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最終更新日 2023.07.07

業界研究

知られざる航空機業界について徹底解説

日本の航空機業界の未来とは?
世界的スケールを誇る航空機業界。以前は成長を確約されている業界であったが、昨今のコロナ禍の影響をダイレクトに受けた業界でもある。

一方この業界は裾野が広く、他産業への技術波及効果の高い成長産業とも目されている。そして、航空機業界の中には多くの就活生に知られていないホワイト企業が存在している。

この記事を読めば、航空機業界の現状や未来、注目すべきニュースまで知ることができる。あなたの就職活動の参考にしてほしい。

この記事を書いた人

竹内 健登

Kento Takeuchi

東京大学工学部卒。大手一流ホワイト企業の内定請負人。就活塾「ホワイトアカデミー」を創立・経営。これまで800人以上の就活をサポート。塾はホワイト企業内定率100%を誇り、ホワイト企業の内定が出なければ費用を全額返金する返金保証制度が好評。2019年に『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』(日経BP刊)を出版し、「親が子育ての集大成である"就活"に臨む際の必読書」、「これができれば本当に一流企業に内定できる」と話題。塾のYouTubeチャンネルではホワイトな業界の紹介や大手企業の倍率、ESの添削を公開するなど塾の就活ノウハウを一部紹介している。

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCm1vSnSBj7kksfi8GIBnu0g

航空機業界の構造

航空機業界の構造
航空機業界は、エンジンメーカーなどのTier1(パートナー)と、その他部品メーカー(Tier2:サプライヤー)が完成機メーカー(プライム)に部品を納入し、完成機メーカーがそれらを組み立てて、完成するという構造である。

以下では航空機業界を構成する3つの要素を解説する。

完成機メーカー

完成機メーカーというのは結論、パーツを組み合わせ、最終的に機体を完成させるメーカーである。

今説明した完成機メーカーは、以下のような会社(完成機に必要な部位の製品を製造・販売する重工メーカー、それらの部品を供給する部品・素材メーカー)から作られた部品を基に航空機の機体を作り上げるのが業界内の役割だ。

代表的な企業で言うとボーイング、エアバス、ボンバルディア、エンブラエルが挙げられ、主に欧米の企業が中心である。

完成機メーカーの下には重工メーカー、その下には素材メーカーが存在し、それらから供給されるパーツを機体として完成させるのが完成機メーカーである。

エンジンメーカー(Tier1:パートナー)

エンジンメーカーとは、その名の通り、部品を組み立ててエンジンを完成させるメーカーのことである。その下にエンジンに必要な製品を製造・販売する重工メーカー、部品・素材メーカーが存在する。

航空機のエンジンがなければ飛行することは不可能であり、機体には必須だ。

航空機エンジンメーカーには世界3大メーカーと言われている会社がある。ゼネラルエレクトリック(GE)、ロールス・ロイス(RR)、プラットアンドホイットニー(P&W)だ。

ゼネラルエレクトリックは、子会社であるゼネラルエレクトリックアビエーション(GE Aviation)社がエンジンを製造している。

ロールス・ロイスは高級車としてもかなり有名だが、車は「ロールス・ロイス・モーター・カーズ」として独立した会社である。エンジンは、「ロールス・ロイス・ホールディングス」が製造している。

プラットアンドホイットニー社は世界3位のエンジンメーカーであり、「ユナイテッドテクノロジーズ」の子会社でもある。

日系企業だと、IHI(石川島播磨重工業)、本田技研工業、日本ジェットエンジン、三菱重工業(三菱航空機)、川崎重工業などが挙げられる。

その他部品メーカー(Tier2:サプライヤー)

その他部品メーカーといっても、エンジンを作るのに必要な部品、主翼部品、金属材料などこれだけでは収まらないほど多くの種類がある。

そもそも航空機を作るのに、航空機エンジンメーカーだけでは完成はありえない。こうくうきは1つでも部品が欠けると乗客の命にかかわるので、その他部品メーカーには大きな責任があり、非常に重要な産業である。

