ゲーム業界を志望しているあなたへ
「ゲーム業界の研究をやりたいんだけど、どういう情報を集めればいいの?」
「そもそもゲーム業界ってどんなビジネスモデルなんだろう?」
「ゲーム業界の今後はどうなるの?」
と思っていませんか?
近年ゲーム業界は急速な発展をしています。
ゲームを正式な競技として競い合う「e-sports」をオリンピックの正式種目にしようと動いている団体があったり、それに伴って海外では国がプロゲーマーやそのチームに億単位の投資をするなど非常に注目を浴びています。
今回はそんなゲーム業界の業態や動向、将来性などを解説します。ゲーム業界を志望する皆さんの参考になれば幸いです。
この記事の登場人物
富田:理工学部の3年生。自己主張は苦手だが心根は優しい草食系男子。メーカーを志望して就活をしている。
春山:経済学部の3年生。あだ名はハルちゃん。明るくハキハキしていて「考えるより動け!」の行動派。母子家庭出身で、化粧品や日用品など女性を対象とした仕事に就きたいと考えている。
白河:社会人3年目のヘッドハンター。ホワイトアカデミー在学中に内定をもらった東証一部の人材系企業で勤務。ホワイトアカデミーとは、特別講師という形で現在も付き合いが続いている。
業界の構造
まず、ゲームは大きく四種類のジャンルのものに分類されます。
一つ目はパッケージソフト、二つ目はオンラインゲーム、三つ目はスマートフォン向けゲーム、四つ目はアーケードゲームです。
パッケージソフトゲーム
家庭用ゲーム機(Wii、PlayStationなど)などの端末で遊ぶゲーム。
別売りのソフトを購入して遊ぶ。
もともとはその端末のみで遊ぶオフラインゲームが主流であったが、近年ではネットにつなげて世界中のプレイヤ―と遊ぶオンライン方針にシフトしている。
オンラインゲーム
ネットにつなげて遊ぶゲームの総称。
近年オンラインの方針をとっているパッケージソフトゲームに加えて、steam等で発売されているPC版ゲームもこれに分類される。
スマートフォン向けゲーム
スマートフォンの普及とその手軽さから近年最も急速な勢いで発展しているゲームジャンル。
基本無料プレイだが、課金要素を設けることで大幅な利益を獲得している。
アーケードゲーム
ゲームセンターに設置しているタイプのゲーム。
近年ではゲームセンター自体が減少傾向にあり、それに伴ってアーケードゲームの販売数も減少しています。
このように一概にゲームとはいっても様々な種類があるのです。
つぎに、具体的な企業名も挙げながら業界の全体像を把握していきましょう。
ゲーム業界は大きく二種類に分類できます。
一つ目はソニー・任天堂がほとんどのシェアを占めるゲーム機器を製造・販売するハードウェアメーカー、二つ目はガンホーやスクエア・エニックスなどのソフトを制作・販売するソフトウェアメーカーです。
簡単に言うとハードウェアメーカーはゲームをする場所・環境を製造し、ソフトウェアメーカーはその環境下で遊べるゲームコンテンツを製造しているというわけです。
このようにハードウェアメーカーとソフトウェアメーカーが相互に作用しあうことでゲーム業界は成り立っているのです。
さらに、実はソフトウェアメーカーの仕事は販売に特化したパブリッシャー、ゲームの企画・製造に特化したデベロッパー、その両方を行う企業の三つに分類されます。
日本の大手ソフトウェアメーカーの多くは両方を行っています。
今挙げたすべてがゲーム業界の職業ということができるのです。非常に幅広いですね。
売り上げランキング
ここでは国内のソフトウェアメーカーの売り上げランキングを見ていきましょう。
ソフトウェアメーカーランキング
- 1位:ソニー ソニーは様々な事業に展開している言わずと知れている超大手企業です。圧倒的な売り上げを誇っています。
- 2位:任天堂 世界に誇る「スーパーマリオブラザーズシリーズ」などを生み出したメーカーです。こちらも就活生から非常に人気の企業です。
- 3位:バンダイナムコHD e-sportsにも正式採用されている「鉄拳シリーズ」を制作している会社です。ゲームセンターでよく見かける「太鼓の達人」もこの会社です。
