最終更新日 2023.05.25
学部・学科別の就職対策
文系の就職で成功を収めるには? おすすめの業界や職種も完全解説
あなたは文系の就職についてどのようなイメージを持っているだろうか?
一般に文系の就職は、専門性が無く理系に比べて不利と思う者も少なくない。
しかし、逆を言えば専門性が無い分、選択肢が広まり自分の本当にやりたい仕事にも就きやすくなると言える。
本記事では文系の就職について、その実態、対策、疑問点などを解説しており、これから就活を始めようと考えている者には役に立つ内容となっている。
この記事を書いた人
東京大学工学部卒。大手一流ホワイト企業の内定請負人。就活塾「ホワイトアカデミー」を創立・経営。これまで800人以上の就活をサポート。塾はカリキュラムを消化した塾生のホワイト企業内定率100%を誇り、カリキュラムを消化したにもかかわらず、ホワイト企業の内定が出なければ費用を全額返金する返金保証制度を提供中。2019年に『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』(日経BP刊)を出版し、「親が子育ての集大成である"就活"に臨む際の必読書」、「これができれば本当に一流企業に内定できる」と話題。塾のYouTubeチャンネルではホワイトな業界の紹介や大手企業の倍率、ESの添削を公開するなど塾の就活ノウハウを一部紹介している。
YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCm1vSnSBj7kksfi8GIBnu0g
ではまず初めに、文系の就職について大まかな概要を解説していく。
冒頭でも述べたが文系の仕事は何といっても、「選択肢が多い」というのが特徴だ。
例えば理系なら自分の専攻する専門科目を身に付けて、就職先でもその専門性を活かせる職業に就く事ができる。
しかし、文系は特定の分野に特化して学んでいくというよりかは、より広範囲な教養といったものを学習するため、仕事にはそのまま直結しづらいと言える。
加えて文系の就職は7割が総合職として営業の仕事がメインなので、新卒時にあまり専門性は求められない。
文系就職の特徴として、ポテンシャル採用が一般的である事も忘れてはならない。
新卒の就職において、どんな学部でも基本はポテンシャル採用となるが、理系よりも文系の方がよりポテンシャルを重視される傾向があると言える。
なぜなら文系の就職は、本人のコミュニケーション力や人間力、仕事への適性といった部分がより評価の重要ポイントとして見られるからだ。
専門性を持たない人物評価ということは、理系学生よりも学生時代に自発的に行動して、自分で「何かの経験」を積んでおく必要があるという事である。
サークル、バイトや部活など何かに打ち込んで、自分の過去を語れるエピソードを作っておくのが望ましい。
では、そもそも文系と理系の就職の違いはどのようなものか?
企業選びの方法、説明会の形式、試験の内容、申し込み方法などの視点で比較していく。
文系の場合、専攻している学部の学習内容と志望企業の仕事が一致していなくても良いという特徴がある。そのため、出来る仕事の範囲は広い。
文系の就職の方法としては、就職サイトなどで企業を見つけるか、大学のキャリアセンターから斡旋を受けて説明会に参加する事から始まる。
エントリーシートや履歴書を提出し、筆記試験・面接をクリアしていくという、一般的な方法である。また理系の学生が応募するような企業も文系から受けることが可能だ。
ただし、職種としては営業か一般職なら事務がメインである。
製造や研究開発などの分野については、理系の学生がメインとなる。つまり、理系の専門職種には文系は就けないという事だ。
理系の場合、専攻している学部の学習内容と、志望企業の仕事内容の関連性が高い場合が多い。
また、就職の仕方も、理系用の説明会が別枠で開催されたり、理系向けの筆記試験が実施されたりする。面接内容も研究内容のプレゼンのようなものが見受けられる。
また、理系は大学で研究中の科目の教授から推薦を貰い、就職するケースも普通にある。
理系の大学教授は研究テーマなどにより、特定の企業との関わりが深く、企業に対して影響力も強いことから、このような就職の方法が取られている。
他にも企業からリクルーターがやってきて一本釣りするような「求人活動」を行う事もある。