航空機部品の代表的な企業としては、神戸製鋼所、ジャムコ、横河電機などが挙げられる。

これらの企業の特徴は2点ある。1点目はグローバルニッチである点だ。すべての企業が多くの部品を扱っているわけではないからだ。

2点目の特徴はホワイト企業が老いということである。製造に最大で300万点必要な航空機なので、「名前は知られてないが、ホワイト企業」、つまり「隠れホワイト企業」が多いのだ。

もし、そんなホワイト企業に入社したいと感じたら、ホワイトアカデミーの無料相談会に参加して見てほしい。

主な職種

主な職種

開発・設計・製造

仕事内容は航空機に関する製品の設計・開発を行い、検査などで問題がなければ生産などを行う。

近年では、より安い価格で性能の良いものが必要とされているため研究開発は欠かせない。そのため、他社と共同開発していくこともある。

技術だけでなく、他の技術者との意思疎通も必要とされるし、十分な意思疎通ができずに研究開発が失敗する可能性もある。

この職種では英語力は必須なので、TOEICだと最低800点のスコアは取得したい。

営業

仕事内容は製品の販売や顧客の情報収集、注文の対応だ。

扱う製品が航空機であり、部品数の多さから大きな金額を扱うことになる。また、他社と共同開発して事業を進めていくこともあるため長期にわたる商談になることもある。

航空機業界の営業は顧客が海外であることが多いため英語は必須だ。最低でもTOEIC800点は持っておきたい。

また英語力だけでなく、大きな契約を取れるような交渉力が必要だ。責任重大だが、それほどやりがいのある仕事でもあるのだ。

修理・点検

機体の整備は顧客である航空会社が行うことが多いが、機体の年齢、専門知識の多さなどを考えると自社で点検や修理などを行うこともある。

点検や修理がなければ乗客の命に関わってしまい、怠った上に墜落事故が起きた際には会社の地位や財務も危うくなる。この職種は非常に重要である。

この職種は会社によっては、ない場合もあるため説明会などで聞いておこう。

日本の航空機業界の市場規模・現状と動向

市場規模・現状と動向

業界の市場規模

現在の日本の航空機製造業の産業規模は、米国の約10分の1、英・仏・独等の約3分の1程度である。

また、国内自動車産業等と比較すると航空機産業の産業規模は30分の1程度である。これは自動車産業と比べ、国際基準に照らした認証・証明の取得要請や、品質管理水準の要求が高いことが原因として挙げられる。

一方、航空機産業全体では、国内生産額は、過去5年間で1.1兆円から1.8兆円に増加しており、2030年には3兆円を超えると期待されている。業界全体の成長は見込まれている。

また、部品点数が多く産業構造の裾野が 広い一方で、年間の生産台数は自動車よりも遙かに少ない。商品サイクルが数十年と長期に渡る事業の安定化が期待出来るといった特徴がある。

航空機製造業のほか、素材産業、販売業、運航業、整備・修理業などを含めると、航空機産業は波及が大きく、世界市場は約130兆円規模に達する。

参考:
関東経済産業局航空機産業の動向と参入のタイミング
経済産業省航空機装備品産業の現状と施策

現状と動向

LCCの台頭


航空分野の規制緩和・自由化を受け、LCCが多数参入し、シェアを拡大している。事実、国土交通省航空局のデータによると、国際線の旅客数は2011年の1.6%から2019年には25.7%まで上昇している。

改めての話なるかもしれないが、LCCとは「Low Cost Carrier(ローコストキャリア)」の略である。日本においてはLCCを「格安航空会社」と呼ぶのが一般的である。代表的な企業としてはピーチ・アビエーションやジェットスタージャパンなどが挙げられる。

そもそもLCCが格安でサービスを提供することができる理由は大きく分けて以下3点ある。
  • ①ラウンジ、新聞などの付帯サービスの省略
  • ②中距離多頻度運行
  • ③旅行代理店を挟まない直接予約販売

