入室や退室の仕方を流れで紹介するのはもちろん、敬語や電話のことについても説明していくよ!
富田:理工学部の3年生。自己主張は苦手だが心根は優しい草食系男子。メーカーを志望して就活をしている。
春山:経済学部の3年生。あだ名はハルちゃん。明るくハキハキしていて「考えるより動け!」の行動派。母子家庭出身で、化粧品や日用品など女性を対象とした仕事に就きたいと考えている。
白河:社会人3年目のヘッドハンター。ホワイトアカデミー在学中に内定をもらった東証一部の人材系企業で勤務。ホワイトアカデミーとは、特別講師という形で現在も付き合いが続いている。
目次
まずは身だしなみから!
身だしながきちんとできているかどうかは、面接官に与える第一印象に大きく影響します。
身だしなみがなっていないと、選考対象の土俵から外されてしまいます。
当たり前のことばかりだと思うかもしれませんが、意外と見落としてしまうポイントも多いのでしっかりチェックしていきましょう!
スーツのマナー
男性編
スーツ選びの基本として、色は黒かネイビーで柄は無地のものを選びましょう。サイズも自分にきちんと合ったものを店員さんに見てもらいましょう。
ワイシャツは柄の入っていない白いもので、襟の形はレギュラーカラーか、少し襟の開きの角度が大きいワイドカラーを選びましょう。
また、ボタンが黒いものや、「ボタンダウンシャツ」と呼ばれる襟の先にボタンがついているものは避けるようにしましょう。
着こなしも重要です。ワイシャツはきちんとアイロンをかけ、ジャケットの1番下のボタンは外すようにしましょう。
女性編
こちらもスーツの色は黒かネイビーが基本で、無地のものが好ましいです。ボトムスはスカートとパンツのどちらでも構いません。
ブラウスはレギュラーカラーブラウスかスキッパーカラーブラウスのどちらかを選ぶと良いでしょう。
上の写真では左がレギュラーカラーブラウス、右がスキッパーカラーブラウスです。
レギュラーカラーブラウスはきちっとした印象を与えられますし、スキッパーカラーブラウスは活発で生き生きと見えます。
自分の志望する業界や面接官に与えたいイメージに合わせて選ぶと良いでしょう。
髪型のマナー
髪型もスーツと同じく、第一印象を決める重要な要素です。
また、スーツの着こなしに比べると個性が出せる部分でもあるので、自分に合ったスタイルをぜひ見つけて下さいね!
男性編
男性の髪型のポイントとして重要なのが
- 清潔感
- さわやかさ
- フレッシュさ
になります。
このポイントを押さえるためには、黒髪ショートは必須でしょう。
派手な髪色やパーマなどは避けるのが無難です。良い例を挙げると、以下のような感じになります。
こちらのヘアスタイルは、黒髪ショートヘアの定番なスタイルです。前髪を少し横に流しておでこを出しているので、より清潔感を与えられるようになっています。
ちなみに、ワックスなどを使用することは問題ありません。つけすぎや変に形を作るのは逆効果ですが、きれいに整えるためであればワックスを使っていきましょう!
