技術職・開発職とは?向き不向きから平均年収まで徹底的にお伝えします!

様々なアイデアを出している様子
  • 技術職・開発職って聞いたことはあるけど、どういう仕事をするの?
  • 興味はあるけど、自分に向いてるか分からないし、未経験でも採用されるかな?
  • そもそも年収いくらなの?

と思っていませんか?

技術職や開発職はやりがいのありそうな仕事のように聞こえても、情報が無いと就職先として選びにくいですよね。

この記事では技術職・開発職の概要を解説するので、技術職・開発職への就職を考えているなら参考にしてくださいね!

この記事を書いた人:竹内健登

竹内校長の写真就活塾ホワイトアカデミー校長。デロイトトーマツグループの人材戦略コンサルタントを経て現在は就活コンサルタントとして活躍。

数学検定1級保持者で東京大学工学部卒にもかかわらず、自身の就活に失敗し就職留年した経験から企業の人材戦略の道へ。

新卒の学生が一流企業に内定するための独自の方法論と、3年後離職率・OpenWorkでの評価・帝国データバンクの評点を用いた客観的視点から日夜ホワイト企業を研究。

子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法研究内容を自社メディアで掲載したところ、就活生や親御様の間で話題となり、月間で35万PVを達成した。

現在も、ホワイト企業からの内定が1件も得られなければ授業料を全額返金という方針で、上位大学だけでなく、全国幅広い大学の学生の就活指導を行なっている。

「就職浪人からANAグループに内定した! 」「留年すれすれから日本IBMに内定! 」「指導を受けた次の日から大手企業の面接で落ちなくなった! 」など、喜びの声多数。

著書に「子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法」(日経BP社)がある。

この記事の登場人物

富田:理工学部の3年生。自己主張は苦手だが心根は優しい草食系男子。メーカーを志望していて就活をしている。

佐藤先生:ホワイトアカデミー講師。現在、インフラ系IT企業にてSE(時々、技術営業)として従事。 元々は営業志望だったが「自身が取り扱う商品やシステムについて知らなくてはそもそも営業ができない」との思いから手に職をつけることに。

この記事の内容はこちらの動画でも解説しています↑

技術職・開発職とは?

技術職について

理工学的な専門知識を用いてモノやシステムなどを作り出す(設計・開発・製造など)仕事それらの工程を管理する、いわゆるエンジニアと呼ばれる職業です。

技能職との違い

中には、技術職と技能職の違いが分からないという方もいらっしゃると思いますが、簡単に説明すると、技能職は現場で実務に就くブルーカラーの職業です。

技術職と異なり、専門的理工学の知識を必要としない作業に主に取り組む職業だと考えればよいでしょう。

開発職について

開発職は大きく商品開発、技術開発、研究開発の3つに分けることが出来ます。

  • 商品開発職……研究結果や知識を用いて新しい製品の製作と既存の製品の改善などを構想し、商品を開発する職業です。
  • 技術開発職……研究・商品開発と実生産の中間に位置する職種です。上で紹介した技術職と同一視してもよいでしょう。
  • 研究開発職(R&D)……研究と開発の両方を担当します。研究職は実験などを通して既存のものより高度な技術や新しい分野について研究する職業と言えます。

これらの職業は製薬から電気・電子、機械、ITまで多様な業界で必要とされます。

この様な仕事に向いてる人は?

どのような適性を持った人が技術職・開発職に向いているかについて、 現在、SEとして勤めていらっしゃるホワイトアカデミー講師の佐藤先生(仮名)に質問をしてみました!

富田
はじめまして! メーカーで技術職・開発職の仕事に就くことを目指しています、早稲田大学3年生の富田と申します。今回はインタビューに応じていただき、ありがとうございます!
佐藤先生
はい! こちらこそ、よろしくお願いいたします。
富田
早速ですが、現在勤めていらっしゃるお仕事について簡単に説明していただけますでしょうか?
佐藤先生
はい。私は、現在、インフラ系IT企業にてSE、時々、技術営業として従事しております。 元々は営業をやりたかったのですが、自身が取り扱う商品やシステムについて知らなくてはそもそも営業ができないだろうとの思いと、手に職をつけたいという考えから今の仕事をしています。
富田
なるほど、システムの設計や開発をするシステムエンジニア(SE)ですね! 詳しい話を聞けそうで楽しみです(笑)

さて、インタビュー内容は「技術職・開発職はどのような人に向いているか」ですが、実は事前にあちこちで調べてみました! 私の考えた「必ず必要とされる能力」が合っているかの確認と付け加えて知っておくべき内容を教えていただけたら幸いです。

技術職(技術開発職)の場合

富田
まずは、技術職についての質問です。私の考えとしては

  1. コスト面等での効率と質の向上や改善点の発見をするために常に生産体制をチェックする「几帳面さ」
  2. 他部署と話し合い必要な意見を取り入れる「コミュニケーション能力と判断力」
  3. 常に変わっていく新しい技術や市場状況等について勉強しようとする「知的向上心」

の3つが必要だと思ったのですが、いかがでしょうか?

