就職留年のメリット・デメリット、面接で効果的な答え方を解説

就職留年をする善し悪しを解説
  • 「このままだと就職できないかもしれない。就職留年した方が良い?」
  • 「就職留年すると選考で不利になるの?」

このような悩みを抱えている就活生も多いのではないでしょうか。

就職留年をすることで時間的な余裕が生まれ、十分な就活対策を行ったり、新たなアピールポイントを作ったりできるメリットがあります。

しかし、デメリットも踏まえた上で就職留年を選ばないと、結局同じことの繰り返しになってしまう恐れもあるのです。

そこで今回は就職留年をするメリット・デメリットを始め、面接で留年理由と答えるときのポイントや回答例について解説します。

最後まで目を通せば、就活を成功させる就職留年のやり方やよくある質問までわかります。

この記事を書いた人:竹内健登

就活塾ホワイトアカデミー校長。デロイトトーマツグループの人材戦略コンサルタントを経て現在は就活コンサルタントとして活躍。

数学検定1級保持者で東京大学工学部卒にもかかわらず、自身の就活に失敗し就職留年した経験から企業の人材戦略の道へ。

新卒の学生が一流企業に内定するための独自の方法論と、3年後離職率・OpenWorkでの評価・帝国データバンクの評点を用いた客観的視点から日夜ホワイト企業を研究。

子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法研究内容を自社メディアで掲載したところ、就活生や親御様の間で話題となり、月間で35万PVを達成した。

現在も、塾生がカリキュラムを消化したものの、ホワイト企業の内定を1社も得られなければ授業料を全額返金という方針で、上位大学だけでなく、全国幅広い大学の学生の就活指導を行なっている。

「就職浪人からANAグループに内定した! 」「留年すれすれから日本IBMに内定! 」「指導を受けた次の日から大手企業の面接で落ちなくなった! 」など、喜びの声多数。

著書に「子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法」(日経BP社)がある。

 

そもそも就職留年とは?就職で不利になるの?

首をかしげる女性 

そもそも就職留年とは、大学にもう1年留年して新卒枠で就活を続けることです。

下記のような理由で就活の結果に満足できず、「もう一度やり直したい」と感じた大学生がとる選択肢といえます。

  • 第一志望や大手の会社から内定がもらえなかった
  • 内定は獲得できたが、後で評判の良くない企業と知った
  • 部活やサークル活動などに熱中し、就活対策が十分にできなかった

就職留年を理由に不採用にする企業は少ないため、大きく不利になることはありません。

また似た言葉に「就職浪人」がありますが、就職留年との違いは下記の通りです。

就職留年就職浪人

概要説明
大学を留年・休学し、翌年に学生として再度就活すること留年・休学・就職せずにそのまま卒業し、翌年に既卒者として再度就活すること
対象となる応募求人
新卒(大卒)既卒(第二新卒)

このように就職浪人生と就職留年生では置かれている状況が異なります。

就職浪人をして既卒扱いになった場合、職歴のある社会人と同じ土俵に立って戦わないといけないため、不利になってしまいやすいです。

そのため「納得のいく就活にしたい」と考えているのであれば、就職浪人よりも就職留年をする方が良いでしょう。

留年を決める前に!就活生が後悔しないようやるべき3つのこと

説明する女性

不採用の連続や日々の就活疲れで、「もう就職留年しようかな……」と考えている就活生も多いのではないでしょうか。

しかし、留年を決める前にまだできることがあります。

「あのときもっと力を入れておけばよかった」と後悔しないためにも、次の3つのことをやってみましょう。

①うまくいかない原因を特定し、改善していく

1つ目は就活がうまくいかない原因を特定し、改善していくことです。

就活で1つも内定がとれていない場合、何らかの原因があると考えられます。

例えば以下のようなケースです。

  • 自己分析が不足しており、考えが整理できていない
  • 面接での受け答えが適切ではない
  • 就活の軸がぶれていて説得力がない

まずは原因を特定し、改善策を考えることが重要です。

もしあなたが「就活の軸をうまく説明できない」と思っているなら、下記のことをやってみてください。

  1. 今設定している軸が「本当に自分がやりたいことなのか」を考える
  2. その就活の軸にしようと思った具体的なエピソードを洗い出す
  3. 「結論→具体的なエピソード→入社後のビジョン」の順に話を組み立てる

このように今就活が失敗している原因と向き合い、1つずつ修正していくことが大切です。

下記の記事では、志望企業に全落ちしてしまう要因について解説していますので、ぜひ目を通してみてください。

就活で内定が出ないの6つの要因とは?

