておきましょう。
重要指標2:残業時間・有給休暇取得率
それぞれの企業で労働時間が決められていますが、適切な労働時間は労働基準法で定められています。
労働基準法では1日8時間以内、1週間40時間以内の就業、1週間に2日の休日、もしくは4週間で8日の休日が基本とされていますが、ホワイト企業はこれを遵守した労働時間を定めており、残業があったとしても必ず残業代を支払います。
逆に、ブラック企業だと割り振られるタスク量が半端ではないので、定時で帰ったり有給を取ったりするとノルマが達成できずに成績に響きます。
定時で上がろうとしたり有給を申請したりしたら「お前、今月のノルマまだ未達だろ。どういうつもりなんだ?」と脅されることもあるので、それを堪えてみんな必死に働き、終電間際になって疲れ果てた顔で家に帰るのがブラック企業の日常なのです。
ちなみに、労働時間が守られていたとしてもみなし裁量労働制などで残業代が支払われなければブラック企業なので、企業選びの際には十分に注意しましょう。
なお、ホワイト企業だと有給の取得が申請しやすく、中には前日に「明日、有給取りたいです」と理由を言わなくても自由に有給が取得できる神企業もあります。
有給休暇を取れば基本給を減額されることなく所定の休日以外の日に会社を休むことができ、家族や恋人との時間を思う存分楽しめますが、有給が取得できているということは社員が休めている証拠であり、しっかりと休むことができれば社員の満足度は高くなるので企業の有給取得率を見ておくことが大切です。
重要指標3:給与・福利厚生
企業は業績が悪化するとボーナスや残業代をカットしますが、ホワイト企業は基本給が高いので残業代とボーナスが無くなっても収入が安定します。
また、基本給が他の企業より少ない場合でも通勤補助や家賃補助などの各種手当てを総合すると手取りにした時に給料が高くなることがあるので、見た目の額面だけでなく様々な手当てや福利厚生の充実度も考慮して企業を探すことが大切です。
なお、ホワイト企業は女性への待遇が良く、社内制度で仕事に対する保障が用意されており積極的に復職に取り組んでくれるなど、産休・育児に対する理解があって女性のスキルアップに真摯に取り組んでいる企業も非常に多いです。
一般的に「大企業はホワイト! 中小企業はブラック!」というイメージが強く、確かに大企業にはホワイト企業が多いですが、中小企業がブラック企業とは限りません。
高給取りで福利厚生がある程度充実している大企業とはいえ、労働時間が非常に長くて激務になることはよくあります。
一方、給料は平均的・少し低いとしても、福利厚生が充実している中小企業も多いので、大企業でもブラック企業の可能性はありますし、中小企業がホワイト企業である可能性も十分にあります。
ホワイト企業かどうかは会社の規模の大きさよりもビジネスモデルや業界特有の慣習に大きく影響を受けるのです。
重要指標4:成長環境
ホワイト企業では社員のスキルアップを大切にしているので、手厚い研修や頻繁なミーティングで基礎から育ててくれます。
研修期間中は企業にとっては利益が上がらずむしろコストがかかってしまいますが、それでも研修制度がしっかりしているということはホワイト企業の証と言えるでしょう。
逆に、ブラック企業は社員を使い捨て感覚で考えており、いつ辞められても問題ないと考えていることが多いため、研修にお金をかけることは基本的にはありません。
社員のことを考えて研修をしっかりと行っている企業を選ぶことが大切です。
OB・OGに相談する
CMをバンバン打っているわけではないのであまり知られていないけど実はホワイトな隠れ優良中堅企業も多く存在します。
ニッチトップの会社はまさにその典型で、CMを打たなくても売れるため安定的にとても儲かっており、CM費用を社員の給料や福利厚生に回しているのです。
隠れ優良中堅企業は探しにくいですが、業界で働いているOB・OGなら、就活をしっかりと行った上で既に働いている経験もあり、企業の見分け方もある程度把握しているので、そういった企業を教えてくれることがあります。
ただし、OB・OGに相談する場合、人伝いだろうとコネがないと難しいので、まずは頼める相手を探しましょう。
重要指標5:財務指標
スマホで企業名を検索するだけでもある程度の企業情報は確認できますが、会社四季報を使って今期の業績や来期の業績予想を確認しておくことが大切です。