理系が、文系と同じ土俵で就活するケース
理系の学生が理系向き以外の企業を受ける場合は、文系と同じ方法で就職活動をしていく。
この場合理系の学生が不利であることはあまり無いようだ。理系学生は、文系向きの企業、職業にも就くことができ選択肢の幅が広い。
結論:推薦があるから、理系の方が有利に見えるとも言える
上に書いた通り、理系の就活には、研究内容と関連した就職先に推薦で内定をもらう就活生もおり、早いうちから理系出身の内定者が続出する事がある。
これを理系有利と見るか、仕方ないと見るかはあなた次第だ。理系職につきたいのであれば理系は就職に有利だが、そうでない場合、理系の学生は文系と同じ就職環境に置かれることになる。
ひとまず文系学生だからといって就職活動に不利であるということはない。
ここでは、マイナビが発表している、文系の就職先ランキングを載せている。
参考程度にチェックしておこう。
2024年卒 文系の就職先 総合ランキング(上位10位)
順位 | 企業名 |
---|
1 | ニトリ |
2 | 東京海上日動火災保険 |
3 | JTBグループ |
4 | ファーストリテイリング |
5 | 伊藤忠商事 |
6 | 三菱UFJ銀行 |
7 | 味の素 |
8 | 日本生命保険 |
9 | ソニーミュージックグループ |
10 | Plan・Do・See |
参照元:マイナビ キャリアリサーチLab 【マイナビ・日経】2024年卒大学生就職企業人気ランキング 上記のランキングからも分かるように、やはり有名企業が上位に来ているようだ。意外な事に三菱UFJなどの銀行も2023年現在でも上位ランクに食い込んでいる。
東京海上や、日本生命など金融機関は安定してランクインしており、ニトリは消費者との距離も近く、知名度が高い事がランキングに影響しているのではないだろうか。
それでは、文系の就職先で人気な業界をそれぞれ解説しておく。自分の行きたい業界があれば、参考になるはずだ。
文系の人気業界と言えば「金融」が挙げられる。金融には、三菱UFJや三井住友といったメガバンク、地銀やクレジットサービスといった消費者金融もある。
生保なら人に対する保険、損保なら自動車などのモノを対象として保険を掛ける。
銀行の主な収益源は、支払う際の預金金利と受け取る際の貸出金利の差である利ざやを主とする。
他にはATMの振り込み、送金、決済での手数料も収益源となる。都市銀行も信用組合も基本的に行う仕事には大差がなく、上記の業務を行う。
また信託銀行では、銀行の業務以外にもお金から株式、不動産の管理や運用までを業務範囲とする。
証券会社であれば、個人の投資家、法人などに株式のセールスや、株/債券を利用した資金調達支援、M&Aに関わる業務までを行う。
金融業界の今後
金融機関は、窓口の各種取引業務、融資の業務、振り込みのチェックといったものが人の手に頼る形で従来はされてきた。
しかし、Web3.0に台頭するフィンテック領域、AIの導入、デジタルマネーを利用した決済システムなど新しい技術の導入が検討されつつある。
これらの新技術が一般的に利用されるようになれば、金融業界は大きく変貌を遂げるだろう。
※Web3.0:ブロックチェーン(情報をデジタル上の台帳に記録、管理する技術)やP2P(サーバーを介さず端末同士で直接通信を行う) によって可能とされる、分散型インターネットの概念のこと。
参照元:マイナビ 金融業界 IT業界とは、情報通信産業を示す業界である。ITは主に、下記の5つに分類する事ができる。
- インターネット/Web業界
- 通信業界
- ソフトウェア業界
- ハードウェア業界
- 情報処理サービス業界(SI)
参照元:イーデス IT業界を5つに分けて解説!仕事内容・職種・将来性・企業・転職方法まで インターネット/Web業界とは
インターネット、Web業界は主に、インターネットやWeb上でビジネスを展開している企業などがあたる。
例えば、Amazonなどの通販のECサイト、LINEなどのメッセージアプリ、TiktokなどSNS上のサービスがある。
Web上のサービスは身近なものでもある為、知名度が高くITの中では人気の業界である。
またITエンジニアやWebデザイナー、Webマーケターといった専門職は、経験を積むと年収が高くなる傾向にある。
