転職を成功させるには色々な方法がありますが、最終的な面接が終わった後は神頼みでしょうか?
実は就職試験を合格に導く最後の一手が残っています。
「お礼状を送る」という方法です。
中途採用の社員に対して、一般的に会社は即戦力としての能力を求めます。
そのため、採用には慎重です。あらゆる角度から応募者を見ています。
その分、転職者もあらゆる角度から自分をPRすべきですね。
しかし、実際果たしてお礼状というのは意味があるのでしょうか?
今回はそのお礼状の意味や方法、具体的な例文を紹介していきます。
編集長の白河を筆頭に、「人材紹介会社や大学のキャリアセンターでは教えてくれない、就職活動の本当の情報」を書いていくライター集団。
人材紹介会社の不都合な真実を暴き、就活生・転職者のために役に立つ情報だけを徹底的に公開していく。
目次
お礼状は必要? 有効?
そもそも就職試験でお礼状を送ることが、なぜ試験の結果に有効なのでしょうか?それは、採用側の活動や心理状態を考えてみると分かります。
人事担当者や面接官は、通常、複数の人数で面接にあたります。面接の後、予め決めておいた評価表や、話し合いをもとに合否を決めていきます。
新卒の一次面接の場合、多くの対象者がいますので、即座に点数を出して採否を決めていかなくてはなりません。
次から次に面接をこなしていかないといけないため、後でじっくり検討することが出来ません。
そういった新卒のようなケースでは、お礼状は担当者の結論が出た後に届くため、あまり意味がありません。
しかし、転職の面接の場合は一人一人の個別面接が多く、数日間にわたって複数の人に会い、比較検討して合否を出します。
面接の度に一旦その人の評価を集計することはしたとしても、最終的な結論はすぐには出しません。
つまり、面接後にお礼状を出した場合、合否が出る前に担当者の手元に届く可能性が高いわけです。
そのため、転職の場合、お礼状が効果を発揮するチャンスがあります。
お礼状は、就職活動の中で決められたルールではありません。
しかし、出す人がごく限られているためもあり、一定の効果があるといわれています。
効果
転職にとってメリットのあるお礼状ですが、具体的にどんな効果があるのでしょうか?
お礼状は企業の人事担当者への効果だけでなく、実はその後の就職活動や、就職後にも効果を及ぼします。
意欲を伝えられる
まず、何といっても強い入社意欲を伝えられます。
試験自体は終わっているわけですから、お礼状は必須というわけではありませんし、企業側も期待しているわけではありません。
だからこそ、お礼状は相手の想定を超える「熱意」を伝えることが出来ます。
お礼状を貰った企業側としては、志望度が高い人という認識が生まれます。
決して点数化される評価ではありませんが、担当者には強い印象が残ります。
また、担当者はこの事をその職種や部門の責任者や決裁者にも伝える可能性があります。
そうなると、思わぬ部署から「この人は良いねぇ」という援護射撃も得られるかもしれません。
また、応募者の能力が甲乙つけ難い時もあります。そんな時こそ、お礼状は威力を発揮します。
能力が同じレベルならば、あとはその人の人柄や態度がクローズアップされてきます。
一応面接で人柄や態度はチェックしているはずですが、一度同じ土俵に乗ってしまうと、人は明らかな違いを見つけたがるものです。
そこでハッキリ差が出るのがお礼状の存在です。
お礼状が、土壇場での合格の切り札になる要素を持っていることがわかります。
社会人としてのマナーがあることが伝わる
出会った人に対してお礼を伝えることは、社会生活上のマナーが身についている人だという印象を相手に与えることが出来ます。
きちんとしたお礼状をスピーディーに出せる人ということは、仕事が出来る人という印象も与えられます。
面接で一度会っただけの人なのに、「あの人にはマナーがある」と思わせる力がお礼状には備わっています。
言えなかったことも伝えられる
面接で上手く自分の意思が伝えられなかった場合、手紙を通じて改めて伝えることが出来ます。面接試験は強い緊張状態の中で行われます。
全ての人にコミュニケーション力があり、上手に自分の良さを伝えることが出来るわけではありません。
朴訥な人もいますし、能力を売りにしている人もいます。
面接で上手く自分をアピールできなかった人も、手紙では冷静に言葉を選んで伝えることが出来ます。面接が苦手な人の逆転の一手であるとも言えます。
