就職試験の中で、大学生が最も苦手としているのが面接試験です。
初対面の社会人に自分の事を分かってもらうのは、とても緊張するものです。
新卒の就職活動では、スーツを着たときの身だしなみや敬語の使い方、お辞儀の仕方など、やったこともないことを一気に実践しなくてはなりません。
今回はそんな苦手な人が多い、面接のコツをご紹介します。
編集長の白河を筆頭に、「人材紹介会社や大学のキャリアセンターでは教えてくれない、就職活動の本当の情報」を書いていくライター集団。
人材紹介会社の不都合な真実を暴き、就活生・転職者のために役に立つ情報だけを徹底的に公開していく。
就職における面接の意味
ではなぜ、就職活動の場で、面接というプロセスが存在するのでしょうか。それは、たった1つの理由に絞られます。
本当のあなたを知るため
会社はチームで成果を上げる組織です。
人事が採用するかどうか(チームに迎え入れるか)については、本人と話をしてみなくては分かりません。
ただ優秀であればよいというわけではないのです。
企業の人事担当者は、あの手この手であなたの本当の姿を知ろうとします。
志望動機や自己PR以外にも、様々な質問内容があるのはそのためです。
面接試験のない会社は無い
就職試験で面接試験をしない会社なんてありません。
能力は履歴書を見ればわかりますが、その人の考え方や性格、仕事に対する意欲は、面と向かって話さないと分からないからです。
コンピュータやAIが発達しても、最後に決めるのは人間です。
挽回のチャンスと考える就活生も
面接試験を苦手にしている就活生は多いようですが、中には得意にしている人もいます。
大学では接客業のアルバイトをしていた人や、体育会系の部活動をしていた人などは対人関係が得意な人が多いようです。
大学の成績や筆記試験には自信はないが、面接まで持ち込めればチャンスと意気込んでいる人も多いでしょう。
採用した責任を問われる?
人事担当者にとっても面接試験は重大な仕事です。
1人の人材を採用する為にかかる費用は50万円とも言われています。
また、入社後3年は投資期間とも言われ、「採用された新入社員に払った給料>新入社員が生み出す価値」の状態です。
例えば、入社後3ヶ月でやめてしまった場合、給料も合わせて100万円近い損失になってしまいます。
他にも、採用後、「なぜ、あんな社員を入れたんだ?」と社内から声が出てしまっては、人事の評価も下がってしまいます。
つまり、採用する人事にとっても、採用活動は学生を慎重に厳選しなければならない一大イベントというわけです。
「人事も大変だな〜」と思うか「そんなにもコストがかかってるんだから、採用してくれた会社には全力で恩返ししなきゃ」と思うかはあなた次第ですが、採用されなかったら関係ないので、まずは目先の就職活動を頑張りましょう。
面接試験の種類
面接試験には人数や段階、内容別にいくつかの種類があります。面接試験の内容によって対策やコツも変わってきます。
集団面接
最もポピュラーな一次面接です。5~6名を一組として、書類選考に残った学生を面接していきます。一人当たりの純粋な面接時間は数分から長くても10分程度です。
志望動機や自己PR、学生時代頑張ったことなど、定番の質問がいくつか行われます。
最終選考のように一対一ではないので、面接が苦手な人も、ある程度自分のことが話せれば通過しやすい面接試験と言えます。
良い人材を探すというより、この段階では一定の基準で絞り込む面接試験という意味合いもあります。
個人面接
一人一人に対して数人の面接官が質問する形式の面接試験です。
二次面接または最終面接で実施される形式です。就活生は自分一人だけなので、緊張度が高くなります。
グループディスカッション
集団面接の一種といえます。
面談形式ではなく、5~7名でグループを作り、会社側から課題(テーマ)を与えられ、制限時間内にグループで解決策を考え、発表するというものです。
最初にグループ内で「司会者」「書記」「タイムキーパー」「発表者」などの役割を自主的に決めてグループワークを開始します。
この面接の目的は、素の学生の姿をチェックすることです。
学生自身は気づいていませんが、「私は積極的な性格です」とエントリーシートに書いておきながら、グループ内では指示待ちだったり、「私には協調性があります」と言いながら、グループ内では独裁的であったりします。
このグループディスカッションの対策としては、積極性と協調性が大切です。
役割を全うしながらもグループのメンバーの意見に耳を傾け、目標を達成しようとする行動が求められます。
就活のノウハウ本には「司会者役を取って目立つべきだ」という解説もあるようですが、役割分担は自主的に決めるものであり、優劣はありません。船頭ばかりでは会社という船は前に進みません。
一次、二次、最終面接
面接の段階をこう呼んでいます。
最初の方の面接は人事担当者や採用予定部署の部課長クラスによる面談が多く、最終面接では社長や役員クラスが面接官になることが多いようです。
段階によって面接官が違うということは、求められている内容も違うということです。
全ての段階で志望動機や自己PRは共通して聞かれる質問ですが、その他に一次面接では主に就活生の能力についての質問が多いようです。
最終面接では将来の夢や入社後のことなどのビジョンについての質問が多いようです。
面接官はどこを見ている?
