学生時代頑張ったことが無くても大丈夫!就活の鬼門“ガクチカ”攻略法【例文付き】

就活生なら誰もが経験するであろう「学生時代頑張ったこと」通称“ガクチカ”。

「学生時代頑張ったことなんて無いよ…」という人もかなりいらっしゃるかと思います。

実際私も就活を始めたばかりの頃は同じことを考えていました。

しがない文系学部に平凡な研究室、部活とバイトに明け暮れるだけの普通の大学生だったからです。

心配で大手経営コンサルティング会社に内定した先輩に相談したところ、「大事なのはエピソードそのものでは無いよ。”見せ方”なんだ。」と教わりました。

今回は、私が教わった、内定を呼ぶ「学生時代頑張ったこと」の書き方と例文集、さらに面接での上手な伝え方までまとめました。

「学生時代頑張ったこと」が無くて悩んでいる人も面接で躓いている人もぜひ読んでください。

この記事を書いた人:Eri

「ホワイト企業への道」のライター。
ウェディングの会社、ブランディング会社やWEB制作会社で勤務後、フリーのライターとして現在活動中。ウェディングの仕事をしている最中、現場の社員が煩雑な仕事を仕組みや論理で鮮やかに解決する場面に遭遇してから、「共に頑張る仲間が使いやすいシステムを作る」ことがテーマ。問題解決や分析を得意とし、コンサルティング会社の仕事にも関わりながら、若者に向けたロジカルシンキングなどの勉強会も開催している。

なぜ面接で質問するのか

面接官の質問には全て意図があります。まずはどんな意図で質問されているのかを知りましょう。

エントリーシートでは見えない部分を見る

「学生時代頑張ったこと」という質問はエントリーシートの定番質問でもありますが、面接で改めて聞かれることが多いです。なぜならエントリーシートでは見えない”人柄”と”可能性”を知りたいからなのです。

リクナビ就職白書によると、企業が重視しているポイントは

  • 1位「人柄」
  • 2位「企業への熱意」
  • 3位「今後の可能性」

だそうです。

つまり、実績や結果以上にその人がどんな人物なのかを知りたいのです。

限られた文字数で書くエントリーシートには書ききれないあなたの行動の根底にある思い、背景の部分を見抜くための面接なのです。

コンピテンシー面接の普及

近頃話題の”コンピテンシー面接”とは何でしょう。まずはコンピテンシーという言葉の意味をコトバンクで調べてみました。

アメリカの人事評価の考え方で「成果を生む望ましい行動特性」のこと。米国防総省(ペンタゴン)が組織のチーム編成をする際に採用し、90年代半ばから企業に広まった。部署やポストごとに成績優秀な社員の行動を分析し、その特性を明らかにし、人事評価、採用などの基準とする手法。実績や成果などの数値にとらわれず、人材が持つ潜在能力を評価する基準として利用される。日本企業ではコンピテンシーを利用して職能資格制度の再設計に乗り出す企業も出てきたが、生みの親のアメリカでは限界を指摘する声も出てきている。

(出典:コトバンクhttps://kotobank.jp/word/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%86%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%BC-3550

つまり、コンピテンシー面接とはこの「成果を生む望ましい行動特性」を利用した面接ということになります。

具体的にいえば、既に社内で成果を生んでいる人間の行動特性を分析し、それを元に面接している学生の行動特性を導き出してマッチングを図るということです。

面接であらゆる角度から深堀されるのはこの、コンピテンシー面接のためです。

基準がある程度明確ですから面接する側も採用しやすいわけです。

コンピテンシー面接の特徴は、「なぜその行動をとったのか。」と背景・動機を深堀していき、行動特性を導き出すことです。

「学生時代頑張ったこと」は過去のエピソードですから、深堀していくのに最適です。

企業が好んでこの質問をするのも納得です。

内定を呼ぶ黄金の型

企業がこの質問をする意図を理解したところで対策をしていきましょう。

冒頭で、大切なのは内容ではなく”見せ方”であるというお話しをしました。

面接で効果的な見せ方をするためにまずはエントリーシートで「学生時代頑張ったこと」を上手く伝える必要があります。

エントリーシートにおける書き方

実は上手く伝わる文章には黄金の型があります。

私のOpenESの文章を要素分解しながらその型をお伝えします。人材系企業の方から「これなら通る。」とお墨付きをいただいたので参考にしてください。

2016年5月に自ら代表を務め、学生向けのイベントを主催し、115名の学生を集めました。「愛なき力は暴力であるが、力なき愛は無力である」というメインメッセージを伝えたい、という想いで2ヶ月前に開催を決めたのですが、私自身代表を務めるなど初めての経験で、上手くいかないことばかりでした。信頼できる先輩に、「100人規模のイベントにしたい。」と相談したところ、「今の進み具合だと厳しい。」と言われました。私は目標を下げる気はなく、先輩から受けた「運営メンバーに毎日メッセージする。」という助言を実行しました。当初、運営メンバーは11人と100人規模のイベント開催には厳しい人数でした。そのため、「4月18日までに30人集める」という目標を掲げ、皆に協力をお願いしました。結果、31人の仲間が集まってくれました。また、集客も逆算表を作成し、皆が目標を意識しやすくしました。そして参加者満足度85.2%という結果を出せました。(409文字)