通信業界
通信業界は、携帯やWi-Fiといった通信サービスを提供する業界であり、NTTドコモ・ソフトバンク・KDDIなどの会社が挙げられる。
これらの会社は電話回線サービスやインターネット回線の提供、ネットワーク構築・運用なども手がける。
通信業界では、ネットワーク専門のエンジニアが、ネットワークの設計、システム管理、サーバーのメンテナンスなどを担当する。
ソフトウェア業界
ソフトウェア業界では、コンピューターで使用されるソフトウェアの開発や販売を行う。
Microsoft社のエクセルやワードもソフトウェアであり、AI技術を使った画像認識、音声認識などもソフトウェアの一部である。
ハードウェア業界
パソコンや、スマホといったものは、ハードウェアに分類されるが、この業界で生み出される。
仕事としては主に電子機器の開発や、プログラム開発/システムの組み込み、ハードウェアの販売・営業まで多岐に渡る。
ハードウェア業界は、特に大手の企業が独占しているケースが目立つので、そういった面では安定している業界とも言える。
新しい機器やサービスを生み出す事に興味のある者は良いだろう。
情報処理サービス業界(SI)
情報処理サービス業界では、企業の独自のシステムの開発を、企画、設計〜運用まで一貫して行う。
自社に新しいシステムを導入する場合に必要となるのがシステムの開発会社であり、SIerとも呼ばれる。
SIerはクライアント企業が持っている課題や、現状のニーズを調査して、トータル的にシステムサポートを行う。
システムを開発して導入した後は、それの運用やメンテナンス、アップデートを主な業務とする。
文系の就職先として、メーカーも根強い人気を誇る。自動車や、食品、化粧品、医薬品などメーカーは多岐に渡る。
メーカーは戦後の貧しい時代から、持ち前の技術力を活かし、世界に通用する自動車や電化製品などを生み出してきた。
Made in Japanは信頼と安全の代名詞にもなり、技術大国を形成できたのはメーカーの努力の賜物にもよる。
メーカーは、市場の調査、商品の企画、材料の調達、設計、製造、マーケティング、商品の販売や配送に至るまでの一連の流れを経て、商品が世に出回る。
従って、商品設計、営業部署、生産管理などどの業務に携わっても、メーカーという業界の中で仕事ができる。
メーカーで必要な能力
商品を作り、提供するまでには社内の人間や、クライアント、社外の取引先と相談しながら業務を進めるため、「コミュニケーション能力」は必須だ。
さらに、メーカーは新商品を売り出すために、「高いプロモーション力」が求められ、マーケティング部署は文系でも特に高いレベルの人間が集まる。
文系の就職先として候補に入れておきたいのがメーカーという業界だ。
参照元:dodaキャンパス 就活生必見!メーカー・製造業界の仕事内容や動向、トレンドを押さえよう 文系の就職先として、商社はいつの時代も高い人気を誇る。
人気の理由は、グローバルでやりがいのある仕事ができることや、高い給料、福利厚生や社会的ステータスなどが影響している。
商社では、輸出入での貿易を通じ、仕入れた商品、材料などを国内の企業に販売する「仲介役」としての仕事が主な業務だ。
総合商社は、事業投資を行う部署があり、海外の油田や鉄鉱石、天然資源を開発するメーカーと共同で大規模なプロジェクトにも参画する。
また化学薬品や、鉄、繊維などを専門的に扱う専門商社も存在する。
トップレベルの専門商社は、総合商社の次に高い給与水準や福利厚生が付いている事も多いので、専門商社でも難関大学の優秀な学生が少ない採用枠を争うことになる。
※専門商社の人気企業:メタルワン、伊藤忠丸紅鉄鋼、長瀬産業など
商社の仕事内容
仕入れ先と販売先の仲介役を担う商社マンは、海外勤務/駐在、外国の製品を取引する事が日常茶飯事である。
外国企業との取引では、案件規模が億を超えることも少なくないため、世の中に影響力のある仕事をしたい者には向いている。
仕事のスケールが大きくなれば、それに伴い社会的責任も大きくなるため商社で働くと、スキル云々は別にしても、人間的に成長できる所は魅力だろう。
インフラ業界は、鉄道、電力、水道、ガスといった、社会の生活基盤となるものを開発、維持していく産業だ。
