「鉄鋼業界に就職したいけど業界研究が上手く進まない……」
「ホワイトな鉄鋼企業に就職したい!」
「鉄鋼業界は景気に左右されやすいって聞いたけど本当?」
就活生にとって、普段の生活となじみがなく、専門用語も多い鉄鋼業界はどんな業界なのかイメージするのは難しいかもしれません。
そこでここでは鉄鋼業界の仕組みや最近のニュース、売り上げランキングなどを細かく紹介していきたいと思います。
ぜひこの記事を読んで鉄鋼業界についての知識を深め、就活を有利に進めてください!
この記事の登場人物
富田:理工学部の大学3年生。自己主張は苦手だが心根は優しい草食系男子。メーカーを志望して就活をしている。
白河:社会人3年目のヘッドハンター。ホワイトアカデミー在学中に内定をもらった東証一部の人材系企業で勤務。ホワイトアカデミーとは、特別講師という形で現在も付き合いが続いている。
目次
鉄鋼業界とは?
鉄鋼業界とは鉄鉱石やコークスを原材料として作り出した銑鉄、そして銑鉄から不純物を取り除いた鋼鉄を作り、それを加工した鋼板などを自動車業界や建築業界など様々な分野に提供している業界です。
「モノ」を作るのに鉄、鉄鋼は欠かせず、その必要度の高さから日本では安定して需要があった業界ですが、近年生産量が低下しています。
鉄鋼業界はリーマンショックの時にも大きく生産量を落としたように景気の影響を受けやすい業界でもあります。
それに加えて近年は世界的に鉄鋼の生産が行われることで生産過剰になっている現実があります。その一番の原因は中国にあると言われています。
中国は世界の粗鋼生産量の約半分(約8億t)を生産していると言われており、これらが安く輸出されることで日本国内の鉄鋼業界にも大きな影響を与えているのです。
ビジネスモデル
鉄鋼業界はどのように利益を上げている業界なのでしょうか?
鉄鋼業界はジャンルで分けると「素材産業」に分類されます。
これは主に原材料、鉄鋼業界であれば鉄鉱石や石炭を購入して、それを加工し、加工したものを他の業界へ売却することで利益を生むという産業です。
素材にも様々なものがありますが代表的なもので言うと「鉄鋼業界」「銅・アルミニウム業界」「セメント業界」「製紙・パルプ業界」などがあります。
その中でも鉄鋼業界の高炉はかなり特殊な部類に入ります。
鉄鉱石などで銑鉄を作り出す高炉は一度稼働させると完全に止めてしまうことはほとんどありません。
一度止めてしまうと中で溶けて流動体になっていた銑鉄が冷えて固まってしまい、動かせなくなってしまうからです。
また、完全に止めてしまった高炉をもう一度動かすのには大変な労力と費用がかかります。
そのため一度動かした高炉は少なくとも10年以上は24時間休むことなく稼働させることになります。
その維持する費用もかなりのものとなりますので、鉄鋼業界はそれだけ出費が多い業界でもあります。
年収はどれくらい?