また就活の軸の見つけ方や面接での答え方に悩んでいる場合は、以下の記事をあわせてご一読ください。

【働き方・業種・職種別】就活の軸の具体例や答え方を紹介

②自分の強みが社風に合う企業を選ぶ

自分の強みや長所が社風に合っている企業を選ぶことも、就活を成功させる方法の一つです。

落ち着いていてマイペースな性格の就活生が、元気はつらつとしてスピード感のある企業の選考を受けても、社風とマッチしにくいので落とされる確率が高くなります。

上記のような就活生の場合は、自分のペースで着実に取り組める仕事ができる業界・企業をメインに選ぶ方が、採用の可能性が高まります。

あらためて自己分析やOB訪問などを通して、自分の強み・長所を把握しましょう。

その上で強みを活かせる業界を中心に応募してみてください。

「自己分析のやり方で悩んでいる」という就活生は、下記の記事をご覧ください。

自己分析のスムーズな進め方や、分析結果を自己PRに活かす方法を解説しています。

自己分析の効果的なやり方と自己PRの例を紹介

③就活塾や就活エージェントを活用する

ここまで選考を受けてきて以下のように感じている就活生は、就活塾やエージェントを活用することがおすすめです。

  • 面接やグループディスカッションが苦手に感じる
  • 一人だと就活のモチベーションが維持できない
  • 志望業界・企業が自分に合っているのか分からない
  • ホワイト企業に就職したい

特に就活塾の場合、生徒指導の経験が豊富な講師がサポートしてくれます。

やる気が落ちたときも担当者が相談に乗ってくれたり、書類添削や面接対策のアドバイスをもらえたりするので、モチベーションも維持しやすいです。

また大手就活塾ならLINEやSkype、Zoomなどを使って無制限で講師に質問できるところも多くあります。

「面接でこんな風に回答したら面接官の反応が良くなかった。どうすれば良い?」と思ったときも、気軽に聞けるので就活を進めやすいのもメリット。

無料で相談会を開催している就活塾もあるので、一人だけで悩まず、まずは就活のプロに相談してみることがおすすめです。

「どんな就活塾に通えば良いの?」と気になっている方は、下記の記事をご一読ください。

おすすめの大手就活塾の特徴について詳しく解説しています。

おすすめの大手就活塾8社と大手塾に通うメリット・デメリット

ここまで読んで「やっぱり就職留年して、もう1年頑張りたい」と思った方は、留年のメリット・デメリットを踏まえた上で決断することがおすすめです。

続けて解説していきますので、ぜひご覧ください。

就職留年をする3つのメリット

就活の面接を受ける女性

就職留年をするメリットには、次の3つがあります。

①新卒採用枠として就職できる

1つ目のメリットは、新卒として企業の選考を受けられることです。

新卒採用なら採用枠が多く、ポテンシャルを重視している企業がほとんど。

既卒扱いになる就職浪人の場合よりも選択肢が豊富にあるため、採用される可能性高まります。

また就職留年をして新卒枠で内定をもらえれば、同期と同じスタートを切ることが可能です。

手厚い新人研修も受けられるので、しっかりと知識や技術を吸収しながら成長していくことができます。

②社会人になった同級生から情報収集できる

先に社会人になった同級生から、次のような情報を収集できることもメリットの一つです。

  • 企業が求める人材
  • 実際の仕事内容
  • 働き方

大学4年生で就活をしている間は、企業の情報を知る機会は限られています。

企業説明会や選考、OB訪問などを通してある程度情報収集できても、「実際はどうなのか」というイメージがつきにくいこともあるでしょう。

しかし、仲の良い友人から生の声を聞くことで、「採用担当者はこういう人物を求めているのか」「ずっと就きたかった職業だけど、ちょっとイメージと違うな」など判断しやすくなります。

