「そろそろエントリーシートの提出期限も近づいてきたから志望動機考えてるけど、全然思いつかない…」
「そもそも自分で作った志望動機って、合ってるの? エントリーシート、その後の面接で通るの?」
大学生4年生の皆さんは、いよいよ就職活動本番ですね。
説明会への参加や就活サイトへの登録等、具体的に行動に移す時期に入ってきた頃かと思います。
私が働くオフィスのまわりにも、スーツ姿の就活生の皆さんの姿が多く見られるようになってきました。
今回は新卒採用に臨む大学生の皆さんや、中途採用に挑む社会人の皆さん向けに「人事が通したくなるような志望動機の作り方」というテーマで、志望動機について記載させていただきます。
志望動機については、色々な書籍やサイトで紹介されていますが、今回は、私自身が金融機関で採用業務に携わった経験を踏まえて、採用側の目線を踏まえながら、記載させていただきます。
これから就職活動をされる皆さんは是非ご覧ください。
編集長の白河を筆頭に、「人材紹介会社や大学のキャリアセンターでは教えてくれない、就職活動の本当の情報」を書いていくライター集団。
人材紹介会社の不都合な真実を暴き、就活生・転職者のために役に立つ情報だけを徹底的に公開していく。
そもそも、なぜ考える必要があるのか
本題に入る前に書かせて頂きますが、そもそも、何故志望動機を考える必要があるのでしょうか。
そんな事わざわざ考えなくても、エントリーシートには冒頭必ず書くところが設けられているし、面接でも聞かれる可能性が高いから考えるに決まっているだろ、と皆さんお考えかもしれません。
そうです、その通りなのです。
どの企業のエントリーシートにも志望動機の欄は設けられていて、面接が始まれば必ずと言っていいほど志望動機は聞かれます。
それは企業側が採用の際に重視する項目に深い関係があります。
以下のデータは、企業が新卒・中途採用の際に重視する項目をアンケート形式で集計したものです。まず新卒採用のデータを見ていきます。
出典:就職白書2017-採用活動・就職活動編-https://www.recruitcareer.co.jp/news/20150215_01.pdf
企業が採用基準で重視する項目の第1位は「人柄」、第2位は「自社/その企業への熱意」とです。
これは従業員規模・業種問わず共通の傾向がありますが、第2位の「自社/その企業への熱意」を図る物差しが志望動機にあたります。
そう、志望動機というのは、当たり前の設問なのですが、採用に取って非常に重要な割合を占めるものなのです。
中途採用の際に重視する点についても以下にまとめていますが、「志望動機・志望理由」が2位に入っており、その重要性は新卒採用と遜色ありません。
出典:受かる! 志望動機・理由の書き方、伝え方 – マイナビ転職ーhttps://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/shibodoki
企業が重視する理由
面接を突破する上で、志望動機が重要な位置づけにあることを客観的に確認頂けたところで、志望動機の重要性について更に記載させて頂きますが、企業は何故志望動機・志望理由の確認をそこまで重要視するのでしょうか。
これを理解することで、人事が通したくなる志望動機を作ることが出来るようになります。志望動機を重視する理由について、以下に記載していきますので、見ていきましょう(理由の優先度については順不同)
理由①:自社への入社に対する熱意を知りたい
こちらについては上述の「企業が採用基準で重視する項目と学生が面接でアピールする項目(複数回答)」のご紹介の際の記述とも重複しますが、企業は学生の「自社に入りたいという熱意を確認したい」と考えています。
それを確認する手段として、一番ダイレクトに現れるのが志望動機です。企業としては、限られた枠の中で採用を行っています。
そんな中で、仮に熱意の無い学生を採用してしまい、熱意が無いことで、その後の内定辞退や、入社後の早期退職に繋がることは避けたいと思っています。
ベンチャー気質の企業は別として、一般的な企業は、採用するからには、中長期的に自社で働いてくれる学生を採用したい、と考えています。
私は面接官の経験がありますので分かりますが、本当に熱意のある学生の志望動機というのは、何万人という学生の志望動機の中でも光るものです。
企業としてはその光る志望動機を持つ学生を見つけるため、何百、何千、時には何百という学生の志望動機を聞いています。
