「今までに挫折した経験は?」就活で挫折経験も魅力的に伝える方法

「今までに挫折した経験はありますか?」「挫折経験について教えてください」というのは就活の面接でよく聞かれる質問ですが、できれば挫折経験なんて話したくない……と思っていませんか?

実はこの質問は上手に使えば魅力的な自己PRにしてしまうことができるのですが、今回は就活でよく聞かれる挫折経験を魅力的に伝える方法をお伝えします。

さらに、挫折なんて経験したことないよ……という人向けの対策や挫折経験のESでの書き方もお伝えするので、挫折経験を上手に書き、話し、あなたの魅力を精一杯伝えましょう!

この記事を書いた人:竹内健登

竹内校長の写真就活塾ホワイトアカデミー校長。デロイトトーマツグループの人材戦略コンサルタントを経て現在は就活コンサルタントとして活躍。

数学検定1級保持者で東京大学工学部卒にもかかわらず、自身の就活に失敗し就職留年した経験から企業の人材戦略の道へ。

新卒の学生が一流企業に内定するための独自の方法論と、3年後離職率・OpenWorkでの評価・帝国データバンクの評点を用いた客観的視点から日夜ホワイト企業を研究。

子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法研究内容を自社メディアで掲載したところ、就活生や親御様の間で話題となり、月間で35万PVを達成した。

現在も、ホワイト企業からの内定が1件も得られなければ授業料を全額返金という方針で、上位大学だけでなく、全国幅広い大学の学生の就活指導を行なっている。

「就職浪人からANAグループに内定した! 」「留年すれすれから日本IBMに内定! 」「指導を受けた次の日から大手企業の面接で落ちなくなった! 」など、喜びの声多数。

著書に「子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法」(日経BP社)がある。

この記事の内容はこちらの動画でも解説しています↑

そもそも面接官はこの質問で何を見ているの?

面接官からの質問

挫折経験とは、なんらかの壁、つまり課題にぶつかった経験を言いますが、面接官は挫折からどう立ち上がったかを聞いて、壁にぶつかってもまた立ち直れるかというストレス耐性や課題に対して何らかの解決をしたことがあるかを見ています

仕事は上手くいかないことや課題解決の連続ですが、その度にいちいち折れてしまっては困るので、大きな困難にぶつかってもくじけずに立ち向かえるかを見るために、どんな課題をどのように解決してきたかを聞くのです。

挫折するということは当時の自分にとって高いところを目指したということですが、仕事においては高みを目指し挑戦し続けられるか成長の鍵を握るので、過去に大きな挫折経験があっても、どんな困難をどのように乗り越えたかというプロセスが話せれば好印象を与えられます

学業なら受験で不合格を経験したこと、部活動なら大会で負けて悔しかったこと、アルバイトならミスをしてしまったことなど様々な失敗経験がありますが、それらをきちんと受け止め解決していく姿勢や落ち込みをバネにして頑張る姿勢があるかが問われるのです。

また、仕事では最初は誰でも失敗が多くいきなり結果なんて出ませんが、その段階を乗り越えなければ仕事はやっていけないので、苦しい状況下でもいかに頑張れるかも見られています。

3ヶ月以内の離職率が上がっている近年では特にこの点が重視されますが、たとえ結果が出なくても地道にコツコツ努力し続ける姿勢は評価されやすいです。

魅力的に伝えるエントリーシート(ES)の書き方3ステップ

ESの書き方

企業が挫折経験を聞く意図を理解したところで、挫折経験を企業に魅力的に伝える方法についてお伝えします。

ステップ1:最も大きな挫折経験を選ぶ

挫折経験は大きければ大きいほど、それだけ大きな挫折を乗り越える力やストレス耐性があるというアピールになるので、どうせなら話すのも嫌なくらいの挫折経験を選ぶと印象が良くなりますが、大きな挫折経験を洗い出す方法としてモチベーショングラフを利用する方法があります。

モチベーショングラフとは、自分の人生の充実度を幼少期から今まで時系列で表したグラフのことですが、充実度が特に低いところが最も大きな挫折経験になります。

グラフにしてみると自分の気持ちの揺れが視覚化できてとても分かりやすい上、こっちの挫折の方が自分にとっては大きかった……ということもあるので、過去の棚卸しをするために有効な手段でもあります。