人々が生活していくための生活必需品を提供する産業なので、大規模な災害などに見舞われない限り、この業界の企業は比較的安定していることが多い。
ただインフラ業界は、トップの難関大の学生が殺到する業界でもあるため、就職するのは一筋縄ではいかない。
この業界の特徴として、元国営のところも多く、終身雇用や年功序列が根強く残っている企業が多い傾向にある。
伝統的な会社であれば、勤続年数に比例して給与も上がっていき、かつインフラ系はあまりハードなノルマは課されない。
金融や商社のような、ハードな環境を避けたい人には、インフラ業界はおすすめだ。
マスコミは文系に人気の業界だ。
業界の現状としてテレビはCMの広告料を収入源にしているが、YoutubeやSNSが普及して、テレビを視聴する世帯が減り続けている。
また、新聞は購読料や広告料を主な収入源とし、こちらもインターネットのポータルサイトのニュース記事や、まとめ記事で済ませる層が増え読者が減り続けている。
各社はデジタル版の普及に力を入れており、読者獲得に成功しているのは経済新聞だけのようだ。
一方広告業界は、マスコミに載せる広告からインターネット、SNSと場所は変わっても需要は堅調に推移している。
好調な陰には某広告代理店の過剰労働など、華やかさとは裏腹に、社会から「働き方」が問われている業界でもあると言えよう。
旅行業のビジネスには、個人向けの航空券、ホテル、パック旅行などと、法人向けの出張需要(航空券・ホテル)などがある。
旅行専業企業の他に、鉄道系企業や航空系企業、格安旅行会社などがある。
明るいイメージのある産業だが、売上に対する利益率は少なく、個人旅行などは景気の変動を受けやすい業界でもある。
最近は店舗の費用を抑えたネット系の旅行会社が躍進している。
旅行業は海外から観光客(インバウンド)の影響で、業績も大きく左右されるが、「民泊」Airbnb(エアービーアンドビー)という宿泊ビジネスの動向も気掛かりだ。
※Airbnb(エアービーアンドビー):空き部屋を貸したいホストと、部屋を借りたいゲストを繋ぐサービス
最後に小売業界についても触れておこう。
小売業界は商品やモノなどの販売をメインとする業界である。文系の就職先としては、高い人気を誇る。
スーパー、コンビニ、百貨店、ドラッグストア、ホームセンター、アパレルチェーン、ディスカウントストアなど、多種多様な小売業がある。
消費者の低価格志向を反映した業態や、一か所で関連商品が買えるワンストップショッピング機能を強化した業態が成長している。
また、最近はネットショップが急成長しており、店舗の売上を浸食しているようだ。
そのため、家電や洋服などの業態においては、店舗がショールーム化する傾向にあり、店舗販売だけでなくネットショップも同時並行で行う事が求められている。
小売業界に行く人が多い理由
小売業界にいく文系学生が多い理由としては、BtoCのビジネスモデルが対人能力を存分に活かせる環境である事が挙げられる。
小売は接客業のバイトをやってきた学生が力を発揮できる業界だ。
学生のうちに、コミュニケーション力を鍛えられる環境に身を置けば、小売業界では活躍できる人材になれる。
販売職は消費者と一番近い距離で仕事ができるため、顧客の声を聞きたい者には向いていると言えるだろう。
次に文系就職のメリット、デメリットも挙げておく。文系の強みや弱みを理解しておくことで、戦略的に就職活動に取り組めるはずだ。
学生時代の時間が豊富にある
理系の学生は、研究や授業など文系に比べてかなり忙しく就活に充てられる時間が少ないが、文系はそれに比べると時間が多く持てる傾向にある。
従って、就活対策の時間も理系より多く取れるため、より自由度の高い行動が取れる。
これは裏を返せば、「4年間ただ遊んでいた学生」と、「何か打ち込めるものを早期に見つけ貪欲に行動していた学生」とに2極化してしまうということでもある。
前者だと50社受けても無い内定といった事も少なくない。後者であればたった2〜3社受けただけでいとも簡単に内定を取れてしまう事もある。
ポテンシャルの評価で巻き返せる
先ほども申し上げたように、文系の新卒は総合職として、ポテンシャルでの採用が重視される。
企業の求める、コミュニケーション力や協調性、困難を乗り越える力などの基準を満たし、将来活躍できそうと判断されれば採用される。