鉄鋼業界全体で平均年収を見ると500~600万円ほどとなっています。
ただしここには「営業・開発・事務」といった社内で勤務する「総合職」と現場で作業する「技術職」がすべて含まれていますので職種によって大きく変わるのは間違いありません。
また、日本の高炉メーカーでも上位4社の大手企業では平均年収はかなり高めに設定されています。
企業の規模や職種によって年収には違いが見られますが、業界全体としては手当や福利厚生はかなり充実していると言えます。
まず基本的な手当としては「時間外手当、深夜手当、通勤交通費、営業職手当、勤務地手当」などがあります。
特に現場で働く人たちは高炉が24時間稼働しているということもあって、深夜勤務や早朝勤務があることが多くあります。
そのために深夜手当などが充実しているのです。
メーカーの種類
一口に鉄鋼業界と言ってもその製造方法によっていくつかに分類されています。
何を作っているか、何で作っているかということを正しく理解し、それぞれの違いを理解していきましょう。
高炉メーカー
高炉メーカーとは高炉で原材料の鉄鉱石やコークス(石炭を蒸し焼きにしたもの)から銑鉄を生産し、転炉工程や鋳造工程などを経て最終製品である鉄鋼の製造までを一つの敷地内ですべて一貫して行う大規模な鉄鋼メーカーのことを言います。
その生産規模や資本、影響力は他の電気炉メーカーや特殊鋼メーカーよりもはるかに大きく、日本鉄鋼連盟の幹部も基本的には高炉メーカー出身者がほとんどです。
しかし24時間稼働し続け、大量の鉄鉱石や石炭を使用する高炉は環境への影響が極めて大きく、銑鉄を減らしてスクラップやごみ鉄の投入を増やしたり、電気炉での生産を増加させるという業態変更が進められています。
電気炉メーカー
鉄スクラップを原料として電気炉で溶解して不純物を取り除き、鉄鋼や鋼材製品を生産する鉄鋼メーカーが電気炉メーカーです。
一般的には鉄筋や鋼板、平鋼などの普通鋼を生産して販売するのを電気炉メーカーといい、特殊鋼を生産する特殊鋼メーカー、鋳鍛鋼製品を生産する鋳鍛鋼メーカーといって分類されています。
「電気炉」は略して「電炉」ということがありますので、電気炉メーカーのことを電炉メーカーと呼ぶこともあります。
特殊鋼メーカー
特殊鋼メーカーは鉄スクラップを原料として普通鋼とは違った高度な合金、工具鋼、特殊鋼とよばれる鉄鋼を電気炉で生産するメーカーです。
5つの大手企業
では具体的に日本の大手鉄鋼メーカーにはどのような企業があるのでしょうか。
ここでは特に大手とされる企業について順に紹介していきたいと思います。
JFEスチール
JFEスチールはJFEホールディングスの中心となっている企業で、現在売上高2位の企業です。
2003年に日本鋼管(NKK)と川崎製鉄が合併して誕生しました。
どちらも非常に歴史のある企業で、日本鋼管は民営初の高炉メーカーであり、強い自主性を持って経営をしてきた会社です。
川崎製鉄は川崎重工の製鉄部門が独立してできた会社で、こちらも自由さを持った経営で規模を拡大させてきた経緯がある会社です。
このような2つの会社ですので、合併してできたJFEスチールは「自由・独立・挑戦」という社風があります。
近年では、東京スカイツリーで使用されるための、これまでにない強度を持つ鋼管を生産する仕事において新しい3種類の鋼材、鋼管を開発させて成功させました。
新日鉄住金
現在売上高、粗鋼生産量が国内1位、世界でも3位につけている企業が新日鉄住金です。
2012年に新日本製鉄と住友金属工業が合併してできた会社です。
新日本製鉄は日本の鉄鋼業のはしりとも言われている九州の八幡製鉄所の流れを受け継いでいる会社で、非常に歴史のある製鉄会社です。
もともとが官営であったために、日本製鉄と名を変えて製鉄会社と合併などを経てきた歴史の中でも国政と深く関わってきました。
コーポレートスローガンは「総合力世界No.1の鉄鋼メーカーへ」というもので、世界的な高炉メーカーとして経営を行っています。
近年では中東地域の石油事業会社に対して、「技術」「納期」「価格」という3つの厳しい基準において競合他社に打ち勝って大規模な油井管の生産受注の仕事を請け負いました。