女性編
こちらも同じく「清潔感」は1番重要なポイントです。
気をつけるべき点としては
- おでこと耳をだす
- アクセサリーは華美にしない
- ヘアピンを見せない
の3点が基本です。
1つ例を挙げるとこんな感じです。こちらは前髪を横にすっきり流し、うしろで一つにまとめたスタイルになります。
派手なものでなければ、シュシュやバレッタを付けても構いません。
髪色は黒が基本ですが、明るすぎない茶色なら問題ないでしょう。
どの程度の茶色なら大丈夫か不安なら、日本ヘアカラー協会(JHCA)が開発した「JHCAレベルスケール」の7レベルの色を基準にしてください。
髪型はロングの人の場合はポニーテール・ハーフアップ・シニヨンが無難でしょう。
また、前髪は斜め前髪やセンター分け、オールバックなどがありますが、いずれにせよおでこが出ていて清潔感の感じられるスタイルであることが大切です。
「ルールだからこうしなければいけない」のではなく、与えるイメージがどうかということ基準に考えましょう。
化粧
こちらは女性のみに関係することですが、化粧にもいくつか注意点があります。
就活のメイクで目指すべきところは「ナチュラルメイク」です。
よく「薄めのメイクがいい」という話を聞きますが、薄ければいいという話ではありません。
就活のナチュラルメイクなら
- ベースメイク
- アイメイク
- リップ
があれば十分です。
つけまつげや濃すぎる色のリップ・チークはけばけばしく見えてしまいます。
また、業界や業種によっても求められるメイクが変わってくるので注意しましょう。
アパレルやファッション業界ですと少し派手めでも良いですし、金融や公務員などでは大人しめの方が好まれる傾向にあります。
面接の基本
遅刻は厳禁!
これは社会人として基本中の基本です。
遅刻をしてしまうと、会った時の第一印象よりも先に悪い印象がついてしまいます。
面接に臨む際には、事前に会社への行き方やルートを確認し、余裕を持って家を出るようにしましょう。
もし、どうしても電車の遅延や体調不良などやむを得ない理由で遅刻する場合は、必ず先方に連絡を取りましょう。
無断での遅刻・欠席は1番悪い印象を与えてしまいます。その時点で不採用の烙印を押されることもあると思ってください。
また、早く着きすぎても会社側の迷惑になります。企業側も面接だけをしているのではありません。
ほかに自分の仕事がある中で面接の時間を調整していますので、常識の範囲内で到着するようにしましょう。
あいさつはしっかりと!
これは面接のときだけでなく、社会人としてできて当たり前のことでしょう。
「おはようございます。」や「よろしくお願いします」など自分から明るく挨拶ができるように日頃から習慣づけましょう。
円滑なコミュニケーションはあいさつから始まります。OB訪問や説明会などどんな場面でもあいさつはしっかりしましょう。
敬語
敬語が正しく使えるかどうかは、マナーが身についているかどうかの1つのチェックポイントになります。
正しい敬語の知識があったとしても、それを会話の中で実際に発揮するには、それなりに使い慣れておかなければいけません。
敬語には大きく分けて「尊敬語」・「謙譲語」・「丁寧語」の3種類ありますので、それぞれの役割と使い方をしっかりマスターしていきましょう!
尊敬語の使い方
尊敬語は相手や第三者の行動を敬うときに使う言葉です。よく使うものをいくつか紹介しておきます。
言う | おっしゃる |
行く・来る | いらっしゃる |
見る | ご覧になる |
する | なさる・される |
いる | いらっしゃる・おいでになる |
注意していただきたいのが二重敬語です。例文を見ながら理解していきましょう。
✕ 何時ごろお戻りになられますか?
〇 何時頃お戻りになりますか」or「何時頃戻られますか」
これは非常に多い間違いです。一見違和感のないように感じますが、実は「お~になる」と「~れる(られる)」が同時に使われている二重敬語なのです。
✕ うかがわせていただきます
〇 うかがいます
こちらも「うかがう」と「~させていただく」が同時に使われているため間違いです。必要以上に敬語を使う必要はありません。
✕ ~課長様
〇 ~課長
これはどういうことかといいますと、役職+様の表現になっているということです。
役職名は敬称に当るので、「様」を付けるのは誤りということになります。二重敬語とは少し違うかもしれませんが、メールや手紙などで要注意なポイントです。
謙譲語の使い方
謙譲語は自分の行動をへりくだるときに使う表現です。つまり、相手側の行動に使ってはいけません。
こちらも主なものをいくつか紹介しておきます。
言う | 申し上げる・申す |
行く・来る | うかがう・参る |
見る | 拝見する |
する | いたす |
いる | おる |
丁寧語の使い方
丁寧語は聞き手に対して丁寧に表現する言葉です。自分の行動と相手の行動どちらに対しても使えます。
基本的には語尾に「です」・「ます」・「ございます」を付ける形になります。簡単な例を少し紹介しておきます。
話す→話します
こちらです→こちらでございます
丁寧語は一番基本的で簡単な言葉ですので、新しく覚えるようなことはないでしょう。
基本的に「御社」=話し言葉であり、「貴社」=書き言葉と覚えればOKだよ。つまり、面接のときには「御社」、メールや書類のときは「貴社」を使うってことだね。
面接マナーを流れで解説!
