ボストンキャリアフォーラムと共に「キャリアフォーラム」シリーズにとって重要な拠点であるロンドンキャリアフォーラム、略してロンキャリ。(LCF/London Career Forum)
ボスキャリと比べて影が薄いようなロンキャリ、実は内定が取りやすいのではないかと密かに話題になっています。
今回は、そんなロンドンキャリアフォーラムの攻略法を海外大に正規留学をした私、「ホワイト企業への道」編集部のAKが紹介します!
目次
ロンドンキャリアフォーラムとは?
ロンドンキャリアフォーラムは毎年4月にイギリスのロンドンで開催される就活イベントです。
日本で行われる合同説明会のような雰囲気です。
- 開催場所:ロンドン
- 開催日:毎年4月の土日の2日間 (2019年は4月6日、7日でした)
- 時間:10時から18時 (受付は17時まで)
- 対象者:日本語、英語ともに少なくとも初級レベルで、交換留学を含む留学経験者。
- 規模:参加企業27社、参加学生数931人 (2018年)
2018年、ボスキャリは参加企業230社、参加学生数は11,847人 (実数5,544人) でした。
ロンキャリの参加企業は年々増加しているものの、2つのキャリアフォーラムを比べてみると規模に圧倒的な差があります。
しかし、ボスキャリでは留学をしていない日本からくる学生が多く、ロンキャリでは留学していない学生が来ることは少ないです。
ヨーロッパの国に留学生している学生にとってはボスキャリよりもロンキャリの方が内定獲得の勝率が上がる穴場です!
参加企業は?
参加企業がボスキャリと比べて少ないロンキャリですが、参加企業は大手の企業が多いです。
こちらでは、2019年に参加した企業を業界別にまとめてみました。出展:【業界別企業紹介!】(2019年)
コンサルティング
- EY Japan
- アクセンチュア
- PwCあらた/コンサルティング
- Deloitteコンサルティング/監査法人
- KPMGジャパングループ
- 野村総合研究所
- 日本IBM
IT/ソフトウェア系
- SAPジャパン
- NTTデータ
- Giftee
- ソフトバンク
- UiPath
- コナミデジタルエンタテインメント
商社
- 双日
- 三井物産
- 三菱商事
メーカー
- P&Gジャパン
- ソースネクスト
人材
- Indeed
- レバレジーズ
証券・銀行
- SMBC日興証券
- 三井住友銀行
製造業
- JT
- ニトリ
アパレル系
- オンデーズ
- ファーストリテイリング(ユニクロ/GU)
マスコミ
- 日本経済新聞社
医薬
- シミック
エネルギー
- 昭和シェル石油
鉄道
- JR東日本
FinTech
- Bloomberg
サービス
- パーク24グループ
インテリア・デザイン
- The Design Studio
ロンキャリ当日までの流れと対策は?【事前応募の場合】
ロンドンキャリアでは、企業側の時間や面接官の人数などが限られているため、日本の就活と違いとてもスピーディーに選考が進みます。
また、キャリアフォーラムでは事前応募とWalk-in応募の2種類の応募方法があります。
ここではそれぞれの応募の対策の流れと対策をご紹介します。
まずは事前応募の場合です。
基本的な選考の流れは日本でのエントリーと変わらないですが、少し選考が簡略化している企業もあります。
主なステップは以下のようになります。
- エントリーシート
- Webテスト
- Skype 面接 (1次面接)
- ロンキャリ当日に面接 (2次面接、3次面接)
- 内定
事前応募をする学生へおすすめするロンキャリまでの過ごし方をまとめてみました!
- 12月:ロンキャリ参加登録、企業研究、自己分析、Webテストの勉強
- 1〜2月:日英の履歴書作成、エントリーシート作成、エントリーシート提出
- 2月中旬~3月:Webテスト、Skype面接、当日面接の予約
- ロンキャリ1週間前:当日面接の準備
―12月
多くの留学生が12月中旬あたりからクリスマス休暇に入るこのタイミングで、ロンキャリの準備を始めた方が計画的です。
大学の授業が始まってしまうと、就活にかける時間がどうしても減ってしまいます。
この時期から早めに参加企業の情報収集や自己分析、そしてWebテストの勉強に費やしましょう。
企業研究や自己分析のやり方がわからない!という人は、リンクを貼っておきましたのでぜひ参考にしてみてくださいね!
自己分析の方法はコレだ!5つの目的・効果と4つの企業研究方法とは?
