大量のお金と時間を費やした就活もついに終盤を迎え、第一志望企業の最終面接までたどりついたA君。しかし、ここまでの努力量に比例して、A君自身もかなり疲弊しているようです。
ガラガラガラー!(ベッドから転がり落ちる音)
こんな状況、いやですよね。
就活って、意外と金食い虫なんです。
就活生へのアンケートでは、就活にかかった費用の平均が16万円、地方の中でも四国は42万円かかったという報告があります。(就活の実態調査 プレスリリース)
今回は、就活にお金がかかってしまう原因、そしてどうすれば就活費用を節約できるのかについて、具体例を交えながらお伝えしていきます。
それだけではなく、就活でかかる全ての費用を回収してしまうとっておきの裏技もお教えしたいと思います。
この記事を書いた人:ひるまき
「ホワイト企業への道」のライター。東京大学工学系研究科にてゲーム理論関係の研究をする傍ら、学生団体のイベントを企画し学生700名と企業40社を動員。しかも企業は財務省や帝人など大手企業ばかり。夏のインターンでは難関の外資系投資銀行や外資系コンサルティングファームなどへのチケットを勝ち取る。ロジカルシンキングが得意で、論理に基づいた信頼性の高い記事執筆には定評がある。頭だけでなく、握力でリンゴを潰す肉体を保持するなど、体作りにも事欠かない。
目次
主な出費はスーツと交通費
では、何にお金が使われているのでしょうか。
ざっと調べてみましょう。
よく出てくるものとして
- スーツ、鞄などの衣料費
- 交通費、宿泊費などの移動費
- 本、文房具などの勉強費
が挙げられます。
他にも、アナウンサーなどの特殊な職種に求められる塾の学費もあります。それぞれ見ていきましょう。
必須のスーツ代
学割込みと言っても、かなり値が張ります。
体質によっては夏用と冬用で2セット必要です。
学生全体の平均は4万円でした。
選考プロセスを受けるための交通費
すごく曖昧になりますが、就活をする学生の移動について、1往復に必要な金額を簡単にまとめてみました。
2016年12月13日現在、福岡は博多駅、鹿児島は鹿児島中央駅を指定
☆マークは片道601km以上
- 札幌⇔東京:37994円(ANA スマートU25使用)
- 八戸⇔仙台:18160円(新幹線利用)
- 八戸⇔東京:32180円(新幹線利用)☆
- 秋田⇔仙台:20060円(新幹線利用)
- 秋田⇔東京:34920円(新幹線利用)☆
- 仙台⇔東京:22000円(新幹線利用)
- 新潟⇔東京:20740円(新幹線利用)
- 金沢⇔東京:27840円(新幹線利用)
- 金沢⇔大阪:14900円(電車特急利用)
- 富山⇔東京:25060円(新幹線利用)
- 富山⇔大阪:17340円(電車特急利用)
- 長野⇔東京:16000円(新幹線利用)
- 長野⇔名古屋:14260円(電車特急利用)
- 長野⇔大阪:23400円(電車特急、新幹線利用)
- 名古屋⇔東京:21780円(新幹線利用)
- 名古屋⇔大阪:12720円(新幹線利用)
- 大阪⇔東京:28500円(新幹線利用)
- 広島⇔東京:37760円(新幹線利用)☆
- 広島⇔大阪:20480円(新幹線利用)
- 広島⇔福岡:17700円(新幹線利用)
- 高松⇔広島:15040円(新幹線利用)
- 高松⇔大阪:15900円(新幹線利用)
- 高松⇔東京:36580円(新幹線利用)☆
- 福岡⇔大阪:30220円(新幹線利用)☆
- 福岡⇔東京:44500円(新幹線利用)☆、40960円(ANAスマートU25利用)
- 鹿児島⇔福岡:20500円(新幹線利用)
- 鹿児島⇔大阪:43400円(新幹線利用)☆、33780円(ANAスマートU25利用)
- 鹿児島⇔東京:41940円(ANAスマートU25利用)
交通費は、就活の期間が長引くほど高くなる
見ての通り、東京、大阪を中心に目的地が複数あり、遠方であればその分交通費も高くなります。
当たり前の話ですが、就活が長引くとその分だけ、都市に出る回数が多くなってしまいます。
企業の選考は、地方の学生だと土日に固まることも多いので、月1回都市に出ると考えましょう。
大阪の場合、新幹線を利用して東京の選考を受けることにすると月約3万円、4月から8月まで通うだけで15万円になってしまいます。
これだけで就活生の平均を突破してしまいそうです。
実際のところ、就活の為に上京した回数は5回~10回が最も多く、平均的には月に1回ほど上京しているのかもしれません。回数が多い人ほど工夫して上京してそうですね。
宿泊代
交通費と同じ上京回数という要素で高くなりやすいのが宿泊費です。
一泊8000円のビジネスホテルから20000円のホテルと様々な形がありますが、大体一泊10000円ほどを見ておきましょう。
参考書、テスト対策の本や文房具などのお金
SPIやG-MATなど、企業がテストの選考で使用する考査は多岐にわたります。
その分、学生側も、対策用の本を複数買わなければならなかったりするなど、交通費に比べて額は小さいですが、
それでも大きな出費にはなってしまいます。
また、ESの郵送費やES用のボールペンなども含めると、全体で15000円ぐらいを見るべきかもしれませんね
(本に1500×5=7500円、ES郵送に4000円、文房具などで3000円)