あらためて業界・企業選びや自己分析に活かせるため、より自分に適した企業を選びやすくなります。

③諦めた企業に再チャレンジできる

就職留年を行うことで、一度諦めた企業に再度就活できます。

前年に選考日程が被ってしまったり、外せない用事ができてしまったりと、さまざまな理由で諦めてしまった企業もあるでしょう。

上記の場合でも、次の一年で再度チャレンジすることにより、内定を勝ち取れるかもしれません。

選考内容には大きな違いが出にくいため、事前に内容を知っている場合は、とくに有利に就活を進められるでしょう。

④就活の準備をする余裕が生まれる

4つ目のメリットは、時間に余裕があるので就活に集中できることです。

大学4年生の場合は卒業研究や卒業論文、サークル活動、アルバイトなど、就活以外にやるべきことが多いです。

限られた時間のなかでエントリーシートの作成や面接対策を行わなければならなので、あまり注力できずに思うような結果が得られないケースもあります。

しかし、就職留年をすることでもう1年時間的な余裕ができるので、計画的に就活に取り組むことが可能です。

志望する職業に役立つ資格を取得するなど、アピールポイントを増やすこともできます。

「このままでは納得のいく就職ができない」という就活生は、就職留年を選択肢に入れるのも良いでしょう。

就職留年をする3つのデメリット

バツ印を作る男性

逆に就職留年をすることで、下記3つのデメリットがあります。

①私立大学の場合は学費がかかる

1つ目のデメリットは、私立大学だと在学費用がかかることです。

すでに卒業単位を取り切っている就活生なら、大学を休学して就職留年するパターンが多いでしょう。

私立大学で休学する場合、授業料ほど高くはありませんが、約20万円くらいの費用がかかります。

大学によっては数万円で休学できるところもあるので、自分の大学の休学制度を確認してみましょう。

ちなみに国立大学で休学する場合は、全額免除になるため在学費用はかかりません。

②1人だとモチベーションを維持しにくい

1人だと就活のモチベーションを維持しにくいことも、デメリットの一つです。

就職留年した場合、仲が良かった友人の多くは就職してしまうため、一緒に就活を頑張れる仲間がいなくなってしまうケースも多いです。

「あの企業の説明会はこんなことを話していた」「この前の面接ではこんな質問をされた」など気軽に情報交換したり、励ましあったりする機会がなかなかありません。

またすでに社会人として働いている友人に会ったとき、「自分はまだ就活生だなんて……」と引け目を感じてネガティブになってしまうこともあります。

そのため1年間モチベーションを維持するなら、次のように規則的な生活を送り、目標を立てることが大切です。

  • 朝7時に起きてジョギングやストレッチをする
  • TOEICの点数を上げる、資格を取得するなどの目標を立てる

また友人や家族に自分で立てた就活スケジュールを公開し、定期的にちゃんと達成できているのか確認してもらうこともおすすめします。

③面接で留年の理由を聞かれる可能性が高い

3つ目のデメリットは、就活の面接時に留年の理由を聞かれる可能性が高いことです。

基本的に面接担当者は「なぜこの学生は留年したのか」「どこも内定を出さなかった要因が何かあるのでは」のように気になっている状態です。

「第一志望の企業に就職できなかったから」と単に事実を伝えるだけでは、安易に就職留年を選んだ人としてマイナスの印象になる恐れもあります。

そのため採用担当者を納得させられるように、明確な留年理由や1年間に頑張ったことなどを用意しておきましょう

面接で留年理由を伝えるときのポイントはこの後解説しますので、ぜひ続けてご覧ください。

面接で不利にならないために!押さえるべき2つのポイント

面接をする就活生の男女

就職留年をして面接で不利にならないためにも、下記2つのポイントを押さえておきましょう。

①留年理由は正直に答える

1つ目のポイントは、留年理由を正直に答えることです。

就活の面接では、留年理由を掘り下げて聞かれるケースがほとんどです。

悪い印象を持たれないように中途半端な嘘をつくと、逆にぼろが出て「何か隠したいことでもあるのでは」と良くない印象を持たれてしまう恐れがあります。

まずは「部活・サークル活動に熱中していた」「就活の準備が遅れてしまった」など、素直に理由を伝えるようにしましょう。

最も大切なのは、あなたが就活で同じ失敗を繰り返さないように、どのような対策を行ってきたのかを伝えることです。

②失敗を反省して活かしたことを伝える

「前年度に就活で失敗した経験」をもとに、この1年間で行動したことを伝えましょう。

就活を成功させるために「この1年間にどんな努力をし、どうやって成長できたのか」を説明できれば、自分なりに困難を乗り越えたエピソードとしてアピールポイントになります。