神戸製鋼所
現在売上高3位に位置しているのが神戸製鋼所です。
大手の鉄鋼メーカーとしては珍しく鉄鋼事業の比率が低く、「素材」「機械」「電力」という3本の柱で経営を行っています。
鉄鋼事業においても大規模な高炉に特化していくのではなく、特殊用途の価値が高い製品の開発にこだわっています。
素材分野では自動車部品に使われる鉄粉が強く、船舶用の組立型・一体型 クランクシャフトで世界シェアの40%を占めています。
アルミ分野では自動車用アルミパネル材や自動車サスペンション用アルミ鍛造部品、鉄道車両用アルミ形材で国内首位のシェアを維持しています。
チタン分野では航空機のエンジン部品に使用されるチタンを多く生産しています。さらに銅分野では自動車端子・コネクタ用銅合金で国内首位となっています。
機械分野においても圧縮機や産業機械、真空成膜・表面改質装置、超高圧装置など多岐にわたって展開しています。
非汎用圧縮機では「スクリュ式」「ターボ式」「レシプロ式」の3種類のすべてを取り扱う世界唯一のメーカーでもあります。
さらに電力分野では現在稼働している神戸発電所1号機、2号機の他に2019年には真岡発電所、2022年には神戸発電所3号機、4号機が稼働予定となっています。
すべてが計画通りに稼働するとその発電量は四国電力とほぼ同規模という巨大な発電規模となります。
これらをみてわかるように神戸製鋼所は単なる鉄鋼メーカーではなく、「総合メーカー」として存在しているのです。
日立金属
日立金属は売上高4位の企業です。
生産しているものが非常に特徴的で、「高性能鉄鋼材料」に特化しているという経営方針があります。
高級金属製品、高級自動車部材、磁性材料、鉄鋼用ロール配管製品、電子部品などを擁する特殊鋼・エコ製品が生産の中心となっています。
永久磁石のなかで最強の磁力を持つ「オジム磁石」の開発者が所属していたり、日本美術刀剣保存協会が行う玉鋼製造法たたら吹きの支援、さらには女性活躍の推進など話題性も非常に強い企業でもあります。
日新製鋼
売上高5位の日新製鋼は1959年に日本鐵板と日亜製鋼が合併してできました。
表面処理鋼板やステンレス鋼板といった高付加価値な薄板部門が強い特徴があります。
2017年に新日鉄住金が株式公開買い付けを行い、日新製鋼をグループ子会社としました。
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ランキング
ここでは鉄鋼業界の国内および世界の売上高ランキングを見ていきます。
ランキングで企業の良しあしが決まるわけではありませんが、業界研究をしていくうえで1つ参考にしていただければと思います。
世界ランキング
ビジネス+ITより引用:(https://www.sbbit.jp/article/cont1/32197#head2)
世界第1位の鉄鋼メーカーは、ルクセンブルグを本拠とするアルセロール・ミタルです。2位以下に大きく差をつけての1位は圧巻です。
もともとヨーロッパの四大鉄鋼メーカーの一つであったルクセンブルグのアルセロールと、オランダのミタル・スチールが2006年に合併して誕生しました。
さらに中小鉄鋼メーカーの吸収合併を繰り返し、ここまでの規模となりました。
第2位は日本の新日鉄住金です。詳細は上記で紹介した通りです。
第3位には河北鋼鉄集団(河鋼集団)、第4位は宝鋼集団、第6位は沙鋼集団、第7位は鞍山鋼鉄集団、第8位は武漢鋼鉄集団、第10位は首鋼集団と、粗鋼生産量トップ10のうち6社が中国の企業となっています。
売上高ランキング(国内)
鉄鋼業界 売上高ランキング (平成27-28年)
- 1位:新日鐵住金 4兆9,074億円
- 2位:JFEHD 3兆4,317億円
- 3位:神戸製鋼所 1兆8,228億円
- 4位:日立金属 1兆175億円
- 5位:日新製鋼 5,470億円
- 6位:大同特殊鋼 4,605億円
- 7位:日本製鋼所 2,233億円
- 8位:トピー工業 2,158億円
- 9位:愛知製鋼 2,141億円
- 10位:共英製鋼 1,609億円
