最終更新日 2023.03.17
業界研究
憧れの航空業界へ就職するために必要な知識を徹底解説
今も昔も就活生の憧れとして君臨し続ける航空業界。しかし実際にどんな職種があるか、また今後の動向など業界の内部を理解することは難しい。
今回はそんな航空業界を就活指導のプロが徹底解説した。就職するために知っておきたい選考倍率や取得するべき資格、志望動機の書き方など、就活生必見の内容である。
この記事があなたの航空業界就職の手助けになれば幸いである。
この記事を書いた人
東京大学工学部卒。大手一流ホワイト企業の内定請負人。就活塾「ホワイトアカデミー」を創立・経営。これまで800人以上の就活をサポート。塾はカリキュラムを消化した塾生のホワイト企業内定率100%を誇り、カリキュラムを消化したにもかかわらず、ホワイト企業の内定が出なければ費用を全額返金する返金保証制度を提供中。2019年に『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』(日経BP刊)を出版し、「親が子育ての集大成である"就活"に臨む際の必読書」、「これができれば本当に一流企業に内定できる」と話題。塾のYouTubeチャンネルではホワイトな業界の紹介や大手企業の倍率、ESの添削を公開するなど塾の就活ノウハウを一部紹介している。
YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCm1vSnSBj7kksfi8GIBnu0g
第二次世界大戦により壊滅した日本の航空事業再興を目指し、1952年に「日本ヘリコプター輸送株式会社」という社名で設立されたANA(全日本空輸)。
この企業は世界の多くの航空会社と異なり、”純民間航空会社”として、全くゼロからの挑戦を始めた。
そんな同社だが、現在ではシェア50%を誇る国内線を軸に事業基盤を築き、日本一の航空会社へと成長を遂げた。
実際同社は、日本企業として唯一、旅客数で世界のトップ20にランクインするなど、「量」の面での実力は圧倒的なものを誇る。
今後は「グローバル化」を掲げ、日本のエアラインだからこそ実現できる「高いお客様満足」と「価値創造」、すなわち「質」の面の追求により、世界のリーディングエアライングループを目指している。
ANA(全日本空輸)よりも1年早く、1951年に設立されたのがJAL(日本航空)だ。JAL(日本航空)もANA(全日本空輸)同様、航空業界をけん引する企業の一つである。
JAL(日本航空)の特徴としては離島や地方都市にも幅広く路線を広げているという点が挙げられる。
実際、空港によってはJAL(日本航空)は飛んでいるがANA(全日本空輸)は飛んでいないということもある。
また、JAL(日本航空)はフライトやその周辺サービスを充実させている。
機内Wi-Fiが使えるほか、Google Pay対応のモバイル搭乗券サービスを提供もはじめると共に「高品質・フルサービス」を追求した「JAL SKY SUITE」という座席の導入も行った。今後もより快適なフライトを目指している。
TOEIC
TOEICはキャビンアテンダント(客室乗務員・CA)を志望する人にとっては必須の資格である。
例えは、日系大手航空会社の新卒採用では、応募資格のひとつとして「TOEIC600点以上、または同程度の英語力を有すること」が掲げている。
英検であれば2級以上を取得しておくと高評価となる。
このほか、英語に関してはTOEFL、中国語であれば中国語検定や新HSK、旧HSKの5級以上、韓国語であればハングル能力検定やTOPIK、KLPTはアピール材料だ。
また外資系航空会社では、各社が路線をもつ国の言語を話せる人が歓迎されやすい。
英語力は入社後にも引き続き勉強をしてスキルアップできるが、一朝一夕で身につくものではないため、継続的な学習をしよう。
AXESS検定
グランドスタッフを目指す人が持っていると有利な資格として、旅客機の予約など、旅行業務に必要な端末操作の技能を図る「AXESS検定」や「アマデウスシステム検定」がある。
また、旅行関連の資格として「通訳案内士(通訳ガイド)」や「旅行業務取扱管理者」の資格も持っていれば役立つだろう。
さらに、接客業の仕事なので「接客サービスマナー検定」や「サービス接遇検定」なども持っていると良い。学歴に関しては、基本的に4年生大学以上の学歴が求められる。ただし、いずれの職種も学部や学科が問われることはない。
過去の採用実績校について偏りはないため、いわゆる学歴フィルターのようなものは存在せず、幅広く採用していると考えていいだろう。
