- 就活本気でやらなきゃなー
- 説明会もだんだん始まってきて、とりあえず色々参加してるけど、この後どうしたらいいんだろう?
- 大学のセミナーでは自己分析が大事って言ってたから、もう一度自己分析するか……
就職活動も間もなく本番、就活サイトへの登録や説明会への申込・参加等、本格スタートに向けた準備段階かと思いますが、オフィス街ではリクリートスーツに身を包みスマホや紙を片手にビルに入っていく就活生が段々と増えてきました。
いざ就活が始まって準備不足に陥らないために、この記事では、就職活動が本格的にスタートする前に、今後の就職活動を実りあるものにするためにいつからどんなことを準備しておけばいいのかを解説します。
また、金融機関で新卒採用業務に携わった方の経験を踏まえ、ただ内定を取るだけでなく人気企業から内定を取るコツもお伝えしますが、業界・企業分析についても記載しているので、この記事を読んでぜひ就活の計画づくりに役立ててくださいね!
数学検定1級保持者で東京大学工学部卒にもかかわらず、自身の就活に失敗し就職留年した経験から企業の人材戦略の道へ。
新卒の学生が一流企業に内定するための独自の方法論と、3年後離職率・OpenWorkでの評価・帝国データバンクの評点を用いた客観的視点から日夜ホワイト企業を研究。
研究内容を自社メディアで掲載したところ、就活生や親御様の間で話題となり、月間で35万PVを達成した。
現在も、塾生がカリキュラムを消化したものの、ホワイト企業の内定を1社も得られなければ授業料を全額返金という方針で、上位大学だけでなく、全国幅広い大学の学生の就活指導を行なっている。
「就職浪人からANAグループに内定した! 」「留年すれすれから日本IBMに内定! 」「指導を受けた次の日から大手企業の面接で落ちなくなった! 」など、喜びの声多数。
著書に「子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法」(日経BP社)がある。
就職活動のスケジュール
それではまず、今後の就職活動のスケジュールについて簡単に整理します。
就職活動のスケジュールについては昨年度と変更はなく、6月から試験や面接が開始し、9月までには内々定が出そろいますが、それに向け企業は3月からエントリーや企業説明会を開始します。
3月中旬以降はいわゆる走りながら考える状態で、説明会等のイベントを消化しながら志望先を固めていくことになりますが、そういった意味では2月〜3月の上旬までには色々と考えをまとめるとよいかと思います。
また後で触れますが、2月〜3月の上旬までが自己分析や企業分析を落ち着いて行う最後のチャンスでもあります。
就職活動を振り返ってやったほうが良かったこと〜準備不足にならないために〜
先輩達の声
昨年就職活動を行った先輩達を対象にしたここまでの就職活動を振り返って後悔していることというアンケートがあります↓
引用元:キャリタス就活2018年 9月1日時点の就職活動調査
ご覧の通り、自己分析・業界分析・企業分析を挙げている人が多いことが分かりますが、こちらを回答している人の意見としては以下のようなものがありました。
- 自己分析にこんなに悩むと思っていなかった。油断しました。
- 自己分析をせずに本番を迎えたので、面接で捻ったことを聞かれ即答できないことが多かった。
- 企業研究。最終面接で差が出てしまった。
企業研究は就活生の鬼門
リクルートキャリアの就職白書2017の<企業と学生とのギャップ>項目を見ると、「業界研究」「仕事・職種研究」「企業研究」において最も企業評価と学生の自己評価の間にギャップがあることが分かります。
働いたことがないため働くイメージが持てないのが学生の弱点ですが、それが企業研究や業界研究の甘さとして表れてしまっている学生が非常に多いので、まずは1つの企業を深く分析する必要があります。
これについては後ほど説明するのでぜひ読んでくださいね。
自己分析
一般的に言われているような自己分析から志望業界・企業を絞るやり方だと分析結果があなたの行きたいと思っている業界・企業にならず迷走してしまうケースが多々あるため、志望する業界や企業を決めてからその業界・企業に合った志望動機に繋がるよう自己分析結果を導き出していくのが良いです。
自己分析で自らの人生を振り返り、それに基づいてこれからの職場を決めることが理想ですが、20数年の人生経験から理想の職場を導き出せるのはほんのわずかな人だけです。
実際、私の友人は新卒採用業務に携わっていた際に多くの学生に会っていますが、志望動機に明確に紐付くような人生経験を持っている人はほとんどいなかったと言っていました。
志望業界・企業を決めてからその業界・企業で働くに当たって必要となる志望動機を特定し、その志望動機に繋がるような自己分析結果を作っていくことをお勧めしますが、自己分析がどうしても進まない場合は就活塾を活用してみてください。
業界・企業分析
就活生にとって最大の鬼門が業界・企業分析です。
企業分析を進めていくと業界分析も自然とできていきますが、企業分析について詳しく説明する前に企業分析をする必要性について採用側の視点も踏まえて解説していきます。
なぜ企業分析が必要なの?
