広告業界のオススメ企業はどこ?ランキングやイチオシ企業を解説!

ビジネスパーソン
春山
う~ん! やっぱ広告業界気になるなぁ~!
富田
なんかテンション高くない? どうしたの?
春山
いやー、ちょっとこのキャッチコピーにしびれちゃってさ…。広告業界とかいいかなーって!
富田
ミーハーだなぁ(笑) でも広告業界ってなんだか憧れるよね…。
白河
2人とも広告業界に興味あるの?
春山
はい! 広告業界のこと色々知りたいです! ランキングとか大手企業のこととか!
白河
すごい勢いだね(笑) OK! じゃあ今日は広告業界についてその仕組みや動向、ランキングなど余すことなく解説していくよ!

この記事の登場人物

富田:理工学部の3年生。自己主張は苦手だが心根は優しい草食系男子。メーカーを志望して就活をしている。

春山:経済学部の3年生。あだ名はハルちゃん。明るくハキハキしていて「考えるより動け!」の行動派。母子家庭出身で、化粧品や日用品など女性を対象とした仕事に就きたいと考えている。

白河:社会人3年目のヘッドハンター。ホワイトアカデミー在学中に内定をもらった東証一部の人材系企業で勤務。ホワイトアカデミーとは、特別講師という形で現在も付き合いが続いている。

業界の仕組みやビジネスモデル     

春山
広告業界ってすごく華やかなイメージがあります!
富田
たしかに。でもそもそも広告業界がどういう仕組みになってるのかわかってないかも…。
白河
OK! じゃあまずそこから話していこう。

広告業界は主に広告代理店と呼ばれる企業が中心となっている業界だよ。その他にはメディアレップアフィリエイトを取り扱っている企業などがあるんだ。

春山
広告業界にも色々あるんですね…。でもどういう仕組みでお金が入ってくるんだろう?
白河
下の図を見てみて。

広告代理店のビジネスモデル

「会社四季報」業界地図 2019年版』より作成

富田
この図を見ると、広告主とメディアの2方向からお金をもらってることが分かりますね!
白河
そうなんだ。広告代理店は広告主と呼ばれる出稿企業とメディアを仲介することによってお金を得ているんだ。

メディアが広告主から受け取った広告料金の一部を取引手数料として支払ってもらうほか、広告の企画・制作料も大きな収益源になっているんだよ。

富田
なるほど…。だから「代理店」なんですね!

現状や動向 

富田
なんだか僕も広告業界に興味が湧いてきました! 広告業界って現状はどんな感じなのでしょうか?
白河
お、富田くんいいねぇ。でも、今のことを話す前に、広告業界の歴史について少し触れておこうか。

これまでの歴史

白河
そもそも「広告代理店」ってことだから何かを「代理」する会社なんだけど、何を代理しているのか知ってる?
春山
う~ん。宣伝業務じゃないんですか?
白河
確かに現在の広告代理店の話だとそれで間違ってないよ。

ただ、もともとの広告代理店は新聞社などの媒体社の広告枠販売を代理していたんだ。

富田
へぇ~! じゃあ今と少しビジネスモデルが変わってきますね!
白河
そうなんだよ。この仕組みだと、広告代理店は限られた広告枠抑えることができ、有利な価格で広告主に販売することで利益を得ていたんだ。

ちなみに日本で1番初めの広告代理店は毎日新聞(旧東京横浜毎日新聞)の広告取次業として1888年に創業した廣告社と言われているよ。

春山
そこから今のような宣伝業務を担うようになったんですか?
白河
最初は広告枠を販売してるだけだったけど、似たような会社が出てくれば競争が生まれてくるよね。

そうして広告枠を販売することに付加価値を与えるために行ったサービスこそが、コピーライティングやマーケティング調査などの現在の広告代理店の主な仕事である宣伝業務なんだ。

春山
なるほど! その流れはすごく分かりやすいですね!
富田
今は広告枠の販売と様々な宣伝業務をまとめて行ってるってことなんですね!