基本的に、4年生大学以上の学歴があれば応募資格を満たすことができる。
ただ、客室乗務員に関しては例外で、こちらは専門学校以上で受験することが可能であり、専門学校としては、客室乗務員を養成するグランドスタッフを養成するエアラインスクールなどがある。
航空業界ではパイロットや客室乗務員、航空整備士などと協力しながら働かなければならないのはもちろんだが、その他にも外国のお客様や様々な年代のお客様と関わる機会がとても多い仕事だ。
そのため、チームワークや協調性、多様な文化や価値観を受け入れることができる素養が必要である。
CAは機内サービスのイメージが強いが、実はCAの仕事はそれだけではない。
機内サービスといった目に見える仕事ももちろん大切な仕事のひとつだが、CAには「保安要員」という重要な役割がある。
これは機内でお客様の安全を守る仕事のことで、何か不測の事態があった時にはCAは全力でお客様の安全を守るために動く。
そのため、お客様を第1に考えることができる人は航空業界では特に求められるだろう。
航空業界は企業間の競争が激化している業界であるため、生き残るために新しい企画やサービスを考えることができる発想力やそれを実際に行動にうつす行動力も大切である。
そのため、斬新なアイデアを考える人は重宝されるだろう。
JALもANAも応募資格に「TOEIC600点以上」と記載されているのでTOEIC600点ぎりぎりの方は面接で「英語は苦手ですか?」を聞かれることがある。
そのような時には「入社までには800点以上取得する事を目標に現在勉強しています。」と伝え、英語を学ぶ姿勢がある事をアピールしよう。
その他に、秘書検定やファーストエイドの資格を取得しておくとアピールにつながるので取得を推奨する。
また英会話の練習も効果的だ。それはANAにはないが、JALでは2次面接で英会話面接があるためである。
接客時にスムーズに対応できるか、ある程度の英語力を持っているかが重要なので国内エアライン受験の場合はTOEIC600点レベルの英語力が必要である。
英会話に苦手意識のある人は、早いうちから練習をして苦手意識を持たないようにしよう。
キャビンアテンダントやグランドスタッフとして求められる人材像として挙げられるのは「感謝の気持ちを常に持ち、思いやりのある人」だ。
よって面接では、「感謝」や「思いやり」を感じられるエピソードを盛り込んでお話をされるとアピールに繋がる。
学生時代に最も力を入れた経験で、他社貢献や誰かのために努力した経験を語ることができれば航空業界の求める人物にマッチするだろう。
また、内定をするためには、相手の話をよく聞く姿勢や話し方など日頃から意識することも必要である。
知っての通り、航空業界は例年学生に人気の業界であるため、就職倍率は当然高い。
さらに追い討ちをかけるようにコロナウイルスが蔓延し、業界は大打撃を受け、ここ2年ほどはどの企業も採用を見送ってきた。
この高倍率の業界に就職するためには、自分の経験をより良い状態でアピールする必要がある。
この時に役に立つものが就活のプロの手である。就活塾ホワイトアカデミーには、航空業界へ内定させた実績を持つ講師や実際に航空業界で人事部長として活躍していた講師が在籍しているため、あなたのエントリーシートをさらにブラッシュアップしてくれるだろう。
コロナ禍の影響
国土交通省の航空輸送統計調査によると、2021年度の国内線の旅客数は、前年比47.1%増の4,969万人、国際線は117.3%増の176万人であった。
コロナ前の2019年と比較すると、国内線は51%減、国際線は91%減の水準となっている。2021年度は大幅に減少した昨年から増加に転じたが、コロナ前と比較すると、依然として低い水準にあることが分かる。
| 国内線 | 国際線 |
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20年度 | 3377万人 | 81万人 |
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21年度 | 4969万人 | 176万人 |
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2022年の航空業界
2021-2022年の航空業界は、旅客数、業績ともに前年から回復した。大手航空会社は6社とも最終赤字となったが、前年と比較して赤字幅は大幅に縮小している。