また、勤務条件などきちんと確認したい点なども伝えることが出来ます。勤務地や職種の希望など、ミスマッチが無いように伝えておくことが出来ます。
転職活動の区切り
転職は社会人になった後の就職活動ですから、自分の生活を維持するための重要な活動です。
決まらなかったら親の世話になるとか、アルバイトを続けるといった悠長なことは言っていられません。
転職活動は、短期間に成果を求められる活動です。特定の会社だけに狙いを定めて長く活動することは出来ません。
そういった意味でも、お礼状は希望の会社への就職活動に区切りをつけるきっかけであるとも言えます。
不合格の場合も無駄にならない
もし、不合格という残念な結果になったとしても、実はお礼状の効果は残ります。
採用された人が合格後に辞退したり、入社しても何らかの事情で退社したりする場合も考えられます。
再募集の時のチャンスにつながる可能性も残されています。
また、入社には至らなかった場合でも、同じ業界に入れば、その会社と何らかの接触がある可能性もあります。
その際に丁寧にお礼状を出していたことが功を奏します。取引上の追い風になるかもしれません。
大切なこと
そんなメリットの多いお礼状ですが、出す上で大切なことを考えてみましょう。
スピード
お礼状は、とにかく早く出しましょう。担当者が合否を出す前に、担当者あてに届いていることが大切です。
面接があったその日中に出すことが理想です。その日中に出した場合、同じ市内であれば、翌日中に先方に届くことが考えられます。
翌日に担当者の手元に届いた場合、「その日中に書いてくれたんだな」ということが分かります。
人事担当者にすれば、やりがいを感じる瞬間でもあります。
自分が担当した募集に対して、一生懸命になっている人がいるわけですから、嬉しいはずです。
そのためお礼状は何よりも強い入社の意思と、仕事がデキル人という印象を与えることが出来ます。
丁寧に書いた手紙ですから、人事担当者もむやみに捨てることは出来ません。
お礼状は、合否を決めるまで、担当者のデスクの引き出しに置かれることになります。
引き出しを開けるたびにあなたのことを思い出し、担当者の印象に残っていくことになります。
面接のスケジュールが全て終わり、合否を決める段になった時、あなたの評価には大きなアドバンテージが存在しているわけです。
スピーディーにお礼状を出す意味がここにあります。
熱意を伝える
お礼状の文面には、何よりもあなたの強い熱意を伝えましょう。
長い文章は必要ありません。簡潔に、ストレートに入社したい意思を伝えましょう。
決して名文である必要もありません。転職の場合、基本的に大人ですから、あまりひどい文は論外ですが、素直でストレートな表現は相手の心を打ちます。
マナー
お礼状はあなたの意思を伝える良い方法ですが、社会人として一定のマナーがあることを示すチャンスでもあります。
優秀な営業パーソンは、新規の取引先に訪問した後、間髪入れずお礼状を送るようです。
手段としては、メールが多いでしょうが、今あったばかりな人なのに、もうお礼状をくれているという印象は意外と記憶に残るものです。
その際は宛名や書式に注意しましょう。
せっかく前向きな気持ちで送ったお礼状も、誤字脱字が多かったり、ビジネス文書の書式を無視していたりすると、かえってイメージダウンにつながります。注意したいですね。
送り方別メリット・デメリット
お礼状を送るには手紙(封書)やメール、ハガキなどの方法があります。
それぞれの特徴(メリット・デメリット)について見ていきます。
どの方法でないといけないという事はありませんが、その人の適性に合った方法を選んでいきましょう。
手紙(封書)
一番正式なお礼状の出し方です。きちんとした便箋をしたためて封筒で送ると、一番誠意が伝わるというメリットがあります。
反面、書式の知識が必要であることや、間違った書式で出すとかなりのイメージダウンになってしまうというデメリットもあります。便箋の書き方には縦書きと横書きがあります。
ハガキ
手紙の簡便なパターンです。手軽といっても基本的に縦書きの書式の知識も必要になります。
封書の手紙に比べて正式感が薄れるというデメリットがあります。
逆に中身をすぐ見ることが出来るため、人事担当者以外の社内の多くの人に見られる可能性もあります。場合によっては広くPR出来る可能性も秘めています。
メール
一番手軽で早く相手に届くというメリットがあります。しかし、その分相手よっては正式でない印象も与えてしまうデメリットがあります。
内容はどうすればいい?
