最終更新日 2021.03.10
既卒・就職浪人生向け
フリーターの息子・娘の将来が不安?正社員になる説得方法と親ができる対策を解説
「うちの息子(娘)、ずっとフリーターだけど、このままで大丈夫?」と不安に感じていませんか?
若いうちは問題なくても、年齢を重ねると経済的な不安や社会的な信用の面でリスクが増えていきます。しかし、無理に正社員にさせようとすると反発されることも…。
この記事では、フリーターを続けるリスク、正社員になるメリット、子どもを説得する方法を詳しく解説します。
親としてできるサポートを知り、子どもが前向きに将来を考えられるようにしましょう!
この記事を書いた人
東京大学工学部卒。大手一流ホワイト企業の内定請負人。就活塾「ホワイトアカデミー」を創立・経営。これまで800人以上の就活をサポート。塾はカリキュラムを消化した塾生のホワイト企業内定率100%を誇り、カリキュラムを消化したにもかかわらず、ホワイト企業の内定が出なければ費用を全額返金する返金保証制度を提供中。2019年に『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』(日経BP刊)を出版し、「親が子育ての集大成である"就活"に臨む際の必読書」、「これができれば本当に一流企業に内定できる」と話題。塾のYouTubeチャンネルではホワイトな業界の紹介や大手企業の倍率、ESの添削を公開するなど塾の就活ノウハウを一部紹介している。
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フリーターの息子・娘の将来は大丈夫?現状と課題を知る
長期的にフリーターを続けることにはさまざまなリスクが伴います。特に、親として気になるのは「このままで将来大丈夫なのか?」という点でしょう。
まずは、フリーターが抱える経済的・社会的リスク、そして正社員との違いについて詳しく解説します。
フリーターのままだと将来どうなる?経済的リスクと社会的影響
フリーターと正社員の最大の違いは「収入の安定性」です。フリーターは時給制の仕事が多く、働いた時間分しか収入が得られません。病気や怪我で働けなくなれば、すぐに収入が途絶える可能性があります。
また、生涯年収にも大きな差が出ます。一般的に、正社員の生涯年収は2〜3億円程度と言われるのに対し、フリーターは5,000万〜1億円未満にとどまるとされています。
参照元:厚生労働省 正社員とフリーターとの格差 フリーターでいることのもう一つの大きな問題は、社会的な信用が低いことです。特に、以下のような場面で影響が出やすくなります。
【フリーターでいる社会的な影響】
- 賃貸契約が難しくなる:収入が不安定なため、大家や管理会社に敬遠されやすい。
- ローンが組めない:住宅ローンや車のローンの審査が厳しくなる。
- 結婚や家庭の安定に影響:パートナーの親や親族からの反対を受けやすい。
一時的にフリーターを続けることは問題ないかもしれませんが、将来的に正社員として働く道を考えておくことは、経済的にも社会的にも重要です。
フリーターと正社員の違い|給料・福利厚生・キャリアの差
フリーターは多くの場合、時給制のため働いた分しか収入を得られません。一方で正社員は基本的に月給制であり、ボーナスも支給されるため、年間の総収入が大きく異なります。
例えば、フリーターが時給1,200円で1日8時間、月20日働いた場合の月収は約19万円。しかし、正社員として働けば初任給で22〜25万円+ボーナスをもらえるケースも多く、長期的な収入差は歴然です。
正社員は企業の社会保険制度に加入し、厚生年金・健康保険・雇用保険などの恩恵を受けられますが、フリーターの場合、国民健康保険や国民年金に自分で加入する必要があり、負担が大きくなります。
転職市場でも「正社員経験あり」の人が優遇されるため、長期間フリーターを続けると、30代・40代になってからの正社員転職が厳しくなる可能性が高いです。
フリーターの息子・娘を見ていると「今のままで将来は大丈夫?」と思う親の気持ちはよくわかります。
ここでは、親としてどういう想いを抱いているのか一つ一つ挙げていきます。
「このまま一生フリーターなのか」「20代の若いうちはいいけど、30代・40代になってもフリーターだと将来が心配」と思うのは、社会経験の長い親としては当然です。
しかし、20代の若いうちは、「正社員じゃなくても稼げるからいいじゃん」と近視眼的になりがちです。
正社員として就職できれば、簡単にクビにならず給与も上がりやすい事実が社会にはあります。
若い世代はそれを理解しきれていない人も一定数いて、息子・娘世代とのギャップが出るのもうなづけます。将来の安定のある正社員が魅力的に映り、息子・娘にそうなってほしいと思う親は多いでしょう。