2022年も1-3月は新型コロナの影響で減少となったものの、GWや夏場の経済再開の動きから再び回復基調にある。各社とも、コロナ収束時には積極的に臨時便を出すなど回復する需要の取り込みを進めている。
<2022年月別旅客数>
月 | 旅客数 |
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1月 | 294.2万人 |
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6月 | 624.7万人 |
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8月 | 715.8万人 |
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業界動向サーチを元に筆者作成
航空業界はコロナ禍の影響を最も受けた業界の一つだ。
そのため関係省庁が連携し、実施空港使用料・航空機燃料税の減免(700億円)や無利子貸付等、航空・空港会社に対する支援を引き続き行い、感染状況に応じた的確な水際対策を実施している。
参考:
令和4年度国土交通省航空局関係予算概要ここではコロナ禍の影響を受けてきた航空業界の注目ニュースを紹介する。頭に入れてもらいたい。
スカイマーク、再上場を申請 旅行回復で経営環境好転
中堅航空会社のスカイマークが東京証券取引所に株式の再上場を申請したことが2日、分かった。新型コロナウイルス禍で業績が悪化し、2020年4月に申請を取り下げていたが、国内の旅行客の回復など経営環境が好転したためとみられる。調達した資金は傷んだ財務基盤の手当てなどへの活用が想定される。
22年3月期決算(単体)は純損益が67億円の赤字で、赤字幅は前期の163億円から縮小。足元では全国旅行支援で旅行者の往来が活発化しており、さらなる改善が期待できる状況となっている。 スカイマークは15年に経営破綻し、上場廃止となった。
引用:
スカイマーク、再上場を申請 旅行回復で経営環境好転 ANA、CAの新卒採用を4年ぶりに再開へ 航空需要の回復受け
全日本空輸(ANA)は、2024年春の入社予定者から客室乗務員(CA)の新卒採用を再開する。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で21~23年春の採用は見合わせていたが、水際対策の緩和で航空需要の回復が進んでいることを受けて、人材確保が必要と判断した。
コロナでフライト減、出向したCAのその後 「もったいない」と言われながら別の道に進んだ人も 採用人数は、23年度入社予定のキャリア採用(既卒者や転職者)を含め500人規模。21~23年春の卒業者はキャリア採用で受け付ける。コロナ前は年間で約700人が入社していた。
ANAは21、22年春の新卒採用をパイロットや障害者などに限っていた。23年春の採用から総合職で再開したが、国際線の低迷が続いていたため、客室乗務員は3年連続で取りやめた。
コロナ禍による大幅な減便で、客室乗務員は乗務が減少。出向者も募り、人員規模を縮小していた。
同社を傘下に置くANAホールディングスの22年9月中間決算は、純利益が195億円で、3年ぶりに黒字転換した。国内線の旅客は22年度末にコロナ禍前の水準に戻り、国際線も6割まで回復する見通しだ。
日本航空(JAL)は23年春から客室乗務員の新卒採用を再開している。採用を見送っていた21、22年春に卒業した既卒者も新卒として採用した。
引用:
ANA、CAの新卒採用を4年ぶりに再開へ 航空需要の回復受け航空業界で働くやりがいや魅力のひとつは「航空機の間近で働けること」だといえる。
「空港の雰囲気が好き」「航空機に乗ってどこかへ行くのが好き」という人はたくさんいるが、実際に空港で働き、航空機に関わる仕事を職業にできている人は、そう多くない。
たとえ空港勤務でなかったとしても、常に航空機や空の旅のことを考えていられるのは、航空機が好きな人にとっては魅力的だろう。
航空会社社員として、地上職もしくは航空機内で働くことになると、毎日さまざまなお客さまと出会うことができる。
任されている役割や業務内容は同じであっても、お客さまの困りごとやニーズは多種多様で、1日たりともまったく同じ日はない。
たくさんの人との出会いによる刺激を受けながら、人を笑顔にできる仕事に就けるのは、航空会社社員の喜びである。
以上が航空業界の概要や就職するために必要な行動である。
この業界の倍率は確かに高い。しかし、非常に魅力的でやりがいのある仕事である。航空業界に本気で就職したい人はぜひホワイトアカデミーを頼って欲しい。