四季報は株式投資やビジネスに活用されることが多いイメージですが、就活生が企業情報を集めるためにも役立つので積極的に活用しましょう。
なお、企業の将来性を見るには決算資料をチェックする必要がありますが、現預金を蓄えているのに投資をしていない企業には注意が必要です。
企業として資金があるのは良いことですが、投資を行っていないと将来的に他企業に抜かれてしまい事業を継続することが難しくなるので、現段階で将来に向けてしっかりと投資を行い成長している企業を選びましょう。
頑張って入社した会社が倒産してしまっては元も子もありませんし、誰しも将来的に倒産する可能性のある会社には入社したくないですからね。
また、投資キャッシュ・フローがマイナスになっていれば、それだけ投資を行っているということなので、キャッシュ・フロー計算書も参考にしておきましょう。
ホワイト企業と呼ばれる企業でも、いつまでもホワイトでいられるかは分かりませんので、決算書を確認しながら将来的にも事業が安定している会社を選ぶことが大切です。
一流ホワイト企業ランキング
以上が今回のランキングで用いた5つの指標ですが、これらの指標を見ていけば堅実な会社選びができるでしょう。
1位は3年連続で三菱地所になりましたが、今年はTOP10に大手総合商社が4社ランクイン(昨年は2社)しており、大手デベロッパーや総合商社のホワイト度の高さが如実に表れる結果となりました。
また、北國銀行や浜松ホトニクス、電力会社などの勤続年数が長く社員満足度も高い地方企業や、比較的倍率の低い隠れ一流ホワイト企業も以下のように多くランクインしています。
- 26位:日本新薬株式会社
- 43位:太平洋セメント株式会社
- 67位:兼松株式会社
- 82位:横河電機株式会社
- 97位:株式会社ダイナム
転職希望の方が見ても「まあこの会社だったらそりゃホワイトでしょ」という企業が名を連ねていますが、ここからは業界別に解説していきます。
食品
10位のサントリーホールディングス株式会社は非常にマーケティングが上手い会社で、5位の味の素株式会社はアミノ酸の生産技術を開発して有名になった会社ですが、就活生から人気があり例年ランキング上位に入ってきます。
他にも多くの食品業界の企業がランクインしましたが、主な顔ぶれは以下の通りです。
- 55位:マースジャパンリミテッド(スニッカーズ(チョコレート)を販売)
- 63位:カゴメ株式会社
- 85位:キリンホールディングス株式会社
- 86位:アサヒビール株式会社
食品系は全般的にホワイトな会社が多く、高給で離職率が低いのが特徴ですが、その分、倍率が高く入るのが難しいです。
総合商社
9位の住友商事株式会社では、最近はベンチャー投資なども行っており、私の大学時代の同期も楽しく仕事をしています。
7位の伊藤忠商事株式会社はブランドビジネスの伊藤忠と呼ばれている通り、ブランドを作って収益化するのが上手い会社で、スマートな印象がある4位の三菱商事株式会社や3位の三井物産株式会社とは対照的に、泥臭い商人といった社風があります。
総合商社は、海外で大きなビジネスがしたい、社会的にインパクトのある仕事がしたい人にはオススメですが、他にも以下の商社がランクインしました。
- 40位:丸紅株式会社
- 57位:双日株式会社
- 67位:兼松株式会社
どこも平均年収がとても高く、合コンでモテることからも学生からの人気が高いです。
官公庁・大手デベロッパー
今年のランキングから官公庁も調査対象としたところ特許庁が8位に入りましたが、優秀な人達と働きたい人にとっては楽しく仕事ができる環境が整っています。
1位の三菱地所株式会社をはじめとする大手デベロッパーは高給なので離職率が低く、すごく人気ですが、13位に三井不動産株式会社、60位に三井不動産レジデンシャル株式会社が入っています。
石油関連・電力・エネルギー系
石油関連や電力・エネルギー系の企業は毎年多くランクインしますが、今年は以下のような顔ぶれになりました。
- 6位:昭和シェル石油株式会社
- 12位:中国電力株式会社
- 27位:出光興産株式会社
- 35位:九州電力株式会社
- 37位:四国電力株式会社
- 73位:関西電力株式会社
- 74位:中部電力株式会社
寡占業界なのであまり競争がなく、勤続年数が長くてホワイトに働けるのが特徴です。
