就活を始めると授業中やアルバイト中に企業から電話がかかって来ることがあり、最初はビックリしますよね。
社会人との電話での会話やマナーに悩む就活生も多いですが、この記事では、就活中に企業からかかってきた電話への折り返し方法やマナーを例文を交えて解説します。
数学検定1級保持者で東京大学工学部卒にもかかわらず、自身の就活に失敗し就職留年した経験から企業の人材戦略の道へ。
新卒の学生が一流企業に内定するための独自の方法論と、3年後離職率・OpenWorkでの評価・帝国データバンクの評点を用いた客観的視点から日夜ホワイト企業を研究。
研究内容を自社メディアで掲載したところ、就活生や親御様の間で話題となり、月間で35万PVを達成した。
現在も、塾生がカリキュラムを消化したものの、ホワイト企業の内定を1社も得られなければ授業料を全額返金という方針で、上位大学だけでなく、全国幅広い大学の学生の就活指導を行なっている。
「就職浪人からANAグループに内定した! 」「留年すれすれから日本IBMに内定! 」「指導を受けた次の日から大手企業の面接で落ちなくなった! 」など、喜びの声多数。
著書に「子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法」(日経BP社)がある。
目次
【超緊急用】電話折返しマニュアル
1.番号が通知されていれば、メモを取る準備をした上で18時になっていなければすぐに折返しでかけ直しましょう。
※17時〜20時でかかって来た電話は同日内にもう1度かかってくる可能性が高いので待ちましょう。
※既に18時を過ぎている場合は翌日の10時過ぎにかけ直しましょう。それ以外の時間にかけ直すと逆に迷惑です。
2.折り返す時には出てくれた方が「はい、(会社名)の(その人の名前)です」と言ってくれるはずなので、それを必ずメモ(大事)して
「失礼いたします。○○大学□□学部の△△と申します。お電話を頂いていたので折返しさせていただきました。電話を取ることができず申し訳ありませんでした。」と話して通話を開始しましょう。
3.ヘタクソな敬語よりも丁寧な言葉を意識して話しましょう。下手に尊敬語や謙譲語を使ってもボロがでるだけです。
以上の手順を守っていれば不快な対応にはなりませんが、折返しの電話までに時間がある場合はこの続きもしっかり読んでキッチリと電話対応ができるように備えましょう。
学生の受け応えは実質的な面接試験?
スマホにかかってくるのは基本的には親や友人からの電話ばかりで、登録されている相手の名前が表示されるので応答も雑になりがちですが、登録されていない番号からの電話には不信感を抱いてしまい、電話に出なかったり着信拒否をしたりする学生もいます。
しかし、企業の人事担当者は予告なく電話で連絡を入れてくることがあり、その際に電話に出なかったり着信拒否をしたりするとその後の就職活動に重大な影響を及ぼすことがあるので電話のマナーは必ず習得するようにしましょう。
学生にはどちらかというと苦手な電話ですが、短時間で要件を済ませることができ、相手の意思や感情までも確認できる便利なツールなので企業活動には欠かせません。
電話は話し方やマナーも即座に相手に伝わるため、社会人としての能力がはっきりと伝わるツールでもありますが、特に企業へ電話をかける場合は取り次いでもらう必要があるので複数の人達と適切に接する能力が求められます。
人事担当者は学生が基本的に電話応対が苦手だということを十分承知しているので電話対応を間違ったからといって直ちにその学生はダメだとは考えませんが、学生なのに思った以上に誠実な対応やスピーディーな対応が出来る人は好感を生みますし、折り返しが遅かったり失礼な応対をしたりするとどうしてもマイナスイメージが生まれます。
特に、最終選考では残った就活生達の評価が甲乙つけがたい場合も多く、そんな時は電話の応対などでの少しの差が明暗を分けます。
最終的には「あの学生は感じが良かったけど〇〇君は折り返しが遅かったなぁ」という人事担当者のイメージが採用の決め手にもなり得るということです。
「不審電話?」番号をチェックできるアプリ
あまりにも心当たりが無い電話の場合、折り返しの前にチェックすることも出来ます。
電話帳ナビというアプリを使うと約22億件の集計実績からオレオレ詐欺の疑いがある番号が判別できるので心配なら検討してみてもよいでしょう。
参考:電話帳ナビ-電話番号検索と着信拒否で電話のセキュリティを強化
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.telnavi.app.phone&hl=ja