理由②:論理的な思考能力を持っているかを確認したい
インターンの経験がある方は志望動機を作成したことがあるかと思いますが、「指定された文字数に全然収まらないよ!」というざっくりとした感想を持ったことがあると思います。
一般的な企業のエントリーシートには文字数の指定があり、数百文字台前半、200文字~500文字に設定されているケースが多いです。
転職の際の履歴書も一般的な文字の大きさで記入するとそれくらいになりますが、このスペースの中で、自分の熱意を他の学生と差別化出来る様な要素を加えて、かつ伝わりやすい正しい文章で収めるのは、なかなか容易なことではありません。
加えて言うと、当然の事ですが志望動機は志望先の数の分だけ必要ですので、新卒採用を目指す方ですと、多い人で数十用意する必要があります。それを一定の期間(3~4月)に、他の予定もこなしながら作成しなければならない訳です。
そんな状況で提出されて来たエントリーシートを、理由①欄でも記載した様に、企業側は何百という数に目を通し、比較し、ふるいにかけていきます。
ふるいにかける基準としては理由①欄記載の通り、「入社への熱意があるか」、という点と、「論理的思考能力があるか」という点になります。
敢えて限られたスペースに文章という形式で凝縮させることで、その学生のアウトプットの質を炙り出し、論理的思考力を確認しています。中途採用についても同様です。
志望動機に関する企業側の意図が理解できたと思います。前置きが長くなりましたが、続いて志望動機をどのように作成すればよいか、記載をしていきます。
盛り込むべき項目①:なぜその企業を志望するのか
上述「理由①:自社への入社に対する熱意を知りたい」欄で記載させて頂きました、企業側の「自社への入社に対する熱意を知りたい」に応えるために、「何故その企業を志望するのか」を織り込みましょう。
これ以上真正面から企業側の意図に応える解はありません。ここで重要なのは、「何故、その【企業】を志望するのか」で、「何故、その【業界】を志望するのか」ではありません。
面接官を担当していた際に、この部分の区別出来ていない学生に多く会いました。私はメガバンクの面接官の経験があるのですが、学生の皆さんは「御社が第一志望です!」と力強い言葉で志望度合を伝えてくれます。
こちらも「そうか第一志望なのか!」と思い、志望動機を聞いていくのですが、その際に「何故【当行】なのか」という点まで掘り下げが出来ていないと、面接官として納得感が全くありません。
銀行の例を出させて頂くと、何故【金融】なのか⇒何故【銀行】なのか⇒何故【メガバンク】なのか⇒何故【当行】なのか、という順で面接官は掘り下げて行きたいのですが、
掘り下げが【銀行】、【メガバンク】辺りで志望動機が止まっていると、面接官としては
「この学生は【銀行】だったらどこでもいいんだろう」「この学生は【メガバンク】だったらどこでもいいんだろう」
という思考に入ります。
この思考に入ってしまうと、他の学生の志望動機と比較した際に、「この学生は熱意が感じられない!」といった評価になってしまいます。
そうならないために、個人的には以下3点の方法で企業の分析をし、その結果を志望動機に織り込むことをお勧めします。
企業分析の方法①:セミナーに参加する
セミナーはその企業の情報を学生目線で噛み砕き、コンパクトにまとめてくれているので、その企業を知るという導入の観点ではとても有益です。社員の方とお話し出来る機会もあり、ざっくりと社風を把握することも出来ます。
その一方で得られる情報は紋切り型の全体的な話が中心になりますし、社員の方とのお話しをするにしても複数人が参加するスクール形式や車座形式になりますので、その企業の当たり前の情報を仕入れる場として参加しましょう。
企業分析の方法②:IR資料を分析する
次にご紹介するのはIR資料を分析することです。企業は上場していればIR資料を開示しています。
IR資料とは株主に対して的確な経営情報を提供するための資料で、具体的には決算短信や有価証券報告書・四半期報告書等がそれにあたります。特に中期経営計画書は必ず読んで下さい。
中期経営計画書はその名の通り、中期、つまり今後数年間のその企業の経営計画が記載されています。個人を含む株主向けの資料ですので、学生の皆さんでも理解し易い内容に編集されています。