本気度
本当にその会社に入りたい意思が有るかというのは、面接の最優先事項です。
有名だからだとか、給料が良いからとか、その会社の仕事そのもの以外の理由で受験すると、本気度はなかなか伝えることが出来ません。
しかし、多くの就活生の企業選びのきっかけは、知名度や待遇面でしょう。
ただ、そのレベルで受験すると、間違いなく不合格になります。
学力や人間性ももちろん大切ですが、志望動機の本気度に勝る内定要因は無いからです。
本気度を高めるためには、その企業のことを深く知る必要があります。
企業研究や職種研究です。ここをしっかりやらなければ合格はありません。
きっかけは知名度や待遇面だったとしても、企業研究を続けるうちに興味が生まれ、そのうち自分の価値観に合うことがわかれば、志望動機の本気度は高まっていきます。
企業研究のコツとしては、ホームページや企業パンフレットに加えて「現物」を確認することです。
その企業の製品やサービスを実際に利用したり見学したりすることにより、その企業が身近になっていき、共感を覚える点が出てきます。
本当のあなた
面接官が知りたいのは、あなたの本当の姿です。
様々な角度から質問を投げかけて、本当のあなたの考え方や行動様式を知ろうとします。
履歴書と全く異なることを発言すると、当然ながら信頼性を失いますし、発言していることの理由や根拠があいまいであると、「なぜそう思うのですか?」という質問を繰り返してきます。
また、会社は本当のあなたを知ることを、面接会場以外でも行っています。
受付での態度、試験を待っている待合室やエレベータの中での態度、会社の近くのコンビニでの態度など、常に見られていると考えたほうが無難です。
面接会場の廊下を掃除していた人が実は社長だったというような話は良くあります。
家から出て帰りつくまで試験は続いていると考えましょう。
第一印象
会社で働き始めると、実に様々な人に対応しなければなりません。
上司、同僚、先輩、後輩、お客様や取引先など、年齢や性別もばらばらです。
その様々な人たちとうまくやっていくためには、まずは第一印象を良くしておくことが重要です。
第一印象が良いと、あなたに対して好意的に接してくれます。
会社でも第一印象の良い人は重宝します。人間関係が良くなり、仕事がスムーズに進むからです。
面接についても全く同じ事が言えます。
第一印象が良い就活生に対しては、何とか通過して欲しいという心理が働きます。
質問内容を易しくしたり、回答内容を肯定的に受け止めてくれたりします。
一見ずるいようにも思えますが、会社の入社試験というのは、学校の試験と違い、ルールが厳密ではありません。
自分の会社に入れたい人がいれば、少々のルールは変更したり無くしたりもします。
素直さ
面接官は、質問や会話の中からその人の性格を読み取ろうとします。
その中で非常に大事な素養が「素直さ」です。会社の仕事は上司の指示命令で動いていきます。
上司の指示を素直に聞くことは、とても大切なことです。
また、先輩や同僚、後輩に対しても素直に接していける人は会社の雰囲気を良くします。
素直さは、一朝一夕に身につくことではありませんが、面接会場で名前を呼ばれたときの元気で明るい返事や、質問に対する頷き、相手に対するお礼の言葉などで好印象を与えることは充分可能です。
逆に、この素直さが無いために高学歴でも落とされる人も多いのです。
社風に合うか
堅実な社風なのに派手なイメージがあるとか、自由な社風なのに固い性格であるなど、学生が社風とあまりにもかけ離れた個性だと、敬遠される場合があります。
本人の能力云々ではなくて、向き不向きという事です。
この事は面接だけでなく適性検査でもチェックされる項目です。
企業訪問や説明会で知った会社の雰囲気にあまりにも合わない人は、そもそも受験自体も慎重になったほうが良いのかもしれません。
コミュニケーション能力
会社はチームで成果を上げていく集団ですから、チームワークは必須です。会社には色々な年代の男女がいます。
色々な役職や部署の人がいます。
