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最終更新日 2022.08.20

業界研究

不動産業界のホワイト企業とは?実態を徹底解説

不動産業界の実態
あなたは不動産業界への就職についてどれほどご存知だろうか。

いくつかのサイトには、「不動産業界やめとけ」など不動産業界への就職に対してネガティブな言葉や口コミを目にしたこともある人も多いだろう。

確かに不動産業界の販売営業は厳しいノルマが存在したり、営業手法が飛び込みやテレアポなどアナログな傾向があるため、離職率が高いこともあり、ブラック企業が多いというイメージを持っている人が多いことは事実である。

一方で後述するような大手の優良企業も多くあり、そのような企業は多くの学生の羨望の的となっている。要するに、不動産業界と一口に言っても業態によって全然違うのだ。

そこでこの記事では、不動産業会の全体像を解説するだけでなく、不動産業界の大手優良企業に就職するにはどうすれば良いか伝えたい。この記事があなたの就職活動の参考になれば幸いである。

この記事を書いた人

竹内 健登

Kento Takeuchi

東京大学工学部卒。大手一流ホワイト企業の内定請負人。就活塾「ホワイトアカデミー」を創立・経営。これまで800人以上の就活をサポート。塾はカリキュラムを消化した塾生のホワイト企業内定率100%を誇り、カリキュラムを消化したにもかかわらず、ホワイト企業の内定が出なければ費用を全額返金する返金保証制度を提供中。2019年に『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』(日経BP刊)を出版し、「親が子育ての集大成である"就活"に臨む際の必読書」、「これができれば本当に一流企業に内定できる」と話題。塾のYouTubeチャンネルではホワイトな業界の紹介や大手企業の倍率、ESの添削を公開するなど塾の就活ノウハウを一部紹介している。

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCm1vSnSBj7kksfi8GIBnu0g

不動産業界の仕事内容・業態について

不動産業界の仕事内容・業態
不動産業界に就職するためには、まず仕事内容と業態を知る必要がある。以下ではこの2つを解説する。

不動産業界構造

不動産デベロッパー(開発)

不動産デベロッパーとは、マンションや高層ビル、都市開発、リゾート開発など、大規模開発を手がける専門業者のことである。

デベロッパーの代表的な企業としては次の6つに分類される。
  1. 財閥系
  2. 商社系
  3. 独立系
  4. 私鉄系
  5. 金融系
  6. メーカー系


ここでは大手6大デベロッパーの特徴を説明する。

①三井不動産株式会社


三井不動産株式会社は、商業施設やオフィスビル、ホテル、マンション、戸建て分譲、不動産流通事業など総合的強みを持つ業界最大手のディベロッパーである。

主な開発エリアは東京・日本橋で、過去には港区赤坂の東京ミッドタウンや中央区日本橋のコレド室町などを手掛けている。

現在は東京・日本橋、八重洲、日比谷などで再開発を進めており、今後は既存事業におけるICT活用に加え、海外への事業展開を強化していく方針である。

②三菱地所株式会社


三菱地所株式会社は、1890年以降、丸の内、大手町エリアを長く開発してきた。代表的な物件として東京都千代田区大手町の丸ビルや神奈川県横浜市の横浜ランドマークタワーなどがある。

数ある事業の中でも特に、丸の内に関しては多くの不動産を保有しているため、賃貸事業でかなりの強みがある。三菱地所はこういったオフィスビル事業を中心に行い、現在は新たな収益源の確保をすすめている。

また、三菱地所の特徴もう1つの特徴は、積極的な海外事業の展開である。

1970年代から主に米国・英国において不動産開発事業やオフィスビルの賃貸事業を展開していたが、近年は仏・独にも資産を保有するほか、経済発展目覚ましいアジアにおける事業展開にも積極的に取り組み、米国・欧州・アジアの世界3極体制での展開を進めている。