佐藤先生

素晴らしい見識をお持ちだと思います。

1.「几帳面さ」に関しては特に必要とされます。 コスト面や作業効率もそうですが、ITの仕事においてはワンミスが大きな事故やビジネスにおける大きなマイナスポイントとなりますので、チェック力は大変重要な素質になります。実際に機器に触れて感覚を掴むことや仮想的な練習機器を制作してシステムの動きを確認することなどを日常茶飯事で行っています。

2.「コミュニケーション能力と判断力」に関しても重要なポイントとなります。 他部署を経由するような大きな事案に関しては上長(所属するチームの長)を上手く巻き込むことでより迅速に社内処理を進めることが可能です。これが出来る出来ないによってサービス品質の良し悪しが決まるといっても過言ではありません。

3.そして「勉強の機会」ですが非常に多いです。 おそらくインフラエンジニアはIT系の中でも非常に勉強を迫られる職業だと思います。技術進歩の速度や新技術のリリースが非常に速い点がその理由です。もちろん、様々なメディアで各メーカーの動向を探ったり自身で技術フォーラム(展示会)に参加して最新の技術動向を体感したりすることも重要です。

富田
なるほど、とても具体的で勉強になります! まとめると

  1. 大きな事故を起こさないために小さなミスでも見逃さない「几帳面さ」
  2. より迅速な社内処理と良いサービスの維持のための「コミュニケーション能力と判断力」
  3. 速い技術発展と市場動向の変化に追いつくための「知的向上心」

が働く上で重要だということですね。

開発職(研究・商品開発職)の場合

富田
次は開発職についてです! こちらも以下のように考えてみました。

  1. 新しい価値観や商品を生み出すための「発想力」
  2. 思考錯誤を繰り返してもくじけない「粘り強さ」
  3. チーム内でのやり取りのために重要な「コミュニケーション能力」

どうでしょうか?

佐藤先生
そうですね、若干付け加えますと

1.開発に関しては「発想力」が大切ではありますが、「観察力」が敏感な方が開発に向いていると考えます。 お客様がどのようなニーズを持っているかを詳細に把握し、それより良いものを完成させることが目標となります。そのため「観察力」という目配り・心配りが重要なカギになるかと思っています。 お客様が望むものを1から10までヒアリングし、その10を100にするために細部まで工夫が行き渡った成果物こそお客様の満足度を高めるモノとなると考えているからですお客様よりもお客様を見抜き、言わずともやってほしいことを叶えてくれる。 そんなモノを作れる人材こそ重要なキーマンになっていくのではないでしょうか。

2.仰る通り「粘り強さ」は重要なポイントと言えるかと思います。 特に完遂させる意思が強く様々なことに対してアプローチの方法を思考できる方がより適性があると考えます。また、より効率的に開発するための環境づくりを行うなど「几帳面さ」も重要になります。

3.「チームプレー」に関してですが、これはケースバイケースかと思います。 例えば1つのシステムを自身で組み上げることもあれば複数のシステムを総合するためにチームとして連携して働くこともあります。まわりの環境としてフォローできる体制が組まれていたら才能を発揮しやすいですが、そうでなければコミュニケーション能力を発揮することも必要となります。

富田
具体例を出してくださってとても理解しやすかったです! 結論としては

  • 顧客のニーズを顧客よりも見抜く「観察力」
  • 仕事を完遂する「粘り強さ」「几帳面さ」

が重要となり「コミュニケーション能力」は場合によって必要となるということですね。

向いていない人は?

富田
以上が技術職・開発職として働くに当たって必要とされる能力だったのですが、1つでも欠けている人は向いていないのでしょうか?
佐藤先生
開発においても技術職においても一定のコミュニケーション能力を求められるため、コミュニケーション能力がない方はおすすめできません。 また、素直さや謙虚さを欠く方もミスを軽んじてしまう傾向にあるため向いていないと考えられます。
富田
なるほど、「コミュニケーション能力」と「素直さ」に欠けている方には向いていないということですね。

文系や理系学部卒には厳しい?