多様な社員の間でチームワークを維持していくためには、コミュニケーション力が欠かせません。
この能力は、面接の態度でわかります。
趣味は何ですか?という問いに「サッカーです。以上です」というように短く答えるだけの人や、覚えてきた原稿を棒読みするだけの人は、コミュニケーション力に乏しいと見られます。
コミュニケーションとは、情報や感情のキャッチボールです。
自分から積極的に話したり、相手に頷きながら耳を傾けたりする態度は、コミュニケーション力があると判断されます。
面接は短時間に初めて会う面接官と、仲良くなれるかどうかが勝負です。
そのためには、覚えてきた原稿の棒読みではダメです。
それはキャッチボールではなく、一方的な投球に過ぎないからです。
コミュニケーションに必要なのは「会話」です。
そのコツは、面接の前に、「今日は目の前の面接官と友達になろう!」と心に思って、自分に暗示をかけてみることです。
すると相手の言葉に自然に頷きが出来、自分の言葉で回答が出来るようになります。
大人になっているか
最近の会社は、一から社会人教育を行ってくれない傾向にあります。
バブル期までは、有名な会社に入れば一生安泰で、それまで何も社会のことを知らなくても、入社後にじっくり育てるという考え方がありました。
バブル崩壊を機に、企業は最初から手取り足取り指導することを止めています。
つまり、一定の大人になっているかを最低条件にしています。
これも一朝一夕に改善するものではありませんが、大人っぽくなるためには大人との会話を増やすことです。
子供っぽい人は、自分と同世代か年下との交流が多いようです。
アルバイト先の店長や就活スクールのコンサルタント、大学のゼミの教授、大学のOB・OGなど、就活生のまわりには多くの大人がいます。
そんな身近な大人との接触を増やすことで、自然と大人の考え方や行動が身についていくものです。
辞めない人か?
「将来の夢は何ですか?」と質問された時に、「御社で技術を磨き、将来は創業したいと思います」とか、「〇年後には父親の事業を継ぎたいと思っています」という回答をする人がいます。
退職を前提にして面接に臨んでいる人は、まず合格出来ません。
本当はいずれ創業したいと思っている人も、面接の場で言う必要はありません。
その夢は心の中で育てていけば良いのです。そんな人が一定数いることぐらいは、企業も分かっています。
それを面接の場で発言してしまう人は、TPOを理解していないととらえられます。
会社は新卒を雇うために多くの費用を投じます。
新人は入社3年目でやっと給料分の仕事ができると言われています。
長く頑張っていけるかの判断は重要なポイントです。
面接の時の態度
身だしなみ
アメリカの心理学者アルバート・メラビアンは、人の第一印象の55%は外見で決まると言っています。
さらにメラビアンは話し方で38%決まると言っています。
つまり、見た目と話し方で93%の第一印象が形作られるという事です。
第一印象が良いと、面接官も自分の印象を肯定するように、その人が答えやすい質問をしたくなります。
面接の際の第一印象は服装や頭髪などの身だしなみで決まります。
服装や頭髪は清潔感が第一です。誰が見ても清潔感を感じる髪型やスーツで臨みましょう。
男女別の身だしなみのチェックポイントは以下のようになっています。
【共通】
- アクセサリーは不要です(ピアス、指輪、カジュアルな時計など)
- ポケットには何も入れないようにします(スーツが型崩れする原因になります)
- ワイシャツやブラウスは白が基本です。アイロンをきちんとかけておきましょう。
- メガネはカジュアルでないものが必要です
【男性】
- 髪は眉毛や襟足に掛からないようにします
- カッターシャツは首回りと裄丈のサイズで選びましょう(サイズが合わないと苦しそうに見えたり、幼く見えたりします)
- ネクタイの結び目の上にカッターシャツの第一ボタンが見えないようにネクタイきっちりと締めましょう
【女性】