③住友不動産株式会社


住友不動産の主要開発エリアは新宿で、東京都心部を中心としたオフィスビル賃貸、分譲マンション事業に注力している。

この会社の特徴は、分譲、賃貸、リテール事業に強いことであり、マンション供給戸数は業界トップを誇り、オフィスビル事業に依存しない経営体制となっている。

実績としては、六本木、西新宿、飯田橋エリアをはじめとした都心36ヵ所、建物延床面積で言うと約269万平方メートルであり、過去、泉ガーデンや住友不動産新宿グランドタワーなどの大規模複合開発を行ってきた。

④東急不動産ホールディングス株式会社


東急不動産ホールディングス株式会社は東急グループの1社で、主な開発エリアは渋谷で、現在は渋谷駅周辺を再開発中である。

主な事業はオフィスビル事業や都市事業、住宅事業、海外事業、小売事業など領域は幅広い。

東急不動産は6分類で言えば鉄道系であり、グループの強みを活かして事業展開しているのが特徴で、過去には東急プラザやキュープラザなど大規模な商業施設を手掛けており、路線周辺の土地開発に将来性がある。

⑤野村不動産ホールディングス株式会社


野村不動産ホールディングス株式会社の売上高はマンション分譲が半分以上を占めており、建設・販売・管理一貫体制に特徴がある。

主な開発エリアは新宿で、諸都県を中心に「PROUD」ブランドのマンション・戸建てを供給している。またオフィスビルに関しては「PMO(premium midside office)」という高品質賃貸オフィスで他社との差別化を図っている。

現在は自ら成長し、自走できる街作りを目指し、野村不動産の強みを活かした「住宅を核とした大規模複合開発」を推し進めている。

⑥森ビル株式会社


森ビル株式会社は、オフィス事業や住宅事業をはじめ、商業、芸術・文化、イベントスペース、会議室、ホテル、駐車場、コンサルティングなど幅広い事業を展開する総合ディベロッパーである。

また高層ビルに強く、六本木ヒルズや表参道ヒルズ、虎ノ門ヒルズなど都心を中心に大型複合施設を複数所有しており、営業収益において賃貸管理事業の割合が大きい。

現在は「Vertical Garden City – 立体緑園都市」をビジョンにコンパクトシティの実現を目指し、主要開発エリアである六本木、虎ノ門を中心に都市再開発を行っている。

ハウスメーカー(開発)

ハウスメーカー

ハウスメーカーの業務は個人向け住宅の開発を行うことだ。ここでは大手8大ハウスメーカーの特徴を説明する。

①積水ハウス


積水ハウスは、総合住宅産業として多角的に住宅事業を展開している業界最大手のハウスメーカーである。この会社はプレハブ住宅の原点となる木造建築に代わる「パイプハウス」や「ミゼットハウス」を開発したことで有名である。

②大和ハウス


大和ハウスは、言わば現在のハウスメーカーの先駆け的存在で、1959年に工場生産したパネルを現場に運び組み立てる「ミゼットハウス」を売り出したのが、ハウスメーカーの始まりである。

売り上げについて言及すると、ダイワハウスの売り上げは積水ハウスよりも上であるが、注文住宅部門だけで見るとハウスメーカーの中ではNo2のポジションである。

しかし近年の事業内容を見ると、分譲マンションやロードサイド型店舗事業に力を入れているので、ハウスメーカーというよりは、どちらかというとデベロッパーに近い傾向がみて取れる。

③積水化学


積水化学工業株式会社住宅カンパニーが展開するハウスメーカーがセキスイハイムである。このハウスメーカーの特徴は、住宅の大半をユニットごとに工場生産することで高品質な住宅を安定して供給し続けていることである。

④パナホーム


パナソニック ホームズ(パナホーム)は、家電メーカーパナソニックのグループ会社であるハウスメーカーだ。この企業の特徴はなんといっても、家電メーカーパナソニックの強みを生かした住宅づくりを行っていることである。

特に最近では太陽光発電や、家で使用する電力を見える化して管理ができるHEMS(Home Energy Management System)、さらには街全体でエコな暮らしを実現する大規模なタウンプロジェクトにも注力しており、住む人のライフスタイルまでもデザインするような住まいづくりを実施している。