フリーターだと、厚生年金や健康保険といった社会保障がない場合があります。病気やケガの心配が少ない若い世代はともかく、このまま30代・40代になったら困る、と思う親の気持ちは理解できます。
この辺りも数年先・数十年先を意識するとフリーターでは心配になるポイントでしょう。
「うちの息子はまだフリーターなんだよね…」と、人に話すのが気まずいと感じることはありませんか?これは、社会的な価値観や周囲の目を意識するあまり、親自身がプレッシャーを感じている可能性があります。
しかし、フリーターの理由は人それぞれです。夢を追いながら働いている場合もあれば、就職活動に苦戦しているケースもあります。
まずは、「なぜ今フリーターなのか?」を冷静に理解することが大切です。
フリーターの息子や娘が実家に住み続けることで、親が「このままでいいのだろうか?」と感じることは珍しくありません。
最初は気にならなかったものの、経済的な負担や生活リズムの違い、精神的なストレスが少しずつ積み重なり、疲れを感じることもあるでしょう。
親と子どもが長く同居していると、次のような問題が出てくることがあります。
- 生活習慣のズレ:寝る時間や食事のタイミングが合わず、ストレスを感じる。
- 経済的な負担:光熱費や食費がかさみ、家計に影響が出る。
- 自立への不安:「このまま自立できないのでは?」と将来が心配になる。
こうした不安を抱えたままだと、親のストレスが増し、親子関係にも影響を与える可能性があります
子供がフリーターで自立できず同居していると、金銭面でも負担になる場合があります。そうなると、親である自分たちの将来設計の見通しが立てにくくなります。
例えば、家を売却して老人ホームに移る、家賃の安い賃貸に引っ越すなどといった行動がとりにくいですよね。それに日々の食事や洗濯といった家事も子供の分が必要となり、毎日やっていると負担になるでしょう。
お子さんによっては、学歴の高い大学に行っているケースがあるでしょう。
仮に大学出じゃなくとも、中学や高校は私立だった、専門学校に行った、という状況だと、「今までの教育投資が無駄になった」と思ってしまう気持ちは理解できます。
今がフリーターだと「じゃあ私立じゃなくてもよかった」「専門学校にいかなくてもよかった」となってしまいがちです。
親には親の、子供には子供の言い分があります。ここでは、フリーターでいいじゃん、と思っている子供の代表的な意見を見ていきましょう。
フリーターであっても、アルバイトや派遣などで収入を得ているため、「自分は何もしていないわけではない」と考える子どもは多いです。
特に、好きな仕事をしていたり、自由な働き方を重視している場合、フリーターという選択に満足していることもあります。
また、正社員になることに対して、「長時間労働が大変そう」「仕事のストレスが大きい」というネガティブなイメージを持っている場合もあります。周囲の正社員の働き方を見て、「今の生活の方が自分には合っている」と感じていることもあるでしょう。
フリーターの中には、「今の生活で困っていないから、このままでいい」と考える人が多いです。
特に、親から経済的な援助を受けていない場合、「誰にも迷惑をかけていないのだから、働き方を変える必要はない」と感じることがあります。
また、「お金が必要になったら、その時に考えればいい」という短期的な視点で物事を捉えていることもあります。若いうちは大きな支出が少なく、日々の生活費をアルバイトでカバーできるため、将来のリスクについて深く考えていないことが多いです。
20代前半~半ばくらいまでの世代は、「そもそも正社員って何が良いのかわからない」ように思っている人もいます。近年、ブラック企業に入社してしまい過労死してしまった、というニュースは珍しくなくなりました。
そんなリスクを背負ってまで正社員になる意味が分からない、というお子さんがいます。それに上記で言及した金銭面でも、生活できてるし問題ない、と思っている場合もあります。
生活面でも金銭面でも、正社員とフリーターの立場や決定権の違いが分からない若者もいるのです。
いつの時代にも
「本当はミュージシャンになりたい。でも正社員になると自由が利かない」
「親に言ったら反対されるだろうから言っていない」
という夢追い人系の若者がいます。
面と向かって親に話してしまうと反対されることが明白と思い、素直に言っていない人がいるのです。
バイトはイヤになったら簡単に辞められるからラク、と考えている
「正社員になると責任が重い。でもアルバイトならイヤになったらやめればいい」と考え、フリーターを選ぶ若者もいます。
それに正社員に比べアルバイトならすぐに見つかる、くらいに思っている場合もあります。
