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最終更新日 2023.10.13

業界研究

鉄道業界の実態を徹底解説

コロナ禍によるリモートワークの加速で、鉄道業界は大きな変革を必要とされている。

そのような状況下でも鉄道に憧れを持ち、鉄道に関わっていきたいという学生は多いだろう。

しかし昨今の鉄道業界はコロナの影響もあり、総合職の採用は減少の一途を辿っている。よって入念な就活準備を行い、業界の今後の展望を知ることが求められている。

この記事では、鉄道業界の今後の展望を紹介しながら、鉄道業界に就職するために必要なことを徹底分析していこうと思う。

業界の今後の展望を知り、あなたの就職活動が有利に動くことを願っている。

この記事を書いた人

竹内 健登

Kento Takeuchi

東京大学工学部卒。大手一流ホワイト企業の内定請負人。就活塾「ホワイトアカデミー」を創立・経営。これまで800人以上の就活をサポート。塾はホワイト企業内定率100%を誇り、ホワイト企業の内定が出なければ費用を全額返金する返金保証制度が好評。2019年に『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』(日経BP刊)を出版し、「親が子育ての集大成である"就活"に臨む際の必読書」、「これができれば本当に一流企業に内定できる」と話題。塾のYouTubeチャンネルではホワイトな業界の紹介や大手企業の倍率、ESの添削を公開するなど塾の就活ノウハウを一部紹介している。

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCm1vSnSBj7kksfi8GIBnu0g

鉄道業界のビジネスモデル

運輸事業

本来の収益源である定期や切符をいかに多く売るか、という視点で仕事をすることになる。そのため、イベント企画など単発的なものではなく、集客力のある建物や観光地との連携が大きなカギとなる。

雑収入

鉄道事業法のなかの分類としてほかには、雑収入として広告枠収入や家賃収入がある。

鉄道の運賃収入と雑収入に特化して見た場合、乗車券類の販売による駅での直接売上のほか、旅行代理店からも委託販売された売上がある。雑収入としては、売店の賃料や広告枠スペースの売上以外に、グッズ売上収入がある。

事業の多角化を進めている鉄道会社も多く、バス事業や不動産業、流通業からホテルまで幅広いビジネスを展開している。

以下では具体的な雑収入を3つ紹介していく。

①不動産事業


土地開発やマンションなど、不動産事業に力を入れている鉄道会社もある。

特に東急電鉄が力を入れていると言われており、阪急電鉄の事業モデルを東京に持ち込んだり、沿線の不動産開発とブランディング、レジャー事業を含めた多彩なポートフォリオで事業を展開している。

②クレジットカード事業


東京メトロの「To Me CARD」、西武鉄道の「SEIBU PRINCE CLUB」、東急電鉄の「TOKYU CARD」など、各鉄道会社がクレジットカードを発行している。

各企業が展開している店舗などはもちろん、ICカードと連動することで“鉄道を利用しながらポイントを貯めることができる。

③観光事業


鉄道会社は保有する在来線・新幹線、ホテル、商業施設の利用を促進するために観光事業も展開している。

鉄道会社の観光事業は在来線の沿線価値を向上させることを目的としているため、通常の旅行代理店と比べて地方の魅力をPRする旅行商品を扱う傾向が強い。

そのため、地方活性化や地方創生を就活の軸にしている学生には魅力的な仕事と言えるだろう。

鉄道業界の4つの形態

一言で鉄道業界と言ってもその種類は大きく分類して4つに分けることができる。鉄道業界に就職するためには、各鉄道会社の強みを分析した上で志望動機を書かなければならない。

ここでは、鉄道業界の4つのジャンルを紹介しよう。

JR

日本最大級の鉄道事業者で、日本を横断するほどの規模で運輸事業を行っている。もともと「日本国有鉄道」として鉄道インフラを支えていたが、赤字路線の増大によって1987年に分割民営化された。

具体的な企業としては、JRを代表する「JR東日本」「JR東海」「JR西日本」の他、「JR北海道」「JR四国」「JR九州」や、鉄道貨物輸送の大部分を担う「JR貨物」がある。

私鉄

私鉄
国からの支援を受けず、完全な民間資本で運営している鉄道会社だ。JRのように日本を横断するのではなく、地域を限定しているのが特徴だ。そのため、転勤がほぼないのが特徴である。

