メリットが非常に大きい銀行就職だが、銀行員ならではの大変さもある。
1.ノルマがきつい
銀行の仕事は激務と呼ばれることもあるが、それは営業のノルマが原因となっていることも多い。例えば、「融資をこれだけの金額実行しろ」「手数料をこれだけ稼いでこい」といった具合で、1人1人に割り振られる。これを週次、厳しい上司だと日次で管理され、できなければ叱責されることもある。
2.異動が多い
異動については他の業界よりも短いスパンで発生する。もちろん転勤もあり、全く希望していない地域に異動することもある。また、発令から着任までの期間が2週間程度のこともあり、慌ただしく引越しをする場合もある。
3.出世競争が厳しい
これはドラマや書籍でも取り上げられているのでイメージがあるだろうが、比較的競争は厳しい。ある銀行では8年目に役付けになるタイミングが来るが、そこで昇格できるのは同期の6~7割だ。
その後も定期的に昇格のタイミングが来るが、上に上がれば上がるほど競争が厳しくなり、役員以上になれるのは同期で1%程度となる。また、一度昇格が遅れるとその後の昇格も遅れる傾向が強く、後輩に給料で負けるということもある。
4.拘束時間が長い
勤務時間については定時は8時40分~17時10分だが、実際にこの時間だけで勤務が終わることはほぼない。営業であればその拠点に出入りできる時間(セキュリティの管理のため一定時刻を過ぎると出入りができなくなる拠点が多い)までは内部で書類を作るなどして働くことになる。
人にもよるが、営業系であれば19時~21時が上がりの時間の目安だ。本部であれば終電まで働くこともある。加えて、営業だけをやっていればよいわけではなく、以前から取引のあるお客様の格付や契約内容を決算内容に応じて毎年見直すというような事務作業もやらなくてはいけない。これが予想以上に多くあり、担当者数が多いほど重荷になる。
また、仕事が終わってから職場の人と付き合いで飲みに行くことも多く、休日もお客様や社内のコンペ等でゴルフに行くこともあり、意外と拘束時間は長い。
5.覚えることが多い
これは専門性が身につくためメリットとも言えるが、入社後3年間が資格勉強漬けになるため、勉強嫌いな就活生のためにデメリットとして記載した。入社1~2年目は証券外務員試験や行内のテストがあり勉強が必要となる。
また、お客様を担当するようになると銀行の根源業務と言われる融資/決済/預金業務に携わることになるが、これらを契約として成立させる過程で必要な稟議や格付といった行内の手続きを覚える必要もある。
これらについては経験を積むことで身につけることができるが、異動で営業から本部に部署が変わると全く違った業務を担うこともあり、勤めている限り常に覚えなければならないことは無くならない。
これらのメリットとデメリットを考えて銀行就職を検討することになるが、やはり給料と福利厚生を考えると、デメリットと比べてメリットの方が圧倒的に大きいと言えるのではないだろうか。
銀行の人気が昔よりは落ちているとはいえ、介護・建設・アパレル・キャビンアテンダントなどよりはるかに高待遇であるため、まだまだ人気は高く就活生にとっては検討すべき業界であると言える。