企業分析をする必要性を一言で言うと企業は自社の企業分析ができている学生を採用したいからです。
企業分析とはその会社の強みや弱みを知ることですが、強みや弱みは基本的に同業他社との比較によって生まれてきます。
企業分析を踏まえた志望動機を言える学生はなぜ他社ではなくこの会社に入りたいのかを論理的に説明できるという評価を得られます。
中途採用が一般的な海外とは異なり、日本では新卒一括採用が一般的ですが、新卒一括採用の場合、一般的には予め人事部が経営陣と調整し決定した採用数を目指して採用業務に取り組み、採用期間終了時に経営陣に対して「今年は計画に対してこういった採用結果になりました」ということを報告します。
ここで人事は経営陣から評価を受けるので、人事は経営陣に対して良い報告をするため計画に沿った採用を行う必要があり、採用する側としては内々定を出した後に辞退されることが一番困ります。
そこで、採用の際に何度も何度も面接をし「この学生が心の底から当社に来たいと思っているだろうか」「実は他社が第一志望で、そちらで内々定が出たら当社を辞退するようなことは無いだろうか」ということを確認します。
この確認の際に企業分析に基づく志望動機を言えると採用する側としては「他社と比べてそこまで当社のことが良いと言ってくれているのであれば本当に入りたいんだろう」「仮に他社に内々定が出たとしても他社を辞退して当社に来てくれるだろう」ということが論理的に判断でき、安心して内々定を出せるのです。
実際、私の知人が採用業務に携わっていた際も、企業分析がボロボロで勢いで第一志望と言っているとしか感じられなかった学生は能力が採用水準に到達していたとしても内々定を出さず、再度面接をしていたといいます。
これは倍率の高い人気企業であればどこも共通のことですので気をつけてください。
企業分析の方法①セミナーに参加する
セミナーではその企業の情報を学生目線で噛み砕きコンパクトにまとめてくれるので、その企業を知るという導入の観点ではとても有益です。
社員の方とお話しできる機会もあり、ざっくりと社風を把握することもできるので、非常に基本的な話ですが、セミナーには参加しましょう。
ただ、得られる情報は紋切り型の全体的な話が中心になりますし、社員の方とのお話をするにしても複数人が参加するスクール形式や車座形式になるので、セミナーだけで企業分析を深めるのは難しいです。
ちなみにセミナーは複数回行われますが、基本的な内容は変わらないので毎回参加する必要はなく、1つの会社に1回参加すれば基本的には十分です。
企業によってはセミナーへの参加回数をカウントしている
就活サイトではスタンプラリーと表現されることもありますが、金融機関では参加回数が多いほど志望度が高いと判断することがあるので、志望順位が高い企業のセミナーには時間の許す限り参加しましょう。
企業分析の方法②IR資料を分析する
企業は上場していればIR(Investor Relations)資料を開示していますが、IR資料分析ができれば他の就活生より一歩リードできることは間違いないでしょう。
IR資料とは株主に対して的確な経営情報を提供するための資料で、具体的には決算短信や有価証券報告書・四半期報告書等がそれに当たります。
特に、今後数年間のその企業の経営計画が記載されてい中期経営計画書は個人を含む株主向けの資料で、学生でも理解しやすい内容に編集されているので必ず読んでください。
中期経営計画では株主にアピールするためにその企業の強みや戦略が分かりやすく記載されており、他社との差別化にダイレクトに繋がる情報も多いので非常に参考になります。
下に友人の話を載せておくので参考にしてください。
採用業務をしていた際、当社の中期経営計画を読み込んだ学生に出会ったことがあります。
お恥ずかしながら私が把握していない情報をその学生は把握しており、単純に感心をしましたし、当社に高い関心を持ち、志望していると感じました。
採用する側は意外と自分の勤めている企業のことは知らないものなので、学生が自分より自分が勤めている企業のことを知っていたら唸り思わず良い選考結果をつけてしまうかもしれません。
やって損することは絶対にありませんので、ぜひ試してみてください。
企業分析の方法③OB・OG訪問をする
OB・OG訪問ではセミナーと違い尖った情報が得られる可能性が高いので、悶々と自己分析を行っている時間があればOB・OG訪問をした方が圧倒的に価値があります。
例えばOB・OG訪問の相手が営業職の方であれば、現場の話、具体的には
- 取引先はどういったところが多くてその先に対してどういったアプローチを行っているのか