- 前髪はピンで止めるなどの処置をします(お辞儀をするときに前髪を振り払うような不要の動作を無くし、表情を良く見せるためです)
- お化粧はナチュラルメイクを心がけましょう
- パンプスは留め金の無いプレーンなものがおすすめです。留め金があると、幼く見えます
身だしなみとは、周りの人に対して気遣う装いであり、オシャレとは自分のための装いです。会社では身だしなみが求められます。
姿勢
胸を張り、顎を引いて、背筋を伸ばします。背もたれには背中をつけないようにします。
集団面接で質問する面接官が離れている場合は、体ごと面接官に向いて話をしましょう。
基本の姿勢が悪いと元気な声が出ません。
また、集団面接で自分の順番が来たら、少し前傾姿勢で相手の話を聞く体勢をとります。
声の大きさ、トーン
面接では、ハキハキと元気な声を心がけましょう。
視線
必ず面接官の目を見ながら話をしましょう。
瞳をずっと凝視するとお互いに話しづらくなるので、瞳から口元あるいは喉のあたりに時々視線を散らすと良いでしょう。
発言途中で宙を見上げたりする就活生がいますが、かなりマイナス評価になります。
用意した原稿を思い出しながら話すと、目が泳ぎます。
少なくとも用意した内容は自分のものにしておき、相手の目を見ながら会話口調で話しましょう。
また、自分に対する質問ではない時に、視線が床に落ちたり、あらぬ方向をぼんやり見たりする就活生がいますが、面接官からは参加意識が低いと判断されます。
逆に他の受験者の質問の時も面接官の方を向いてその場に参加している就活生は高評価になります。
たとえ自分の番でなくても、その場に同席している者として、当事者意識の高さが感じられるからです。
女性がおしゃれ目的で使用するカラーコンタクトレンズは、面接では厳しい目で見られることも多いようです。
表情
基本に表情は微笑みが良いでしょう。
特に入り口で挨拶するとき、呼ばれて返事をするとき、お礼のあいさつをして退室するときなどは笑顔で対応しましょう。
受験者は、緊張のあまり硬い表情になりがちです。
しかし、最後まで硬い表情では自分の気持ちをうまく相手に伝えることは出来ません。
意外に知られていませんが、会話の中で楽しいことがあった時は笑っても良いのです。
聞き方
面接試験というと、就活生は「いかに話すか」という点に力を入れようとしますが、面接官の質問を聞く態度も非常に大切です。
面接官が質問をしているときは、相手の目を見て軽く頷きながら聞くことが重要です。
質問別の意図と答え方のコツ
志望動機
入社の意思が本当かどうかを問われています。
自分の考え方と会社が大事にしている考え方の交わりの部分を述べることが良いでしょう。
会社が大事に考えていることとは「経営理念」や「求める人物像」に示されています。
経営理念と就活生の考えが一致すると面接官が感じた場合、不合格には出来ません。
間違いなく次のステップに進めます。
志望動機で一番大事なのは、やはり企業研究です。
その企業のことをどれだけ知っているかによって志望度合いも強くなりますし、面接官に証拠を示すことも出来ます。急がば回れです。
自己PR
自己PRで大事な点は、自分が出来ることと会社が望む能力が一致することです。
その一致点を具体的に述べられればオッケーです。
しかし、自分の得意技=会社の望む能力というケースは中々ありません。
自分の経験の中から、会社に貢献できることを説明していくことになります。
その際注意すべきは、「私はサークル活動で部長を務めていたのでリーダーシップが取れる」とか、「私はボランティア活動していたので忍耐力がある」といった表現です。
何をやっていたから何が出来るというのはあまりにも短絡的で根拠がありません。
頑張っていたことの内容やプロセスにこそ会社に貢献できるものがあると、面接官は考えています。
また、自己PRとは、「成功談」と思い込んでいる就活生が多いようですが、失敗から得られたことも重要なPRになります。
例えば、