IT
2位のグーグル合同会社は社員からの評価がものすごく高い会社ですが、今年のランキングから外資系企業も調査対象としたところ、多くのIT系企業がランクインしました。
- 11位:ヴイエムウェア株式会社
- 14位:マスワークス合同会社
- 28位:株式会社アークシステム
- 30位:Apple Japan合同会社
- 49位:日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング株式会社
- 59位:ブッキングドットコムジャパン株式会社
- 77位:株式会社リクルート
- 81位:株式会社VOYAGE GROUP
IT企業は伸びてきていますが、玉石混交なので良い会社を見分けるようにしましょう。
その他
製薬会社も多くランクインしており、主な顔ぶれは以下の通りです。
- 15位:アステラス製薬株式会社
- 17位:第一三共株式会社
- 22位:中外製薬株式会社
- 26位:日本新薬株式会社
- 64位:塩野義製薬株式会社
- 99位:田辺三菱製薬株式会社
大手企業だととても忙しいですが、中堅どころの企業だと待遇がとても良い上に残業時間もそこまで長くないのでとてもホワイトです。
また、自動車関連企業も例年ランクインしてきますが、今年は以下のような顔ぶれになりました。
- 23位:株式会社デンソー
- 24位:ヤマハ株式会社
- 36位:トヨタ自動車株式会社
- 90位:日清紡ホールディングス株式会社
さらに、化学・セメント企業も例年ランクインしてきますが、今年も多くの企業がランクインしました。
- 43位:太平洋セメント株式会社
- 47位:帝人株式会社
- 65位:三菱ガス化学株式会社
- 89位:DIC株式会社
- 98位:東亞合成株式会社
ホワイト企業へ入るために必要なこと
この記事では、ホワイト企業を見分けるためのポイントや一流ホワイト企業ランキングについて解説してきましたが、ホワイト企業に入社したい気持ちは誰だって同じです。
ホワイト企業で幸せに生きがいを持って働くためには以下のホワイト企業の特徴を押さえ、少しでも良い環境で働けるように、この記事でお伝えした見分け方を踏まえてホワイト企業を見極められるようにしましょう。
- 社員のことを第一に考えてくれるので社風や居心地が良く定着率が非常に高い
- 収入・労働時間・福利厚生が充実しており残業代もしっかりと出してくれる
- 条件や環境が良く離職率が低い
また、ブラック企業であれば労働条件の悪さから離職率が非常に高くなるので、数百人単位でどんどん人を採用するため入るのが簡単ですが、人気ホワイト企業では人が辞めずそんなに人を採らないので厳選採用になり倍率が高くなります。
実は、日本企業の8割以上はブラック企業と言われており、真のホワイト企業は2割もありません。
そのため、もしあなたがホワイト企業に入りたいのなら、ホワイト企業からの内定を得るための準備と対策を早急にきちんと行い、基礎能力を高めていく必要があります。
あなたは、優秀な社員に混じって仕事をバリバリやっていけるだけの自信がありますか?
ホワイト企業に入るには「こいつは入社したら伸びるな」と人事担当者に思わせることが必要ですが、選考を受ける1週間前の付け焼き刃では正直間に合いません。
大学受験と同じように、少なくとも3ヶ月〜半年前、できれば2年生や1年生のうちから事前にきちんと対策をした人のみがホワイト企業に入り裕福な生活を手にできるのです。
とは言え、ホワイト企業を探したり見極めたりするのは意外と難しく、「いざ働いてみたらブラックだった……」なんてこともありますので、やはり企業選びを自分だけで進めるのは得策ではありませんし、ES添削や面接練習は自分だけでできるものではありません。
そこでオススメなのが、一流・ホワイト企業内定率No.1の就活スクール「ホワイトアカデミー」を活用することです。
ホワイトアカデミーの先生はホワイト企業を見つけるプロなのでこと細かに企業分析をしてくれますし、一流企業やホワイト企業から内定を得るための準備や指導も行ってもらえます。
詳しくは以下のHPをぜひご覧ください↓
一流・ホワイト企業内定率No.1の就活スクール「ホワイトアカデミー」のHPはこちら
最後までお読みいただき、ありがとうございました。(了)