社会人になると、お礼状の効力は分かっているものの、内容をどうしようかと悩む人も多いと思います。
悩んでいるうちに不合格の通知が来ると、とても悔しい気持ちになりますね。
しかし、実はお礼状に必要な内容は大体決まっています。要は必要な内容を簡潔に表現して早く送ることが重要です。
お礼状に必要な項目を見ていきましょう。
お礼
先ずは、当日に面接してくれたことに対してのお礼を述べましょう。
中途採用の場合、大量に一次面接をこなすという方式ではありません。一人一人、時間をかけて面接していきます。
即戦力を期待することが多いですから、直属の上司になる人や、部門の責任者も同席することも多いでしょう。
結構複数の人が、わざわざ時間を取って面接をしてくれているわけです。
そんな背景を想像すると、会社も力が入っていることが分かります。
そんな会社に対する感謝の思いを込めながら、綴ると良いでしょう。
感謝の気持ちを素直に表すと、顧客に対して、会社の仲間に対して、同様に接してくれる人ではないかと思われるでしょう。
志望が高まったこと
面接を通じて、志望動機が高まったことを伝えると、企業側も採用意欲が高まります。
企業のことは、募集要項やホームページからだけでは分かりません。
仕事仲間になるかもしれない人たちと触れ合い、語り合う事で、志望動機が高まることはとても理想的なことです。
是非、志望動機が高まった具体的エピソードを簡潔に伝えましょう。
例えば、「〇〇様の営業に対する姿勢に感銘しました」とか、
「貴社の品質管理に対する厳しさに触れ、本当にお客様のことを考えていると感じました」
「貴社の職場の雰囲気に触れ、ここでなら頑張れると確信いたしました」など、
具体的であればあるほど、企業に志望度が伝わります。企業側も、「この人にしたい!」という採用動機が高まります。
今後(入社後)の決意
さらに、お礼状の締めくくりとして、「〇〇について頑張っていきたい」とか、
「貴社の経営理念の〇〇を大事にしていきたい」などと、入社を前提にした将来の決意を最後に述べると、より志望度の強さ、本気度が相手に伝わります。
少し厚かましいくらいの表現でも問題ありません。それだけ入社の意思が固いという気持ちを表しているわけですから。
文例
お礼状を送るには、メールや手紙(封書)、ハガキなどの方法がありますが、それぞれの具体的な文例を紹介します。
手紙文例とそのポイント
【手紙文例】
平成〇年〇月〇日
株式会社〇〇
人事部
〇〇 〇〇様
〇〇 〇〇(自分の氏名)
面接試験のお礼(タイトル。省略しても良い)
拝啓 貴社ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。
この度は、お忙しいところ面接をしていただき、誠にありがとうございます。
当日は緊張のあまり、自分が出せない面もありましたが、
貴社のお客様に対する真摯な考え方を知り、さらに貴社へ入社したい気持ちが強くなりました。
今後とも努力を重ね、貴社のより良い戦力になれるよう、精進したいと思います。
末筆ながら、貴社のますますのご繁栄をお祈り申し上げます。
敬具
【手紙文例ポイント】
「 平成〇年〇月〇日
株式会社〇〇
人事部
〇〇 〇〇様
〇〇 〇〇(自分の氏名)」
→手紙文の場合、基本はビジネス文書の形式で良いでしょう。
ビジネス文書ではまず、最上行の右端に発信した日付を記入します。
次に企業担当者の会社名・部署名・役職を記入します。それらは必ず正式名称を記述します。
会社の種類を表す「株式会社」「有限会社」も㈱などと省略せずに書きます。
また、会社の種類名は会社名の前に書く場合と、後に書く場合があります。