「私はサークル活動で部長を務めていましたが、みんなの意見を聞かず活動を進めていたため、メンバーから反論が多く、人をまとめていく大変さが身に染みて分かりました。その後、改めてメンバー一人ひとりと面談し、じっくり意見を聞くことでまとまりが出て来ました。このことは、私にとって、とても貴重な体験になりました。」
という表現だと、人事担当者から見て、失敗から人間関係やストレス耐性を学んでいるという評価になります。
入社後にしたいこと
この質問も就活生の志望度の高さをチェックしています。
「入社後は一生懸命頑張ります」では入社意欲は感じられません。
「入社後は〇〇部で△△の研究開発をしてみたいと思います」というふうに、具体的に面接官に示すことが出来ればオッケーです。
将来の夢
これも志望度をチェックするための質問です。就活生の中には素直に自分のライフプランを楽しそうに話す人がいます。
「将来は〇〇歳くらいで結婚して、子供は△△人くらい」など、素直な気持ちは良いことですが、この場は企業の面接試験の場です。
TPOを考えなくてはなりません。仕事を通じての夢にプライベートが加わる形式が良いでしょう。
仕事上の夢は少々大きくても構いません。入社後にしたいこととは少し違います。
その会社の仕事を通じて夢を感じている場合、評価は高いと言えます。
正解が無い質問
面接試験の質問項目には、首をかしげたくなるような珍質問が時々出されます。
「あなたを色に例えると、何色ですか?」とか、「あなたが桃太郎のお付きの動物だとしたら、犬・猿・キジどのタイプですか?」などです。
こんな質問を受けたことのある就活生もいることでしょう。
実はこれらの質問には正解がありません。真面目な就活生は何とか正解を答えようとして必死になります。
この質問の意図は二つあります。
ひとつは、柔軟性や素直さがあるかという事。
冷静になって考えると、正解があるわけがない質問なのですが、緊張状態の中にある就活生に冷静な判断が出来なくなっているのでしょう。
返事に窮して固まってしまう就活生も多くいます。
人よりも良い答えを出さなくてはという気持ちが強すぎると、柔軟性や素直さが失われます。
もうひとつは、自分の考えを持てるかどうかという事。
この場合、正解はありませんが、自分の意見が率直に出せるかどうかは、会社生活では大切です。
その上で、理由も言えると良いでしょう。
例えば、
「私の色はブルーです。色々嫌なことがあっても空を見上げると、なぜか良いことが起きるような気がするからです。」
会社の仕事も同様なことが多くあります。
正解が何かは分からないけれど、自分の意見を明確にするシーンは、会社では多く発生します。
圧迫質問
受験生を困らせようとするような質問のことです。
「本当は他社に行きたいんじゃないの?」とか、「その資格はうちでは活かせないんじゃないの?」など、就活生の気持ちを削ぐような質問を、面接官は敢えてしてくることがあります。
この質問には主に二つの意図があります。
ひとつは、単純に就活生のストレス耐性を試している場合です。企業社会では様々なストレスが発生します。
少々のストレスに耐えられる精神力を持っているか?という意味で質問をしてきます。
就活生の中には、この質問がトラウマになってしまっている人もいますが、基本的に就活生をいじめてやろうという意図はありません。
また、最終面接の時も同様な圧迫質問をされる場合があります。
この場合の意図の多くは、「本当にうちの会社に入りたいと思っているか」ということです。
企業側も、決して不合格にしたいわけではなく、決意を示してもらいたいというわけです。
少々荒っぽいイメージもありますが、そこで悩んだり、困ったりした表情のままでいると、志望度が低いと思われます。
この場合就活生としては、「御社で頑張りたいと思います。」というシンプルで前向きな回答が良いでしょう。
逆質問
面接の最後に良く聞かれる質問です。
この質問の目的は、学生と企業のミスマッチを無くすことと、入社の志望度を測るために行います。ここでは、どんな質問が良いでしょうか?