現在のトレンド

白河
じゃあ歴史について踏まえた上で、広告業界の現在のトレンドを見ていこう。
春山
今はやっぱりインターネット関係が熱いんじゃないですか?
白河
お、ハルちゃんいい線いってるね! 実はここ数年のネット広告の伸びはすごいんだよ。このグラフを見てみて。

AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議(https://www.advertimes.com/20170223/article244774/)

富田
他の媒体は横ばいか下降傾向にあるのに、インターネットはいい感じに右肩上がりですね!
白河
これからの広告業界において重要な役割を果たすことは間違いないよ。いずれテレビの広告費を抜くとさえ言われているからね。
春山
ちなみにネット広告の業界で伸びている企業ってどんなところがあるんですか?
白河
サイバーエージェントが有名だけど、セプテーニ・HDが個人的にはオススメかな。地方の人でも参加できるオンライン・インターンシップが実施されているから見てみることをお勧めするよ。
春山
ありがとうございます!

景気との連動性

富田
そういえば広告業界は景気に左右されやすいって聞いたことあるんですけど本当ですか?
白河
確かに景気との関係性は高いね。景気というよりも、取引先の会社の売り上げと言った方がより分かりやすいかな?
富田
それはどういう意味ですか?
白河
実は、多くの企業が売り上げに対して常に一定の割合になるように広告宣伝費を決めているんだ。

だから、ある企業の売り上げが落ちるとその企業が使える広告宣伝費も少なくなり、結果として広告業界に入ってくるお金も少なくなってしまうということなんだ。

春山
そういうことだったんですね! 取引先の企業の広告宣伝費に割くお金の決め方に理由があったとは驚きです!

繁忙期はいつ?

春山
あ、もしかしてこれも取引先の企業の動きと関係してるんじゃないですか? 商戦期とか!
白河
ハルちゃん鋭いね(笑) 夏や冬のボーナス商戦期や年末年始、その他のイベント付近は様々なキャンペーンが行われるから忙しくなるね。

あとは年度初めもゴールデンウイークに向けて忙しくなるし、年度終わりも予算の消化などで忙しくなるね。

富田
そう考えると広告業界って1年中忙しいんじゃ…。
白河
そうなんだよね(笑) さらに業種によっても繁忙期は違ってくるよ。

例えばテレビ業界だとドラマなどの番組が切り替わる時期が忙しくなるし、出版系だと3月の決算期が1番の繁忙期だね。

特徴的なことは?

春山
広告業界ならではの特徴とかってあるんでしょうか?
白河
まず挙げられるのが「クライアントの影響が非常に大きい」ということだね。
春山
そんなにクライアントって大事なんですか?
白河
もちろん! 広告業界のお客様だからね。

クライアントが納得してくれる仕事をしなければいけないから、クライアントが突然意見を変えてきたり、無理なスケジュールをお願いしてきても何とか対応しなければならないんだ。

富田
大変そうだな…。ほかには何かありますか?
白河
あとはスピード感が大事であることも特徴の1つかな。
富田
それは短い時間で仕事を仕上げなければいけないってことですか?
白河
たしかに入稿期限が定めらているから、それもすごく大事だ。

でももっと大事なのが、時代の流行や人々の動きを逃さずについていくという意味でのスピード感だよ。常に時代の最先端を行き、新しい広告を打ち続けなければいけないのは広告業界だからこそだね。

働き方やワークライフバランス・離職率は?

富田
これは正直めちゃくちゃ気になる…。
春山
結構ブラックなイメージがあるけど実際のところどうなんですか?
白河
確かにブラック企業が多いと言われているのは事実だね。

ただ、世間からのバッシングもあって様々な企業が改革に乗り出しているのも事実だよ。電通は業務効率化のために80億円を使う見込みだし、博報堂も新たに働き方改革を主導する専門部署を設置したよ。

富田
業界全体で少しずつ改善の動きが出ているんですね!
白河

それに、広告業界は激務だとよく言われるけど、その分給与水準や福利厚生は充実しているところが多いんだ。それに週休二日制を採用している会社も多いんだよ。

だから離職率もほかの業界に比べて特段高いわけでは無いんだ。給料もしっかりもらえるから、生活していく上でお金に困ることもあまり無いだろうね。

ただ、仕事よりも家庭を重視したいという人には少し向いてないかもしれないね。

春山
なるほど…。広告業界を選ぶかどうかは自分の価値観としっかり照らし合わせる必要がありそうですね。

市場規模

白河
よし! じゃあここからは広告業界についてもっと深掘りしていくよ! まずは市場規模の話からしようかな。
春山
広告業界の市場規模ってどれくらいなんですか?すごく大きそうだけど…。
白河
電通の「日本の広告費」によると、2017年の日本における市場規模は6兆3,907万円になっているよ。