ポテンシャル採用の比重が大きいという事は、心理学部でも教育学部でも学部関係なく就活を乗り越えられるという事だ。
就職の選択肢の多さ
理系の学生なら自分の専門性に則った進路先を選ぶ傾向にあるが、文系なら特定の業界/職種に限定せず、幅広く自分の選択肢を決めることができる。
背景として、文系総合職は入社後、ジェネラリスト(広範囲に仕事ができる)としてOJTなどを通し、じっくり社内教育を受けられるからだ。
専門性は持たないが、会社の様々な業務をこなせる事を目指しているのである。
対する理系は、会社に入る前にある程度の専門性、知識などを身に付けてそれらをベースとしながら、専門的な実務経験を積んでいくという形である。
次に文系のデメリットについても解説する。文系の弱みを知っておくことで、それをカバーできる対策も取れるはずだ。
専門性が無く、武器がない
専門職を目指せる理系と比べ、文系学生は、大学で身に付けた学問の内容を仕事にそのまま活かしづらいと言える。
従って、学部で学んだ自分の専門性や得意なことを面接でアピールしづらく、よほど自分から行動していない限り誇れるものを持つ事も難しくなる。
文系は自由度が高いだけあって、セルフマネジメントを要する学部だとも言える。
大学院進学をしても就活に有利と言えない
就活では、学歴の高い/低いが大いに影響するが、「大学院進学」は文系の場合、あまり就活で有利に働くことが無い。
理由としては、文系の院卒のバックグラウンドが活かせる仕事がほとんど無い事が挙げられる。
一般に理系の場合であれば、技術職や研究開発などの部門にいく際に院卒がそもそもの条件という事が多い。
しかし、文系の大学院では、そういった専門職に活かすことができない為、年齢を重ねた分かえって不利になるという事にもなりかねない。
文系で大学院を目指す場合は、それなりの覚悟が必要だ。
就職においての倍率も高くなる
文系の就職活動は、企業にエントリーして他の学生と少ない採用枠を争う事になる。
例えば、全国的に有名企業なら、優秀な学生と少ない採用枠を争わなければならず、加えて理系のような専門性や知識が無い中で、面接に挑まなくてはならない。
就活の準備を入念に行なってきた者は乗り切れるだろうが、そうで無い場合アピールできるものが何も無く、ほとんど内定をもらえないといった事も起こり得る。
人気企業を目指すのであれば、差別化に繋がる強みを作ることだ。
文系は学んでいることと、会社に入ってからする仕事内容とに関連性が無くても良いとされているが、出来れば学んでいることも活かせた方が良いだろう。
学んでいる分野からすると、以下のような業界や職種が向いていると考えられる。
経済、経営/商学部に向いている職種は、営業、マーケティングなどである。
なぜなら「売る=利益を作る」ことを目的とする職種が、お金に直結する実学系にも関係するからだ。
特に、上に挙げた3つの学部は、対象としている分野の違いは多少あるが、お金の流れや企業経営のしくみ、マーケティングについて学んでいる学部だ。
従って基本的には営業職やマーケティング、企画部門の仕事や販売職が向いていると言える。
法律のあり方を学ぶ中で、社会の中で企業はどうあるべきか、倫理的に問題ない会社かを考えるような部門が法学部に向いているだろう。
法律に基づいて業務を行う仕事の一例として、公務員や企業の法務部門、特許部門、総務部門、コンプライアンスに厳しい銀行などの金融機関系総合職が挙げられる。
公務員は法律や条例に基づいて公共サービスを提供することや、特許部門や総務部門は特許法や商法などの知識が役立つ。
世の中の動きを色々な角度から学ぶ学部なため、テレビ局、新聞社、出版社、公務員、社会福祉関連などが向いていると言える。
社会学部は、日常で起こる様々な社会問題や新聞、ニュースで取り上げられる課題などに興味を持つ学生も多い。
従って、社会貢献を感じられるような仕事にやりがいを感じるだろう。
文化や教養分野の専門学部なので、教育関連業や出版、マスコミ全般、公務員などが向いている。
文学の学生なら、文学作品や、外国語なども学びやすい環境にあるため、文章力が活かせたり、語学力を活かして国際的な仕事だってできるはずだ。
それでは、文系学生が活躍しやすいおすすめな職種についても解説する。
営業職は、会社の利益に直接貢献できる重要な職種ということが言える。