ここでは面接で必要なマナーを流れで説明していくから、ぜひこの通りに練習してみてね!
面接では話す内容ももちろん大切ですが、最低限のマナーができていないと、話の内容以前にまずそこで落とされてしまいます。
当日に焦ることがないよう、事前にしっかり身に着けておきましょう。
入室
①ドアをノックする
ドアを3回ノックし、「そうぞ」や「お入りください」などの声掛けをもらってから中に入ります。
入室したらゆっくりとドアを閉めます。このとき、後ろ手で閉めるのではなく、体をドアの方に向き直して閉めるようにしましょう。
ただ、ノックの回数で不採用にされることなんて無いだろうから、一応頭に入れておいてくれればそれでいいよ。
②入室後、簡単なあいさつとお辞儀をする
入室したら用意された椅子の隣に立ち、簡単な挨拶とお辞儀をします。このときの挨拶は大学名と名前、最後に「よろしくお願いいたします。」と言えばOKです。
注意していただきたいのが、「よろしくお願いいたします。」と言うのと、お辞儀の動作を同時にしないことです。
挨拶とお辞儀を同時にしてしまうと、相手の顔ではなく地面に向かって挨拶してしまうことになるので、先に挨拶をしてからお辞儀をした方が良いのです。
これは「語先後礼」とも呼ばれており、よりきちんとした印象を与えることができます。
③椅子の座り方
椅子に着席するときは面接官に「どうぞ」と勧められてから着席しましょう。勝手に座るのはマナー違反です。
着席を促されたら「失礼します」と言い、軽くお辞儀をしてから座ります。カバンはこのタイミングで椅子の横に置きます。
椅子の背もたれには体を預けずに、浅めに座るようにしましょう。
このとき、男性は両膝を軽く開き、手は軽く握りこぶしを作って膝の上に置きます。女性の場合は膝を閉じて足をそろえ、両手は重ねて膝の上に置いておきましょう。
面接のときはカバンの上に綺麗にたたんで置いておくのが正解だよ。椅子の背もたれにはかけないように気をつけよう!
- コートの両肩部分に裏から手を入れる
- 入れた手を内側に折り込むようにくるりと返す
- 中表に畳んで前身ごろと後見ごろを重ねる
最初は立ったままたたむのは難しいと思うから、何度か練習しておこう。
受け答え
受け答えの際にまず大事なのが「アイコンタクト」です。人話すときに相手の顔を見ることは最低限の礼儀です。
緊張して目を逸らしてしまいたくなる気持ちも分からなくはないですが、目が合わないまま会話することは悪い印象を与えるだけです。
ただ、ずっと目を見ているのもお互いに落ち着かないので、目をずっと見つめるのではなくて、口元や鼻など顔のあたりをまんべんなく見るとよいでしょう。
面接官が話しているときには、うなずく、相づちを打つなど、適度なリアクションが取れるとよりグッドです。
また、言葉使いや話し方にも気を付けましょう。
敬語や尊敬語は正しく使い、変に間延びした話し方や「~っす。」などの目上の人と話す際にふさわしくない言葉遣いは避けましょう。
声が小さいと元気がなく、陰気なイメージを与えてしまいますので、大きな声でハキハキと話すことを心がけてください。
退室
面接が終わるときは、面接官から「本日の面接はこれで終わりです。ありがとうございました。」などといった挨拶をされます。
そのような声がかかったら、まずは座ったまま「本日は貴重なお時間をいただき、どうもありがとうございました」とお礼を伝え、軽くお辞儀をします。
その後、起立し「本日はありがとうございました。」と改めて感謝の言葉を述べてお辞儀し、出口に向かいます。
最後に出口の前で面接の方に向き直り、「失礼します」と告げて退室しましょう。
ドアを閉めるとはドアが大きく音を立てないように、手を添えて静かに閉めるよう心掛けてください。
グループディスカッションやグループ面接
最初の人はノックをして返事をもらってからドアを開け、ドアノブを持ったままあいさつをして、そのまま開けっ放しにするか、後ろの人にドアノブを渡して入室してね。
座る順番は入った人から奥に詰めていくようにしよう。退室の際は入口に近い人から、つまり入るときと逆の順番で出ていこう。挨拶やお礼は1人の時と同様にきちんとしよう。
電話とメールのマナーもしっかり身に着けよう!