前後の位置を間違えたりすると失礼に値します。正確に書くために名刺やホームページで確認しましょう。
頭語と結語の組み合わせはいくつかありますが、「拝啓」と「敬具」が一番無難です。
表題(タイトル)は無くても構いません。あくまでも趣旨はお礼ですから、あまりビジネスチックになり過ぎなくても良いでしょう。
そういう意味では時候の挨拶も無くても構いません。
書式にしても、縦書きが最も正式と言われてきましたが、パソコンやワープロの普及に伴い、横書きが一般化しています。
どうしても縦書きでないといけないという事は無くなっています。スピーディーに投函するためにも、横書きで良いでしょう。
メール文例とそのポイント
【メール文例】
件名:本日の面接の御礼(本人氏名)
貴社〇〇職の面接をしていただきました〇〇 〇〇と申します。
本日(当日)は、お忙しい中面接をしていただきまして、
誠にありがとうございます。
本日(当日)は、緊張しておりましたが、貴社の業務に対する情熱を感じ、
さらに貴社へ入社したいという気持ちが高まりました。
今後も貴業界の研究を続け、貴社の社員に相応しい人材になっていきたいと思います。
末筆ながら、貴社のますますのご繁栄をお祈り申し上げます。
〇〇 〇〇(本人氏名)
【メール文例のポイント】
「件名:本日の面接の御礼(本人氏名)」
→メール文の場合、件名に氏名を入れておくと、すぐにあなたの面接のことだとすぐに分かってもらえます。
人事担当者へのメールは毎日大量に送られてきます。その中で、あなたのお礼状をいち早く見つけてもらうことが重要です。
これはビジネス上のテクニックです。件名を見ただけで用件をある程度伝えることが出来れば、相手のビジネスのスピードを上げることが出来ます。
些細な事のように見えますが、意外に人事担当者はこのようなことを見逃しません。
あなたに対して、細かな気遣いが出来る、いわゆる「デキる社会人」というイメージがつきます。
「本日は、お忙しい中面接をしていただきまして、誠にありがとうございます。」
→内容としては、先ずは面接のお礼を述べましょう。
あなたの採用のために、実は人事担当者や部門担当者は多大な時間とコストをかけて面接の時間をセッティングしています。
簡潔でOKですが、まずは何よりも先にお礼を述べます。あなたの誠実度が伝わります。
「本日(当日)は、緊張しておりましたが、貴社の業務に対する情熱を感じ、
さらに貴社へ入社したいという気持ちが高まりました。」
→次に、当日の面接で感じたことに触れます。緊張したことなどあれば、正直に述べると志望度が高いことも伝わります。
ここでは、面接当日にうまくいかなかったことをあまりくどくどと長く書かないことがポイントです。
長く書きすぎると、言い訳に受け取られてしまいます。
「今後も貴業界の研究を続け、貴社の社員に相応しい人材になっていきたいと思います。
末筆ながら、貴社のますますのご繁栄をお祈り申し上げます。」
→最後は、入社に向けた決意とお礼の言葉で終わります。ここら辺はある程度の定型文と思って差し支えありません。
手紙文(封書)とメールでは随分雰囲気が違います。
手紙で送る場合は、ある程度厳格なビジネス文書の形式が求められますが、メール文には頭語や結語、時候の挨拶などは入れません。
それはメールが実務用の通信手段であるからです。
実社会でも時々見かける事例ですが、メール文なのに律義に頭語や結語、時候の挨拶などを入れている人を見かけます。
発信している本人は、丁寧な文書を送っているつもりかもしれませんが、完全にアウトです。
形式を重んじる場合と、実務を重んじる場合の区別をつけてお礼状を送りたいものです。
書き方注意点