2007年をピークにして、世界経済の停滞とともに縮小してたんだけど、現在では2000年頃の水準に戻っているよ。また、世界での市場規模は64兆2,464億円に上るんだ。

ここまで回復したのも、インターネット広告の役割によるところがとても大きいんだよ。 

ランキング 

白河
業界全体について学んできたところで、ここからもう少し各企業にスポットを当てていくよ!まずはランキング形式で見ていこう!
富田
お! 待ってました! 僕ランキングで見るのすごい好きなんですよね(笑)
白河
ランキングは直観的で分かりやすいからね。ただ、ランキングだけでその会社の良し悪しが決まるわけではないから、そこだけは要注意だね。

じゃあ早速見ていこうか!

平均年収ランキング

白河
まず紹介するのが平均年収ランキングだよ。ハルちゃんはどこか思い浮かぶ企業ある?
春山
う~ん。なんだろう。やっぱり電通はすごそうですよね…。
白河
うんうん。電通は広告業界の最大手だからね。じゃあ一気に10位まで公表しよう!

広告業界 平均年収ランキング (平成27-28年)

  • 1位:電通 1,228万円
  • 2位:博報堂DYHD 1,035万円
  • 3位:アサツーディ・ケイ 827万円
  • 4位:サイバーエージェント 772万円
  • 5位:GNU 619万円
  • 6位:デジタル・アドバタイズ 602万円
  • 7位:共同ピーアール 599万円
  • 8位:バリューコマース 584万円
  • 9位:セプテーニ・HD 582万円
  • 10位:ゲンダイエージェンシー 577万円

業界動向サーチ(https://gyokai-search.com/4-ads-nensyu.htm)

白河
これが広告業界の平均年収ランキングだよ。
富田
うわ~! やっぱり電通と博報堂は圧倒的ですね…。
白河
そうだね。その2つの企業はテレビや大手紙媒体メディアといった大口顧客がいることで、平均年収を高くなってるイメージだね。

ただ、最近はネット広告分野の成長が著しいから、それを主に取り扱っているサイバーエージェントやセプテーニ・HDなどの企業は今後伸びていく可能性が十分にあるね!

セプテーニ・HDのオンラインインターンへの参加はこちらから

売上高・シェアランキング

広告業界 売上高・シェアランキング (平成27-28年)

  • 1位:電通 45,139億円・65.7%
  • 2位:博報堂DYHD 12,152億円・17.7%
  • 3位:アサツーディ・ケイ 3,519億円・5.1%
  • 4位:サイバーエージェント 2,543億円・3.7%
  • 5位:デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム 1,449億円・2.1%
  • 6位:セプテーニ・HD 645億円・0.9%
  • 7位:オプトHD 640億円・0.9%
  • 8位:アイレップ 580億円・0.8%
  • 9位:アドウェイズ 396億円・0.6%
  • 10位:ファンコミュニケーションズ 357億円・0.5%

業界動向サーチ(https://gyokai-search.com/3-ads.htm)

春山
で、電通さんが圧倒的すぎます…。
白河
そうだね(笑) でもさっきも言った通り、ネット以外の新聞やテレビの広告費は伸び悩んでいるからね。
春山
じゃあやっぱりネット広告がメインの企業は要チェックですね!

海外だと?

春山
世界のランキングも知りたいです!
白河
世界ランキングはこんな感じ。ここでも電通の存在感はすごいね。

ビジネス+IT(https://www.sbbit.jp/article/cont1/32562)

富田
あ! アクセンチュアって聞いたことあります!
白河
アクセンチュアやIBMはITを武器にデジタル広告を使って急成長している会社なんだ。

これまでは日米欧など先進国の「メガ・エージェンシー」と呼ばれる企業が市場をけん引してきたけど、今後はデジタル広告を特使とする企業がさらに成長していくと言われているよ。

春山
世界でもデジタル広告の波はすごいんですね! 外資系の企業のこととかももう少し詳しく調べてみようと思います!

職種研究    

白河
ハルちゃんはもし広告業界に行くならなりたい職種とかあるの?
春山
やっぱりクリエイティブ系は憧れます!
富田
僕はまだ職種のことまではそんなに知らないなぁ。
白河
そんな富田くんのためにもここからは広告業界の主な職種について紹介していくよ!

