総合商社は、三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅、双日、豊田通商の7社を指す。総合商社という業態は日本独自の業態と言われている。
この総合商社という名前になる以前は、戦前の三井物産においては自社のことを社内で “問屋的百貨業” と称していたし、 丸紅は1951年第1回増資の目論見書にて “ゼネラルマーチャント” と称していた。
要するに、
海外などから商品を安く仕入れ、国内の企業に高く売るという商売の基本を忠実にこなす商人の集まりだったということだ。これについて、伊藤忠商事が第1回増資の目論見書にて、「総合商社」という名称を用いたことからこの名前が定着した。
なお、総合商社のうち三菱商事・三井物産・住友商事・双日(のうち日商岩井)は財閥を母体とする会社であり、丸紅・双日(のうちニチメン)・豊田通商は繊維商社(関西五綿)を源流としている会社である。
さて、それぞれの会社が強い領域(主に仕入れている商品)は以下の通りである。
三菱商事 三菱商事は、日本最大級の総合商社であり、資源・非資源の両分野においてバランスの取れた事業ポートフォリオを有している企業である。
2026年3月期の連結純利益見通しは約7,000億円規模とされており、資源価格の落ち着きにより前期比減益予想ではあるものの、依然として高水準の利益規模を維持している。
主力分野は以下の通りである。
- 原料炭・LNGなどの資源開発
- 食品流通・コンビニ事業への出資
- 再生可能エネルギー投資
- インフラ・モビリティ事業
資源依存度を徐々に下げ、非資源分野を強化する経営戦略が進行中であり、「総合力No.1」と評される理由はこの安定性と分散構造にある。
三井物産 三井物産は、鉄鉱石・石油・LNGなどの資源・エネルギー分野において強みを持つ商社である。
2026年3月期の純利益見通しは約7,700億円規模とされ、商社内でも上位水準の利益規模である。加えて配当利回りも高水準であり、株主還元姿勢も明確である。
特徴は以下の通りである。
- 豪州鉄鉱石権益など大型資源投資
- LNGプロジェクトへの積極参画
- 高水準の株主還元政策
- 若手に裁量を与える企業風土
資源価格の影響を受けやすい側面はあるが、投資案件の規模と質の高さが競争力の源泉である。
住友商事 住友商事は、非資源分野に強みを持つ総合商社である。
2026年3月期純利益は約5,700億円規模と見込まれている。
主な事業領域は以下の通りである。
- メディア・通信事業
- 都市開発・不動産
- 自動車・輸送機関連
- IT・DX関連事業
特にDX関連投資やIT分野強化を進めており、今後の成長ドライバーとして期待されている。生活密着型事業とインフラ事業の両立が特徴である。
伊藤忠商事 伊藤忠商事は、非資源分野に強みを持つ商社である。
2026年3月期の純利益見通しは約9,000億円規模とされ、商社内で最上位水準に位置する見込みである。
主力分野は以下の通りである。
- 食料事業(穀物・食品流通)
- 住生活関連事業
- 情報・金融サービス
- ブランドビジネス
資源依存度が相対的に低く、安定的な収益構造を築いている点が強みである。AI活用やデータ活用も推進しており、効率経営を重視している。
丸紅 双日は、航空機関連事業および新興国ビジネスに強みを持つ商社である。
主力事業は以下の通りである。
- 穀物・アグリビジネス
- 海外発電事業
- インフラ投資
- 再生可能エネルギー分野
ASEAN市場を中心とする成長市場での展開が収益の柱であり、専門分野特化型商社としての側面が強い。
双日 双日は、航空機関連事業および新興国ビジネスに強みを持つ商社である。
主力事業は以下の通りである。
- 航空機リース・販売
- 海外自動車事業
- 東南アジア肥料事業
ASEAN市場を中心とする成長市場での展開が収益の柱であり、専門分野特化型商社としての側面が強い。
豊田通商 豊田通商は、トヨタグループ中核の商社である。
主力は自動車関連事業であり、
が収益の柱である。
近年は再生可能エネルギー、アフリカ事業、生活産業分野にも注力しており、自動車依存からの分散を進めている。