就活を迎える大学生にとってインターンは悩みの種の1つだと思います。
「インターンしたいけど今やっているバイトと掛け持ちできないかな…」
「インターンとアルバイトの経験って何が違うのかな…」
インターンのことは気になるけど、なかなか1歩が踏み出せない方もいることでしょう。
そもそもインターンが何か分かっていないという人もいると思います。
そこで、この記事では大手就職サイトの「リクナビ」や「マイナビ」などで紹介されているインターンの内容を踏まえた上で、インターンとアルバイトについてそれぞれの違いや目的について丁寧に解説していきます!
インターンを正しく理解して就職活動に生かしていきましょう。
この記事の登場人物
富田:理工学部の3年生。自己主張は苦手だが心根は優しい草食系男子。メーカーを志望して就活をしている。
春山:経済学部の3年生。あだ名はハルちゃん。明るくハキハキしていて「考えるより動け!」の行動派。母子家庭出身で、化粧品や日用品など女性を対象とした仕事に就きたいと考えている。
白河:社会人3年目のヘッドハンター。ホワイトアカデミー在学中に内定をもらった東証一部の人材系企業で勤務。ホワイトアカデミーとは、特別講師という形で現在も付き合いが続いている。
インターンとは?
インターンというのは大学生が決められた一定の期間、企業で勤務する「職業体験」のことを意味しています。
もちろん企業は誰でも無制限に受け入れることはありませんので選考に突破しないといけません。
また、勤務をするというとアルバイトと似ているようなイメージがありますが実はまったくの別物です。
一日という短期のものから数か月、なかには数年に及ぶようなものまであり、その目的や内容も大きくかわってきます。
まずインターンについてしっかりとした知識を持って取り組みましょう。
短期インターン
1日で行われるインターンは勤務して会社の戦力となるというよりも、実際に働くことで業務内容を知るということが目的になるものです。
説明会の詳しい版と考えても良いかもしれません。
大学生のテスト休み、春休み、夏休みなどに行われることが多く、詳しくその会社のことを知ることが目的と考えれば良いでしょう。
数日から1週間ほどの短期のインターンでは企業によっては就職選考の一環として行われることがあります。
同じ職場の人たちとどのようにコミュニケーションをとっているか、仕事に対してどのように取り組んでいるか、その業界・業務に対してどれほどの知識があるのかということが評価されていくのです。
もちろん勤務している間は実際にアイデアを出したり、製造したりという業務に当たります。
最近では交通費や勤務した分の報酬が支払われる会社も増えており、企業側の本気度あいがわかります。
ただし短期のインターンの場合はほとんどの企業で無給となっていますので注意しましょう。
自分がその会社や業界のことを知るというメリットだけでなく自分が評価されるということが行われるのがインターンです。
短期のものであってもそのことを念頭に置いておきましょう。
長期インターン
インターンと言えば一般的には短期のものが多いのですが、最近ベンチャー企業や比較的新しい会社で「長期インターン」が行われることがあります。
これは数ヶ月~数年にわたって実際に勤務を行うというもので、普通に給料というかたちで報酬が支払われます。
期間がとにかく長期になるので、誰でも参加できるというわけではないのが特徴です。
しかしこれに参加して実際に戦力として勤務することができれば、自分の知識やスキルの向上はもちろん、その業界や企業に対して大きなアドバンテージを持つことができるようになります。
もちろん学生ですので毎日ではありません。週1~3程度の出勤が多くなっています。
制約や拘束時間が多い分、得るものが多いのも長期インターンの特徴です。
給料はもらえるの?
