人の心に寄り添って悩みを聞いて一緒に解決していくことはやりがいがありそうな仕事に見える。
しかし、公認心理士の資格を持つ心理カウンセラーの給料は平均年収だと300万〜500万円程度と、専門職の中では比較的給料は低めの職種である。
※参照元:厚生労働省 公認心理士の活動状況等に関する調査 p.203 心理系専門職の場合は国家資格ではない様々な専門系資格の取得や、大学院への進学が必要となってくる場合がほとんどだ。
それぞれの専門職について下記に簡単に解説していく。
臨床心理士
心の問題を抱えている人にカウンセリングを行い問題解決の手伝いをする仕事で、常に依頼者の悩みに寄り添えるよう知識や技術の向上が必要である。
臨床心理士として働くには指定の大学院に進学して資格を取る必要があるが、心理系の資格の中で最も社会的信用が高い資格と言われている。
病院や大学、児童相談所などに就職する場合が多いが、ある程度の経験が必要なため就職するのは簡単ではない。
産業カウンセラー
企業や行政などで働いている人が、抱えている悩みに寄り添い問題解決の手伝いをする仕事で、職場での人間関係への援助やキャリア開発支援などを行う。
学校や企業、職業安定所などで仕事をするので、心理カウンセリングの他に労働基準法や雇用に関する情報を知っておく必要がある。
産業カウンセラーとして働くなら、日本産業カウンセラー協会が認定している産業カウンセラーの資格を取る必要がある。
試験を受ける上で諸条件があるため、興味のある者は下記のHPで確認すると良い。
日本産業カウンセラー協会 精神保健福祉士
精神的に障害を抱えている人が、社会に参加できるよう手伝う仕事である。
日常生活を円滑に行えるような指導も仕事のうちだが、精神保健福祉士になるためには国家試験に合格する必要がある。
受験資格を得るためには以下の4つのうちいずれかを満たす必要がある。
- 1. 4年制大学を卒業して、養成施設で1年以上勉強
- 2. 福祉系の短大で所定の課程を修了し、実務を1~2年経験
- 3. 短大を卒業して、実務を1~2年経験した後、養成施設で1年以上勉強
- 4. 福祉系の4年制大学で所定の課程を修了
参照元:公益財団法人社会福祉振興・試験センター 受験資格(資格取得ルート図) 資格取得後は医療機関に就職することが多い。
スクールカウンセラー
学校に通う子どもたちの悩みに寄り添って心のサポートを行う仕事だが、教師とは異なり子どもたちが安心して学校に行けるようアドバイスをする。
特に必要な資格はないが、この仕事をしている方々の多くは心理系の資格やカウンセラーの経験がある。
まずは資格の取得や大学院への進学を目指した方が良いだろう。
キャリアカウンセラー
自分らしく生きたいと考えている人に対して、今後のキャリアに関するカウンセリングを行う仕事である。
キャリカウンセラーになるための資格はないが、2016年に国家資格キャリアコンサルタントが誕生した。
業務内容は資格とは多少異なる場合があるが、取得しておくと専門家として評価されやすくなる場合もあるだろう。
資格の勉強のみならず、実際に働いてみて職場の人間関係を知ることでより相手に寄り添えるカウンセラーになれるはずだ。