それでは構成を要素分解していきます。

2016年5月に自ら代表を務め、学生向けのイベントを主催し、115名の学生を集めました。

最初に結論から、というのは基本です。なるべく簡潔に具体的に数値データを用いて書きましょう。

ただし、定量的でなければいけないというわけではありません。

「いつ・どこで・誰が・何を・どのようにした」という5W1Hが押さえられていれば完璧です。

「愛なき力は暴力であるが、力なき愛は無力である」というメインメッセージを伝えたい、という想いで2ヶ月前に開催を決めたのですが、私自身代表を務めるなど初めての経験で、上手くいかないことばかりでした。

冒頭の行動をするに至った動機・背景を書きましょう。想いの部分ですから他人に向けられたものですと貢献の姿勢が感じられて好印象です。最後はさりげなく次に繋げています。

信頼できる先輩に、「100人規模のイベントにしたい。」と相談したところ、「今の進み具合だと厳しい。」と言われました。私は目標を下げる気はなく、先輩から受けた「運営メンバーに毎日メッセージする。」という助言を実行しました。当初、運営メンバーは11人と100人規模のイベント開催には厳しい人数でした。そのため、「4月18日までに30人集める」という目標を掲げ、皆に協力をお願いしました。結果、31人の仲間が集まってくれました。また、集客も逆算表を作成し、皆が目標を意識しやすくしました。

頑張った過程には大変なことや失敗もあったでしょう。

ここもしっかりと書くことが重要です。また、自分が何を意図してどのような行動をしたかを書きましょう。

そして参加者満足度85.2%という結果を出せました。

最終的な成果です。

まとめると

  1. 結論
  2. 動機・背景
  3. 具体的に何をしたか
  4. 困難・大変だったこと
  5. 成果・結果

ということです。この型に沿って書くことで、非常に伝わりやすい文章になります。

面接ではエピソードを深堀される

エントリーシートでは先ほどの型で十分ですが、面接ではあなたという人間をより深堀されます。

それではどのような点が深堀されやすいのでしょうか。よくある質問への対策をまとめました。

  • 動機・背景(なぜそれをすることになったのか、なぜやろうと思ったのか)
  • 困難だったこと、大変だったことをより具体的にする
  • 同じような困難を乗り越えた他のエピソードを洗い出す

コンピテンシー面接の基本は行動特性を見ることですから、基本的に行動の背景にある思いや考え方を探ります。

内容を具体的にすることでどのような環境下で力を発揮しやすいかを見ることが出来ます。

さらに自社でも同じように力を発揮してくれるかどうかという再現性を見るため、同じような強みを発揮した別のエピソードを聞かれることもあります。

一般的な面接ではここまで深堀されるとは限りませんが、コンピテンシー面接対策をしておくとあらゆる質問に答えやすくなるのでぜひやってみてください。

初期は複数パターン用意しよう

出来れば、違うタイプのエピソードを複数パターン用意しておくと良いでしょう。

先ほど話したように、再現性を表す根拠として必要です。

もう一つ、これはテクニックになりますが面接官や企業に合わせてエピソードを適したものに変えていくと、より相手に響きやすくなります。

理想としては、学業、部活、アルバイト、その他と4パターン用意しておくと、あらゆる相手に対応できます。

使えるパターン別例文集

ここではパターン別に「学生時代頑張ったこと」の良い例文集を掲載します。

学業編

TOEFL-ITPの点数を450点から513点に上げたことです。私が希望する海外研修に参加するためにはTOEFL-ITPで500点以上取らなければなりませんでした。当時は450点です。点数向上のため毎日のように勉強したものの、3回受けて475点止まりでさすがに折れそうになりました。そこで毎日放課後自習室に篭って22時まで勉強し、英単語を毎日5個覚えるようにしました。結果、4回目にして513点でようやく合格することができました。上級英語クラスに行き、海外研修に参加して英会話を学ぶこともできました。(250字)

部活・サークル編

テニスサークルにおいて、団体戦に向けた練習への全員参加を促す取り組みです。全員で一致団結し団体戦で勝ちたいという強い思いがありましたが、後輩はなかなかその思いについてきてくれませんでした。そこで全員参加を促すために一人一人に大会に向けての思いを伝えたり、初心者向け練習メニューを考えたりしました。すると、当初は練習に参加することに消極的だったメンバーが、サークルに主体的に参加し、テニスに一生懸命に打ち込んでくれるようになりました。その結果、全員が試合に出場した上で団体戦3位という成績を残すことができました。(255字)

私は所属するテニスサークルで、初心者ながら「レギュラーになる」ことを目指しました。初心者として、皆と同じ様に練習をしていても上級者を追い抜くことはできないと考え、「課題の発見→確認→克服」というサイクルを徹底して行いました。また全体の練習以外に週3回以上コートを取り、実践経験を積むことにも努めました。これらを2年間続けた結果、経験者が多い中で50人中のレギュラー10人に入ることができました。(197字)