まず短期のインターンの場合は本来の目的通りに無給のところが多くなっています。
割合としてはおよそ95%の企業が無給となっています。
つまり給料が発生するところは5%ほどしかありません。
給料の平均としては時給で1000円前後、日給で6000~10000円前後とアルバイトとそれほど変わらない金額になっています。
長期インターンの場合はほとんどの場合で給料が発生しています。その代わりに出勤日も多いですし、出勤時間も長くなります。
大学の授業との兼ね合いもありますが、日程が合うのであれば多くの実益を得ることができる長期インターンは考えても良いのかもしれません。
ただし長期になればなるほどアルバイトと同じように考えてしまうことがあります。
そこで次にはインターンとアルバイトの違いについて説明していきます。
インターンでもらえるお金や税金についてはこちらの記事をぜひ参考にしてください。
インターンとアルバイトの違いは?
インターンとアルバイトはそもそもの目的が違っています。
その違いがわかっていなければせっかくインターンを行っていても得るものが少ないかもしれません。
ここではインターンとアルバイトの違いについて述べていきます。
違い①「目的」
インターンとアルバイトは企業側も学生側も目的が違っています。
アルバイトは企業側からすると単純に「労働力」が足りないので報酬を支払ってそれを補うという目的で募集するものです。
学生側としてもその「報酬」のために労働をすることになります。
しかしインターンの場合は企業側からすると学生に業務内容や業界知識を得させるため、優秀な学生に経験を与えるために行っているものであり、学生側からしてもそれはあくまでも「職業体験」として行うものです。
そのため短期のインターンの場合では無給のものが多くなっているのです。
つまりインターンとアルバイトではそもそもの目的が違っているのです。
違い②「時間の融通」
たまにブラックバイトなどで休みが与えられない、店の都合でシフトが組まれるというニュースが流れています。
これは店側からするとあくまでも店の労働力として雇っているアルバイトなので、店の都合を優先させて考えるために起こることです。
そのためアルバイトをしている学生は自分の都合よりも店の都合が優先されたために大学の授業に出れなくなるという問題まで起きています。
しかしインターンは違います。
当然ですがインターンは大学生であるということは企業もわかっています。
学業が優先されるのは当然という考えですので、無茶なシフトで出勤を要請してくることはありません。
短期のインターンがテスト休みや春休み、夏休みなどの期間に行われることが多いのはそういった学生側の都合を考えてのことなのです。
学校行事や試験などに対しても十分に配慮してくれるでしょう。
違い③「経験」
インターンとアルバイトでは勤務して得られる経験にも大きな差があります。
アルバイトは単純な労働力として大学生を雇っていますので、その大学生を社会人として立派に育てていこうという考えはありません。
あくまでも店の都合で勤務場所も配置されますし、希望する仕事をできるとも限りません。
そこでどのような勤務経験ができるかはその店次第なのです。
しかし、インターンの場合は企業側が大学生をしっかりと育てていこうとしてくれます。
学生が希望する仕事につけてくれる場合も多くありますし、望む仕事内容も行わせてくれるでしょう。
それだけに「成長」という意味合いではまったく違ったものになっていきます。
それがインターンとアルバイトの大きな違いだと言えるでしょう。
3つのメリット
同じお金を稼ぐだけなら責任も少なく、気軽にできるアルバイトの方が良いという大学生もいるかもしれません。
しかしインターンにはアルバイトにはないメリットが色々とあるのです。
ここではそのメリットについて紹介していきたいと思います。
メリット①「将来の仕事を探せる」
アルバイトでもその仕事のことはある程度はわかりますし、業務内容も覚えていくのかもしれません。
しかしインターンとしてそこで勤務するのとはやはりまったく違ったものになります。
インターンとして企業で勤務すると、企業側もしっかりと「教育」をしながら勤務させてくれます。
実際に業務の実態を詳しく知ることで、その業界にさらに興味を持つかもしれませんし、自分が思い描いた世界とは違うと感じることがあるかもしれません。
「実際にやってみた」ことによって印象は変わってくるのです。