専門スクール、就活塾にかかる費用
アナウンサーなどを志望する方は、アナウンサースクールの費用もバカになりません。
簡単に調べたところ(日本テレビ系のアナウンススクール)、5か月プログラムで13万円、最後の仕上げ講座で3日8万円などがあるので、20万円強必要になるということです。
これ以外にも、有名企業や待遇の良い企業に入るための就活塾に行った場合はプラスで20~80万円ほどかかります。
就活でかかる費用の総額
さて、各項目見てきましたが、大企業に入るのを目的に就活を4月から8月までの5か月するとしたらいくらかかるのか合算してみましょう。
大阪在住、営業職志望のA君について考えると
- スーツ:32000円
- 東京⇔大阪:25000円×5か月=125000円
- 大阪圏内移動:2000円×3回/月×5か月=30000円
- 宿泊費:10000円×5か月=50000円
- テスト対策本:1500円×5冊(ESの書き方、業界地図、GW対策、GD対策、自己分析)=7500円
- ES提出:140円/社×25社+270円×5社(間に合わなそうになったので速達にした分)=4850円
- 就活塾:72000円(ホワイトアカデミーの1ヶ月完結コースの場合)
合計:321350円
なるほど、めっちゃ高いですね。
ちょっと極端になってしまったかもしれませんが、大企業に入るとなって本気で就活をすると、20万円なんかあっという間に溶けてしまうということは掴めたのではないでしょうか。
費用の負担はバイト代か親族からの借り入れが大半
では、地方出身の方は20万円を超えてしまう就活の費用、いったいどうやって工面するのでしょう?
先ほどのデータによると、大半の学生が、バイト代や家族からの援助で賄っているようです。
家族からの援助はさておき、バイトについてはどんな実態になるのでしょうか。
就活中のバイトは時間不足になりがち
先ほどのA君の場合、バイト代で就活費を工面するとなるとどうなるのでしょう。
結論だけ言うと、年末から必死に貯めるハメになります。
大阪の最低時給は883円(要確認)ですので飲食店などの接客業であればこの時給を基準にしましょう。
親の支援があって結果的に20万円ほど貯めればいいとします。
週4で5時間(これだと授業出られないか、プライベートが犠牲になっちゃいそうですね)働いたとすると4週間で72000円、
生活費が30000円だとすると42000円、20万円貯めるには概算でも5か月かかります。
就活が始まる4月までに貯めきるとすると、なんと11月から貯め始めないといけない計算になってしまいます。
クリスマスや年末年始も遊ばずに節約とか、地獄ですね。
お金地獄を回避するための基本的な方法2選
さて、お金の話はもうこりごりだというあなたも、そろそろ事実を受け入れてください。
就活にはお金がかかるんです。
大企業に就職しようと思ったら、どうしても東京や大阪に来ないといけないですし、選考プロセスでは複数回の上京が求められます。
そうすれば、必然的に金欠からは逃れられません。
では、そんな泥沼金欠地獄から解放されるために、どうすればいいのか?簡単です。
出費を減らすか、収入を増やすしかないのです。
もはや必須!?就活の費用を減らす方法
もともとの大きさがわかっている以上、目が行きやすいのがこっちです。
実際、節約できるお金も結構大きいです。
学割証
ほとんどの学生が新幹線で移動するので結構おすすめです。
JRで片道101km以上の距離を移動する場合、学割を使って運賃を2割引きにすることができます。
特急料金は割引になりませんが、東京⇔大阪で2000円ぐらいやすくなります。
往復割引
JRで片道601km以上の距離を移動する場合、往復運賃で購入すると1割引きになります。
学割とも併用可能で、その時の割引率は28%にもなります。
しかし、片道601km以上の移動となると岡山⇔東京や、八戸・秋田⇔東京など、かなり限られた区間になります。
(上のまとめで該当区間には☆を付けました)
飛行機のLCC利用
飛行機を使う場合の話です。
手荷物は宅配便で頼み、ANAやJALにこだわらずLCC(格安航空機)を利用してより安く東京や大阪へと到達する方法です。
鹿児島や北海道の方はこちらがメジャーになると思います。
最終手段!?体力勝負の高速バス
最終的に最も安いのがバスです。
大阪⇔東京で3000円を切るものもあります。
ただし、寝心地は最悪ですし、ふとした瞬間に財布を掏(す)られる可能性も否定できませんので、十分注意してください。
前日の出発にすると体バッキバキで選考受けることになって地獄です。
Airbnbの利用
今流行りのシェアハウスアプリ「Airbnb」を使う方法で宿泊費を安くすることができます。
Airbnbのダウンロードはこちらから
ビジネスホテルでもだいたい8000円ぐらいになりますが、Airbnbだと4500円だったりします。
ただし、かなりピンキリになってしまうので、レビューはよく見ておきましょう。
究極!?東京にいる友達・親戚の家
コミュニケーション能力などが活きる瞬間かもしれませんね。
親戚や良い友達ならタダで貸してくれます。
また、最近の日本は外国人の旅行者が増えて、ホテルもAirbnbもパンパンになってきています。
これが使えると超強い味方になりますね!