電話
自分からかける場合
電話のマナーで第一に気を付けておきたいのが「時間」です。
月曜日の午前中などの忙しい時間やお昼休み、休日を避けて平日の10~16頃にかけるのがよいでしょう。
何時にかけたとしても「ただいまお時間はよろしいでしょうか?」と都合をうかがうことは忘れないでくださいね。
また、周囲が騒がしいと会話が聞き取りづらくなってしまうので、できるだけ静かな場所でかけましょう。
電話がつながったらまずは自分から名乗り、本人以外の方が電話に出た場合は相手の部署名・名前を伝えてつないでもらいます。
伝える内容はあらかじめメモしておき、簡潔に伝えるよう心がけてください。電話の最中も必要な情報はメモしておき、特に大切な内容は復唱して確認するようにしましょう。
電話をかける際の簡単なフローチャートを載せておきますので、参考にしてください。
相手からかかってきた場合
相手からの電話がかかってきた場合、3コール以内に電話を受けることができなかったときは「お待たせいたしました」と一言伝えておきましょう。
電話を受ける際も、自分から名乗ることを忘れないようにしてください。もし、このとき周囲の環境が原因で聞き取りづらい場所にいるときは、事情を話して再度自分からかけ直します。
電話を終える際には自分から切るのではなく、相手が電話を切るのを待ちましょう。これは電話を受ける際の基本的なマナーです。
メール
メールも電話と同じく、送る時間帯は会社の営業時間内にしましょう。
また、携帯のアドレスではなくPCメールのアドレスを使うことも社会人としては常識です。
本文を書く時には件名⇒宛名⇒挨拶⇒自己紹介⇒本文⇒結び⇒署名の流れを守るようにしましょう。
もしキャンセルすることになったら……?
事前に辞退することが分かっている場合は、基本的にメールで連絡すればいいよ。メールだと送信した記録も残るっていうメリットもあるしね。
メールのテンプレートはこんな感じかな。さっきも少し説明したけど、メールヲする時間帯には注意してね。
○○株式会社
○○様○月○日○時より面接(面接の種類に応じて変更)のお時間を頂戴しております
○○大学○○学部の○○です。誠に申し訳ありませんが、面接を辞退させて頂きたく、ご連絡を差し上げました。
お忙しい中日程調整をして頂いたにもかかわらず、誠に申し訳ありません。
誠に申し訳ありませんが、ご了承のほどよろしくお願い致します。
キャリアパーク(https://careerpark.jp/1370)
メールだと気づいてもらえない可能性もあるからね。マナーを守って誠実な態度で謝罪の気持ちを伝えよう。
また、最終面接などの大切な面接を辞退する場合は事前に分かっていても電話で伝えた方がいいね。
これでもう落とされない!
ただ、面接のマナーは「受かるため」にというよりも「落とされないため」のものだから、マナーにばかり気を取られ過ぎないでね。
面接で話す内容がやっぱり一番重要だからね。自分のいいところを最大限アピールできるように頑張ってね!