インターンとして勤務することで自分が将来本当にしたい仕事を探すことができるというのは大きなメリットと言えるでしょう。
メリット②「内定に大きく有利になることがある」
インターンで勤務しているときにその企業の管理職や人事の目に留まれば、そのまま内定というルートができることもあります。
インターンを大学生の早い時期からはじめて、その企業でしっかりと勤務して成長していくと企業も戦力としてそのまま就職してほしいと考えます。
そうなると大変な就職活動をして入社試験を受け、面接などを経て内定を取る必要もなくなります。
実際に、そこで勤務していた大学生がそのまま就職するというのはどの業界でも多いことです。
企業からすれば採用しても本当に戦力になるかどうか未知数な大学生よりも、すでに能力や素質がある程度把握できている大学生の方が採用しやすいというメリットもあります。
「自分が就職したい企業にインターンに行く」というのは基本と言えるでしょう。
メリット③「どの業種においても経験を認められる」
就職活動において「アルバイトをしていた」というのは大きく評価はされません。
よほどアルバイトとして大きな成果を上げたか、資格や免許など目に見えるような結果を出した場合であれば話は違ってきますが。
しかしインターン、特に長期インターンとしての経験があると圧倒的に就職活動に有利になります。
インターンとして勤務していると社会人としてのマナーや常識、知識、技術などが備わっていると考えられるからです。
それだけ企業としても「即戦力」として計算できる人材と判断されるのです。
また、インターンとして勤務している間に自己表現や自己アピールも鍛えられています。
これは就職活動でも大きな武器として利用できるでしょう。
両立は可能?
インターンとアルバイトを両立できるかと悩む学生がいますが、実際にはかなり厳しいものとなります。
まず短期のインターンの場合は1日~1週間ほどですので、その間はアルバイトを休むのが良いでしょう。
短期勝負のインターンなのにアルバイトがあるから全力投球できないというのはデメリットでしかありません。
企業側からしても本気度あいを測りかねる結果になります。
長期インターンの場合は学業と企業での勤務を両立している状態ですので、そこにアルバイトが入ってくるとどれも中途半端になってしまう場合があります。
また、長期インターンの場合はそこで給料が発生していることが多くありますので、アルバイトを行う必要性が低くなるということもあるでしょう。
例外があるとすればそれがインターン先の企業にもプラスになるアルバイトの場合です。
アルバイト先で学ぶ知識や技術がインターン先でも役に立つ場合や、インターン先の系列会社でのアルバイトであれば歓迎されるかもしれません。
インターンを考えている大学生は、アルバイトをすることがインターン先や学業にどう影響するかを考えていく必要があると言えるでしょう。
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これで大丈夫! 選考対策
インターンはアルバイトと違って希望すれば雇ってもらえるというものではありません。
職業体験として大学生を預かりますので企業側にも大きな責任が生じるからです。
また、大学生に大きなメリットを与えるインターンですが、その大学生が企業で成長して戦力になれば企業にもメリットとなります。
それだけに誰でも雇うというわけではなく、厳密な選考が行われることになるのです。
ここではインターン選考対策として「履歴書」「エントリーシート」「面接」の要点を説明していきたいと思います。
選考のための履歴書対策
履歴書は学歴や職歴、所持している資格や免許、趣味や特技などを記入したものです。
就職活動では書類選考に使用されることが多いもので、こちらの仕上がり次第では書類選考で落とされるということになります。
まず履歴書の基本は「正確な情報を正しく記入する」ということです。
学歴や資格に間違いがあると学歴詐称や詐欺にあたってしまいます。
最近手書きかパソコンで打ったもののどちらが正しいのかと悩む学生がいますが、企業の指定がないのであればどちらでも構いません。
手書きの場合はボールペンか万年筆で書くようにしましょう。
もし字を間違えてしまった場合は修正液や修正テープを使ってはいけません。
新しい履歴書に最初から書き直しましょう。
字を間違えたままだったり、修正液を使用したものなどは「正式な書類を作れない人間」だとアピールしているようなものです。
最低限のマナーとして覚えておきましょう。
選考のためのES対策