親から見ると安易な選択に移りますが、子供の一つの意見として、頭に入れておきましょう。
「高校の同級生が正社員で、毎日残業が続いてツラそう」
「自分はフリーターでしっかり休めるのに、友達は正社員で休日出勤もある」
このように正社員で働いている友達を見て憧れない、ということも考えられます。特に若い世代だと給与が高くありませんし、正社員だからといって責任だけ重いという、負の側面だけが見えやすいです。
それならフリーターでいいや、と考えてしまっているお子さんもいます。
結婚もする気ないので最低限の収入があれば良いと思っている
フリーターの中には「もともと結婚願望がないし、自分一人で暮らせる収入があれば充分」と考えてフリーターを続ける人もいます。
第っ前提として自分とパートナー、それに将来の自分の子供のことを考えると、正社員の方が給与も手当もあるから良い、という結論になります。
しかし、そもそも結婚する気がないと、高い給与はいらない、という考えからフリーターを選択している場合もあります。
今まで見てきたとおり、立場が違うとフリーターに対するものの見方が変わります。
ここでは意見が違う息子・娘とどう向き合っていくのか見ていきましょう。
今まで見てきたとおり、親目線と子供目線では、フリーターの捉え方が違います。そのため、頭ごなしに親が「いいから正社員になりなさい」と言っても「わかった」とは簡単にはなりません。
子供は子供なりに考えていて、目標があってフリーターを選択している場合もあり、一概に悪いと決めつけられません。
そのため、まずはしっかり息子・娘と話し合うことが必要です。具体的には、以下のような点について一度話をしておきたいところです。
- 将来をどのように考えているのか
- 安易にフリーターを選択していないか
- 正社員との違いを明確に理解しているか
もし息子・娘が実家にいてフリーターのままであれば、毅然とした態度で「●歳までフリーターなら追い出す」と言ってもいいでしょう。
もちろん親が、フリーターのままで問題ない、と思っていればいいのですが、そうでないことが多いです。子供目線の意見で「金銭面で困らないからフリーターでOK」と思っている人もいましたよね。
確かに一人暮らしならまだいいかもしれませんが、実家に居るままで金銭面の不安がない、というのはどうなのでしょうか。そのため年齢で区切って自立させるのも親の務めかもしれません。
「可愛い子には旅をさせよ」「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」という言葉がある通り、息子・娘といっても成人した大人。
子供の人生なんだし放っておいてもいいでしょう。
親がアレコレいう年齢は過ぎている、という見方もできます。
少なくともニートや引きこもりでなく、フリーターとしてでも仕事をしているならそれでいい、と見守ってもいいですね。
フリーターと正社員、ここで改めてその違いをみていきましょう。
正社員は、雇用期間を定めず長期に働くことが前提のため、任される仕事の責任や領域、裁量が大きいことが特徴です。そのため、キャリアアップのチャンスにも恵まれやすい点がメリットだと言えるでしょう。
それに責任ある立場になればなるほど、給与が上がっていきます。つまり、将来の仕事の広がり方・給与面、それぞれで安定した地位が約束されます。
子供の10年後、20年後を考えると正社員の方がいい、というのは、こうしたことがあります。
上記で、キャリアアップしやすい、給与が上がりやすい、ということを言いました。
そのようなメリットがあるため将来設計がしやすく、結婚して家族を持ちやすい、というメリットもあります。子供がゆくゆくは結婚したい、と言ったときに、フリーターだと相手が見つかりにくい、ということがあります。
会社での立場が安定すると家庭も安定しやすくなるのです。
厚生年金や健康保険といった社会保障がしっかりしていることも、正社員のメリットといえます。
例えば、ケガや病気で働けなくなった、というとき正社員なら休職しても、傷病手当金などで一定の収入が保証されますが、フリーターだとそのまま契約打ち切りなんてことも。
さらに正社員だと、家族手当や住宅手当、役職が付くと役職手当などといった手当も充実します。これはフリーターにはないメリットと言えるでしょう。
子供の将来を思うと正社員の方がいい、という親の気持ちは最もだといえます。
「将来、住宅ローンを組んで家を買いたい」
「新車をローンで購入予定」
こうしたとき、正社員だとすんなり審査が通ることが多いですが、フリーターだと審査が下りない、というケースがあります。
こうした社会的な信用が高いことも正社員のメリットです。
フリーターの息子・娘が正社員になるデメリットはあるのか?