ステップ2:エピソードを掘り下げる

エピソードの掘り下げ

エピソードを洗い出し選定したら以下の観点からエピソードを掘り下げ組み立てていきましょう↓

  • 挫折する前の状態
  • 挫折の内容
  • 挫折に遭った時に自分が何を思ったか
  • 挫折に対してどんな行動をしたか
  • 挫折経験の結果・成果
  • 挫折経験から何を学んだか
  • 挫折経験後の自分

例えばバドミントン部での挫折経験を例にすると以下のようになります。

  • 挫折する前の状態:バドミントン含め、運動経験ほとんどなしの状態でバドミントン部に入部。
  • 挫折の内容:まわりは全員経験者で自分は全くコートに入れず、トレーニングすらみんなに遅れをとる始末。
  • 挫折に遭った時に自分が何を思ったか:自分1人、皆に追いつけなくて悔しい。自分も皆とコートに立ちたい。
  • 挫折に対してどんな行動をしたか:皆に追いつくために少しでも多く練習しようと休憩時や帰宅後も毎日トレーニングをした。自分の苦手なところを分析し、本やネット、上手い人を見て正しいフォームを学んだ。
  • 挫折経験の結果・成果:3年間一度も試合に出ることはできなかったが、一度練習試合で褒められた。
  • 挫折経験から何を学んだか:できるかできないかを度外視し、今できることを限界までやりきることが大切である。
  • 挫折経験後の自分:原因分析をして課題解決をする力、今できることをとにかく精一杯やる忍耐力がついた。

これは挫折経験を通じて課題解決力と忍耐力がついた事例ですが、このように観点別に掘り下げていくことでエピソードに深みが増します

面接ではあらゆる角度から質問されることが多いので、掘り下げる時はなるべく多くのストーリーを書き出しましょう。

ステップ3:魅力的な文章にまとめる

先ほど洗い出した内容を繋げて文章にしてみましょう。

高校のバドミントン部で全くコートに入れなかったことです。まわりが経験者の中、唯一の初心者であったため、何をやっても皆より遅く、迷惑をかけてばかりでした。それでも皆とコートに立ちたい、試合に出たいという思いで、皆に追いつくために地道なトレーニングを重ねました。帰宅後に素振りや筋力トレーニングをしたり、上手い人のフォームを見て真似したりしながら自分の苦手なところを克服していきました。結果的に試合には一度も出られませんでしたが、練習試合において、「いい試合をしていた」と顧問の先生に褒められました。この経験は現在の課題解決力と忍耐力の原点になっています。

このように掘り下げるポイントを押さえることで挫折経験が魅力的な文章になりますが、ESを書く時だけでなく話す時にもこの方法は応用できます。

魅力的な例文

魅力的な例文はこちら

体育会のテニス部で先輩や部活の規則などのルールに自分を馴染ませられずストレスが溜まってその体育会を辞めてしまったことです。テニスの練習を重ねるのは好きだったのですが、人間関係を上手く築くことができなかったためにうつになりかけてしまいました。これではいけないと考え、次に入ったサークルでは人と積極的に会話するようにしましたが、努力が認められサークル内のリーダーを任されるまでになりました。この経験から、今でも人間関係を大切にしており、まず相手を理解するように努めています。

部活を辞めたことで得られたことをきちんと書いていますが、一見マイナスな出来事でも捉え方次第ではプラスになっていきます。

大学1年生の時に英語の単位を2度も落としてしまったことです。その授業で単位を取るにはTOEFL-ITPで500点以上取得する必要がありましたが、初回のテストで427点であった私は日々勉強をしたものの、その後3回に渡る試験全てで500点に到達できませんでした。まわりの皆がどんどん合格していく中、前後期共に単位を落としてしまった自分が惨めでしたが、毎日授業後には自習室で夜22時まで英語の勉強をし、休日も大学に行って勉強するようにしました。毎日5単語暗記し、語彙も増やしていった結果、2年生の夏には無事513点を獲得し単位を取得できました。地道にスコアを伸ばすために勉強法を工夫した経験が常にできる方法を考える力になっています。