下記の流れで話を組み立ててみてください。

  • 結論
  • エピソード
  • 改善方法
  • 入社後にどう活かしていきたいか

またエピソードに納得感があるか、努力が聞き手に伝わりやすいかなど、客観的な目線でブラッシュアップしていくことが大切です。

両親や友人に面接官役をお願いし、何度もチェックしてもらうことをおすすめします。

面接で留年理由を聞かれたときの例文を紹介

面接で回答する女性

ここでは「面接で就職留年の理由を聞かれたときに、どう回答すれば良い?」という就活生に向けて、例文を紹介します。

OKパターン・NGパターンの2通りを掲載しますので、ぜひ参考にしてみてください。

例文①:OKな答え方

まずはOKパターンの回答例から見ていきましょう。

OK例①:部活やサークルに励んでいた場合

私が留年した理由は、部活動に力を入れ過ぎて就活にあまり時間を割かなかったからです。

私は創作サークルの部長を任されており、平日にテーマを決めて部員全員で創作活動に励んだり、大学祭に展示する作品を作ったりと充実した日々を送っていました。

新入生も含めた皆が居心地の良い環境になるよう、定期的にアンケートをとって活動の方向性ややり方を改善していくことにも力を入れていましたが、就職活動が疎かになっていました。

そのため留年を決めてからは、毎月就活対策のスケジュールを立て、計画的に自己分析や面接対策を進めていきました。

入社した後はサークル活動で培った協調性や、より良い環境に改善していく力を活かし、お客様が笑顔になれる空間作りに努めたいです。

OK例②:納得のいく就活ができなかった場合

私が留年をしたのは、自分が納得のいく就活をしたかったからです。

就職はゴールではなく、これからの自分の人生を左右する大事な出発点と考えています。

去年は自分が納得して出発できると思えなかったため、一度留年をして就職活動をやり直すことに決めました。

去年うまくいかなかった原因は、面接中に頭が真っ白になってしまい、面接官に自分の考えを分かりやすく説明できなかったことだと考えました。

そのため留年してからは、プレゼンを行うコミュニティやセミナーに参加し、何度も人前で考えを発表する訓練をしました。

その結果、知らない人や大人数の前でも緊張せずに話せるようになり、プレゼン力も身につきました。

入社後は留年で失った1年の遅れを取り戻しつつ、このプレゼン力や発信力を営業の仕事に活かし、御社の業績に貢献していきたいです。

上記のようにまず結論から入り、改善方法や入社後に活かしていく方法に繋げましょう。

留年理由はネガティブな内容であっても、最終的に前向きな印象を与えられるように組み立てることが大切です。

例文②:NGな答え方

続いてNGパターンの回答例を2つ紹介します。

NG例①:昨年は1つも内定が取れなかったからです

「内定が取れなかったから」だけで終わらせた場合、「単に就活に力を入れず内定が取れなかった人」と捉えられる可能性があります。

失敗から何も学ばなかった印象になってしまうため、「入社後も成長しようという意欲が見られないかもしれない」と面接官に不安を与えてしまう恐れも。

ネガティブな回答で終わらせず、必ず失敗から学んだことも含めるようにしましょう。

NG例②:昨年の結果に納得できなかったからです

OKパターンの例文と似ていますが、上記のように答えることで「他人からされた評価に対して納得できない人」という印象を持たれる場合があります。

このような就活生に対して面接官は「すぐに不満を漏らして辞めてしまうのでは」「輪を乱す恐れがあるのでは」と考え、不採用を出す可能性が高いです。

自分が納得のいくように、1年間でどんなことに取り組んだのかを説明できるようにしましょう。

就職留年をした人が就活を成功させる4つのやり方

握手する男女