クリエイティブ

白河
まず紹介するのがクリエイティブ職だよ。ハルちゃん、クリエイティブ職はどんな仕事をするか知ってる?
春山
なんとなくなら…。確かCMやポスターなどの各種広告を制作する部門ですよね? 
白河
そうそう。クリエイティブ職はクライアントからの要望をもとに実際に広告を作る人たちのことを言うんだ。
富田
じゃあコピーライターと呼ばれる人とかもクリエイティブ職なんですか?
白河
そうだよ。クリエイティブ職の中でも様々な役割を持ったスタッフがいるんだよ。

広告を制作する際の統括となるクリエイティブディレクター、キャッチコピーなどの言語的な側面を担うコピーライター、さらにはアートディレクターと呼ばれる絵の部分を担当する人もいるんだ

春山
へぇ~。色んな人が集まって出来てるんですね! どんな人がクリエイティブ職に向いているのでしょうか?
白河
そうだね。やっぱり広告を制作するには最低限の美術やデザインの知識は必要だよね。

それに、今の時代のデザインはパソコンを使って作ることがほとんどだからそういったツールも使えるに越したことはないね。

富田
なるほど…。僕はデザインとか向いてなさそうだなぁ。
春山
確かに(笑)
富田
おい!
白河
まあまあ。それと、これは意外に思うかもしれないけれど実はコミュニケーション力も重要なんだ。
春山
え!そうなんですか?
白河
ただ芸術を作ることがクリエイティブ職なわけではないからね。クライアントとのすり合わせもしないといけないし、自社のクリエイティブ方針なども調整する必要があるからね。

それなのにコミュニケーション能力がなかったら仕事にならないよね。だからクリエイティブ職はコミュニケーション能力が大切なんだ。

富田
そっか…! クリエイティブ職ってすごいんですね!

分析

白河
次に紹介するのが分析だよ。
富田
分析って何をするんでしょうか?
白河
簡単にいうとマーケティングってことだね。膨大なデータから市場の動向や需要予測、競合状況からニーズの変化までをすべて分析するんだ。

この分析があるからこそ、クライアントにとって最も効率が良く効果的な広告戦略が生み出せるんだ。

富田
そうなんですね! 僕はデータを扱う方が得意だから興味湧いてきました! この職種に求められるスキルや適性はありますか?
白河
多角的に物事を見る力は必要だろうね。

「何が売れるのか?」を考えるには消費者の視点はもちろん、あるときは競合の企業の立場を考えないといけないときもあるからね。

ただデータを読み取るだけじゃなくて、様々な視点から物事を分析できる能力が求められるんだ。

春山
大変そうだけどすごくやりがいのありそうな職種ですね! かっこいいなぁ~!

営業

白河
よし! 最後に営業職について紹介するよ。
春山
営業職ってどの会社にもありそうですけど、広告業界ではどのようなことをしているのですか?
白河
広告業界での営業は広告主(クライアント)へのメインパイプの役割をはたしているよ。

それにクライアントの売り上げに貢献しつつ、自社の利益のことも考えなければいけないし、社内のほかの部門と調整しなければいけないこともあるんだ。

だから、様々な意見を集約したうえで自らの意見をしっかり伝えられるような人が向いているといえるね。

富田
そう聞くと、営業ってすごく大変そうです…。
白河
そうだね。それなりの気力は必要だろうね。それに新しい顧客や仕事を自ら進んで取りに行く積極性も大事だね。

魅力ややりがいは? 有名人には会える?

富田
ここまでの話だとやっぱり広告業界は大変そうですけど、どんな魅力があるんだろう…?
白河
自分が手掛けた広告が世の中に出るということがやっぱり1番の魅力じゃないかな? 

自分の作った広告を大勢の人が見てくれて、それをきっかけに何かアクションを起こしてくれるってすごく嬉しいことだよね!

富田
そうですね…! 人を動かせる仕事ってやっぱりかっこいいなぁ。
白河
そうだね。それに大きなプロジェクトやキャンペーンでは億単位でお金を用意することもあるから、そういった大規模な仕事では特にやりがいを感じることができるだろうね。
富田
大変な分、やりがいも大きいってことですね!
春山
これはちょっと個人的な質問なんですけど、芸能人に会えたりしますかね?
白河
職種にもよるだろうけど、関わる機会は十分にあるだろうね。

大きいキャンペーンやプロモーションなどを担当しているとより会える機会が増えるんじゃないかな。

ただ、そういう動機だけだと絶対に受からないってことだけは注意しておいてよ(笑)

春山
はーい。分かりました(笑)

役立つ本3選

春山
自分でももっと広告業界業界のことしらべようと思うんですけど、おすすめの本とかってありますか?
白河
いくつかいいのがあるから紹介するよ! ネットの情報は不確かなものも多いから、1度はきちんと本を読んでおくといいよ!
富田
色々なところから信頼できる情報を集めることが大切ですね!