なぜメールではなく電話なのか
企業が個人のスマホに連絡してくるのは次のスケジュールを急いで伝達するためです。
就活生が選考中の場合、次のステップに行く気があるか確認する必要がありますが、企業の人事担当者は募集広告から会場手配、選考、結果の連絡とタイムリーに次々とスケジュールをこなしていかなくてはならないので連絡はスピーディーに行いたいのです。
他にも内定を知らせる時も電話をかけてきますが、これには早く本人の意思を確認するという目的の他に、電話で連絡を入れた方が本人の喜びが大きいので辞退を防止しやすいといった狙いがあります。
正式な内定通知は後日郵送するものの他社へ行かせないためにひとまず電話で連絡するのです。
なお、学生としてはとても嬉しい内定の連絡ですが、大抵の場合は合格者には順位が付けられ、一番来て欲しい就活生から順に内定を知らせ、辞退されたら次の順位の学生に内定を出すようになっています。
すぐに折り返すのが基本
メールではなく携帯電話にかけているということは基本的に急ぎの用件なので、すぐに折り返しましょう(夜8時を過ぎていれば翌日にかけ直しましょう)。
最近はオレオレ詐欺のような迷惑電話も多いため電話帳に載っていない着信に怖がるのも分かりますが、かけ直して不審な相手だっらその後着信拒否すればよいので基本的には相手のことを考えてスピーディーに折り返すのが社会人の常識です。
企業側からの電話着信に対して折り返さないと直ちに不合格になるわけではありませんが、印象は悪くなるでしょう。
メールでのやり取りが出来ていれば説明会や選考に残ることは出来ますが、人事担当者も急な日程変更などを真っ先に伝えなくてはと思い連絡している場合が多いので、そんな思いとは裏腹に着信があっても一切反応しない学生がいたとしたら嫌な気持ちにもなるでしょう。
折り返す前の5つの準備
①留守録の内容を確認
着信があってもすぐに折り返さず、まずは留守録が無かったか確認しましょう。
留守録があった場合は録音内容をメモしてある程度の答えまで用意した上で電話を折り返せば「仕事が出来そう」というイメージを与えられますが、留守録の内容も確認せずに連絡して「どんなご用件でしょうか?」などと反応するとレベルの低い就活生だと思われます。
なお、留守録に「折り返しは不要」と録音されているのにかけ直すと「話を聞かない人だ」というイメージを与えかねないので待ったほうが無難ですが、数日経っても電話もメールも無い場合は連絡をしましょう。
②時間帯や曜日を考える
始業直後の9時〜10時は朝礼が実施されており、全員が集まって各部署のスケジュールを確認しているので基本的に電話には出られません。
また、終業前の17時〜18時は退社時間までに仕事を終わらせるために仕事を急いで片付けたり明日以降のスケジュール確認や上司への報告をしたりするので電話には出にくいです。
この他、12時〜13時のお昼の休憩時間は食事を取ってほっと一息ついている時間帯なので緊急でない限り避けるようにしましょう。
なお、平日に入った電話に土日や祝日に折り返すのはマナー違反ですが、業界や企業によっては土日出勤で平日が休みの場合もあるので、企業研究ではこの辺りもチェックしておきましょう。
土日や祝日に電話がかかってきた場合は相手も仕事中なのですぐに折り返して構いません。
③電波や充電残量をチェックする
せっかく電話しても伝わりづらい状況だと相手も不快な気持ちになるので、折り返す前には電波状況を必ず確認しましょう。
かける時は電波状態が良くても移動したりエレベータに入ったりすると一気に電波状態が悪くなる場合があるので注意が必要です。
また、充電残量を確認しておくことも大切ですが、緊急の場合には電池式充電器が重宝するので常に持ち歩きましょう。
④場所を考える
相手の話が聞き取りにくくなったり自分の声が伝わりにくくなったりしないようにするため、人混みや交通量の多い場所は避け、ビルの中やコンビニエンスストアのイートインコーナー、静かな公園のベンチなどで電話を折り返すようにしましょう。
⑤メモ帳とスケジュール帳を準備
電話をかけた後にスケジュール帳を広げたのでは先方を電話口で待たせることになり失礼に当たるので、電話を折り返す前に筆記用具やメモ用紙、スケジュール帳を手元に用意し、予定を見ながら日程調整して次の選考スケジュールを書き留めるようにしましょう。
スケジュールはスマホでも記録できますが、企業訪問や説明会の場で相手の目の前で携帯電話を操作しながら予定を記録するのは失礼に当たるのでスケジュール帳は必須です。
スケジュール帳は日別、時間帯別にスケジュールが書き込めるものを選びましょう。
企業毎の電話折り返し策を考えるタイミングも必要?