先輩から去年の本をもらう
SPIやG-MAT、玉手箱についてですが、対策方法は数理と言語はあまり変わりません。
時事問題だけは変わるので注意ですが、去年の分の参考書があればもらってしまったほうがコスパいいですね。
また、GDやGWの対策本は毎年刷新されるわけではない(なんなら1年の間でお題が何度も使いまわされます)のでもらってしまったほうがいいです。
就活の空き時間にカフェは意外とお金がかかる!?ビルのフリースペースを利用しよう!
上の原因には書いていませんが、一日に複数企業の面接を受けるとき、企業の面接の間に1時間ほどの間が空くことがあります。
この間にほかの企業のESを書いちゃおうとか、昼食をとろうと考える方は多いと思います。
しかし、ここに落とし穴があります。スターバックスやエクセルシオールなどのカフェは、一つ400円とかなりお高い値段設定になっています。
コンビニで買えば100円で済むコーヒーがです。
カフェでの休憩は、気付けば破産寸前になりかねないので、昼食はなるべく安く抑えて、作業はビルにあるフリースペース(ベンチとか)でするといいでしょう。
また、就活生に優しいこんな便利な場所もあります。
学生なら無料で使えるwi-fi、電源完備のフリースペースです。
賢者屋新宿(東京)
賢者屋梅田(大阪)
都会で働く必要はない!?内地で良い企業を探す!
良い企業は大都市だけではありません。
県内にもたくさんあります。
「○○県、優良企業」で検索すれば、いろんな情報が出てきますし、県内に会社がある分OB訪問もしやすくなります。
大企業ばかりが優良企業ではありませんので、自分にあった企業を見つけだしましょう。
実態はわかりませんが、九州が四国よりも就活にかかった費用が低いのはこの要因かもしれません。
何よりも、早く内定をもらうこと
早く終わるほどかかる費用も少なくて済みます。これだけは実力でなんとかするしかありません。
しっかりと対策をして最短ルートで内定をもらえるようにしましょう!
最速内定ルートはこちら↓
ちりも積もれば山となる!?お金を増やす方法
一方、就職活動を使ってお金を増やす方法もあります。
ただ、こちらは使うお金を減らす方法と違って、一件500円などと比較的低額です。
しかし、それでも20回すれば10000円になるので、結構な大きさになると言えます。
アンケート(1件500円~)
マイナビやリクナビ、JOBRASSを使っていると、時々アンケートのメールが紛れていますよね?