基本的には例文を参考に書けば、一通りのきちんとしたお礼状が出来上がりますが、実際に書く際の注意点を列挙しておきます。
誤字脱字は論外
せっかく一生懸命に思いを込めて書いたお礼状も、当たり前の話ですが、誤字や脱字があると台無しです。
能力を疑われるだけでなく、「チェックをしない人」という評価を受けてしまいます。
お礼状は送るスピードが大切ですが、見直しは最低限やっておきたいものです。
自分では自分の字を過信しているところもありますから、家族や友人に客観的にチェックしてもらうのも良いでしょう。
専門用語は使わない
会社の中途採用では、特定の職種の専門家を募集することがよくあります。
自分の専門性をPRするのはとても重要なことですが、それは面接の場で行いましょう。
お礼状の内容で専門知識をひけらかすような記述があると嫌われます。
お礼状はあくまでも感謝の気持ちと志望度の高さを伝えるものであり、PRの場ではありません。
さらに、略語やカタカナ語を使いすぎるのも好ましくありません。
これも専門語と同様、自分の知識を誇示しているように映ります。
長文は不要
何とか合格したい気持ちは分かりますが、それを延々と長文で書き綴るのは禁物です。
相手は忙しい人事担当者です。長い文章を相手に読ませるのは失礼です。TPOが分かっていない人だと思われてしまいます。
自分の気持ちは簡潔に分かりやすく相手に伝えましょう。
さらに、長文にすればするほど誤字・脱字のリスクが高まります。良い点は全くありません。
送り方で注意する点
手紙(封書)やハガキを物理的に送る方法と、メールなどをソフト的に送る方法がありますが、共通した送り方のポイントと、方法別のポイントを見ていきましょう。
とにかく当日中が基本
手紙の場合、必ず当日中に発送しましょう。そのためには、便箋と封筒は面接時の鞄に入れておきましょう。
帰宅する前にカフェなどで書き上げ、投函しましょう。都市部の駅前にあるような大きな郵便局なら24時間営業しています。
切手も買えますし、配達もスピーディーに行ってもらえます。メールも基本的に同じです。当日中に送りましょう。
手紙(封書)
白紙の便箋を1枚加えて、重ねて三つ折りにして封入します。封書の場合は必ず切手を買って貼りましょう。
郵便局の窓口で出す場合は切手代わりに郵便局の印鑑が押されますが、味気ないものです。
出来れば記念切手を購入して使いましょう。相手に丁寧さと熱意が伝わります。
面接地と会社住所が違う場合は、事前に全てを準備しておくのも一つの手です。
その際は、当たり障りのない内容で便箋の記入や封筒の宛名書きまで用意しておき、面接試験後、すぐに投函しましょう。
場合によっては、文中に数行の空き行をあえて作っておき、当日の感想だけを加えるという方法もありです。
内容にもこだわりたいところですが、相手に迅速に届くことが重要です。ここは名を捨て、実を取りましょう。それが就職です。
メール
メールも当日中ですが、早い方が良いと言っても、会社を離れて直後というのは控えましょう。
会社の敷地内やビル内で再び会社の人事担当者に出会ってメールをしている様子は、あまり好ましいものとは言えません。
帰り道のカフェなどを利用すると良いでしょう。
メールは携帯のショートメール機能などを使わず、人事担当者の名刺に書かれているアドレス宛に送りましょう。
名刺には普通、パソコン用のアドレスが書かれています。担当者もパソコンを通じてメールを送受信しています。
携帯からでもお礼状は出せますが、自分が思ったように改行されず、文体が崩れてしまうケースもあります。
出来れば自宅に帰り、パソコンから送信することがベストです。
こんなときはOK? NG?