営業向きの人の特徴としては、コミュニケーション力の高さと、情報を収集し、付加価値を加えた希少な情報を提供できるような器用なタイプだ。
また営業と一口に言っても、様々な営業の種類があるので、下記にそれぞれを挙げておく。
営業のタイプ | 内容 |
---|
新規の営業 | 新規の顧客に対して、信用を築いていき、販売〜売上に結びつける営業。 |
ルートセールス | 既存の顧客に対して、商品やサービスの提供/提案を行い、アフターフォローもしていく営業の事。 |
問い合わせ型の営業 | DMやHPの問い合わせでコンタクトを取る顧客に対して、売り込むスタイルの営業。 |
事務の仕事としては、主に営業の補佐や書類の作成/整理、販売管理などのデータ入力、電話の応対といった事など行う。
事務は会社のシステムが円滑に回るように、商品やサービスの販売管理から、出荷、配送の手配、伝票を作成する業務といったことまで対応する。
事務職で求められる能力として、営業部署と協力して業務を遂行していく協調性、コミュニケーション力が必要だ。
営業の補佐を行う場合は、高いレベルの意思疎通能力が必要なので、論理的思考力や文章力、調整力、また地道に作業を続けていくメンタルの強さも必要だ。
企業の方針を発表したり、新製品などをリリースする際にその担当を担うのが広報の役目だ。
企業のブランディングに直接関わる仕事の為、法令遵守を守ると共に、会社のイメージアップに貢献できるPR力のある人材が適合する。
社外との関わりも多くなるため、プレゼン能力の高さや、社内に蓄積された情報を取捨選択し価値ある情報を対外的に発信できるスマートさも求められる。
広報も文系学生におすすめな職業とも言えるだろう。
まず広く活用できるのがやはり英語系資格だ。
その中でも「TOEIC」は定番資格で、世界共通の英語コミュニケーション力を証明できる資格である。
資格の結果はスコア表示されるし、何度も挑戦できるのでレベルアップに応じて業界や職種も広がっていく。
TOEICは最低でも700点は取っておきたい、大手を目指す場合は800以上だ。また中国語が出来ることも大きな武器になるだろう。
資格としては一般財団法人日本中国語検定協会主催の「中国語検定試験」が一番メジャーだ。語学系の資格は海外との取引を行う商社、貿易、通関業務、旅行業などに活用できる。
法律系の最高峰としては弁護士資格がある。
弁護士になるには、通常は大学卒業後に法科大学院で学び司法試験を受け、合格後に1年間の司法修習を経て、弁護士資格を得る。
仮に弁護士資格を持っていれば、企業からは高い評価を受けるグレードの高い資格だが、取得は非常に困難である。
他にも会社や個人の法律関係の書類を作成したり、登記などの法律上の手続きをする国家資格として「司法書士」という資格が挙げられる。
簡易裁判所で行う訴訟額140万円以内の訴訟であれば弁護士と同じ仕事もできる。
事務職や経理を志望する文系学生などにおすすめなのが簿記資格である。その中でも日本商工会議所の主催する簿記2級は就活で有利になる。
日商簿記の2級以上を取ると、会計事務所や税理士事務所での勤務可能だ。
また、経理に関する上位資格としては、大企業の監査などを行う「公認会計士」や、中小企業の税務申告や決算業務を行う「税理士」も有望な資格と言える。
これらは国家資格であり、仮に在学中に取得できれば、就職でも評価される。
経営全般に活用できる資格として、経済産業省主催の中小企業診断士がある。
この資格は企業経営全般に関する資格なので、営業やマーケティングの仕事に役立つ。また経営には「人」も重要なテーマだ。
企業の労務管理や社会保険、年金等の事務手続き等を行う「社会保険労務士」も有利な資格と言える。企業の人事部門を希望している学生には最もうってつけだ。
それでは、文系の就職を成功させる重要なポイントなども解説していく。
理系に比べ、学生時代に自由な時間を多く取れる文系学生は、普段から目的意識を持つことが重要だ。
文系の学生は、理系のように専門性を就職先に活かしづらいため、普段から学んだ事を「どう活かすか」考える癖を付けるようにしよう。
理由としては、学部時代に学んだ事を活かすことができれば、就活の際にも社会に出た時にも役立つからである。