インターネットで電話番号を検索すると企業名が出てくるので、不在着信の履歴を元にどの企業からの電話なのかを調べて対応方法を決めることも出来ます。
最近の就活生は多くの企業にエントリーする傾向にあるので多くの企業から電話がかかってきますが、軽い気持ちでエントリーしたもののあまり乗り気でない企業の説明会や選考試験に参加したくない場合もありますよね。
参加したくないのに電話で強い勧誘などを受けて仕方なく参加すると貴重な時間を潰してしまうことにもなりかねないので、そんな時は「色々考えましたが、今回は辞退させていただこうと思います。」と大人の対応をしてきちんとお断りしましょう。
もしかすると今後その企業に興味を持ち再度チャレンジする時が来るかもしれないので、そのことも考えてきちんとした対応で好印象を残しておきましょう。
通話の流れと相手が出ない場合の対処法
以下の例文に沿って話していくとスムーズに内容が伝わります。
1.先ず挨拶し、自分のことを名乗る
「こんにちは、○○大学○○学部の△△と申します。」
電話は声だけのコミュニケーションなので、明るくハキハキと話すことで第一印象が良くなります。
2.相手を呼び出す
携帯電話の場合は基本的に本人が出ますが、固定電話の場合は会社に繋がることが多いので本人がすぐ出ることはあまりないので相手を呼び出す必要があります。
相手が分かっている場合
「○○部の△△様はいらっしゃいますでしょうか?」
相手が分かっていない場合
「先ほどそちらからお電話をいただきましたので折り返しご連絡いたしました。ご担当の方はいらっしゃいますでしょうか?」
ほとんどの場合、相手も用件を分かっているのでスムーズに繋いでくれますが、担当部署がはっきりしていない場合は「ご用件は?」などと聞かれる場合もあるので、その際は「採用試験のことで」などと改めて目的を伝えることで先方は担当者に繋いでくれます。
3.相手が出たら再び名乗る
「こんにちは、○○大学○○学部の△△と申します。」
担当者へ電話を繋ぐ際にはっきりと氏名まで伝えてくれていない場合もあるので、改めてハキハキと名乗りましょう。
4.電話に出なかったことのお詫び
「先ほどお電話をいただきましたが、出ることが出来ず失礼いたしました。」
電話に出られない状況は色々ありますが、出られなかった理由をわざわざ言う必要はありません。
まず相手に詫びることで好感度が上がります。
5.用件を聞く
大学名と氏名を名乗った段階で人事担当者から用件を話してくれますが、もし相手が分からないという態度を取った場合には「採用の件で」と改めて述べましょう。
また、要件の内容は聞き漏らさないように必ずメモを取り、用件を聞き終わったらいつ、どこで、何をを明確にして内容を復唱しながら確認しましょう。
「○月○日△△時から○○ビル△階で面接試験ですね。承知いたしました。」
復唱することで間違いを防止するだけでなくデキる就活生という印象を与えます。
6.お礼を言う
「本日はありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。」
心を込めて丁寧に締めくくることで志望度の強さも伝えられます。
7.電話を切る
一般的にビジネスの場面ではかけた側が切るのが常識ですが、電話を切る際は音を立てないように静かに切りましょう。
特に固定電話の場合は受話器をガチャッと乱暴に置くと嫌な印象が相手に残るので必ずフックを押して切るようにしましょう。
相手が出ない場合
折り返し電話をかけても相手が出ない場合は留守録に以下のメッセージを残しましょう。
「こんにちは、○○大学○○学部の△△と申します。お電話いただいていたようでしたので、ご連絡差し上げました。」
留守録には記録時間に制限がありますし、詳しい内容は電話が繋がったときに聞けばよいので簡潔に要点だけを述べましょう。
また、相手が出ないからといってしつこくかけるのは止めましょう。
特に携帯電話には着信履歴が残っているので一度かけ直して相手が出なかった場合はしばらく待ちましょう。