⑤一条工務店


株式会社一条工務店は、東京都江東区に本社を置く大手ハウスメーカーである。拠点数は沖縄県を除く全国約500ヶ所、工場は18ヶ所ある。

2021年現在、全国展開の大手ハウスメーカー完⼯棟数ランキングにおいて、一条工務店は、5年連続で業界1位となっている。

⑥住友林業


住友林業は、植林事業をきっかけに創業された木の家づくりに精通したハウスメーカーだ。

この企業は名前の通り、住宅メーカーとしてだけでなく木材建材事業などでも実績があり、近年では需要増加が予想されるバイオマス発電の燃料となる木質チップなどの取り扱いや、非住宅建築分野の木造・木質化にも力を入れており、店舗・オフィスなどの木造化への設計サポートと共に、中大規模建築物への資材供給も行なっている。

⑦三井ホーム


三井ホーム株式会社は、東京都新宿区に本社を置くハウスメーカーである。

この企業の主な事業は主に
  1. ①注文住宅
  2. ②賃貸住宅
  3. ③医療建築
  4. ④大規模木造
  5. ⑤リフォーム
  6. ⑥商業施設
  7. ⑦商品販売
  8. ⑧海外展開
の8つである。

この事業の中で特徴的なのが大規模木造化である。医療・福祉施設や文教施設、商業施設など、人が集まる空間に木材のエッセンスを加えることで、心地よい空間とデザイン性を実現している。

⑧ミサワホーム


ミサワホームは、日本の風土や暮らしに適した住まいづくりを得意とするハウスメーカーだ。ミサワホームが手がける風土にあった住宅は、住まいの立地条件や地域別に異なる風向きを正しく把握し住環境を設計することで実現している。

また、ミサワホームといえば大収納空間の「蔵」が評判である。日本の伝統的な収納文化「蔵」を住まいの中に落とし込むことで、通常約6パーセントの収納面積率を30パーセント以上にも拡大することに成功している。

ゼネコン(建設)

ゼネコンとはGereral Cunstructerの略で日本においては総合建設業を意味する。

ゼネコンは不動産デベロッパーから請け負った大規模開発を行うことが特徴である。ゼネコンの中でも特に規模・売上の多いものをスーパーゼネコンという。

以下ではスーパーゼネコン5社を紹介する。

①清水建設株式会社


スーパーゼネコンの中で売り上げが最も高い企業である。横浜マリンタワーや長崎オランダ村ハウステンボス、サンシャイン60、歌舞伎座タワー、モード学園コクーンタワーに代表されるように建築分野に強みを持つ。

この企業の特徴は建築部門が強く、小規模な物件から大規模な物件まで幅広い建築物を請け負うことである。

②株式会社大林組


企業理念は「地球に優しい リーディングカンパニー」である。また今後は再生可能エネルギー事業に注力する予定である。

実績としては六本木ヒルズや東京スカイツリーなどシンボリックな建築物も手がけている。また海外事業にも強みを持つことが特徴である。

③大成建設株式会社


スーパーゼネコンの中で唯一非同族経営をしているため、風通しが非常に良い環境である。

主な実績として羽田空港国際線ターミナル、新江ノ島水族館、東京芸術劇場や新宿センタービルなどを手掛ける他、新国立競技場などの国家プロジェクトにも携わっている。

子会社に大成建設ハウジングがあるため、住宅事業にも一枚噛んである。また、市街地再開発事業にも積極的に行い、全国の約1,000地区の市街地再開発事業のうちの約200地区に携わってきた実績を持つ。

④鹿島建設株式会社


スーパーゼネコンの中でも最多グループ企業を誇り、そのグループ企業数は234社にものぼる。常に事業領域を拡大している。

また大林組と同じように海外事業にも強みがあることも特徴と言えるだろう。

⑤株式会社竹中工務店


スーパーゼネコンの中で唯一の非上場企業である。実績として、東京ミッドタウン・あべのハルカス・沖縄コンベンションセンターなどその地域を象徴する大型建築物件を手がけており、建築専業のゼネコンとして多くの事業を展開している。