例えば、会計学で学んだ数字の強さをPRしたり、経済学の統計を使うゼミなら、そのゼミでの経験はアピールにも繋がる。
他にも第二外国語に力を入れても良いし、文学部なら文章力の強さをアピールできるかもしれない。
普段から学んでいる事をどう就活や、実際のビジネスの現場でどのように活かすことができるのか考えると良いだろう。
就職活動の準備を始めるのに、早すぎるという事は無い。
意識の高い一部の学生は、1年生のうちから長期インターンに参加して着実に就活でアピールできる経験を積んでいる。
特に上位クラスの大学の学生ほど、就活に対しての対策に力を入れているはずだ。今何もアピールできるものが無い学生は、すぐにでも行動するようにしよう。
ゼミなら、ビジネスに役立つ数字に強くなるようなゼミや、対人スキルが必要になる販売でモノを売るバイト、営業のインターンなども良いだろう。
上位大学の学生ほど、行動の量が多く、その質も高い傾向にあるので、危機意識は常に持つことだ。
文系は学んでいることと、就職後に就く仕事には関連性が無い場合が多い。
そのため、業界や職種も無限にあるため、逆に迷ってしまい、本格的な就職活動を始められない大学生も多いようだ。
だからといって自分の考えも無いままに、人気企業や待遇の良い企業だけを就職サイトで選ぶのは避けた方が良い。
なぜなら志望動機が薄くなり、何社受けても内定がもらえないという状態が続くからだ。
自分で行きたい分野を考える前に、ぜひ自己分析をしっかりしておこう。
自分の好きなこと、嫌いなことを幼少期の頃から振り返ってじっくりと思い出すことだ。
そうすることによって自分が考えている本当の「価値観」が見えてくる。また自分の価値観に合う企業を選ぶことが大切だ。
自己分析の方法
自己分析を行う方法は自分に合うやり方で構わないが、一番簡単な方法が「紙に書き出す」ことだ。
これは一例だが、A3くらいの大き目の用紙を使い、まず縦軸に生まれてからこれまでの年表を作る。
生まれた頃・幼稚園時代・小学校時代・中学時代・高校時代・大学時代と大まかな枠を作り、そこにその時々に起こったトピックスを記入していく。
そして、その際に感じたことやどんな気持ちになったかを書き出していくのだ。
自己分析でなぜ過去を振り返るのか
なぜ昔のことをわざわざ振り返るのか?
人生は今、急に始まったわけではない。生まれてから20年近くの年月が経っている。
人の価値観は一朝一夕に出来上がったものではなく、長い年月を経て形作られたものだ。そうした過去をしっかり振り返ることにより、本当の自分の価値観が見い出せる。
誰かに見せるものでもないので、辛かったことや恥ずかしい思いをした失敗など正直に記入していくことだ。
そして、出来上がったら、1枚の紙を鳥が上空から地上を見るように俯瞰(ふかん)してみるのがコツである。
その時々の出来事で感じた想いを眺めていると、自分が持つ一定の価値観が分かってくる。
企業選びは、企業理念と自分の考え方との交点をアピール
自己分析で書き出した紙を使って自分の価値観が実感できたら、初めて企業選びに移っていく。企業選びで重視してもらいたいのは企業の「経営理念」や「求める人物像」だ。
ここと自分の価値観が合っているかどうかをチェックしよう。企業選びでは、業種や職種、給与額や勤務地ももちろん大切である。
しかし、長い人生の多くの時間を過ごす会社生活で、考え方が合わない会社ほど嫌なものはない。長く勤めるためにも、この点は大切にしたい。
自分の価値観と志望動機の関連性
会社の企業理念や職務内容と自分の価値観が合うことを志望動機で述べると、ESは綺麗にまとまる。
一方で業種や職種、給与額や勤務地などだけで企業を選ぶと、志望動機がどうしても薄くなるだろう。
企業の人事担当者からすると、「うちじゃなくてもいいのでは?」と思われてしまう。
自分の会社と考えが合う就活生は、簡単には落とせない。人事担当者も「面接で話を聞いてみたい」という気にさせる。
その他の意識高い学生向けには、別の自己分析の方法もある。
それは、自分が1年後、3年後、10年後とどうなっていきたいか書き出していくことである。
理想像、目標設定を先に決めておけば、やりたい仕事も明確化できかつ日々の行動に迷いが無くなるからだ。
下記のように年数ごとの目標を書き出すことをおすすめする。
必要年数 | 目標 |
---|