また基本的に、学生はCFNというキャリアフォーラム系の専用サイトからロンキャリに関する情報を入手することになります。
12月からエントリーシートの受付を解禁する企業もあるので、こまめにCFNのサイトをチェックすることをお勧めします。
-1月~2月中旬
1月中旬から2月にかけて、出展する企業も決まってくるので履歴書やレジュメ、エントリーシートの提出を行いましょう。
履歴書やエントリーシートの書き方は、色々なWebサイトやテンプレートを参考にしながら、とりあえずたくさん書いてみましょう。
出来上がったものを他の人に添削してもらい、やり直すことを繰り返すことで、エントリーシートは上達していきます。
また、CFNの会員ページ (My CFN) の方に日本語と英語のレジュメのどちらも登録できるので、CFNを通してエントリーをする場合はその日英どちらのレジュメも充実させておいた方がいいと思います。
―2月中旬~3月
エントリーシートを提出すると、順番は前後しますがWebテストもしくはSkype面接の連絡が届きます。
それぞれのポイントをまとめてみました。
企業によってテストの種類が違ってきます。
例えば、コンサルティング業界のA社は玉手箱、商社のB社はSPIという具合です。
なので、テストを受ける前に事前に種類とテストのボーダーを調べておくと良いと思います。
企業によってはWebテストがないところもあるので、Webテストが苦手な学生は狙い目かもしれません。
Skype面接は一次面接です。面接時間は約15分~30分と短い時間になります。
もしSkype面接の連絡が来たら、パソコン越しで短いからといって油断せずに準備しましょう。
面接官の方は日本で働いているので、面接の時間帯は日本の時間で決まります。
イギリス時間のことを忘れて設定されることがたまにあるので、きちんと時差の計算をしてから面接時間の交渉をしましょう。
Skypeではなく他の方法での面接の場合もあります。
大体の企業はSkypeを使用していますが、Google Hangoutや電話面接もあるので企業の指示に従いましょう。
面接なので、服装は基本的にはスーツがおすすめです。
もしスーツが手元にない場合は、白いワイシャツなどのビジネスカジュアルな服装が好ましいです。
Webテスト、Skype面接が突破できれば企業側から当日の面接の案内があります。
運よく、複数の当日面接の案内が来た場合、面接と面接の間に1時間ほどあけておくと企業の切り替えができて良いかもしれません。
―ロンキャリ1週間前
1週間前になると、Skype面接の連絡はほぼ無くなります。この期間は、当日面接の準備を進めましょう。
Skype面接を経た当日面接の場合は、二次面接、もしくは最終面接になります。
なので、エントリーシートとSkype面接で言った事に矛盾がないように、今までやってきた企業研究や自分のアピールポイントなどをまとめるようにしましょう。
【Walk-in応募 (当日受付) の場合】
「事前応募に間に合わなかった…」
「今回は様子見で、気になった会社があったら当日受けてみたいかも」
という学生のみなさんは、Walk-inで企業にアプローチしてみてください!
Walk-inは、その場で企業のブースに自身の履歴書を提出して、当日のうちに面接ができるという、キャリアフォーラム独自のシステムです。
流れはとっても簡単です!
- ロンキャリの会場に行き、気になる会社の説明会を聞く
- 選考を受けてみたいと思ったら履歴書をWalk-inのボックスに入れる
- 履歴書を確認した企業から学生に、面接の連絡が入る
すごく簡単ですよね?
実際に、私の知り合いはAmazonにWalk-inをしてそのまま内定をもらっていました。
事前にやるべきことと言えば、日本語か英語の履歴書やレジュメの用意をすることくらいで、ある意味とても夢がある選考です。
ただ、Walk-inに関してはWalk-inの連絡が来る確率がとても低いというデメリットがあります。
人気の企業だとWalk-inで来るレジュメの数も膨大になるので、そもそもWalk-inの受付をしない会社もあります。
また事前応募してきた学生が優先になってしまうので、面接の枠が少なく早い者順でその少ない枠が埋められてしまいます。
学生の皆さんには事前応募である程度志望している企業群にエントリーし、ロンキャリ当日に気になった企業にWalk-inをするのがおすすめです!