業界動向サーチより引用(https://gyokai-search.com/4-tetu-uriage.htm)
となっています。
売上高5位の日新製鋼が新日鉄住金の子会社であることを考えると上位4社が頭1つ抜けていることがよく分かります。
平均年収・推定生涯収入ランキング
- 1位:JFEHD 942.3万円・3億1183万円
- 2位:日立金属 754.3万円・2億4962万円
- 3位:川金HD 744.3万円・2億3892万円
- 4位:山陽特殊製鋼 741.2万円・2億7666万円
- 5位:大同特殊鋼 737万円・2億7509万円
- 6位:パウダーテック 722.1万円・2億3896万円
- 7位:東洋鋼鈑 713.7万円・2億6639万円
- 8位:愛知製鋼 710.1万円・2億6505万円
- 9位:エンビプロHD 697.7万円・2億6042万円
- 10位:栗本鐵工所 689.4万円・2億2814万円
- 11位:新報国製鉄 681.3万円・2億5430万円
- 12位:大和工業 674.8万円・2億5187万円
- 13位:東京製鐵 669.2万円・2億4978万円
- 14位:日本精線 667.5万円・2億2089万円
- 15位:淀川製鋼所 655.3万円・2億4459万円
転職のモノサシより引用
ここでは国内2位のJFEHDの年収の高さが目立っています。
これは平均勤続年数の長さもかなり影響していると考えられます。
動向と課題
鉄鋼業界は国内総出荷額が約18兆円という巨大産業です。
日本経済を支える市場規模でもあり、他の産業で使用される素材・材料を製造していることもあって重要度がかなり高い業界なのですが、海外からの影響や景気の影響を受けやすい業界でもあります。
特に最近では国内での大きな合併もひと段落して落ち着いてきている様子ですが、海外企業との競争はさらに激化しています。
特に中国の鉄鋼メーカーはかなり安い価格で鉄鋼を販売しているという現状があり、これからの対応が注目されています。
また、韓国の鉄鋼メーカーは高い技術力に定評があり、この中国と韓国が当面競争相手になると考えられています。
課題①環境問題
鉄鋼業界は原材料の鉄鉱石と石炭を大量に使って業務を行うために環境問題の課題が大きくなっています。
環境に配慮した技術を開発することで、企業としての信用も高めていかなければいけません。
どれだけそれを実践できるかが企業に課せられた課題と言えるでしょう。
課題②再編・統合・合併
海外の企業との競争力を高めるために鉄鋼会社は統合や合併などを視野にいれています。
単純に事業の規模、生産の規模が大きくなると競争力は高まるという部分もありますので、これからどのように再編していくかということが課題となっています。
課題③国際化への対応
鉄鋼業界は海外企業との競争が激化しています。
特に中国の鉄鋼メーカーとの競争は激しく、ここに打ち勝っていかなければいけません。
価格面での競争はかなり不利ということもあって、どれだけ技術面や特殊性で付加価値をつけられるかが重要になってきます。
海外で通用する鉄鋼を作っていくということが課題となっているのです。
ニュース・話題
興味のある業界のニュースを知っておくことは就活をする上でも、仕事をする上でも当然のことです。
そこでここでは最近起きている鉄鋼業界のニュースについて紹介していきたいと思います。
ニュース①日立金属、高周波特性材の量産スタート
日立金属は2018年10月2日に高周波特性に優れたソフトフェライトコア材料「ML27D」を開発し、量産を開始したと公表しました。
ソフトフェライトコアは高周波帯での低磁心損失の特性があり、ネットワーク機器や自動車、スマートフォン搭載部品のさらなる小型化、省エネ化に対して期待されています。
ニュース②山崎金属産業がシンセイを子会社化
非鉄金属流通大手の山崎金属産業がアルミダイカスト用金型製造で有名なシンセイを完全子会社化しました。
シンセイを子会社にしたことによって山崎金属産業は金型製造も事業に組み込んでいくことになります。
ニュース③銅・雑品スクラップの輸出減少
