不動産デベロッパーとは、マンションや高層ビル、都市開発、リゾート開発など、大規模開発を手がける専門業者のことである。
デベロッパーの代表的な企業としては次の6つに分類される。
- 財閥系
- 商社系
- 独立系
- 私鉄系
- 金融系
- メーカー系
ここでは大手6大デベロッパーの特徴を説明する。
①三井不動産株式会社
三井不動産株式会社は、商業施設やオフィスビル、ホテル、マンション、戸建て分譲、不動産流通事業など総合的強みを持つ業界最大手のディベロッパーである。
主な開発エリアは東京・日本橋で、過去には港区赤坂の東京ミッドタウンや中央区日本橋のコレド室町などを手掛けている。
現在は東京・日本橋、八重洲、日比谷などで再開発を進めており、今後は既存事業におけるICT活用に加え、海外への事業展開を強化していく方針である。
②三菱地所株式会社
三菱地所株式会社は、1890年以降、丸の内、大手町エリアを長く開発してきた。代表的な物件として東京都千代田区大手町の丸ビルや神奈川県横浜市の横浜ランドマークタワーなどがある。
数ある事業の中でも特に、丸の内に関しては多くの不動産を保有しているため、賃貸事業でかなりの強みがある。三菱地所はこういったオフィスビル事業を中心に行い、現在は新たな収益源の確保をすすめている。
また、三菱地所の特徴もう1つの特徴は、積極的な海外事業の展開である。
1970年代から主に米国・英国において不動産開発事業やオフィスビルの賃貸事業を展開していたが、近年は仏・独にも資産を保有するほか、経済発展目覚ましいアジアにおける事業展開にも積極的に取り組み、米国・欧州・アジアの世界3極体制での展開を進めている。
③住友不動産株式会社
住友不動産の主要開発エリアは新宿で、東京都心部を中心としたオフィスビル賃貸、分譲マンション事業に注力している。
この会社の特徴は、分譲、賃貸、リテール事業に強いことであり、マンション供給戸数は業界トップを誇り、オフィスビル事業に依存しない経営体制となっている。
実績としては、六本木、西新宿、飯田橋エリアをはじめとした都心36ヵ所、建物延床面積で言うと約269万平方メートルであり、過去、泉ガーデンや住友不動産新宿グランドタワーなどの大規模複合開発を行ってきた。
④東急不動産ホールディングス株式会社
東急不動産ホールディングス株式会社は東急グループの1社で、主な開発エリアは渋谷で、現在は渋谷駅周辺を再開発中である。
主な事業はオフィスビル事業や都市事業、住宅事業、海外事業、小売事業など領域は幅広い。
東急不動産は6分類で言えば鉄道系であり、グループの強みを活かして事業展開しているのが特徴で、過去には東急プラザやキュープラザなど大規模な商業施設を手掛けており、路線周辺の土地開発に将来性がある。
⑤野村不動産ホールディングス株式会社
野村不動産ホールディングス株式会社の売上高はマンション分譲が半分以上を占めており、建設・販売・管理一貫体制に特徴がある。
主な開発エリアは新宿で、諸都県を中心に「PROUD」ブランドのマンション・戸建てを供給している。またオフィスビルに関しては「PMO(premium midside office)」という高品質賃貸オフィスで他社との差別化を図っている。
現在は自ら成長し、自走できる街作りを目指し、野村不動産の強みを活かした「住宅を核とした大規模複合開発」を推し進めている。
⑥森ビル株式会社
森ビル株式会社は、オフィス事業や住宅事業をはじめ、商業、芸術・文化、イベントスペース、会議室、ホテル、駐車場、コンサルティングなど幅広い事業を展開する総合ディベロッパーである。
また高層ビルに強く、六本木ヒルズや表参道ヒルズ、虎ノ門ヒルズなど都心を中心に大型複合施設を複数所有しており、営業収益において賃貸管理事業の割合が大きい。
現在は「Vertical Garden City – 立体緑園都市」をビジョンにコンパクトシティの実現を目指し、主要開発エリアである六本木、虎ノ門を中心に都市再開発を行っている。