あれ、実は答えるとお金がもらえたりするんです(現ナマじゃなくて金券ですが)。
積極的に参加すれば、そこそこの金額になりそうです。
選考体験記(1件500円~)
みん就(楽天提供「みんなの就職活動日記」)、jobwebに登録していると、就職活動の選考体験記を書くことができます。
アンケートと同じで一件500円が相場です。
採用活動モニター(1件1000円~)
ピボットやレジェンダコーポレーションが有名です。採用活動についてのリサーチを書くという内容です。
選考体験記と合わせて書くことができますね。モニターなだけあって、1件がアンケートよりも高額なのが特徴です。
登録するだけでお金がもらえる就活支援サービス「サポーターズ」
VOYAGE GROUPが展開する就職活動支援サイト「サポーターズ」。説明会参加で図書カード3000円分など、金銭的なサポートが満載みたいです。詳しくは使ってみてのお楽しみです。
Facebookでも話題「ニクリーチ」
就活からは少し遠ざかりますが、OB訪問の際に非常にお世話になるのがこの「ニクリーチ」です。
企業のOBさんに焼き肉をおごってもらいながらOB訪問ができるという非常に魅力的なものです。
まともな就職活動をしていて可能なお金稼ぎはこれぐらいでしょう。他にもあれば、いろいろ書いてみたいと思います。
究極の裏技!?インターンで企業からお金を搾り取る
ただ、「今からお金を貯める時間なんてないよ!バイトの時給は低いし、授業は忙しいし……」
という人もいると思います。
こういった人は、インターンを使ってお金を稼ぐといいと思います。
本当に優秀な就活生はインターンや就活を経てお金を使うどころか儲けています。
その実態を支える収入元が以下の3つです
- 1日1万円を超える企業も「有給インターン」
- 金のある企業は出してくれる「交通費」
- 複数日に渡るインターンや選考で出る「宿泊費」
これらはどれも一発が大きく、そして1社当たりでは1回しか供給してくれないことが多いです。
もう1度言います。
1社で1回が普通です。
何をするのかは察しがついたと思います。
面接は、大体2時間あれば1社終わります。
それで片道分の交通費が出るとすると、朝9時から夕方6時までに交通費が出る会社をひたすら受け続けると4社の面接を受けられます。
するとあら不思議、1日で2往復分の交通費をもらうことができました。
日程を固めることで、1往復分の交通費で大量にお金を手に入れられる!
そして、さらに戦略的に動いている方がいました。
京都大学のT君です。
彼は大学から分かるように京都に住んでいますが、ここで彼のとある時期の活動を見てみましょう。
7/30
- 外資系銀行Bの面接を受ける(交通費片道分)
- 外資系銀行Jの面接を受ける(交通費片道分)
- 外資系銀行Uの面接を受ける(交通費片道分)
- 外資系コンサルAの面接を受ける(交通費片道分)
- 友達の家に宿泊、翌日の面接に向けて若干練習
7/31
- 外資系コンサルBの面接を受ける(交通費片道分)
- 東京観光で夜遊び
8/1
- 何もないので友達と東京観光
8/2
- 外資系銀行Mのインターン(交通費往復分+宿泊施設提供)
8/3
- 外資系銀行Mのインターン2日目
8/4
- 外資系銀行Jの二次面接(交通費片道分)
- 日系コンサルSのGD(交通費片道分)
- 帰宅
T君の戦略は「1回東京へ行ったら意地でも帰らないように選考を組んだ」だそうです。
そのまま合算すれば交通費3.5往復分丸儲けしてますね。
その額約9万円。
ただし、問題になってくるのが領収書をどうやって手に入れるかです。
彼の場合、「領収書自体はもらったけど、要求されなかったから使わなかった」と言っていました。
新幹線は値段がすぐ分かるので、経路と印鑑さえあれば会社側で一括処理してしまいます。
そのため領収書はあまり必要とされないみたいです。
持っておいて損はないですが、日時が違う領収書もなんか違和感ありますので、それは避けた方がいいかもしれません。
結果的に、1週間近く東京でインターンや選考に参加して、おまけに丸一日遊んだのに9万円ほど得するという謎の事態が発生してしまいました。
プロ就活生、恐ろしいです。
ただ、これはT君が非常に優秀で、外資系金融の選考もサラッと通ってしまうからこそできることです。
ちなみに彼、8月末にも同じようなことをして3往復分稼いだらしいです。
ん?
ということは、さっきのと合わせて20万円弱も稼いでますから、就活のお金はほぼ稼いでしまったようなモノになってしまいます。
恐ろしい……
基本的に、お金が出るインターンはIT、外銀、コンサルが多いそうです。
例えば、とあるITの会社。
約3週間10時~19時の間のインターンで最大45万円と内定が出るというのが有名です。
他にも有給インターンとして名高いのがコンサルティングファームのインターンです。
報酬は高く、2日で3万円を出してくれる会社もあるほどです。
しかし、インターンの内容は非常に辛く、心が折れそうになります。
内容は参加した人だけの秘密と言われているので、秘密です。
工夫で金欠を乗り切ろう
就活にかかるお金は非常に高いですが、希望の企業に行きたければ、結婚指輪のつもりで払う人も多いのではないでしょうか?
しかし、できれば安く抑えたいものなので、工夫ができる交通費や宿泊費で節約をしたり、就活サイトが出しているアンケートの謝礼をもらったりしてなるべく負担を減らしましょう。
今の3年生は、外資金融や外資コンサルの選考があったり、日系企業のインターンや業界研究に忙しい時期だったりすると思います。
これから始まる地獄のような金欠生活を乗り切るために、IT企業(探せばすぐに出てきます)だけでも受けてみてはいかがでしょう?
挑戦してみて損はないと思いますよ?
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました(^ ^)
パーフェクト!行ってきまーす!!