これらの理由からLCCは産業構造全体を変革すると見られている。

MROビジネスの拡大


MROとは、Maintenance(整備)、Repair(修理)、Overhaul(オーバーホール)の略で、航空機の整備及び修理に関わる事業のことである。

そもそもMROビジネスはエアラインから独立して、主要な整備、修理、オーバーホールを担当することで誕生した。

例えばMRO Japanは日本で唯一のMRO専門会社として2015年に設立され、日本ならではの高い品質と技術力(Japan Quality)でMRO事業を通して空の安全を支えている。

今後はデジタル化、ネットワーク化などの機体の変化を受けて、MROビジネスも変容する可能性は大いにあるだろう。

他業界への技術の応用


航空機産業では、数百万点に及ぶ構成部品や素材に対して厳しい技術的要求が行われる。

航空機産業で発展した技術が広範多岐にわたる産業分野に応用されたり、他産業で開発された先端技術が航空技術に採用されるなど、企業の技術的発展に結びつくことも期待できる。

例えば、航空機業界で使用されている炭素繊維複合材料が自動車のボンネットカーフや新幹線の機首に転用されるなど、部品、素材産業の高度化に役立っている。

航空機業界の今後

航空機業界の今後

年率5%の成長見込み

2017~2036年の世界の民間航空機市場の長期需要予測(旅客・貨物)によれば、旅客需要は2.4倍 (年平均4.6%の伸び率)、貨物需要は2.2倍(同4.1%/年)と大きく伸長する見込みである。

また、 2017~36年迄の20年間の航空機の総納入機数は、37,692機と見込まれている。

<世界の航空旅客需要予測>
有償旅客キロ
2016年7,119
2036年17,427

関東経済産業局航空機産業の動向と参入のタイミングを元に筆者作成

アジア地域での航空需要の増加

関東経済産業局航空機産業の動向と参入のタイミングが発表した世界の民間航空機市場の長期需要予測(旅客・貨物)を地域別にみると、人口増加・経済成長に伴う移動の活発化、 LCCの台頭などを背景に、アジア・太平洋地域が、市場の牽引役となっていくことが見込まれている。

ナローボディの需要の増加

そもそもナローボディ機とは旅客機のうち内部の通路が1つしかないものを指し、別名”単通路機”とも言われている。それに対して2つの通路がある旅客機をワイドボディ機と言う。

ジェット旅客機の2017~2036年の新規納入機数は33,296機となっている。

機材サイズ別にみると、アジア諸国の旅客需要増大や、LCCの台頭などを背景に、需要はワイドボディ機からナローボディ機へ移行している。

売上ランキングとホワイト企業

売上ランキングとホワイト企業

売上ランキング

以下では航空機業界全体の売上ランキングを紹介していく。
  • 1位:本田技研工業 16,907,725
  • 2位:三菱重工業 4,202,797
  • 3位:SUBARU 3,774,468
  • 4位:川崎重工業 1,725,609
  • 5位:IHI 1,352,940
  • 6位:ジャムコ 47,225

参考:バフェット・コード
*数字は2023年7月7日時点

国内での売上高を見ると、本田技研工業が群を抜いて高いことがわかる。全体的にはエンジンメーカーが多いことが特徴的である。

ホワイト企業

上記の売上規模に関係なく、仕事と趣味を充実させることができるという観点で働きやすいホワイト企業は航空機業界には存在している。代表的なホワイト企業については3社紹介するので、先ほどの売上ランキングと併せてみておいてほしい。

①株式会社ジャムコ


ジャムコは1955年に小型航空機整備の専門会社として始まった。

ジャムコの主力事業は航空機の内装品であり、航空機のラバトリー(化粧室)、ギャレー(厨房設備など)ではトップシェアを誇る。
実際にボーイング社の内装品の一部は全てジャムコが独占的に供給している。