「東武鉄道」「西武鉄道」「小田急電鉄」「東急電鉄」などが私鉄を代表する企業となり、運輸以外にもショッピングモールやデパートなども展開している。

第3セクター

人口増加による新規インフラ整備区間を中心に、地域開発や都市づくりに向け、国や地方公共団体と民間企業とが協力して出資し設立された鉄道会社だ。

旧国鉄の赤字路線や、新幹線運行後のJR在来線で廃止された区間などが対象となる。具体的な鉄道としては、つくばエキスプレスやゆりかもめなどが挙げられる。

公営鉄道

公営鉄道
比較的人口の多い自治体や地方公営企業が経営主体となり、運営されている鉄道会社のこと。

例えば日暮里舎人ライナーは東京都交通局が運営している

主な職種

総合職

鉄道会社の中でも、現場ではなく本社での勤務を目指すのであれば、総合職での採用を目指す必要がある。

総合職で入社した場合でも、最初は駅という現場でさまざまな実務を経験するが、最終的には本社で勤務をするケースが多く、会社の経営、運営に携わることができる。

ただこれは採用枠もとても狭いことから、かなりの競争を勝ち抜き内定を掴み取らなければならない点に注意しよう。

また事実として、大手鉄道会社の総合職の内定者は有名大学出身の学生が多く、そのため総合職を目指すのであれば、一定以上の大学ブランドを手にする必要があるだろう。

現業職

公営鉄道
現業職は「プロフェッショナル採用」とも呼ばれ、運転士や車掌、駅員など、現場での仕事を担う。鉄道業界の仕事で、最も身近で憧れの対象となるのは運転士ではないだろうか。

もしあなたが運転士の仕事を目指すのであれば、現業職での採用を目指そう。

ただし運転士の仕事は、現業職の中でも上位の仕事である。

駅員としての仕事を全うし、およそ2年以上の実務経験を経たあとに各種試験に合格しなければならない。この試験をクリアして、ようやく乗務員としての仕事に携われるのだ。

その後は乗務員、車掌と経験を積みながら、最終的に運転士としての業務を担うことになる。

技術職

鉄道会社の中でも、車輌や施設の維持を担うのが技術職の仕事だ。

華形である運転士ではなく、こうした裏方で鉄道会社を支える技術職も非常に人気である。

車輌の保守・点検だけではなく、レールの保守管理などその職務範囲は多岐に渡り、時には深夜の勤務になることもあるが、それだけやりがいのある職種であるとも言える。

技術職に就くためには、専門知識が求められるため、電気や機械、土木などを専門に学んでおく必要がある。

また専門学校から技術職に採用され、入社後研修で基礎的な知識を身につけるという場合もある。

目指した鉄道会社の募集要項を、できるだけ早く調べておく必要がある。

鉄道業界の歴史

鉄道業界の今後の展望を分析する前に、現在の鉄道業界がいかにして成立していったのか、その歴史を簡単に紹介したいと思う。

国鉄の経営破綻

民間の鉄道会社が出現したきっかけは、昭和62年4月に国鉄が分割民営化され、JR各社が発足したことである。

国鉄の経営は、昭和39年に赤字に転じて以降、昭和46年度には償却前赤字となり、収支は悪化の一途をたどった。

昭和55年度以降は、毎年、国から数千億円の補助金等を受け入れた上で、なお1兆円以上の赤字を計上し続けた。

昭和61年度には、3.9兆円の収入に対して1.4兆円の赤字を計上し、長期債務は25.1兆円となるなど、実質的に経営破綻に陥っていた。

JRの発足

1987(昭和62)年4月1日、国鉄は解体され、JRなど12の承継法人が誕生した。

当時の中曽根康弘内閣は行政改革の一環として、国鉄、日本専売公社、日本電信電話公社の3公社を民営化するという方針を進めていた。

そして、国鉄はJR、日本専売公社は日本たばこ産業(JT)、日本電信電話公社はNTTへと変わっていったのである。

コロナ禍を経た鉄道業界の今後

ポストコロナにおける移動の変化

フィジカルディスタンスの確保の意識に加え、コロナ禍で多くの人がテレワーク勤務や時差出勤を経験することで混雑した公共交通機関の利用を抑制しているが、コロナ終息後でもこの傾向は続くと予測される。