上記のスーパーゼネコンの他に、鴻池組など関西に力を持つ在阪ゼネコンも存在する。

サブコン(建設)

サブコン

サブコンとは専門工事業者としてゼネコンの下請工事を行う建設業者のことである。 土木・建築工事の一部を請け負うため、Subcontractor、略してサブコンと呼ばれている。

不動産仲介業者(販売・賃貸)

不動産仲介業とは、土地・建物などの不動産について、「売り手と買い手」「貸し手や借り手」を繋ぐビジネスである。

不動産仲介業は、賃貸であっても売買であっても、顧客側と大家側の双方から仲介手数料を取るというビジネスモデルである。

この不動産仲介業の手数料は法的に定められており、住宅用の賃貸は、原則として貸主・借主ともに賃料の0.5ヵ月分以内であり、その他の物件は賃料の1ヵ月以内となっている。

また売買契約の場合は、物件の価格によって手数料は変動する。

ここでは大手不動産仲介会社を4社紹介する。

①三菱地所リアルエステートサービス株式会社


三菱地所リアルエステートサービス株式会社の特徴は、顧客属性が原則として法人だということだ。 取引対象もオフィスビルや商業施設、大規模倉庫等の大型物件であり、法人仲介がメインビジネスである。

②三井不動産リアルティ株式会社


三井不動産リアルティ株式会社のビジネスは多岐にわたる。

「三井のリハウス」などの不動産仲介や「三井のリパーク」による駐車場経営のほか、「カレコ」という会員制カーシェアリングの運営、個人資産家や企業の不動産コンサルティングなども手掛けている。

また、外国人向けの不動産仲介や海外で定期的に不動産投資セミナーや不動産販売会もおこなっている。

③住友不動産販売株式会社


住友不動産販売株式会社は住友グループの不動産会社として、不動産の売買・賃貸の仲介業務、不動産の受託販売業務などの事業を行なっている。主力の仲介業務は売上比率のおよそ78%を占めており、売買仲介の実績は単一企業として業界No.1を誇る。

さらに全国に256の直営店舗を展開しており、こちらの数でも業界No.1である。平成27年3月期の売上高経常利益率を20.7%とするなど、非常に高い収益力でも知られている。強みとするのは「住友」のブランド力であり、それを活かしたマンツーマン体制の営業力がある。

④東急リバブル株式会社


東急リバブル株式会社は、東急不動産の仲介部門が独立した不動産会社だ。

業界では、三井不動産リアルティグループや住友不動産販売と肩を並べる3大大手不動産会社の一つで、売買仲介や賃貸仲介に留まらず、東急不動産の分譲した物件の販売や不動産コンサルティング等の幅広い事業を展開している。

不動産管理業者

不動産管理業者

不動産管理業者は、おもに賃貸物件の管理を業務とする。 不動産オーナーにに代わって賃貸物件の管理・メンテナンスを行う。また入居者を募集したり入居者のクレーム対応なども行ない、オーナーと入居者双方の満足度を高めることが生業である。

不動産テック会社

不動産テックとは、「不動産」と「技術」から生み出された造語である。不動産テック会社は、情報通信技術を活用し、消費者への新たなサービス提供・事業者に対する業務支援などを行うのが目的である。