非鉄金属リサイクル全国連合会のリサイクル環境推進部会が銅や雑品スクラップの輸出に関する最新情報を発表しました。
2018年上半期では中国向けの雑品の輸出量が前年比45%減の43万tと大幅に減少しています。
また、銅スクラップの中国向け輸出量も前年の6月同月比で比べると30%減となっています。
3つのホワイト企業
鉄鋼業界は統合や合併が繰り返されてきたためにどこがホワイト企業なのかがわかりにくくなっています。
そこでここでは代表的なホワイト企業をいくつか紹介していきたいと思います。
ホワイト企業①日立金属
日立金属はM&Aで会社の規模を大きくしてきた会社ですので、様々な人が社内で働いています。
そのため色々な考え方をする人がいるということが起こっており、新鮮さとそれぞれの経験がうまくバランスをとっている企業となっています。
そのバランスのおかげで「固定された派閥争い」がまったくないということがメリットとなっているのです。
ホワイト企業②大同特殊鋼
工場部門が住宅地に近いことから敷地を開放しての花見大会などのイベント行事が数多く開催されており、アットホームな感覚が強いという口コミが多くなっています。
また、「公平な評価」という点においても高得点となっており、働きやすい環境が整っている会社だと言えるでyそう。
ホワイト企業③神戸製鋼所
行っている事業が幅広いので「自分がやりたいことが見つかる」ということが評価されています。
また、成果を出すとしっかりと昇進や昇給という結果がついてくるということも高評価のポイントとなっています。
志望動機の書き方
鉄鋼業界を志望する場合はまずその理由をはっきりとした方が良いでしょう。
「大規模な鉄鋼づくりに関わりたい」「日常生活を支える鉄づくりを行いたい」というような鉄鋼業界ならではの志望動機が好まれます。
また、「新たな鉄鋼を研究開発したい」という研究分野からの志望動機も魅力的です。
実際に志望動機として書かれたものには以下のようなものがあります。こういった言葉を使うことで志望動機も伝えやすくなるでしょう。
- 鉄作りのダイナミックさと緻密さに魅力を感じた
- 基盤材料として産業を支えている鉄鋼自体に魅力を感じる
- 大学で材料学を勉強したから、それを活かしたい
- 工場見学をしたときに「鉄鋼作り」がカッコよく見えたから
- 社会インフラを支られる、かつモノ作りが出来る業界だから
専門用語を勉強しよう!
どの業界においても「業界用語」を知らなければスムーズに仕事は行えません。
もちろん鉄鋼業界にも覚えておくべき専門用語があります。
例えばもっとも基本的な、
「高炉メーカー」
これは鉄鉱石を原料として銑鉄を生産する高炉を製鉄所の設備として所有している鉄鋼メーカーのことです。
最終製品の製造までを一つの敷地内で行う銑鋼一貫製鉄所を所有する大規模な鉄鋼メーカーで日本では、新日鐵住金・JFEスチール・神戸製鋼所・日新製鋼の4社があります。
といったものです。
ここでは専門用語が紹介されているサイトをいくつか挙げておきますので、ぜひ勉強の参考にしましょう。
- カネヒラ鉄鋼株式会社 専門用語集
- 中村鋼材株式会社 専門用語
- weblio辞書 https://www.weblio.jp/category/engineering/ysztk
読んでおくべき本3選
鉄鋼業界を志望するためにはまず鉄鋼業界について知らなければいけません。
インターネットなどで情報を集めるのも良いですが、やはりわかりやすく説明されている本を読むのが確実です。
ここで紹介する本を業界研究に役立てて採用試験で有利に立っていきましょう。
図解入門業界研究最新鉄鋼業界の動向とカラクリがよ~くわかる本
(書影からAmazonに飛べます)
鉄鋼業界の仕組みと特徴、主要企業の動向を俯瞰して説明してくれています。
国内外主要メーカーの今、鉄と鉄鋼業の基礎知識、業界の課題と将来展望、業界の技術動向と世界戦略など幅広い知識がこの一冊で理解できるようになります。
鉄鋼業界大研究[新版]
(書影からAmazonに飛べます)
業界専門家による鉄鋼業界入門の定番書ともいえる一冊です。
主な内容は
- 鉄鋼メーカーの第一線で活躍する社員が「仕事のやりがい」を語る!