三菱総合研究所の調査によると、コロナ終息後においても三大都市圏で65.5%、それ以外で53.7%の人が混雑した公共交通機関を利用したくないと回答している。この傾向は特に三大都市圏で顕著であり、通勤や買い物など移動目的に関わらず、混雑回避の傾向は根強く続く可能性がある。

各鉄道会社の異業種参入の加速

異業種参入
鉄道各社はコロナ禍の影響を受け、輸送以外のビジネスモデルを構築している。

例えば、JR東日本は、脱炭素を柱にした非鉄道事業を加速させている。再開発を進める高輪ゲートウェイ駅(東京・港)周辺に、2025年ごろまでに水素ステーションの増設を検討する。

風力発電や太陽光発電を設置した複合ビルを建設し、沿線全体を「脱炭素タウン」に仕立てる。今後の伸びが期待できない鉄道運輸収入に代わり、不動産事業を収益源として確保する。

この事例から分かる通り、鉄道会社では、鉄道事業に止まらず、不動産価値を上げるために脱炭素に対応したまちづくりに取り組む姿勢を見せている。

MaaSの進展

MaaSはMobility as a Service(モビリティ・アズ・ア・サービス)の略になり、一言で説明すると、鉄道やバスなどあらゆる交通手段を連携させ、出発地から目的地への移動をITで最適化し、サービスとして提供することでる。

現在でも乗り換え案内アプリなどのサービスはあるが、MaaSは決済サービスも備えており、宿泊先のホテルなどの決済もすることができ、インバウンドの観光客への対応としても期待されている。

そしてスマホの画面を使用し非接触で決算ができるため、「Withコロナの時代」における行動様式ともマッチしているのだ。

現在、東急、JR東日本、伊豆急行が共同で、伊豆内の観光施設や観光体験をワンストップの決済で提供するサービスや、ユーザーの現在位置を取得することで、観光情報やお得情報を通知するサービスを取り入れた「Izuko」の展開を実証実験として進行している。

国土交通省白書2020によると、MaaSの市場規模は2030年には約6兆円、2050年までには世界市場が約900兆円まで拡大すると予測されている。

就職するためにアピールすることと志望動機のコツ

ここでは鉄道業界の今後の展望を踏まえた上で、就職するためにアピールするべき3つの点と志望動機を作成するにあたって意識する2つのコツを紹介しよう。

アピールすること

①社会貢献性


鉄道は元々国有財産であった歴史から、社会貢献性の高い業界である。そのため、幅広く、他者のために何かをしたという経験は盛り込むべきである。

②チームワーク


鉄道を安全に運行するためには、業種を問わずにスムーズな連携を行う必要がある。そのため、円滑なコミュニケーションを取ることのできる人材は必要不可欠である。

③チャレンジ精神


前述した通り、鉄道業界はコロナの影響をダイレクトに受け、新たなビジネスモデルの展開に力を入れている。そのため、コロナ後の鉄道業界を担う学生には、道の領域に踏み込むチャレンジ精神が求められる。

志望動機のコツ

①他業界との差別化


不動産開発や観光業を展開しているため、デベロッパー志望者や旅行業界志望者も鉄道会社の選考を受けていることが多い。

そのため、面接官はなぜデベロッパーや旅行会社ではなく鉄道会社を志望しているのか尋ねてくる傾向にある。

沿線価値の向上という目的があるために、「点ではなく線での街づくりができる」、「地方創生により貢献できる」など他業界との違いを把握した上で志望動機を語れるようにしよう。

②入社後にやりたいことを明確化する


前述した通り、鉄道会社は事業の多角化が現在進行形で行われている。

鉄道会社によっては総合職採用ではなく職種別に採用を行っているところもあるので、鉄道会社に入ってから特に何に携わりたいと考えているのか明確にする必要がある。

上記の2点を踏まえて、実際に当塾の学生が作成した鉄道会社への志望動機を見てみよう。


多くの人のより良い生活を支え社会に貢献したいという思いがあります。

日本の大動脈である鉄道を運営して人々の生活や経済活動を支えている貴社であれば、私の思いと使命感を持って働けると考え、志望します。

私は大学の体育会航空部で、1人でも油断すると命に直結する活動の中で、安全と訓練効率の両立を考えて仲間と同じベクトルで強いチームワークを形成することにやりがいを感じました。