不動産業界大手企業に就職するための5つのポイント

不動産業界就職のための5つのポイント

有効な志望動機を用意するべし

不動産業界は生命保険業界と同様に、ビジネスモデルが複雑で実態を掴みづらい業界であるため、明確な志望動機を用意することが難しい。

そのような不動産業界に就職したいならば、生命保険業界と同じく不動産業界の実態をしっかりと理解した上で不動産業界に入りたいという志望理由を明らかにすることである。

その際、身内やOB・OGで不動産業界にいる人がいれば実際に話を聞いて、その内容を元に志望動機を作成してみるべきである。

また周りに不動産業界関係者がいない場合は是非不動産業界のインターンに足を運んでみてほしい。そこでの業務経験は本選考での志望動機に直結するはずである。

一方で大手不動産業界のインターンは選考から高倍率は場合がある。インターン参加に不安がある人は是非ホワイトアカデミーの無料相談会に来て不安を解消してほしい。

資格を取るべし

資格を取るべし

時間がある人は前述した資格を取得しておくことは不動産業界就職においてかなり有利に働くであろう。

英語力を高めるべし

例えば、宅建士とは日本の不動産売買の特定業務を独占して行うことができる国家資格であるため、顧客は基本的には日本人なので英語が絶対にできる必要はない。

事実、不動産業界の求人は、英語が使えなかったとしても、従来通りの業務は問題なくこなすことができるため、英語力を必須としたものはかなり少ないのが現状である。

一方、14職種の労働ビザが解禁されて外国人労働者の受け入れの拡大が決まったことや、2020年に開催された東京オリンピックの影響や円安により、外国人の日本に対する居住希望者や不動産投資の熱が年々高まってきている。

その結果、そのような客層にも対応するべく不動産業界においても英語力を求める流れが生まれてきているのである。

宅建士は英語が必須の職種ではないが、上記の理由から英語力が高いと不動産業界における就職や転職においてもアピールポイントになることが期待できるだろう。

プロジェクトマネジメント経験を積むべし

プロジェクトマネジメント経験を積むべし

不動産業界、特にデベロッパーの都市計画などは、多くの関係セクター間の調整が業務の一環となるため、このような経験を学生時代の間で経験し、有力なガクチカにすると良いであろう。


建築物の企画を用意するべし

不動産業界、特にディベロッパーに就職したいと思うのであれば、時流にあった建築物の企画を用意すると良いだろう。

実際に志望する企業の建築物を見学した上で、どう行った点が良い点なのか、時流に照らしてどのような課題があるからどういった建築物を作るべきかと行った企画案を持っておくと他の学生よりも1歩抜きん出ることができる。

不動産業界の課題

課題
不動産業界には大きく分けて3つの課題がある。業界の現状の課題は就職時に問われることが多いので注意が必要である。

人口減少と人口構成比の変化

国立社会保障・人口問題研究所によると、2015 年 から 2030 年 にかけて見込まれる人口構成変化は年少(15歳未満)人口は273万人、生産年齢( 15~64 歳 ) 人口は 853 万人の減少となる。

一方 、高齢( 65 歳 以上 )人口は 329 万人の 増加となるなど、今後少子高齢化が急速に進展すると想定される。

また世帯数は、2015 年の 5,333 万世帯から2023年まで増加を続け、5,419 万世帯まで到達するとされる。

家族構成は従来の主流であった「 夫婦と子」の世帯は122.4 万世帯の減少となる一方で、単独世帯は183.6万世帯の増加が見込まれる。特に65 歳以上の高齢者単身世帯の増加が推計されており、この世帯数の減少が新築、中古物件の需要を減らす可能性がある。

参考:国立社会保障・人口問題研究所

生産緑地の2022年問題

生産緑地の2022年問題

そもそも生産緑地とは、都市環境を適切に保全するために、市街地における緑地を計画的に保全するための制度である。

営農義務を課せる代わりに30年間の相続税の納税猶予や固定資産税の税制優遇を与えられていたが、30年間を過ぎると優遇処置は受けられなくなる代わりに、市区町村に買取を申し込むことが可能となる。

しかし、実際は市区町村が買い取る可能性は低く、買取されなかった土地は売却可能となる。

そのため、1992年に指定された生産緑地のほとんどは2022年でタイムリミットを迎え、生産緑地が市場に大量に売りに出されることで、その結果地価の下落や新築住宅の過剰供給が発生し、空室増加や不動産価格の大暴落を招く。これが「生産緑地の2022年問題」である。