オススメの本1:業界地図

白河
じゃあ早速紹介していくよ。まず紹介するのが『「会社四季報」業界地図 2020年版』だよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

(書影からAmazonに飛べます)

富田
あ! これは僕も持ってます!

白河
うんうん。この本は広告業界に限らず、業界研究にはマストな1冊だろうね。

最近の動向や企業の関係図など簡潔で分かりやすくまとめてあるから、気になる業界があるならまずは業界地図を開いてみることをおススメするよ。

春山
そこから自分の気になる企業や話題をさらに調べていけばいいですね!

オススメの本2:広告業界の動向とカラクリがよくわかる本

白河
2つ目に紹介するのは『図解入門業界研究 最新広告業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第4版]』 だよ。

(書影からAmazonに飛べます)

この本は広告業界について、その歴史から用語、最近の動向まで幅広い知識が得られるよ。なによりも初心者でも理解できるように分かりやすく書いてあるところがいいね。

春山
目次だけでもぎっしり内容詰まってますね…。これはじっくり読みたい1冊ですね!

オススメの本3:広告の基本

白河
最後に紹介するのはこの本! 『新版 この1冊ですべてわかる広告の基本』(波田 浩之著、日本実業出版社、2018年)だ!

(書影からAmazonに飛べます)

春山
この本のおススメポイントはどこですか?
白河
この本のおススメポイントは広告の基本がサクッと分かりやすく書いてあるところかな。文章も易しく書いてあるから、広告業界初心者にもおすすめの1冊だよ。
富田
そうなんだ。それなら僕にも読めそうです!
白河
そうだね。この本は2007年の初版発行からのロングセラー本で、2018年に新しく改訂されたばかりなんだ。

ネット広告関連の記述も多いから、最新の広告業界の流れを知ることができるのもおすすめポイントだよ。

補足:広告業界の専門用語・役職

富田
広告業界でよく使われる専門用語とかってありますか?
白河
お、いいね富田くん。業界用語を事前に知っておくことは選考においても役に立つ場合があるからね。ここでは就活生でも知っておいた方がいいものをいくつか紹介しておくよ!
春山
しっかりメモしておかなきゃ!
  • メディアミックス

プロモーションやキャンペーンなどにおいて、複数の媒体を組み合わせてお互いの弱点を補う広告手法のこと。漫画を映画化することなどがこれに当てはまる。

  • オムニチャネル

そもそも、チャネルとは小売り活動における企業と消費者との接点のを言います。オムニチャネルとは、リアル(実店舗)とネット(インターネット通販)を連携させ、ユーザーにアプローチする戦略のこと。

実際の店舗とECサイトといった従来のチャネルだけでなく、ECサイトを含めた様々なチャネルを用意することで、ユーザーの満足度を向上させ、リピート率や売り上げ向上を狙うことができる。

  • マイクロモーメント

人々が「何かをしたい」と思って、反射的に目の前にあるデバイスで調べたり、購入したりという行動を起こす瞬間のことをいい、Googleが2015年7月に提唱したものです。

これらの瞬間をきちんと分析し、測定することができれば、モバイルの価値を最大限にしマーケティングなどに大いに役立てることができる。

春山
聞いたことない用語がいっぱい…。もっと勉強しなきゃ…!
白河
そうだね。これ以外にも広告業界に関する専門用語は色々あるから、こまめに調べて意味を理解しておくようにしよう!
富田
よ~し! これでほかの就活生に差をつけるぞ!

補足説明: 3bの法則

白河
専門用語とは少し違うけど、覚えておきたい広告業界の専門知識を紹介するよ。
富田
これはいったいどういう意味ですか?
白河
3bの法則は広告の画像において、美人、赤ちゃん、動物を使うと目を引きやすく、好感を持たれやすいというものなんだ。

それぞれの英語の頭文字がBeauty, baby, beastとなることから3bの法則と呼ばれているんだよ。

春山
あー、言われてみればそんな気がしてきました。
白河
この法則は紙媒体だけでなく、Webや動画でも同じだと言われているよ。

今後の展望や将来性

白河
現状を把握できたところで、今後の展望や将来性についても知っておこう。
春山
広告業界を志望するなら知っておかないとですね!