富田
さて、今までは適性の話でしたが、それと関係なく文系や理系学部卒の方は働きにくいですか?
佐藤先生

結果から申し上げますとどちらでも大丈夫という回答になります。

なぜかというと、入社してから学ぶことのほうが断然多いため、理工系の方と文系の方の差はそこまでないのが現状です。 個人的には、文系の方のほうがITは向いていると思います。 文系の方のほうがコミュニケーション能力が長けているように感じられるからです。 ITについては勉強すればよいですが、コミュニケーション能力の向上は非常に大変ですし、いきなり向上するものでもないからです。 勉強すれば身につく技術+コミュニケーション能力を持った人材が後々花を咲かせるといった場合が多いです。

富田
おおお、自分も学部卒で就職しようと思っていたので安心出来ます!(笑)
佐藤先生
就活までに様々な経験をされると思いますが、その経験で得たことを1つ1つ大切にインプットし、アウトプットの機会では存分にその能力を発揮することが大切ですね! より良い経験を積んでくださいね!
富田
ご親切な回答と最後のアドバイスまでありがとうございました! お陰様で仕事の内容から向き不向きまでとても良く分かるようになりました。お言葉の通り、今後の経験を大切にしていきます!

年収はどのくらい?

企業によって差はありますが、dodaのホームページに載っている資料を基に技術職・開発職の平均年収を調べてみました。

お見せする資料はdodaが2017年から2018の間に調査した比較的新しいものです。

職種別平均年収

これは技術系の中でも電気・電子・機械関連の職種の平均年収です。  技術系(電気・電子・機械)全体の平均年収は467万円であり、職種分類10種類のうち「専門職」と「企画・管理系」に続く3位でした。

具体的には「プロセスエンジニア」の平均年収が487万円、「生産技術・機械設計」の平均年収は483万円、「先行開発・製品企画」の平均年収は574万円などの情報が載っていました。

続いてIT・通信関連の技術系職種の平均年収です。技術系(電気・電子・機械)全体の平均年収は456万円で、これは「 技術系(電気・電子・機械)全体」の平均年収に続く4位でした。

年齢別で見ると30代からは「技術系(電気・電子・機械)」の平均年収を超えています

具体的には「システム開発・運用」の平均年収が585万円、「研究開発」の平均年収は533万円などの情報が載っていました。

最後に製薬・食品・化学関連の技術系職種の平均年収です。他の技術系の職種よりは年収が少ないように見えますが、全職種と比較すると平均ぐらいだと考えてよいです。

具体的には「研究」の平均年収が481万円、「研究開発」の平均年収が470万円でした。

同じ技術系でも職種ごとに平均年収は異なり、その中でも技術職・開発職は年収面では平均よりも良い待遇であることが分かります

なお、この調査では職種がかなり細かく分けられていたため、小分類毎の平均年収は以下の出典元で確認することをお勧めします。

出典:https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/

年代別の平均年収

続いて、上記と同様のdodaの調査による技術系職種の年代別平均年収情報です。

20代

  • 技術系(IT/通信)368万円
  • 技術系(電気/電子/機械)379万円
  • 技術系(メディカル/化学/食品)340万円

30代

  • 技術系(IT/通信)500万円
  • 技術系(電気/電子/機械)498万円
  • 技術系(メディカル/化学/食品)431万円

40代

  • 技術系(IT/通信)600万円
  • 技術系(電気/電子/機械)573万円
  • 技術系(メディカル/化学/食品)487万円

50代以上

  • 技術系(IT/通信)716万円
  • 技術系(電気/電子/機械)712万円
  • 技術系(メディカル/化学/食品)598万円

どの職業も歳によって年収が異なりますが、「技術職・開発職」は経験値からなるノウハウが他の職種より重要視され、年齢に比例して上がる年収の幅が大きいことが資料から分かります。

その分、学習欲が強い人には働きがいのある仕事になるかもしれません。

技術職や開発職への適性を見極めよう

技術職は設計・開発・製造とその工程を管理する職種で、開発職は商品開発、技術開発、研究開発の3つに分けられ、それぞれ開発を担当する職種です。

実際にSE職に勤めていらっしゃる方のインタビューから、技術職の仕事内容上、几帳面さとコミュニケーション能力、知的向上心のある方が向いており、開発職の仕事には観察力と粘り強さ、几帳面さが必要とされること、入社後に勉強する量も多いので仕事に関する知識よりは適性や向き不向きを考慮することが重要であることが分かりました。

技術系の平均年収は他職種と比べて高い方に属し、専門性とノウハウが問われるため年齢に応じて年収が大きく上がりますが、あなたが自分に向いた仕事を見つけ、狙っている企業で働けるよう願っています。