人材不足問題

国土交通省がまとめた資料『不動産業ビジョン2030』によると、不動産業の就業者のうち約5割が60歳以上と高齢化が進行している。

また、後継者の不在率は68.9%となっており、不動産業は、製造業や小売業、卸売業などと比べても高水準である。

このような結果から、不動産業界では今後も若手の人手不足や後継者の不足が課題となることが予想される。


参考:「不動産業ビジョン2030」をおよそ四半世紀ぶりに策定
~令和時代の『不動産最適活用』に向けて、これからの不動産業のあり方を提言~


就職事情①〜おすすめの人気ホワイト企業ランキングと平均年収ランキング、就職偏差値ランキング〜

各種ランキング
ここでは不動産業界におけるホワイト企業や高年収帯の企業をランキング形式で紹介する。以下の企業は毎年学生に人気な企業なため、就職するためには周到な準備が必要である。

不動産業界ホワイト企業ランキング


  • 17位(6位):三井不動産株式会社(東京ミッドタウンの開発など)

  • 22位(8位):三菱地所株式会社(丸の内を中心としたオフィス事業)

  • 38位(180位):野村不動産株式会社(分譲住宅「PROUD」やオフィス賃貸「PMO」)

  • 92位(40位):三井不動産レジデンシャル株式会社(分譲住宅「PARKシリーズ」)

  • 98位:日本GLP株式会社(物流不動産開発)

  • 99位:東京建物株式会社(八重洲の再開発やハレザ池袋の開発など)



参考記事:【2023年卒版】新卒で入りたい一流ホワイト企業ランキングTOP100

不動産業界平均年収ランキング

年収ランキング


1位:ヒューリック 1761万円
2位:日本商業開発 1501万円
3位:三井不動産 1263万円
4位:三菱地所 1248万円
5位:東急不動産ホールディングス  1114万円
6位:ランドビジネス 1100万円
7位:野村不動産ホールディングス 1022万円
8位:平和不動産 979万円
9位:ダイビル 953万円
10位:東京建物 941万円

引用:不動産企業の平均年収ランキング1位~136位【2022年最新版】

不動産業界就職偏差値ランキング


【70】三井不動産・三菱地所
【67】東急不動産
【66】 住友不動産(H) 東京建物
【64】 森トラ新日鉄興和不動産
【63】野村不動産(H) 森ビル NTT都市開発
【62】ダイビル 三井レジデンシャル(H)
【61】平和不動産 安田不動産 サンケイビル
【60】伊藤忠都市開発 日本土地建物(H) 第一ビルディング
【59】ザイマックス 三井不動産BM 三菱地所BM
【58】 三菱地所PM 三井不動産住宅リース ヒューリック オリックス不動産(傘下ジョイント大京)

引用:就職偏差値ランキング委員会

就職事情②〜学歴・学部と資格〜

学歴・学部と資格

学歴・学部

不動産の営業は売り上げさえ出せば利益につながるため、学歴として大学を中退して高卒や中卒でも結果を出せるのであれば一定の評価を受けることができる。

また不動産業界就職に有利になる学部についてだが、特段就職に有利に働く学部はなく、どの学部からでも就職は可能である。

強いていうのであれば、不動産の仕事は宅地建物取引法や都市計画法など各種法律や、経済知識が絡んでくるため、法学部や経済学部を出ていれば、就職後の知識の役に立つであろう。

一方で大手のデベロッパーなど一流企業に就職しようと思うのであれば、一流大学という学歴は武器になってくるだろう。

資格

ここでは不動産業界に就職するのに有利な資格を4つ紹介する。時間に余裕のある人は取得を検討しても良いだろう。

①宅建


宅建とは「宅地建物取引士」の略称であり、不動産取引のための国家資格である。

宅地建物取引士でなければできない業務、つまり独占業務として以下の3つが法律として定められている。

  • ①契約締結前に行う重要事項の説明

  • ②重要事項説明書面(35条書面)への記名押印

  • ③契約内容を記した書面(37条書面)への記入押印


この資格は不動産業界だけでなく、グループ企業に不動産会社を多く持つ都市銀行などでも有効な資格である。

②マンション管理士


マンション管理士とは、マンションの維持・管理のアドバイスをするコンサルタントである。

この国家資格の難易度は、宅建に比べ高く、合格率は7〜9%程度なのである意味取得するのが難しい取得である。

③管理業務主任者


管理業務主任者とは、マンション管理社が管理組合に対して管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務報告を行うために必要な国家資格である。