【持って行った方がいいもの】
ロンキャリに行くにあたって持って行った方が便利なものが5つあります。
イギリスでつながる電話
面接などの電話が来るので、絶対に現地でVisitor用のSIMカードでもいいので電話番号を入手しましょう。
スーツ
日本の就活と同じように、キャリアフォーラムではスーツの着用がすすめられています。
もし事前に準備出来なそうなら、ビジネスカジュアルを意識した服装で行くことをおすすめします。
CFNのアプリを事前にダウンロード
CFNからキャリアフォーラム専用のスマホアプリが出ているので、それをダウンロードしましょう。
キャリアフォーラムに入場際には、参加ページをスタッフに見せなければなりません。
CFNのサイトを印刷して持っていくのも良いですが、アプリの方がすぐに見せれるのでおすすめです。
日本語と英語の履歴書、レジュメをそれぞれ10枚以上
Walk-inの場合はもちろん、企業に直接履歴書を提出するので必要です。
しかし、事前応募の場合でも面接官に履歴書を求められることがあります。
キャリアフォーラムの会場にはパソコンやコピー機の用意も多くありますが、履歴書を印刷して来なかった学生が大勢並んでいます。
タイムロスになってしまうので、やはり事前に大量の履歴書を印刷してくることをおすすめします。
それに関連してホッチキスもあれば便利です。
飲み物、軽食
当日は忙しくてご飯を食べる余裕がないかもしれません。
お水や軽く食べれるお菓子などを持っていくと便利だと思います。
ロンキャリで内定を獲るために必要な3つのこと
ロンドンキャリアフォーラムに参加するにあたって、大切にしてほしいことが3つあります。
①【準備をきちんとすること】
今まで言っていた通り、ロンキャリでは日本での就活と同じように準備がとても大切です。
留学中の学生はどうしても学業に忙しくなってしまい、就活との両立が難しくなると思います。
実際に私自身もそうでした。
大学の課題に追われながら、志望企業のESを書いたり、Webテストを勉強しながら解いたりする毎日でした。
その時にはやはり、事前の準備やコツコツESなどを書いていく必要性を感じました。
キャリアフォーラム系のイベントは、大学のMidtermなどのテスト時期とかぶってしまっている学生も多いと思いますが、学期が始まる前に計画を立ててみてくださいね。
②【話を聞くこと】
これに関しては2つのシチュエーションがあります。
グループディスカッションの選考の場合
海外の大学ではもちろん自分の意見を言うことを良しとする文化があり、実際にそれを実行している学生が多いと思います。
その行動は素晴らしいことですし、企業へのアピールできるポイントの1つだと思います。
ですが、グループディスカッションの選考で自分の意見をゴリ押しし、他人の言うことに耳を傾けない学生が意外と多いです。
グルディスで大事なことは、意見の強調ではなく、協調です。
企業側はグループでの協調を見ているので、無駄に意見をゴリ押ししないように心がけましょう。
グループディスカッションの対策方法はこちらも参考してみてくださいね。
【グループディスカッション対策】進め方のコツ・練習法・評価基準とは?
企業の説明会の場合
海外へ正規留学生している学生にとっては、一度に多くの会社の説明や企業内容を聞ける良い機会です。
なるべくたくさんの会社の説明会へ行って、色んな人の話を聞いてみましょう。
社会人になると実際に説明会でまわった企業が取引先になる可能性もありますし、他の業界や企業のなどの話を実際に働いている人から素直に聞ける機会は早々ありません。
たくさんの説明会へ行ってみると、
「志望業界じゃなかったけど意外と面白かった」
「こっちの業界の方がもしかしたら自分に合ってるのかもしれない」
と、感じる会社に出会えることもあります。
また、会社のブースにいる人達は就活の経験者です。
自分が持っている就活の話や悩みをぶつけてみたら、良い解決法が見つかるかもしれません。
③【自分を持つこと】
海外大生は日本の就活の情報が少なく偏っています。よく言われるのは、
「大学のOBOGがキャリアフォーラムで大手のコンサル企業や外銀に内定をもらったから、自分もそっち系の企業を受けたい」
という学生です。
たしかにキャリアフォーラムでは海外大生ということで企業からある程度評価がされ、面接がスムーズに進むことが多々あると思います。
ここで大事になってくるのは、自分の意志や考えを常に持つことです。
キャリアフォーラムでは良くも悪くも色々な人がいるので、周りの雰囲気にのまれ、他の人と比べてしまい焦ってしまうこともあります。
例えば、説明会の時の質問で無駄にカタカナを使ってしまう学生や、英語で周りの学生に話しかける学生。
内定したことを具体的な企業名を含め、キャリアフォーラム会場の公共の場で大声で言う学生。
ですがそこは惑わされずに「自分は自分」という意識を持って、面接に挑戦してくださいね!
学生にとってのロンドンキャリア
ロンドンキャリアフォーラムはヨーロッパ諸国に留学している学生にとって、自分の将来のキャリアが決まるかもしれない重要なイベントです。
ご縁があって順調に決まる人も、逆に思うようにいかない人もきっと出てくると思います。
しかし、ロンキャリが就活の全てではありません。
キャリアフォーラムに来ている会社は世の中の全ての会社のほんの一握りしかないです。
日本の就活と同じように入念な準備をしながらも、自分らしさを忘れずにむしろ「楽しんでやる!」というような気持ちで挑んでくださいね!