【ふさわしくない質問】
- 給料、福利厚生に関する質問→入社の動機が薄いと思われる
- 将来の経営戦略は?→人事には答えられない
- イエスかノーかで終わる質問→すぐ終わってしまう
【ふさわしい質問】
・入社を前提にした前向きな質問
→「御社の仕事に就くにあたって、取っておいた方が良い資格はありますか?」
「御社の営業職で出来る営業マンの特徴は何ですか?」
多くの人がこの質問の場合、「特にありません。」という回答をしてしまいますが、ここはアピールするチャンスタイムです。
前向きな質問を1~2つは用意しておきましょう。
面接症状別の対応のコツ
あがり症対策
あがり防止には、まず充分な準備が第一です。
準備不足だと「何を聞かれるのだろう?」という不安ばかりが募ります。
志望動機、自己PR、頑張ったこと、入社後にしたいことなどの定番質問には完璧に準備しておくことが最低条件です。
緊張しないようにと自分に言い聞かせていると、余計に緊張が高まります。
その場合は「自分は緊張している」と逆暗示をかける方法があります。
また、原稿を丸暗記しないというのも大事です。
原稿通りに発言しようとして途中で詰まるとさらに緊張が激しくなります。
きちんとしたネタは準備しておくものの、原稿通りには言わず、自分の言葉で話すようにしましょう。
予行演習を重ねておくという方法も有効です。
鏡の前で練習したり、自分の面接態度をスマートフォンの動画に取ってチェックしたりしておくという事も緊張の緩和につながります。
自分で自分の事は普段分かりません。自信なさそうな表情やしぐさは事前に確認して直しましょう。
話がぐるぐる回ってしまう
発言が長くなって、なかなか着地点が見出せない人がいます。
そんな人は発言のステップを予め決めておくと、スッキリ終われます。
発言は「結論」→「理由」→「決意」というステップが良いでしょう。
例えば、志望動機の場合、
【結論】・・・・「私の強みは、ビジネスソフトウェアを活用して実務に必要な書類の作成を迅速に行えることです。」
【理由】・・・・「私は今大学の講座でWord・Excel・PowerPointを学び、MOS資格も取得できています。」
【決意】・・・・「御社に入社出来た暁には、その能力を活かして営業の方をサポートしていきたいと思います。」
という風に必ずステップを使って話す癖をつけておくと、もし内容を忘れてしまっても、ステップの意味を理解していれば、内容をその場で考えることが出来ます。
口下手
そもそも話が苦手な人もいます。そんな人は、自分の話を助けてくれるツールを活用しましょう。
例えば簡単なボディアクション。話すときに、ところどころで手を開いて軽く胸元で横に広げてみましょう。
相手に対して積極的に訴えているイメージが作られます。
また、自分のことが分かってもらえるようなサブツールを見せるのも手です。
大学で学んでいる内容や作品などをシンプルなカタログ風に作成し、面接官に向けて説明しても良いでしょう。
口下手な人の多くは、人に話をすることを難しく考えすぎている傾向があります。
面接のコツ
大学生の就職試験に欠かせない面接試験のコツをご紹介してきましたが、初対面の社会人に対して自分のことを話していくというのは、なかなか勇気のいることですよね。
面接は「試験」と名が付くだけあって、いかに自分の良いところを話そうかと考えている就活生が多いと思いますが、何を話すかというより、どう相手に分かってもらうかという、「自分を説明する」という視点が重要です。
社会に出れば、毎日のように知らない人に出会い、自分の考えを即座に出していかなくてはなりません。
自分のことをきちんと説明できれば、相手もあなたのことを理解しやすくなり、採用に大きく近づきます。
面接対策は就職のために必要な訓練ですが、将来の自分のための訓練でもあります。
就活スクールを活用し、面接対策で社会人基礎力を身につけましょう!