1年以内 | TOEIC900点以上を取る。その能力を活かし海外案件を担当できるようにする。 |
3年以内 | 統計検定1級を取り、最速で部長に上り詰め部署全体の数字を分析し、マネジメントができるようになる。 |
10年以内 | 海外のMBAにも挑戦し、会社の幹部ポジションで売上100%増に貢献するなど。 |
このように、自分のなりたい理想像、目標を書き出していくことで、入社後自分は何をしていくべきかの行動指針を決めていくことができる。
また明確な数字を入れることを推奨する。
なりたい理想像があれば、それに向かってあとは行動していくだけになるので、余計なことを考える必要も無くなる。
やりたい事や、なりたいモノが分からない学生にとっては、上記の目標設定を作ることは非常に有効と言える。
上記に似通っているが、いずれあなたが会社に入社した後も、経営戦略の面で会社全体の目標設定等は最初に提示されるはずである。
理系は自分の研究成果や技術力をアピールするが、文系学生は自分が頑張ってきたことのプロセスをPRすることだ。
理由は、プロセスのPRは企業の人事が最も重要視する点でもあるからだ。
頑張ってきたこととは、勉強や資格だけではない。サークルやアルバイト、ボランティア活動など何でもOKだ。また必ずしも成功体験である必要はない。
俗に自己PRというと「どれだけ凄いか」という点にフォーカスされがちだが、人事担当者は成功体験だけを評価しているわけでもない。
実は失敗から立ち直ったプロセスや、反省する素直さも重要であると考えている。企業が新人に期待していることは、「これからどう頑張ってくれるか」という点だ。
その可能性を感じてもらえれば大きく内定を引き寄せることが出来る。
この章では、文系の就職においてよく学生から寄せられる疑問点、質問などに回答していく。あなたが抱えている、悩みの点など解消できれば幸いだ。
結論、どちらが有利かと言うとケースバイケースだ。
理由は、理系なら専門職、文系ならコミュ力を活かしやすい職種など向き不向きがある為である。
例えば、技術職や開発職などは理系の大学院卒でないと募集していない。
理系の学生は、ゼミや研究、卒論で追われるが、しっかりと学業をこなしておけば専門性の面で企業から評価される。
※もちろん理系でも最低限のコミュニケーション力はいる
文系の就職なら総合職の営業が大半であり、持ち前のコミュニケーション力を活かす学生が多いと言える。
文系は、バイト、サークル、部活などで人間力を鍛える者が多い傾向にもあるのが要因だ。
留学経験や難関資格への挑戦、長期インターンといったことなど、文系の就職を有利にするための道はいくらでもある。
最終的に言ってしまえば、就活は本人のやる気次第なのである。
文系の中で有利な学部としては、経済学部、商学部などの実学系は就職にも強い傾向にあるようだが、一概にそれだけで有利とは言えない。
なぜなら、いくら実学系の経営学部などでも、4年間何も力を入れていないと就活で良い結果を残すことは至難の業だからだ。
一方で就職に不利なイメージのある、文学部や社会学部の学生でも、学生時代に企業から評価される経験をしてきた者たちはその経験を武器にトップ企業に内定できる。
要は経験を通して、人間的な基礎能力が高まっていれば、どの学部であろうと大手から内定を取ることができるのである。
私立文系なら早慶レベルの学歴があれば、有名企業のエントリー段階で落とされることはほとんど無い。
早慶まではいかなくても、最低でもMARCH〜関関同立くらいの学歴があれば、あとは人物次第と言えるだろう。
もちろんこれに満たないレベルの大学でも、学生時代の経験次第で、就職において早慶の学生以上の結果を残すことだってできる。
今回は、文系の就職事情について解説してきた。
文系学生は、理系と違い、専門的な知識や学部時代の勉強が就職活動において活かしづらいと言える。そのため早くから、就活の為の対策を立て、行動することが重要である。
文系には、文系の戦略の立て方がある。比較的自由な時間を活かして、長期インターンや交換留学などに挑戦するのは良い選択肢だ。
ただもし、文系の学生で就活の準備、対策の仕方が全く分からないという者は当塾を検討してほしい。
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