就職留年をした人が就活を成功させるためには、下記4つのことを押さえる必要があります。

順番に見ていきましょう。

①まずは休学手続きをとる

1つ目は大学の休学手続きを行うことです。

申請期間中に早めに手続きを済ませておけば、精神的な余裕も生まれます。

休学の申請期間や休学期間は大学ごとに異なるため、休学制度をチェックしておきましょう。

基本的な手続きの流れは、下記の通りです。

  1. 学部の窓口などで休学届をもらう
  2. 休学届に記名・押印し、提出する
  3. 大学から休学の許可が下りる

大学によっては、保証人や指導教員との面談が設けられたり、休学理由を問われたりすることもあります。

休学理由は「経済的な理由」や「海外留学」、「病気や怪我」などが一般的で、大学で定めた理由以外は認められないケースも。

どう説明するべきか迷ったら、大学の学生課などで相談してみましょう。

②戦略を立て、早めに就活対策を始める

休学手続きを終えた後は、戦略を立てて早めに就活対策を始めましょう。

前年度と同じ就活対策をしても同じ結果になってしまう可能性が高いので、行動を変えていく必要があります。

そのため、まずは毎月どうやって就活対策を進めていくかスケジュールを作成しましょう。

例えばアピールできる資格を取得したいなら、「TOEICで〇点以上取れるように、来月から1日3時間以上は問題集を解く」などです。

スケジュール管理アプリなどに日々のやるべきことを記入し、1つずつこなしていきましょう。

③前年度と違う業界や企業も受ける

3つ目は前年度と違う業界や企業にもエントリーすることです。

志望先の選択肢を広げることで、自分にマッチする企業と出会える可能性が高まります。

また売り手市場の業界や企業に注力することで、内定をもらいやすくなり、就活の自信を取り戻すことにも繋がります。

例えば前年度に大手ばかり狙っていて玉砕したなら、中小やベンチャー企業にもエントリーしてみましょう。

④留年中にアピールポイントを作る

就職留年中に新たなアピールポイントを作ることもおすすめです。

特に「自分にはアピールできるようなことがない」と感じている人ほど、この機会にいろいろな経験を積むことで、自分をレベルアップさせることができます。

例えば下記を行うなどです。

  • 就職に役立つ資格を取得する(TOEIC、ファイナンシャルプランナー2級、日商簿記など)
  • 長期インターンに参加する
  • 志望企業の業務に関係したアルバイトを始める

重要なのは「資格を取得する」「インターンに参加する」で終わりではなく、「その資格や経験をどうやって業務に活かしていきたいか」というアピールに繋げることです。

エントリーシートや履歴書を作成する際も、上記のことを念頭に置いて記入してみましょう。

就職留年でよくある質問

悩む女性

ここでは、就職留年についてよくある質問を紹介します。

①就職留年を考えるのはいつ頃がいい?

大手企業を狙いたい場合は、5月時点で就職留年を決めても良いでしょう。

4月末時点で大手のエントリーはほぼ締めきってしまい、それ以降に大手企業の内定獲得を目指すことは厳しいからです。

下記の動画でも就職留年に切り替えるタイミングについて解説していますので、ぜひご覧ください。

②無名企業に就職するよりも就職留年すべき?

「無名よりも就職留年が良い」とは一概には言えません。

無名でも隠れたホワイト企業はあるからです。

説明会など選考を通して実際に社員の話を聞き、業務内容や会社の雰囲気が自分に合っているようなら就職するのもありでしょう。

ただし、あなたが「無名すぎて内定先を周りに言うのが恥ずかしい」のように劣等感を感じてしまう場合は別です。

入社後のモチベーションにも大きく関わるので、就職留年するのも一つの手です。

③就職留年して入社しやすい業界・しにくい業界はある?