エントリーシート(ES)は履歴書と似ている部分もありますが違ったものです。
こちらは企業が自分たちが知りたい情報について記入を要請してきます。
そのために履歴書と内容が重複するものもありますが、その企業独特の質問がある場合もあります。
もし重複している内容のものであっても一字一句同じ内容を書くというのは避けましょう。
基本的には趣味や特技の他に「志望動機」「その企業に採用されたら何をしたいのか」ということが聞かれます。
まずは自己分析を行って、難しく考えすぎずに素直に書いていくのが良いでしょう。
まだ実際には勤務していないわけですからあまりにも具体的に書くというのは現実的ではありません。
また、印象を良くしようとして綺麗ごとを多く書いてしまうと、面接で話をしたときにバレてしまいます。
「自分がその会社で何をしたいのか」を書いていきましょう。
選考のための面接対策
インターンの選考でも就職活動においてももっとも重要となるのが「面接」です。
やはり実際に言葉を交わすことで企業側の人は色々なことを評価していきます。
そのため面接対策をしっかりと行うことは必須と言えるでしょう。まずはその企業のことを細かく調べていきます。
これからお世話になろうとしている企業、業界のことを知らないというのは論外です。
基本的な情報は何を聞かれても答えられるようにしておきましょう。
企業方針や社訓、得意分野、力を入れている分野などは必ず押さえておきましょう。
そして自己分析は十分に行っておきましょう。先に整理しておかなければとっさに答えられなくなってしまいます。
特に「インターンを行う目的」は必ずと言って良いほど聞かれる内容です。
「アルバイトではなくてインターン」を行わなければならない理由を説明できるようにしておきましょう。
インターンに参加している学生の目的上位は、
- 「仕事理解」
- 「業界理解」
- 「企業・職場の雰囲気を知る」
となっています。
(就職みらい研究所調査より引用)
また、自己紹介や自己PRを行う場合もあります。
これは就職活動でも聞かれることですので、これもまとめておくと良いでしょう。
面接の最後に「質問は?」と聞かれることがあります。
失礼になってしまう質問、パンフレットやホームページに載っている内容の質問は避けましょう。
過去に面接官の給料を聞いた就職活動生が居たそうですが、当然不採用となりました。
次に身だしなみとマナーです。
まともな内容を話していたとしても服装がふさわしくないものであればすべてが台無しです。
まず服装はスーツ(黒などの落ち着いた色)が無難です。
もし「私服でもOK」という書き方であってもスーツで行くのが良いでしょう。
「私服で来ること」のような指定があった場合は私服で行くのですが、それでもカジュアルすぎない服で行きましょう。
髪の毛も地毛に近い色でおとなしい色にしましょう。何よりも基本は「清潔感」です。
眉毛や目にかかっている、変に長くて不潔に見えるというのは論外です。
当然ピアスやブレスレットなどのアクセサリーは必要ありません。
カバンや靴も汚れたりヨレヨレになっていないものを用意していく必要があります。
特に靴はよく見られているポイントですので注意が必要です。
マナーについては社会人として当たり前のことをしていくことが基本となります。言葉遣いや話し方は特に重要です。
インターンとして勤務している間は学生ではなく社会人として振る舞わなければいけません。
普段から敬語を使っていない学生が面接のときだけ敬語を使おうとしても人事のプロには簡単に見抜かれます。
就職を考えるような年齢であれば、やはり普段から最低限の言葉遣いをするようにしておくことが重要だと言えるでしょう。
あとは適度な緊張感を持って、緊張しすぎない程度で面接ができれば大丈夫です。
そのときだけちゃんとやろうと思ってもできないのが面接です。必ず前もって準備をしておきましょう。
インターンを上手く活用しよう
インターンはそもそも、それ自体について知らなければ利用しようとしない学生がほとんどの制度です。
しかし、正しく利用することができれば社会経験、業界知識、企業知識など多くのものを得ることができる制度でもあります。
また、その企業内に知己を得ることができるというのも非常に大きなメリットです。
学生時代に働くといってもアルバイトとはまったく違うもの、それがインターンなのです。
まずはインターンについてよく知り、自分が興味を持っている企業についてよく調べ、インターンを正しく利用するようにしましょう。