近年では女性の働き方にも力を入れ始めており出産祝い金では30,000円支給、子女1人につき家族手当として14,000円支給など従業員の子育ても支援している。

OpenWorkによると残業時間も約25時間と短い傾向にあるため、比較的働きやすい環境と言える。

②株式会社IHI


IHIは総合重工業グループとして、資源・エネルギー、社会インフラ、産業機械、航空・宇宙の4つの事業分野を中心に新たな価値を提供している。

OpenWorkだと残業時間は約25時間と短い傾向にあり、またGW、夏季、年末年始などはそれぞれ9連休あるなどワークライフバランスは取れている企業である。

③横河電機株式会社


横河電機は主に工場で扱われる温度計、圧力計を製造・販売しており、航空機事業においては「液体表示装置」などを扱っている。
OpenWorkによると法令順守意識面では4.8/5と法律への意識はかなり高いところから労務管理もしっかり行われている。

その証拠として同サイトでは残業時間は約20時間と短く、ワークライフバランスは取りやすい企業であると考えられ、2017年には経済産業省から「健康経営優良法人」として認定されている。

これらのホワイト企業は多くの就活生から知られていない反面、就活に意欲的なライバルが多く受験することから、入念な準備が必要になってくる。

業界のニュース

業界のニュース
就職活動の際には、業界の最新ニュースについて頭に入れておく必要がある。以下に業界のトレンドを表すニュースを2つ紹介する。

ENEOSと三菱商事、持続可能な航空燃料(SAF)の社会実装に向けた事業化検討に合意


ENEOS株式会社(社長:齊藤 猛  以下「ENEOS」)と、三菱商事株式会社(社長:中西 勝也 以下「三菱商事」)は、日本における持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel 以下「SAF」)などの次世代燃料の事業化に向けた共同検討を行うことに合意いたしましたので、お知らせいたします。

当検討において、両社は、ENEOSが有する製造技術および販売網と三菱商事が有する国内外の原料調達およびマーケティングに関する知見を活用しながら、各種SAF製造技術の成熟度や商業化までの時間軸に応じた基本戦略を作成し、以下の3項目の取り組みを推進します。これにより、業界横断的な取り組みが必要とされるSAFの早期事業化を目指すものです。

引用:ENEOSと三菱商事、持続可能な航空燃料(SAF)の社会実装に向けた事業化検討に合意

航空自衛隊の次期戦闘機、日本・イギリス・イタリアの3か国共同開発決定! 2035年頃配備目指す


防衛省は2022年12月9日、航空自衛隊の次期戦闘機を日本、イギリス、イタリアの3か国で共同開発することを、各国首脳の共同声明で発表しました。航空自衛隊は、2035年頃までに次期戦闘機の配備を目指すとしています。

声明では「本日、我々は、深化する3か国間のパートナーシップをさらに進める、2035年までに次世代戦闘機を共同開発するという壮大な事業である『グローバル戦闘航空プログラム(Global Combat Air Programme)』(GCAP)を発表する」とし、「GCAPを通じ、長年にわたる我々の防衛協力関係を一層拡大する」と発表しています。

引用:航空自衛隊の次期戦闘機、日本・イギリス・イタリアの3か国共同開発決定! 2035年頃配備目指す

上記のようなニュースがあるため、今後航空機業界は新たなビジネスチャンスを獲得する可能性がある。航空業界を目指すのであれば狭き門であることを意識すると共に、入社したい企業が目指している姿をきちんと把握することも欠かせない。

責任のある重要な仕事

責任のある重要な仕事
以上が航空機業界についての解説である。この業界に本気で就職したいと考えているのであれば、ぜひ就活塾ホワイトアカデミーを頼ってほしい。

ホワイトアカデミーでは航空機業界のようなニッチな業界にも熟知した社会人講師がマンツーマンであなたの就職活動を支援してくれる。

この記事があなたの就職活動の役に立つことを願っている。

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