今まで正社員の良いところ・メリットを見てきましたが、悪い部分・デメリットはあるのでしょうか。詳しく解説します。
正社員になっても、労働環境が劣悪な会社は存在し、過労死という言葉は、英語で「karoshi」と言います。
過労死は、どの国にも該当する概念・言葉がないため、そのまま日本語の「KAROSHI」が全世界の共通語となっています。
日本独特の劣悪な労働環境が生んでしまった言葉とも言えます。
過労死まではいかずとも、うつ病も珍しくなくなりました。正社員になった結果、このような状況になってしまう人もいるのが悲しい現実と言えるでしょう。
特に若いころはその傾向が強いですが、正社員になると業務負荷が大きく給与が低いことがあります。日本は年長者を敬う文化があるのか、年功序列が根強く残っている会社があります。
そのような会社にお子さんが入社してしまうと、若いころはこき使われてしまい、サービス残業・休日出勤当たり前。その結果、時給で働くアルバイトの方が給与が良い、なんてことも。
そのような現実を見てしまうと、正社員よりフリーターでいいや、となってしまうお子さんの気持ちも理解できるところがあります。
正社員だと会社の意思に従わざるを得ないことがあります。転居を伴う転勤や、望まない部署への異動だってあり得ます。
転勤族の正社員からは、「せっかく仕事に慣れてきたのに、また異動かよ」のような声も聞こえてきます。こうしたことも、正社員の好待遇の裏返しに起こるデメリットと言えるでしょう。
現代では、フレックスタイム制や週3日休みの正社員もありますが、まだまだ少ないというのが現実。アルバイトは自由なシフト制でも、正社員だと勤務時間後でもすぐ帰りにくいし休めないという状況も考えられます。
正社員だと、勤務時間が長く自由に休日が取りにくい環境が多くデメリットといえます。
ここでは親が抱いているフリーターへの疑問点に回答します。
息子が30歳のフリーターになるとどんな末路になるの?
30歳を超えてもフリーターを続けることには、いくつかのリスクがあります。若いうちは問題なく働けても、年齢が上がるにつれて状況が厳しくなる可能性があります。
- 正社員への転職が難しくなる
- 経済的に厳しくなる
- 社会的な信用が低くなる
こうしたことは、20代の頃は気が付かない場合が多いです。
お子さんとの関係性もあるでしょうが、親から現実を突きつけてもいいでしょう。
無理やり正社員にさせるのは子供にとって良い事なのか
この場合は、将来をどう考えているのか、目標はあるのか、といったことから逆算していくといいでしょう。
結婚願望があるのかないのか。自分の子供が欲しいのかどうか。などといったことを、明確にしていくと、どちらを選ぶべきか見えてくるように思えます。
それに比較することが正しいかわかりませんが、働かないニート・引きこもりよりは全然良い、という見方もできます。あとは、お子さんの意思や力を信じるしかないでしょう。
結論から言うと、扶養に入っているなら抜けさせた方が良いです。「息子・娘も働いているし、いつまでも自分の扶養に入っているのはいいのだろうか」
こんな悩みを持っている人もいますが、フリーターとはいえ、働いて収入はあるわけですから、自立を促す意味でも扶養からは抜けさせて、自立させた方がお子さんのためでもあります。
ただでさえフリーターという宙ぶらりんな状況ですから、扶養くらいは抜けて、自立を促しましょう。
ここまでフリーターの息子・娘の将来について解説してきました。最後に改めて、今回ご紹介した内容の中で重要なポイントをまとめてみます。
- 親には親の考えがあるように、子供には子供の考えがある
- 何となくフリーターをしている場合と、しっかり目標があるからフリーターをしている場合もある
- 正社員には正社員の、フリーターにはフリーターのメリットとデメリットがある
- 子供が何を考えているかわからないなら、しっかり話を聞いて向き合う時間が必要
- もう学生ではないため、子供の好きなようにさせてもいい
こうしてみると、自身の子供とはいえ世間から見ると、成人した一人の大人。
もう親がアレコレ世話を焼く年齢ではないのかもしれません。もちろん放置は良くないですが、毅然とした態度も時には必要です。
「自分の生活は自分でやりなさい。もし今ラクをして将来困っても私は知らない。そうなりたくないなら今から頑張れ」
このように責任ある大人同士としての会話をしてもいいのかもしれませんね。