この経験から、運行に関わる全ての人と協力し合い、お客様を安全かつ定刻通りに目的地までお運びする貴社の運転士という仕事に魅力を感じました。


短い字数制限の中で、良くバランスの取れた志望動機となっている。

鉄道は誰しも一度は関わりのあるような業種のため、非常に身近な存在だが、その身近さは逆に言えば「誰でも」応募しやすいということも意味する。

他よりも抜きん出るために、よりロジカルかつ具体的な記述を心がけよう。

鉄道業界の売上ランキング

ここでは鉄道業界の売上ランキングを見てみよう。

  • 1位:JR東日本 24,055億円
  • 2位:近鉄グループHD 15,610億円
  • 3位:JR東海 14,002億円
  • 4位:JR西日本 13,955億円
  • 5位:阪急阪神HD 9,683億円
  • 6位:東急 9,312億円
  • 7位:東武鉄道 6,147億円
  • 8位:名古屋鉄道 5,515億円
  • 9位:西日本鉄道 4,946億円
  • 10位:西武HD 4,284億円

出典:業界動向サーチ

ランキングの結果は上記の通りである。やはり人口の多い地域はそれだけ人の流動性があり、結果鉄道会社の売上に繋がっていることがわかる。

業界の注目ニュース

就職活動の際には、業界の最新ニュースについて頭に入れておく必要がある。以下に業界のトレンドを表すニュースを2つ紹介する。

減便の理由は「運転士不足」鉄道も顕在化 「平日ダイヤ」維持できない事態も あえぐ地方私鉄


 2023年5月、長崎市で路面電車を運行する長崎電気軌道は、運転士不足や利用状況を踏まえ、ダイヤ改正で赤迫~市役所~蛍茶屋をむすぶ「3号系統」を減便しました。
 
 8月に入り、福井鉄道も運転士の負担軽減などを目的に、日中時間帯を中心に減便するほか、始発・終電の見直しも行うダイヤ改正を10月に実施すると発表。このダイヤ改正では、日中時間帯に運転されていた急行列車が廃止されるほか、始発列車の繰り下げ、最終列車の繰り上げも行われる予定です。
 
 また、高知市とその近郊を走る路面電車を運行する「とさでん交通」も、8月14日(月)~31日(木)までの間、乗務員不足により、平日に関しても土休日ダイヤで電車を運行しています。土休日ダイヤで運行する平日は、7~8時台に利用が多い区間で増発が実施されるものの、本数が多い「平日ダイヤ」が維持できなくなる深刻な状況になっています。


 鉄道ではこれまで、ダイヤ改正で減便となる場合、主に利用状況が要因としてあげられていましたが、最近ではこれに「乗務員不足」が加わるケースが増えてきました。
 
 今回のケースはいずれも地方私鉄ですが、JRや大手私鉄でも乗務員不足を見据え、自動運転に向けた実証実験やワンマン化の動きが相次いでいます。それが減便という形で利用者にも目に見えて示されるなか、乗務員の確保は業界全体の課題となっています。

引用:減便の理由は「運転士不足」鉄道も顕在化 「平日ダイヤ」維持できない事態も あえぐ地方私鉄

鉄道運賃に変動制、混雑時高く 国が制度設計へ


国土交通省は時間帯によって価格を変える「ダイナミックプライシング」の鉄道運賃への導入に向けた制度設計に入る。鉄道各社が運賃を変えやすくするための法改正などを検討する。

混雑時は高く、すいている時は安いといった運賃になれば、混雑の緩和や鉄道会社のコスト削減につながる。在宅勤務など働き方の変化で、鉄道事業も見直しを迫られている。

引用:鉄道運賃に変動制、混雑時高く 国が制度設計へ

上記のようなニュースがあるため、今、鉄道業界は変革の時ということができる。鉄道業界を目指すのであれば業界の今を意識し、徹底的な就活対策をする必要がある。

徹底的な業界分析を

以上が鉄道業界の現状と、今後の展望についてである。日本のインフラを直接支えているこの業界は非常にやりがいのある仕事ができる一方、倍率が高いため、入念な就活準備が必要である。

鉄道業界への就職を希望するが、一人での就活が不安な人はぜひ就活塾ホワイトアカデミーを頼って欲しい。ホワイトアカデミーでは鉄道業界への就職実績が豊富な社会人講師がマンツーマンで指導をしてくれる。

本気で鉄道業界に就職したい人は当スクール、ホワイトアカデミーの門を叩いてくれることを期待している。

当スクールの公式サイトはこちら

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