単位を2度も落としてしまうというのは面接ではあまり言いたくないことかもしれませんが、その経験を通して頑張りを伝えることができるならそれでいいのです。

挫折経験がない場合の2つの対処法

挫折

①自ら挫折経験を取りにいく

前述の通り、挫折経験によって見られているのは高みを目指せるかなので、今までその経験が無かったなら自分よりスゴい人がいそうな場所に行って何かに挑戦しましょう。

外資系企業のセミナーに参加する

セミナーの内容はさておきレベルの高い学生が集まりやすいですが、特に外資系金融や外資系コンサルティング企業主催のものがオススメです。

私もバー◯レイズ銀行、マッ◯ンゼー、JPモ◯ガンといった企業のセミナーに参加しましたが、活発なディスカッションを繰り広げる学生に初めは圧倒されてしまいました。

しかし、「このままではいけない!」と猛勉強したりトレーニングし始めたりするきっかけになりましたし、自分よりレベルの高い就活生と仲良くなっておくと就活での情報戦を有利に運べるという点でも良かったです。

インターンシップに参加する

今や多くの企業が募集しているインターンシップですが、その内容は職場体験のようなものから頭と労力を使う業務まで様々です。

私はコンサルティング会社の5日間のインターンシップで厳しいフィードバックを受けたり度重なる資料作成に取り組んだりする中で、限界まで頑張ってもできない自分に直面しましたが、短期でも難しいと言われるインターンシップや会社に入って仕事ができる長期インターンシップへの参加はオススメです。

厳しい環境であればあるほど自分よりスゴい人に出会い自分の限界を知るという価値ある体験ができますし、成果が出れば実績になるのでどちらにせよ参加する価値はあります。

インターンを探すときにはキャリアバイトJEEKといった長期インターンシップ探しに便利なサイトやWantedlyのような求人サイトを利用するとよいでしょう。

就活スクールに参加する

実は、上位の人気企業を目指す学生が集まる就活スクールに参加するというのも挫折経験を積むには有効です。

その中でグループディスカッションなどをたくさん経験するとレベルの高さに圧倒されますし、挫折してもあなたをサポートする環境が整っているので、就職活動を成功させるために就活スクールを活用するのは非常に良い手だと言えるでしょう。

当サイトお勧めの就活スクールはこちら↓

一流・ホワイト企業内定率No.1の就活スクール「ホワイトアカデミー」

②思い切って「挫折経験はありません」と言う

挫折経験がない就活生

どうしても挫折経験が浮かばなかった場合は、なかなか勇気のいる選択肢ですが素直に「挫折経験はありません」と言い切ってしまうのも1つの方法です。

ただ、単にそれだけを言ってしまうと「チャレンジ精神がない」「今まで何かに本気で取り組んだことがない」などマイナスに捉えられる可能性が高いので、以下のポイントを押さえましょう。

挫折経験がない理由をポジティブに伝える

例文:失敗経験はあります。しかし失敗から学んで次に生かそうとポジティブに捉えられるので、挫折と思ったことはありません。

挫折経験が無いのは高みを目指したり本気で取り組んだりしたことが無いからではないということを伝える必要があるので、挫折を挫折と捉えない思考やストレス耐性をPRしましょう。

ただし、見栄を張ったり自分をよく見せるために嘘を言ったりするのは逆効果ですので気をつけてください。

過去は未来が決める

未来への扉

就活における挫折経験の魅力的な伝え方についてまとめましたが、挫折や困難に直面した時は「ああ、これはネタになるな。これから一歩成長できるチャンスだ。」と考えると気が楽になります。

最後に、このページの内容についてまとめます。

  • 面接官は質問でストレス耐性や課題解決力があるかを見ている
  • ESでは大きな挫折経験を選んでエピソードを掘り下げ、魅力的にまとめる
  • 挫折経験がない場合は挫折経験を取りに行く
  • 挫折経験がないと伝えても良い

就活で初めての挫折を味わう人も多いですが、どんな挫折も就活の助けになるかもしれないので恥じることはありません。

是非、就活を通して1回りも2回りも成長してくださいね!

就活で有利に働く経験について、以下のページでまとめておりますので、併せてご覧ください。

就職活動の面接で話すとメリットになる経験とは?