就職留年して入社しやすい業界・しにくい業界は下記の通りです。

  • 入社しやすい業界:不動産、IT
  • 入社しにくい:金融、大手総合商社

不動産業界

不動産業界は新卒採用において就職留年が不利になりにくい業界のひとつです。

不動産業界では、実務経験やスキルの高さが評価されます。

そのため、就活時に、就職留年期間に取り組んできた活動や、インターンシップなどで得た経験やスキルがプラスに働くことが多いです。

また、不動産業界では常に人手が不足しているため、留年が不利になりにくいのです。

不動産業界は、体力的にハードである可能性がありますが、歩合給も高く、努力が給料に反映されやすい業界です。

就職後はたくさん働いて稼ぎたいと考えている方におすすめの業界です。

IT業界

IT業界も就職留年が不利になりにくい業界のひとつです。

IT業界は新たな知識や技術を習得することを重視しています。

このため、就活時には、就職留年を利用して新たなスキルを習得したり、既存の知識を深めたりすることが評価される傾向にあります。

また、中途採用も活発な業界なので、新卒枠にこだわらない求人も多く、就職留年が不利とは言えません。

さらに、IT業界はプロジェクトベースの仕事が多いため、実務経験を持つことが強みになります。

就職留年中にインターンシップなどで経験を積むことで、就職活動で優位に立つことが可能です。

金融業界

金融業界は一般的に就職留年が不利に働くとされます。

金融業界は新卒一括採用を重視し、早期のキャリア形成を重要視する傾向にあるためです。

新卒一括採用は、新入社員を同じスタートラインから育て上げることで、企業独自の業務スキルや企業文化を一貫して教育するメリットがあります。

そのため、留年経験があると、他の新卒者と比較して時間的な遅れが生じるため、企業側から見ればリスクとなる可能性があるのです。

金融業界への就活を考えている方は、企業のリスクを上回る自身の強みを伝えるよう心がけましょう。

ただし、金融業界でも経験豊富な人材を評価する動きが見られます。

就職留年をする際は自身の経験を活かしたアピールや、金融業界における自身の適性を明確に伝えることが重要です。

特に金融業界は真面目な人物が好まれる傾向にあるため、留年はネックになりやすいです。

総合商社

総合商社も就職留年が不利に働く傾向にある業種です。

とくに、大手総合商社は、日本国内でもトップレベルの人気があるため、現役の就活生と比べると、留年は不利に思われる危険性があります。

留年したことで得られる経験や知識が、自身のキャリア形成にとって有益であると考えるなら、それをアピールすることで、見方を変えることも可能です。

周りの就活生に負けないよう、インターンシップやESなどの選考対策を行い、留年した理由を説明できるようにしておきましょう。

就職留年したときに入社しやすいかどうかで業界を選ぶ場合は、不動産やIT業界をメインに見ることをおすすめします。

④就職留年と既卒就職ではどっちを選ぶべき?

どちらが適しているかは就活生にもよりますが、就職留年の方が新卒枠を利用できる分、有利になる可能性が高いです。

しかし、近年は既卒学生を新卒として受け入れる企業も増加傾向にあります

マイナビの調査によると「既卒者を新卒として受け入れる」と回答した企業は、32.9%(2012年)から54.1%(2022年)に上昇しています。

引用:キャリアリサーチLab「既卒者採用の10年間とこれから

そのため就職留年と既卒就職(就職浪人)のメリット・デメリットを自分なりに踏まえた上で、選ぶことをおすすめします。

既卒で就職浪人をする場合のメリットやデメリットは、下記の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。

就職浪人のメリット・デメリットとは?必勝ポイントも公開

⑤昨年落ちた会社を再度受けられる?受かる?

前年度に選考を受けて不採用になった場合も、再度受けることは可能です。

しかし、内定をもらえるかというと可能性は低いです。

企業には選考データが残っているため、落ちた原因をあなたがしっかりと改善できていない限り、厳しいといえます。

志望企業はなるべく前年度と変えて臨むのが良いでしょう。

⑥公務員を目指すのはあり?

就職留年をした人が、公務員を目指すのはありです。

公務員は就職留年をしていても、30歳前後までなら応募資格を満たせます。

「公務員試験の模擬面接はどうすれば良いの?」と気になる方は、下記の記事をご一読ください。

公務員試験の模擬面接のやり方と注意点を解説

計画的に就活を進めて、納得のいく内定を勝ち取ろう!

桜を見上げる就活中の女性

今回は就職留年について知りたい就活生に向けて、メリット・デメリットや面接で答えるときのポイント、例文などを解説しました。

最後に今回の記事のポイントを一覧にしてみましたので、ご覧ください。

  • 就職留年とは大学にもう1年留まり、新卒枠で就活をすること
  • 就職留年を決める前に、改めて原因の改善や就活サービスの利用を考える
  • 就職留年をすることで、社会人の友人から情報収集したり、アピールポイントを作ったりできる
  • モチベーションを維持することが難しい、留年理由を面接で聞かれるなどのデメリットもある
  • 就職面接では留年理由を正直に答え、「反省をどう活かしたか」を述べることが重要になる
  • 留年を決めたら早めに就活対策に取り組み、前年度と違う業界・企業もエントリーする

ぜひこの記事を参考に就職留年するかどうかを決め、あなたが納得のいく就職を目指しましょう。

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