相手が不明、相手が複数
お礼状は、面接してくれた相手あてに出すのがマナーですが、面接相手が複数いたり、氏名が分からなかったりする場合もあります。
その場合は「採用ご担当者様」で良いでしょう。
そうならないためにも、出来るだけ名刺をいただくと良いでしょう。
速達はOK?NG?
早く出すといっても速達はダメです。相手に強すぎる印象が残ります。普通郵便で出しましょう。
入社したいという強い気持ちは分かりますが、お礼状というのは、あくまでもその名の通り相手に感謝の気持ちを伝えるものです。
速達には急いで受け取ってほしいという暗黙のプレッシャーを相手に与えます。あくまでお礼の気持ちが大事です。
また、速達にすると、受験者の焦りがありありと人事担当者に伝わります。
「何をそんなに焦っているのだろう」という気持ちが担当者に湧きます。
本来は合格であったのに、不要な行動を起こしたばっかりに、直前で不採用になってしまうこともあります。
相手がどう感じるかという事も就職活動では重要です。就職は人間同士のやり取りなのですから。
遅くなっても出すべき?
お礼状の重要ポイントは、その送付スピードです。早く人事担当者の手元に届けば、それだけ熱意と誠意が伝わるからです。
しかし、いろいろな事情から送れなかった場合はどうしたら良いでしょうか?
それは、その企業に対する志望度の高さで判断すると良いでしょう。
お礼状を送るのが遅れたとしても、不合格の連絡がない以上、まだ採用の可能性は残されています。早急に準備して送ることをお勧めします。
手書きが良い?活字はNG?
自分の本当の気持ちを伝えたいときは、肉筆の手紙が最も良い手段です。
しかし、字の巧拙により相手にマイナスの印象を与えることもあります。
メール文は肉筆に比べて軽い感じもしますが、スマートで相手に余計な重たいイメージを与えないというメリットもあります。
携帯電話やスマートフォンなどで活字が日常的になっている現代では、無理に手書きにこだわる必要もありません。
しかし、活字で入力されたものを手紙として送るのは控えたほうが無難です。
企業対企業のビジネス上の取引であればワープロ文で当然ですが、手書きに出来るスタイルの文書をわざわざ活字にして送るのは、受け取る側としても違和感があります。
手紙(封書)で送る場合は手書きの方が良いでしょう。
お礼状は誠意を伝えるもの
転職時における面接後のお礼状についてアドバイスしてきました。
一通のお礼状が、企業の人事担当者にどう伝わっていくのか、意外な効果があることなどを知っていただけたと思います。
たかが手紙ですが、されど手紙です。お礼状の効果については、賛否両論ありますが、受け取った人が嬉しい気持ちになるのは確かです。
人間は感情の生物です。面接の点数だけで合否が決まるわけではありません。
どうしても転職したい会社を受験したのであれば、最後の一手としてお礼状を送ることをお勧めします。
転職の場合、第一にその人の能力が問われます。
新卒とは違い、一定以上の報酬やポストを用意する場合もあるくらいですから、会社も「仕事」をしてもらわなくてはならないと考えるわけです。
しかし、その能力と同じくらい、社会人としての資質も問われます。
お礼状は志望度の高さを伝えるだけでなく、その人の社会人としてのレベルの高さを伝えることが出来るのです。
また、当日緊張のあまりうまく伝えられなかったことを伝えるためのリベンジの役割も果たしてくれます。
転職活動は、その人のその後の人生を左右する重要な事柄です。
新卒の時のように、一定の基準で大量に採用する就職活動とは違います。
企業側にしても、中途採用は慎重に受験者を見極めて採用します。いわば中途採用は、企業と転職者との真剣勝負の場とも言えます。
そんな真剣なやり取りの場であるからこそ、全力を尽くす転職者を、企業は欲しがっています。
お礼状は、そんな真剣でひたむきな転職者の努力の証とも言えます。
思い切って自分の思いをお礼状に込めて、採用を勝ち取っていきましょう。