- どういった分野が得意なのか、どういった分野では他社に負けているのか
- 本部からはどういった指示が来ているのか
といった話が聞ければその企業の戦略や方向性が分かりますが、もしその企業の戦略や方向性が自分のやりたいことと一致していれば客観的に見て強い志望動機となります。
また、実際に働く上で必要とされる能力が何なのかを聞ければそこからその能力に紐づく経験・自己分析の結果を導き出せるので効率的な自己分析にも繋がります。
さらにOB・OG訪問というプレ面接で志望動機を聞いてもらうことで本番に向け志望動機の質をブラッシュアップできるので面接の練習にもなります。
実際にその会社で働く先輩が聞いて違和感を覚えるような志望動機は当然ながら面接でもウケないので、厳しいことを言われるかもしれませんが、その企業への志望度が高ければ全て受け止めて改善につなげましょう。
1点注意すべきなのはOB・OG訪問の結果は人事に報告される可能性があることです。
先程の方の勤めていた金融機関では、OB・OG訪問を受けた場合は人事部に対して一律報告をすることになっていたそうですが、その学生が優秀だと判断できる場合はその学生の志望部署等細かな情報を報告し、その後リクルーターを付けるんだそうです。
仮に普通と判断されてもマイナスにはならずOB・OG訪問をしたという結果のみが報告されるそうですが、企業としては優秀な学生を囲い込みたいという思惑があり、OB・OG訪問は学生を選別する機会となっているのです。
就活生にとっては「せっかくならリクルーターが付いてほしい」というのが本音でしょうが、ただ漫然とOB・OG訪問を行っていてもあまり効果はないので次のことに気をつけてください。
OB・OG訪問で気をつけること①質問は紙にまとめておき、当日、面談の際に提出する
まず、OB・OG訪問をする際は事前に質問事項をまとめ、当日、訪問の開始時点で紙で提出するとよいです。
紙にまとめることで質問の内容がシャープになりますし、面談者への熱意も伝わりやすいです。
面談者が人事部に対してOB・OG訪問の結果を報告する際に氏名や所属、連絡先を記載する可能性があるので、面談者がスムーズに報告できるようにするためにも忘れず記載しておきましょう。
OB・OG訪問で気をつけること②年次や役職が異なる人を複数回訪問する
志望順位が高い企業に対してはOB・OG訪問は複数回行うと良いですが、1回目は平社員、2回目は役付き等、年次や役職が異なる人を訪問してください。
自分と年齢の近い若い社員に話を聞きがちですが、同じような年次・役職の社員に話を聞いても得られる情報は大差ありません。
平社員と平社員を部下に持つ役付きでは求められるものが違いますし、それによって考え方も異なるので質問をしたときの回答も千差万別です。
部署が違うと聞ける話も違うので、企業をよく知るという意味では訪問相手のバリエーションを付けましょう。
OB・OG訪問で気をつけること③少し突っ込んで聞いてみる
常識から逸脱したことはもちろん控えた方がいいですが、その企業の強みや弱み程度なら聞いても全く問題ありませんし、給与水準や福利厚生も意外と聞いても問題ありません。
むしろ表面的な質問しかしてこない学生よりもこういった少し突っ込んだ質問をする学生の方が、「この学生は実際に働くイメージを持っているんだ」といった観点で志望度合が高いと判断できるため高評価を受ける傾向にあるようです。
「御社で働くイメージを具体的に持ちたいので」と枕詞を付けて質問すれば大抵の質問に答えてくれるはずですが、そうやって得た情報が企業分析を深める情報となります。
就活準備をしてないなら一早く動こう!
人気企業の内定を取るための就活準備というテーマで長々と書きましたが、お伝えしたいのは就職活動を成功させるための準備は今からでもできるということと人気企業から内定を取るためにはその企業をよく知るための企業分析が重要だということです。
企業分析では企業から提供されている機会を大切にして情報を得ていくことが大事ですが、時間も体力もかかるので今から入念な準備を始めてください。
就活の準備は早いに越したことはありません。
自己分析が足りなければ強みも分かりませんし、企業分析が足りなければ志望理由が薄っぺらい内容になってしまいます。
情報収集も怠ったならば志望企業のエントリーが既に終わっていたなんてこともあり得ますが、これらは全て人ごとではなく、自分の身に降りかかってくることかもしれません。
今からできる準備をしっかりと行うことが一番の近道ですが、「やっべ、全く準備してないや! もう1人じゃ抱えきれないタスク量だ……と気づいたのであれば今すぐ就活塾に駆け込んだ方がよいでしょう↓