この中期経営計画では、株主にアピールするために、その企業の強みや戦略が分かりやすく記載されています。他社との差別化にダイレクトに繋がる情報も多いので、非常に参考になります。
企業分析の方法③:OB訪問をする
OB訪問については必ず行った方が良いです。OB訪問では、セミナーと違い「尖った情報」が得られる可能性が高いです。
例えばOB訪問の相手が営業職の方であれば、現場の話、具体的には、
取引先はどういったところが多くて、その先に対してどういったアプローチを行っているのか、どういった分野が得意なのか、どういった分野では他社に負けているのか、本部からはどういった指示が来ているのか、
といった話が聞ければ、その企業の戦略や方向性が分かります。
もしその企業の戦略や方向性が自分のやりたいことと一致していれば、客観的に見て強い志望動機となります。
OB訪問は面接の練習にもなります。実際にその会社で働く先輩が聞いて違和感を覚えるような志望動機は、当然ながら面接でもウケません。
OB訪問という「プレ面接」で志望動機を聞いてもらうことで、本番に向け志望動機の「質」をブラッシュアップできます。
盛り込むべき項目②:その企業で何をしたいのか
「志望動機に盛り込むべき項目①」で記載したことと重複する部分がありますが、「その企業で何をしたいのか」を盛り込んで下さい。
「志望動機に盛り込むべき項目①:何故その企業を志望するのか」に一部重複しますが、「その企業で、こんなことをしたい!」という想いが伝わると、「入社への熱意」に一層磨きがかかります。
こちらについては上述したOB訪問で情報を入手するのが一番手っ取り早く且つ質の高い情報が得られると思います。
OB訪問については上述でも一部触れましたが、志望する企業に対して複数行うことをお勧めします。
特に部署や年次を変えて行うと効果的です。例えば同じ営業職でも、担当者レベルと会った次はマネージャークラス、営業職の次は本部企画等です。
そうすることで、自分のやりたい仕事が何なのかということを徐々に絞ることが出来ますし、志望動機に具体的な情報を織り込むことが出来ます。
面接で話をする時に
「OB訪問で御社の●●部に所属されている●●さんのお話しをお伺いした際に、●●の案件に携わった時のエピソードをお伺いしまして、とてもやりがいを感じ、自分も同じような仕事をしてみたいと思うようになりました」
と添えられると、「この学生はウチの会社のことを良く知ってるな。本当にウチの会社に入りたんだな」と感じると思います。
あと余談ですが、会社は狭い物で、そのOB訪問の相手と面接官が知り合いだったりすることもありますので、「あいつが一回会っている子だったら大丈夫だろう」なんて思うこともあります。
面接官も人間ですので。
型
ここまで志望動機の内容について記載してきました。このやり方で取り組めば、志望動機の質については、採用される水準になっているはずです。
後は簡潔で分かりやすい文章に落とし込んで行くだけです。落とし込み方としては以下の流れで大抵の企業は対応出来ると思います。
①御社の●●(事業や業務。可能な限り具体的に)携わりたいと考え、志望しました。
②私は●●の観点で●●業界を志望していますが、その中でも●●(事業や業務)において●●(シェアNo1や先進的な取り組みをしている等)な御社であれば、●●(経済・業界・人の拡大に貢献等)が出来ると考えました。
③またOB訪問で●●部の●●さんにお話しをお伺いした際、御社のお話しをお伺いし、●●(雰囲気等)の点でも惹かれ、是非御社で働かせて頂きたいと考えています。
これで200文字程度です。更に文字数に余裕があれば、自己PRも盛り込みましょう。
入社への熱意を伝えよう
志望動機を作成するにあたっての周辺情報やポイントを記載してきました。
企業によって志望動機の位置付けは異なりますが、「入社への熱意」の高さを図る指標であることは、どの企業も共通しています。
「志望動機」という限られた機会を通じ、「入社への熱意」を企業側に伝えられるよう、これからの就職活動に取り組んで頂ければと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
あなたの就職活動が実りあるものになることを願っています。
あなたの事例にあった志望動機を書くための指導をしてほしい場合は、就活スクールを活用してみるのも一手だと思います。
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