- 鉄鋼業界の歴史と今を知り、未来を展望するための情報充実!
- 主要鉄鋼メーカーの概要や最新動向がすぐわかる!
- 日本と世界の鉄鋼業界を深く知りたい人にとって、必読の書!
となっており目次は以下のようになっています。
【内容構成】
- Chapter1 鉄鋼業界の最新動向 鉄鋼メーカーの再編、高水準続く日本の鉄鋼輸出、鉄鋼業界の働き方改革、AI、ビッグデータの活用ほか
- Chapter2 海外鉄鋼業と日本 中国に振り回される日本鉄鋼業、世界2位の鉄鋼消費国、アメリカ、東南アジアは日本の準ホームマーケット
- Chapter3 鉄鋼製品ができるまで 鉄鋼生産プロセス、さまざまな鉄鋼製品
- Chapter4 鉄鋼製品の流通販売 ヒモ付き販売と店売り販売、一次問屋、二次問屋とは、鋼材価格の決まり方、物流、鋼材在庫、輸入鋼材
- Chapter5 鉄鋼業界の主要企業 新日鉄住金、JFEスチール、神戸製鋼所、東京製鉄、大同特殊鋼ほか
- Chapter6 鉄鋼業界の注目企業 共英製鋼、合同製鉄、山陽特殊製鋼、日新製鋼、日本金属、日本鋳造
- Chapter7 鉄鋼業界の仕事人たち 新日鉄住金、JFEスチール、神戸製鋼所、東京製鉄、大同特殊鋼、日立金属
- Chapter8 鉄鋼業界に入るには 新日鉄住金、JFEスチール、神戸製鋼所、東京製鉄、大同特殊鋼、日立金属
- Chapter9 鉄鋼業界の歴史を知る
カラー図解 鉄と鉄鋼がわかる本
(書影からAmazonに飛べます)
業界上位メーカーである新日鉄住金が著者となっていることからもわかるように日本の鉄鋼業についてかなり細かく書かれている本です。
わかりやすいようにオールカラーの図を使って説明されています。
目次は以下のようになっています。
- 第1章 鉄の生い立ちと鉄鋼製品ができるまで
- 第2章 鉄鉱石から鉄を生み出す(高炉)
- 第3章 鋼を生み出す(転炉と製鋼)
- 第4章 形をつくりこむ(圧延)
- 第5章 鉄と鉄をつなぐ(溶接)
- 第6章 軟らかくてて強い、そして錆びない鉄
- 第7章 鉄にまつわるコラム
業界の今後
まず日本の企業の現状として、鉄鋼業を行ううえで主要な原材料である鉄鉱石などをほぼ輸入に頼っているということがあります。
これは原料価格が高騰すると直接的なダメージを受けることにもなります。このことによって、鉄鋼業は景気や為替の変動の影響を受けやすいとされているのです。
また、海外企業との競争は避けては通れません。中国の鉄鋼メーカーとの競争のために新たな鉄鋼の開発や特殊性などの付加価値が求められていくでしょう。
企業競争力をあげるための統合や合併に関しても高炉メーカーがある程度進められているのに対して電気炉メーカーの方はそれほど再編が進んでいません。今後統合や合併が進められると考えられています。
また、高炉メーカーや電気炉メーカーは作るだけ、商社は売るだけというような関係性ではなく、それらが密接に結びついて効率よく生産して販売するという動きが出てきています。
将来的にはこの動きはさらに活発化していくと思われます。
業界のこれからを考えよう
鉄鋼業界は大規模な生産が魅力的な業界ですが、海外企業との競争も激しく国内の統合や合併が進められている業界でもあります。
これからこの業界を志望するのであれば、現状をしっかりと把握した上で「鉄鋼業界のこれから」を考えていくことが重要だと言えるでしょう。