- 4位:スクウェア・エニックス 「ファイナルファンタジーシリーズ」など世界的に有名な作品を世に出し続けています。社員の年収が業界で最も高いのが特徴的です。
- 5位:セガサミーHD 「ソニックシリーズ」を作っている会社です。ほかにもパチンコなど幅広く手掛けているのが特徴です。
- 6位:ネクソン 主にPCやモバイルゲームの開発及び配信している会社です。2004年頃から有料のタイトルを無料化して課金制を導入しました。代表作には「メイプルストーリー」などが挙げられます。
- 7位:ガンホー・オンライン・エンターテインメント 2012年にリリースした「パズル&ドラゴンズ」が大ヒットしました。その熱は現在でも収まることなく続いています。
- 8位:ディー・エヌ・エー プロ野球チームを持っていることでも有名な会社。2015年には任天堂と提携してゲームアプリ開発に力を入れると発表したことは話題になりました。
- 9位:コナミHD 「パワプロシリーズ」など息の長い作品を多く手掛けている会社。スマホゲームをアーケードゲーム化するなど革新的なことを続けています。
- 10位:コロプラ 「白猫プロジェクト」などのスマホゲームをメインに運営している会社。創業が2003年と最近だが、実力のある人気作を次々リリースしている。
志望動機
ゲーム業界を志望する際、面接に行く際に心がけておくべき志望動機は何があるのでしょうか。
ゲームが好き
ゲーム業界に就職するにあたって、ゲームが好きであるということは大前提です。
面接ではただゲームをすることが好きであるということをアピールするのではなく、ゲームの何が好きなのか・具体的にゲームを好きになったエピソードなどを話すようにしましょう。
しかしゲーム業界を志望する人間がゲームが好きなのはあまりにも当然のことなので、それしかアピールできないとなると厳しいかもしれません。
人を楽しませることが好きである
ゲームは娯楽の分類に入ります。つまり人を楽しませることが業界全体の方針になっています。
常に新しいことを考え、新たな流行を生み出していくことが必要なのです。最近ではVRなどが流行になり始めています。
今のゲーム業界の課題と将来性を持っている
これはどの業界にも言えることですが、現状に満足しているのはあまり好まれません。常に課題意識と未来への具体的なビジョンを持っていることが大切です。
例えば現在のゲーム業界での課題には「海外との嗜好の違い」「少子化」などが挙げられます。
これらの問題に対して皆さんはどう考えるでしょうか。面接の際にこれらの問題に対して考えを述べられるといいかも知れません。
業界のニュース3選
IOCがe-sportsを正式競技にするか検討を行う
IOC(国際オリンピック委員会)はe-sportsを正式にオリンピック競技にすることを検討すること発表しました。
近年では世界中でe-sportsは急速に発展しています。その流れを受けてIOCは五輪サミットにて検討を行う方針を固めたのでしょう。
しかし、仮にe-sportsが正式なオリンピック競技に認められたとしても日本はゲームに対するイメージがそこまで高くないことから、すぐに日本人選手が参加することは厳しいと考えられます。
そのゲームに対する悪いイメージなどを今後どうしていくか、どうやったらJOC(日本オリンピック委員会)に認められるかを考えていくことも課題になってくるでしょう。
日清食品がe-sportsを協賛
超大手食品メーカーである日清食品がe-sports事業への協賛をしていく方針を示しました。
即席ラーメンなどを製造・販売している日清食品はその調理の手軽さと速さからプロゲーマー達の生活にぴったりであるといいうイメージからこの協賛に乗り出したそうです。
これによって日本におけるe-sportsの知名度が上昇していくかもしれません。
中国がゲーム認可を再開
中国ではゲームに対して規制が加えられています。性的描写や暴力的描写があるゲームは一切中国内で発売できないようになっているのです。
それに加えて今年の3月から新作ゲーム発売への認可プロセスが完全に停止したこともあり、中国のゲーム業界は暗雲が立ち込めていました。