管理業務主任者はマンション管理適正化推進法第56条に、「管理組合30組合につき、1名の管理業務主任者を設置すること」という設置義務を課せられているため一定数の需要が存在する。

また管理業務主任者は宅地建物取引士と同様独占業務が存在する。以下の4つである。

  • ①管理受託委託に際し重要事項の説明

  • ②管理受託契約に関する重要事項説明書への記名・押印

  • ③管理受託契約書への記名・押印

  • ④管理組合に対して管理事務に関しての報告



④不動産鑑定士


不動産鑑定士とは、「不動産の適正な価値を鑑定するプロフェッショナル」である。

不動産鑑定士は依頼人からの「土地を売りたい・貸したい・贈与したい」などの要望に応じて、土地や建物の価値を判定したり、「土地の有効な使い方」についてコンサルティングを行う。

そもそも不動産の価値は時代によって変化するとともに、土地にはさまざまな権利関係が絡み合っているため、不動産の専門知識をもつ「不動産鑑定士」の存在は必要不可欠なのである。

この資格の難易度は、短答式、論文式試験を通して5%と、非常に難易度の高い資格となっており、それ故取得していれば就職活動にとても有利であると言える。

やりがい・メリット・デメリット

不動産業界のやりがい・メリット・デメリット

やりがい

自分の頑張りが収入に反映されやすい
多くの不動産会社では、給与や賞与にインセンティブ、すなわち成果報酬が採用されている。

そのため、自分の営業の頑張りがそのまま給与に反映され、収入が増加することは不動産業界で働く上でのやりがいであろう。

メリット

メリット


①土地や建築に関する知識が身に付く


不動産業に従事していると日々、土地や建物の知識が入ってくる。そのため、自分が部屋を借りたり新築を立てたりするタイミングでその知識を充分に活かすことができるだろう。

②規模が大きくやりがいのある仕事に関わることができる


不動産は人生において最も高い買い物と言われることがある。

不動産の変動とは、売買の他に投資の対象としての顔もあり、莫大な金額が動く。

そのような規模の大きい商品を扱うことは、それと比較して顧客に対しての責任も大きくなる。

デメリット

休みが土日でないことが多い



不動産業界は水曜日を定休日にしている企業が多いため他業界の友人とは予定を合わせづらいだろう。火曜日+水曜日休みであったり、水曜日+日曜日、水曜日+シフト制などの休み方になるはずである。

ではなぜ水曜日を定休日にする企業が多いのだろうか。その理由は以下の3つと言われている。

  • ・「契約が水に流れる」ことを連想させるため

  • ・toCの仕事で土日がメインの仕事のため

  • ・管理会社も水曜日が休みのため


不動産業界に就職したい人は上記のデメリットは知っておいた方が良いだろう。

不動産業界に新卒未経験から就職するために必要なこと

不動産業界に新卒未経験から就職するために必要なこと
以上が不動産業界の現状と就職に向けてのアドバイスである。

先ほど不動産業界は高卒でも就職することができると述べたが、人気企業ランキングやホワイト企業ランキングに載っているような大手企業に内定するためにはやはり一定以上の学歴が必要である。

一方でこのような人気企業に内定するためには学歴だけでなく、今までの自分の経験をいかに説得力を持って伝えられるかが重要になってくる。

ホワイトアカデミーでは不動産業界に勤める現役のビジネスマンがマンツーマンで不動産業界に内定するためのテクニックと訓練を授けてくれると共に、プロジェクトマネジメント経験を積むことができる。

そしてホワイトアカデミーの卒業生の中には大手ティべロッパーに内定をもらう生徒が毎年いるので本気で大手不動産会社に就職したい人は是非入塾検討を勧めたい。

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生命保険業界の構造とは?就職のために必要な知識を徹底解説

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