収入と安定性

富田
広告業界の先行きは明るいんでしょうか…?
白河
先ほども言ったけど、テレビや紙媒体が伸び悩んでいる一方でインターネット広告はこれからさらに成長していくと考えられているよ。

それもあって、業界全体の先行きはそれほど悪くないと言えるだろうね。

春山
収入の方はどうでしょうか?
白河
これを見て。

広告代理店の年齢別年収推移と給与ボーナス推移(年収・月額給与・ボーナス)

  • 20~24歳:334.8万円~384.8万円・24.0万円・96.2万円
  • 25~29歳:429.3万円~479.3万円・30.0万円・119.8万円
  • 30~34歳:426.5万円~526.5万円・32.9万円・131.6万円
  • 35~39歳:496.8万円~600.8万円・37.5万円・150.2万円
  • 40~44歳:554.0万円~675.0万円・42.2万円・168.8万円
  • 45~49歳:634.0万円~756.0万円・47.3万円・189.0万円
  • 50~54歳:700.0万円~810.0万円・50.6万円・202.5万円
  • 55~59歳:693.3万円~803.3万円・50.2万円・200.8万円
  • 60~65歳:446.8万円~546.8万円・34.2万円・136.7万円

平均年収.JP(https://heikinnenshu.jp/tokushu/kokokudairi.html#chapter3)

富田
ピークは50代で、ボーナスも合わせると1000万円超えてますね!
白河
そうだね。この表を見てもらうと分かると思うけど、どの年代においても給与水準は十分に高いと思うよ。日本人の平均収入は420万円って言われてるからね。
春山
じゃあ収入面は特に問題なさそうですね!

将来有望な分野は?

白河
セールスプロモーションの分野はとても注目が高まっているよ。
富田
セールスプロモーション?
白河
セールスプロモーション(SP)とは消費者に自社の製品や商品を認識してもらい、商品を購入してもらうために行う販売促進行動のことをいうんだ。

ただ広告として認知してもらうだけでなく、消費者に実際に購入してもらうところまで促すのがポイントだね。

春山
おもしろそうな分野ですね! どのような方法がとられているんですか?
白河
身近なもので言うと店頭にあるPOPがそれにあたるね。それ以外にもブランド戦略や各種キャンペーンなどが行われているよ。

インターネットやモバイルとの提携も進んでいて、これまでの媒体の伸び悩みに困っている広告業界にとって期待の集まる分野なんだ!

問題点や課題

白河
どんどん行くよ! 次は問題点や課題について解説していこうかな。業界の抱えている課題は、面接などの選考で問われることもあるからしっかりチェックしておいてね!
富田
自分なりの解決策や考えをもっておくことも大事ですね!

問題点や課題①働き方改革

白河
まず挙げられるのが働き方改革だね。広告業界の性質上、難しい部分も多いけど少しずつ変わってきてはいるんだよ。
春山
どのように変化しているんですか?
白河
猛烈に働くのがあたり前という風潮から、効率を重視するようになってきたのは1つ大きな変化だろうね。

それに電通という最大手企業が積極的に改革を始動させたことで、業界全体の意識も少しずつ変わりずつはあるね。

富田
新たな被害を発生させないためにも、新しい仕組みづくりが重要になってきそうですね。
白河
そうだね。システムの向上はもちろん、在宅勤務などの新しい働き方を見つける必要があるね。

問題点や課題②アドフラウド問題

春山
アドフラウドって何ですか?
白河
アドフラウドっていうのは広告を消費者ではなくプログラムに閲覧させるなどの広告詐欺・不正のことを言うんだ。

2017年にP&Gの最高責任者がスピーチで指摘したことで、世界にネット広告の負の部分が大きく広まったんだよ。

富田
そんなことしたら消費者が広告に疑念を抱くようになっちゃいますよ!
白河
その通り。広告業界は広告主と消費者の双方から信頼されてはじめてきちんと仕事ができるからね。