しかし、実に9か月もの沈黙を破って同年12月に認可プロセスが再開されました。これによってまた中国のゲーム市場が賑やかになっていくかもしれません。
年収ランキング
会社別年収ランキング
- 1位:スクウェア・エニックス・HD 1374万円
- 2位:バンダイナムコHD 938万円
- 3位:ソニー 859万円
- 4位:任天堂 839万円
- 5位:セガサミーHD 803万円
- 6位:コーエーテクモHD 757万円
- 7位:ディー・エヌ・エー 751万円
- 8位:グリー 747万円
- 9位:コナミHD 711万円
- 10位:ガンホー・オンライン・エンターテイメント 631万円
ちなみにコロプラは628万円で11位、ネクソンは539万円で16位という結果でした。
1位のスクウェア・エニックス・HDは非常に年収が高いことで有名です。ゲーム業界では間違いなくダントツでトップでしょう。
10位のガンホー・オンライン・エンターテイメントは「パズル&ドラゴンズ」の爆発的人気で年収も上がったと考えられます。
ホワイト企業3選
1位 ソニー
ソニーはPS4がかなりの人気を誇り、最近発売されたVRも売れていて給与面では申し分ありません。
それに加えて、社内の雰囲気が非常に自由で、社服などもなく私服で通勤できるのも魅力でしょう。意見発言の場も設けられているため、上下関係に縛られることなく仕事をすることができるそうです。
社内に診療所なども設けられていて、勤務中に診療を受けて薬を出してもらうことまでできるそうです。
特に突出した点があってホワイト企業認定されているのではなく、全体的に高評価を得ていることもソニーの素晴らしいところでしょう。
2位 任天堂
最近発売されたニンテンドースイッチも好評な任天堂が2位にランクインしています。
勤務時間も短く、残業代もきっちりと払わられる点において非常にホワイトです。休日出勤も新入社員でもほとんどないそうです。
さらには休憩を適度に取るように促してくれたりと、ストレスなく働く職場としては最高の環境でしょう。
3位 グリー
ブラウザゲームを中心に配信・販売しているグリーがランクインしています。
特にと特徴的なのは「手厚い福利厚生」です。チーム会食費や最新のスマートフォン購入費補助などが出るという点が若者から人気なようです。
ほかにも、出産・育児などで休暇を取るというのもしっかりと保証されているのも非常に魅力的です。
業界の現状と今後
現状
この画像をみてもらえればわかるとおりスマートフォンなどのオンラインゲームが急速に発展し、家庭用ゲームは徐々に縮小しているのが分かります。
スマートフォンの普及によって家庭用ゲーム機を買ってまでゲームをする人は減少してしまいました。
「わざわざ高いお金を出してまでゲーム機を買う必要性が感じられない。」「スマートフォンでゲームするからいいや。」という人が増えてしまっているのです。
これらを解決するために、かつてのゲームをリメイクすることで昔はゲームを買っていたけど最近買っていない人を再獲得しようとしたり、VRなどの革新的なものを生み出したりしています。
さらには反対に、任天堂がディー・エヌ・エーと提携を結んでスマホゲーム開発に力を入れると発表したように幅を広げるという対策を取っている会社もあります。
しかしスマホゲームはテレビゲームと違って課金してもらわないとお金は入ってこないわけですし、その手軽さゆえにすぐに人が離れていってしまうのも事実です。
このようにゲーム会社はどのような対策をとるべきか岐路に立たされているのです。
今後
今後のゲーム業界は、スマホゲーム開発に乗り出す会社やそのまま継続してテレビゲームを開発する会社が混線した激動する業界になっていくと思われます。
さらにすでに様々な商品が開発されていますが、VR・AR(拡張現実)・AIなどが大きな意義を持ってきそうです。それらの知識や強みを勉強しておく必要があるでしょう。
まとめ
- ゲーム業界の構造
- ゲーム業界売り上げランキング
- ゲーム業界の志望動機
- ゲーム業界のニュース3選
- ゲーム業界の年収ランキング
- ゲーム業界のホワイト企業3選
- ゲーム業界の現状と今後
これらを今回はご紹介しました。
ゲーム業界就職を目指す皆さんのお役に少しでも立てば幸いです。