アルバイト

コーヒーショップでアルバイトしているときに売上票を作成したことです。売上票をつけていた時に使い勝手の悪さに気付き、皆がやりやすいようにしたいと思ったのがきっかけです。商品変更にも対応できるよう、データの作成を工夫しました。初めは全て自分でやらなければならず大変でしたが、アルバイトの人たちは「使いやすい!」と喜んでくれました。やがて、皆が簡単に変更出来る仕組みを作り、自分の退職後も使える形に残したことで店長からも感謝されました。(215字)

ガクチカがない人へ

「学生時代頑張ったことがない!」と言っていても始まりません。

そうなったら選択肢は2つです。

自分のやってきたことを見つめ直す

学生時代頑張ったことがない、というのはほとんどの場合思い込みです。

派手な経験や、成功例でなくてはいけないと思い込んでいるだけです。

あなたの中に眠っている経験を引き出す方法としてモチベーショングラフというものがあります。

縦軸に人生の充実度、横軸に年齢をとって、過去の充実度をグラフにして可視化するのです。

グラフで充実度が高いときにあったイベントにはあなたが頑張ったことが隠れていることが多いです。

充実したということは何かを成し遂げたり頑張った証だからです。

モチベーショングラフは自己分析にも使えるのでぜひやってみてください。

無いならインターンで作る!

「そうは言っても頑張ってきたことなんて何も無いです…。」

そんな人に朗報です。無いなら作りましょう。幸い、最近はインターンシップが豊富にあります。

今までの自分は頑張ってこなかった…と嘆くのであれば今から頑張ればいいのです。

お勧めなのは長期のインターンシップです。ある程度コミットした方がスキルになりやすいからです。

「そうは言っても時間が無い…。」という人は、時間が無いほどコミットしている時点で頑張った経験があるはずです。自分がコミットしているものを見つめ直しましょう。

もちろんインターンだけでなく、バイトを頑張ってみる、サークルを頑張ってみる、海外研修に行ってみるなど、何かにチャレンジすることでも作れます。

上手に伝えるポイント

ここまでで内容をしっかり固めてきました。

いよいよ面接です。

ポイントを押さえて上手に伝えましょう。

  • 結論から話す
  • 結果より過程を大切にする
  • 内容は論理的に、話し方は感情的に
  • 誰にでも分かる言葉を使う
  • 具体的な言葉を使う

今までの内容から分かる通り、大事なのはどんな成果を出したかではなく何を思い、どんな行動をしてきたかという過程です。

OB訪問で求める人物像を研究しよう

コンピテンシー面接のところでお話した通り、企業が見ているのは自社が求める人柄かどうか、というのが大きいです。

それでは企業の求める人物像を知る方法はあるのでしょうか。

その方法の一つがOB訪問です。

その会社で働く人の行動特性を分析しているのですから、実際にその企業で働いている人に合って、人柄を深堀すれば良いのです。

その人が何を思い、どんな行動をしているかを聞くことで、人柄を見ることが出来ます。

「どんな人が多いですか。」といった質問も有効です。

※相手が面接されているような感じで不快にならないように注意しましょう。

よくある勘違い

ガクチカ=自己PR

これはある意味正しいのですが、「学生時代頑張ったこと」を聞かれた時に自分のPRばかり考えるのはあまり印象が良くありません。

あくまで見たいのは「何を思い、どんな行動をしたか」ということです。

過程を大切にし、実績アピールにならないように気をつけましょう。

過程は感情を込めて、実績はさらっと言うくらいでちょうどいいです。

結果を良く見せるために盛った方が良い

嘘は絶対にいけません。少しでも不自然であったり、辻褄が合わない点があると、面接官に伝わるものです。

また、下手に盛ると入社後にそのギャップに苦しむことになります。

また、結果だけ良く見せても「何を思い、どう行動したか」が重要なので、意味がないのです。

下手に盛るよりも、今ある事実をより魅力的に伝える方法を考えましょう。

インターンシップのエントリーシートには凄い実績が必要

これも再三言っているように、はっきり言って要りません。

特にインターンシップに関しては、時には実績が邪魔とさえ言えるかもしれません。

企業側がインターン生に求めるのは「とにかくなんでも頑張ります!」といった可愛げです。

これは私が採用担当者になってみて分かったことです。

インターンシップに来る学生は実績がなくて当たり前なのです。下手に背伸びや良く見せることなく、「何も分からないので教えてください。精一杯頑張ります。」くらいのつもりで熱意を伝えましょう。

大切なのは見せ方

「学生時代頑張ったこと」についてまとめてきました。

繰り返すようですが、大切なのは見せ方です。

あなたという人柄を精一杯伝えることです。

あなたに「学生時代頑張ったこと」が無いなんてことはありません。

生きているということは何かしらやってきています。

皆頑張っています。

生き様そのままが魅力的に伝わるように伝えていきましょう。

ちなみに、魅力的なアピール方法を習得するには就活スクールを活用することがお勧めです!

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これを読んだあなたの就活成功を心から願っています。