様々な情報が入り乱れる現代のネット社会において、「信頼できる広告」を作ることは広告業界の重要な課題と言えるね。

問題点や課題③コンサルティング業界との戦い

春山
え、広告業界ってコンサルティング業界と戦争でもしてるんですか?(笑)
白河
言い方はあれだけど、簡単に言うとそういうことになるね。

コンサルティング業界はクライアントの支援という点では、広告業界とある意味似ている部分があるんだ。

近年、アメリカでは様々なコンサルティング企業が広告・マーケティング市場に参入してきていて、IBMやデロイト・アクセンチュアなどの大企業が広告会社を買収するケースも増えてきているんだよ。

富田
え!? じゃあ日本でも同じようなことが起こるんですか?
白河
少なからずそのような流れにはなっていくだろうね。ただ、日本とアメリカでは商習慣に大きな違いがあるから、日本では広告代理店のほうが有利とも言われているよ。
春山
この問題はびっくりしました…! 今後の動向もしっかりチェックしておかないとですね!

オススメのインターンは?

春山
ちょっと本気で広告業界目指したくなってきました…!
白河
いい心意気だね! それくらいアグレッシブなくらいがいいかもね(笑) じゃあ選考対策としておススメのインターンを紹介していくね。
春山
よろしくお願いします!

オススメのインターン1:電通

白河
1つ目に紹介するのが電通のインターン。電通のインターンは業界最大手ということもあって内容が非常にしっかりしているんだ。
春山
内容はどんな感じなんですか?
白河
2018年度は3つのコースが設置されていて、1泊2日の合宿を含めた7日間で行われたよ。

1コースだいたい20人くらいになっていて、共通講義や発想演習、プレゼンなどしっかりとしたカリキュラムが組まれているよ。

春山
すごく面白そう! でも選考を勝ち抜くのは大変そうだなぁ…。

オススメのインターン2:ADK

白河
2つ目に紹介するのがADK(アサツー・ディ・ケイ)のインターンだよ。

ADK(アサツー・ディ・ケイ)でのインターンは「学ぶ」というよりも「実践」という色が強いインターンだね。

オリエンテーションとプレゼンを繰り返すことで、実際の広告業界の仕事がどういうものなのか体感できます。

富田
大変そうだけど面白そう! でも僕理系だし、時間取るの難しいかなぁ…。そしてインターンシップの応募期間がもう終わっちゃてる…。

オススメのインターン3:セプテーニ・HD

白河
そんな富田くんのために最後に紹介するのがセプテーニ・HDのインターンだよ。

ここのインターンは他の企業のインターンと違い、「オンライン・インターンシップ」で本質的なキャリア育成力を身につけることができるインターンを行っているよ。

富田
え、それってどういうことですか?
白河
セプテーニ・HDのインターンでは膨大なデータとAIによる人材育成技術という強みを生かして、オンラインですべて完結するインターンを提供しているんだ。

つまり、場所や時間の制約を受けることなくインターンをすることができるんだよ。

富田
じゃあ僕みたいに理系で忙しい人とか、地方の大学に通っている人でも積極的に参加できますね!
春山
でも内容の方はどうなんでしょうか…? 正直ちょっと不安です…。
白河
それなら大丈夫。動画セミナーで基礎的な知識を付けられるのはもちろんのこと、自己分析ツールをもとにしたWeb面談やOB・OG訪問もあるからしっかり自分のキャリア理解をすることができるよ。
富田
「オンライン・インターンシップ」は初めて聞きました! これなら学業とうまく両立しながらできそうです!

志望動機はこう書け!

春山
う~ん。広告業界に行きたい気持ちはすごくあっても、上手く志望動機と結びつけられないんだよな~。
白河
やっぱり志望動機は悩むよね。志望動機を書くためのポイントがいくつかあるから、今からそれを説明していくね!
春山
ありがとうございます!
白河
まず最初に話しておくけど、広告業界の選考倍率はとても高いということを覚悟しておいて!

本選考はもちろん、インターンさえ非常に狭き門なんだ。だからこそ、ESは丁寧に時間をかけて丁寧に書こうね!

ESの志望動機を書く際のポイント

白河
まず1つ目のポイントはスキルよりも熱意や成長意欲をアピールすることだよ。
富田
スキルをアピールすれば有利になりそうな気がするんですけど、違うんですか?
白河
入社して即戦力になるスキルならアピールしてもいいだろうけど、少しかじった程度のものならあまりアピールにならないよ。

スキルは入社してから身に着ければいいけど、やる気や人間性といった根本的なところは簡単に変えられるものではないから、むしろそこを見て適性があるかどうか判断されると思った方がいいだろうね。

富田
言われてみればそうですね…。ほかにもポイントありますか?
白河
自分の具体的なエピソードを交えて書くことも重要だよ。広告業界ではユニークでオリジナリティのある仕事が求められるからね。

だから、志望動機でもほかにと人には書くことのできないオリジナリティのあるものを書くよう心がけよう!