電話が途中で切れてしまったら
携帯電話は電波状況が不安定なので通話が切れてしまうことがありますが、その際は電波状況を再確認してすぐに折り返すことが大切です。
「すみません。電話が切れてしまったみたいで。」
「申し訳ありません。電話が切れてしまって。」
とまずはこちらからお詫びすると謙虚な言動が好印象を生み、やり取りが前に進ます。
相手が不在だった場合の対処法
会社番号の場合、先方は出掛けていて不在のことも多いですが、そのまま切っても同じことの繰り返しになるおそれがあります。
人事担当者が多忙を極めている場合も多く、「いつかけても出ない!」だけでは就活は前に進みませんので、以下のように対処して相手からの連絡を貰いやすくするのも折り返し連絡のコツです。
1.企業の対応
「あいにく○○は外出しておりますが。」
2.帰社時間の問い合わせ
「何時頃お戻りでしょうか?」
と聞いて再度かけるタイミングを考えましょう。
3.伝言の依頼(電話したこと)
「○○大学○○学部の△△からお電話差し上げたことをお伝えください。」
と伝言しておくと相手の都合の良い時間帯に再度電話をくれることもあります。
また、先方からの留守電に返事をするだけの場合などは、電話対応してくれた人に伝言をお願いすることも出来ます。
このとき、電話応対をしてくれた人の名前を記録しておくと、後々、「××さんに、ご連絡したのですが」と言えるのでパーフェクトです。
4.伝言の依頼(具体的に伝言)
「面接場所変更の件、承知いたしましたとお伝えください。」
「履歴書持参の件、承知いたしましたとお伝えください。」
どうしても繋がらない場合
相手が忙しかったり移動中であったりすると何度かけても繋がらないこともありますが、その際はメールで連絡を入れておくのも1つの手です。
何度も相手に着信履歴が残ると相手にもプレッシャーになるので以下のようなメール文を送ると良いでしょう。
「○○株式会社 ○○部 ○○様
こんにちは、○○大学○○学部の○○と申します。
お電話いただいていたようでしたので、ご連絡差し上げました。
お手数ですが、ご連絡いただけますと幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。」
なお、緊急の場合で企業の人事担当者の携帯電話が繋がらないときは、その担当者の所属部署に以下のように連絡を入れましょう。
1.先ず挨拶し、自分のことを名乗る
「こんにちは、○○大学○○学部の○○と申します。」
2.相手を呼び出す
「○○部の○○様はいらっしゃいますでしょうか?」
相手がいた場合
「先日は、お電話いただきまして、ありがとうございます。あいにく電話に出ることが出来ず申し訳ありませんでした。何度か携帯電話にご連絡差し上げたのですが、繋がらなかったため、こちらの方にかけさせていただきました。」
相手が不在の場合
「恐れ入りますが、○○大学○○学部の○○までお電話いただきますようお伝えください。電話番号は××です。よろしくお願いいたします。」
と伝言し、伝言を引き受けてくれた人の名前を記録しておきましょう。
きちんとした電話応対を覚えよう
就活での電話の折り返し方について解説してきましたが、そもそも社会人と電話で話すことがあまりない学生にはハードルの高いマナーでしょう。
ましてや相手の顔が見えない状態で自分の運命を変えるかもしれない会社の人事担当と会話するわけですからかなり緊張もするでしょうが、対応方法次第では相手に好印象を与え選考に良い影響を及ぼすので、ぜひ積極的にこの記事の内容に取り組んでみてください。
たとえ敬語が上手く使えなくても素早く一生懸命に対応すれば、相手には一生懸命にやっているという誠意が伝わるものです。
電話応対のマナーは社会人になれば出来て当たり前の身だしなみのようなものなので、就活を機に相手の状況を考えた電話対応を実践し、カッコいいビジネスパーソンになっていきましょう。