サークルや部活など自分しか体験していないエピソードを志望動機に結び付ければ、独創性にある自分だけの志望動機が書けるはずだよ。

春山
なるほどなるほど…。何か特に注意しておくことはありますか?
白河
そうだね、数ある広告会社の中でなぜその会社を選んだのか、「その会社でないといけない理由」を明確にしておこう。ここが自分の中でしっかり定まっていないと、説得力のある志望動機は書けないよ。

補足:面接で聞かれる特有の質問

富田
広告業界の面接ってユニークなこと聞かれそうで怖いなぁ。面接ならではの質問とかがあれば教えてほしいです!
白河
例えば「最近見た広告・CMの中で自分が1番気に入っているものを教えてください。」とかかな。

なぜ気に入ったのかという理由を、その広告が作られた背景や意図を理解して答えることが重要だよ。また、自分ならどう表現するか伝えるのもアリだね。

春山
他には何かありますか?
白河
そうだねぇ。あとは「自分にキャッチコピーをつけてください。」といった質問も多いね。

これも発想力やアイデアが試されているから、印象に残るような真新しいものがいいね。普段から広告に敏感になって、自分なりの表現を考える癖をつけておくといいかもしれないね。

補足:有効な自己PRは?

富田
自己PRするときに、アピールできるといい力などはありますか?
白河
コミュニケーション能力や発信力を上手くアピールできると強いね。

広告業界では営業が非常に重要なアクターなんだけど、営業にはコミュニケーション能力は必要不可欠だけらね。

それにクリエイティブな業界でやっていくなら、自分の考えを発信できる力も必要になってくるよね。これも無難に伝えるだけじゃなくて、印象に残るようなインパクトのある表現で伝えられるとなお良いね。

最新ニュース 

白河
じゃあ最後に広告業界の最新のニュースをチェックしておこう!

広告業界では常に時代や流行の流れを把握しておく必要があるから、普段からこまめにチェックする習慣をつけようね!

春山
どの企業を志望していてもニュースを知っておくことは大事ですよね!

ニュース ①VOYAGE GROUPとCCIが経営統合 

ITmedia ビジネスオンライン によると、VOYAGE GROUPと電通100%子会社のメディアレップであるサイバー・コミュニケーションズ(CCI)が10月31日、経営統合すると発表しました。

この統合は、広告プラットフォームや技術に強いVOYAGE GROUPと、マスメディアやナショナルクライアントへのリーチ力を持つ電通とCCIが協力することで相乗効果を生み出せると期待されています。

白河
ネット広告の分野を中心に、電通や博報堂などの大手企業による業界の再編がこれからも続いていくと考えられるよ。

ニュース ②ヤフー、アドフラウド対策で一部広告を配信停止に

Yahoo株式会社は不正に広告費をだまし取る手法「アドフラウド」対策の強化として、広告配信の一部を停止することを発表しました。

現在のWeb広告は配信のシステムが複雑化しており、広告主や配信事業者でさえも自分の広告がどんなサイトに出ているのかを正確に把握することは非常に困難とされています。

アドフラウドはこれを悪用したもので、このような悪質な広告は本来の広告としての効果はありません。

Yahoo! JAPANは今後も広告配信面の審査・パトロールの強化、サイト運営者確認の厳格化など、不正排除と検知精度向上に力を入れていくと述べています。

富田
Yahoo!のような大手メディアが率先して対策を取っていくことは、Web広告の健全化の大きな1歩になりそうだね。

まずはインターンに参加しよう

白河
2人とも広告業界はどうだったかな?
春山
仕事は少し大変そうだったけど、年収はいいし何よりもやりがいのある仕事だと思いました!
富田
僕も広告業界のこともっと真剣に考えてみます。紹介してもらったインターンにも参加しようと思ってます!
白河
そうだね。広告業界には向き不向きもあるから、本気で考えているのならインターンは絶対に行った方がいいね。

2人とも、これからも就活頑張って! また困ったことがあったら何でも言ってね。

富田
はい!
春山
ありがとうございます!

セプテーニ・HDの「オンライン・インターンシップ」にはこちらから参加できます

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