最終更新日 2024.03.12
学部・学科別の就職対策
就活を有利にする資格を7つに厳選!効果的な活用法も解説
就活が迫っている者にとって、資格の取得を一度でも考えた事はないだろうか。自身の就活を少しでも有利に進めるために、資格を取った方が良いのか?
もしくは何か別の行動を取って、自分の強みとなるエピソードを作っておいた方が良いのか、悩む者も多いと思う。
今回の記事は、”就活を少しでも有利に進める資格”を厳選してピックアップした。
また資格以外にも、社会に出た際に第一線で活躍する為の能力も解説している。就職活動を少しでも有利に進めたい者にとっては、役に立つ情報となっている。
この記事を書いた人
東京大学工学部卒。大手一流ホワイト企業の内定請負人。就活塾「ホワイトアカデミー」を創立・経営。これまで800人以上の就活をサポート。塾はカリキュラムを消化した塾生のホワイト企業内定率100%を誇り、カリキュラムを消化したにもかかわらず、ホワイト企業の内定が出なければ費用を全額返金する返金保証制度を提供中。2019年に『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』(日経BP刊)を出版し、「親が子育ての集大成である"就活"に臨む際の必読書」、「これができれば本当に一流企業に内定できる」と話題。塾のYouTubeチャンネルではホワイトな業界の紹介や大手企業の倍率、ESの添削を公開するなど塾の就活ノウハウを一部紹介している。
YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCm1vSnSBj7kksfi8GIBnu0g
結論から言うと、取得するだけで内定をもらう事のできる資格は無い。
なぜなら、企業は個人の持つ”専門性やスキル”だけでその人物が会社で活躍できるかどうかが判断できないからだ。
会社に入って、仕事で成果を上げるには、個人の専門スキル以外にも人間力や課題解決能力といった別の要素が必要である。
従って資格は、その人物のある一部分における強みであり、あるに越した事はないが、人間力の本質はもっと別にあるため、資格はあっても無くてもどちらでも良いのである。
しかしながら、少しでも就活を有利に進めたいと考えている者に向けて、あえて選ぶとした場合の資格を述べていく。
ここからは、就活において自己PRのネタとして十分に使える資格のTOP7のランキングを挙げていく。
おすすめ度合いの高い順に上から解説していく。
就活を有利に進める資格として、最もおすすめできるのがTOEICである。理由としては、「応用範囲が広いこと」が挙げられる。
TOEICで英語力を身に付けておけば、メーカーでも外資でも商社でも多くの業界で評価される。特に800点を超えると、英語が出来る人、と評価を受ける事が多い。
それに、学生のうちにTOEICの高スコアーを取得しておけば、就職後に別の会社に転職する際にも活用できる。コスパの高い資格なので是非とも取得しておこう。
基本情報技術者は、情報処理の分野における資格の一つであり、情報処理技術に関する基本的な知識・技能を有していることを証明するものだ。
IT技術を使ったサービス、商品、システムやソフトウェアを作る為の知識や技能を持ち、それらの活用も可能とする。
昔から、IT人材になるための登竜門として位置付けられ、情報処理関連の業務に従事していく者が対象となる。
多くのIT企業において、この資格を新人が取得することを推奨している事、専門学校や大学でのカリキュラムにも取り入れられている重要な資格である。
2020年から学校教育ではプログラミング教育が必須となったことや、GAFAを筆頭とするIT企業の急成長もあり、ITのリテラシーはどこの業界にも活きる。
この資格を保有しておく事で、資格のネタとしては十分に通用するだろう。
参照元:基本情報技術者ドットコム 基本情報技術者とは続いて就活におすすめな資格としては、簿記検定2級以上が挙げられる。
理由としては、TOEICと同じように"応用できる範囲が広い事"に加えて、キャッシュフローを理解できると単純に役に立つからだ。
文系が就職する総合職では7割の人間が、営業に配属されるが、営業で数字に強いとかなり有利だ。
例えば、自分の取引先顧客の損益計算書が分析できれば、会社の経営状態が分かり、優良企業かもしくはリスクのある会社かが判断できる。
もし取引先が倒産などすれば、売掛金が回収できなくなり、不良債権を抱える事にも繋がりかねない。
また女性の方で事務職で就職する場合にも、営業が上げてきた売上数字と常に関わるケースが出てくる。
そのような場合に、会社のお金の流れが把握できると売上の管理ができ、会社側からもかなり重宝される。数字が分かるという事は社内でも信用に繋がるからだ。
※売掛金:商品などの売上の対価として、将来的に金銭を受け取れる権利の事。
※不良債権:金融機関が融資した貸付金を回収できない状態にある債権を指す。個人の家賃や法人の売掛金未回収なども含まれる。
TOEICや簿記に次ぐ、就活のネタにおすすめ資格としては中小企業診断士が挙げられる。
理由としては、企業の抱える課題を解決できる能力が身に付くからだ。
経営コンサルタントの唯一の国家資格でもあるが、この資格を取得することで、企業経営全体を俯瞰し、課題解決の案を提示する事ができる。
中小企業診断士の活躍例を下記にまとめる。
仕事例 | 内容 |
---|
独立した経営コンサルタントになる | 経営コンサルタントとして独立する場合、多くの専門スキルが必要だ。「IT領域に詳しい」、「セールス指導に長けている」など強みがあると活躍しやすい。 |
コンサル会社でキャリアを積む | 経営のコンサル会社でキャリアを積むケース。中小企業診断士の資格取得で、クライアントの課題発見と、解決案の提示を行う。 |
一般企業でコンサル力を発揮 | 民間企業の管理職として、自社の経営状態や市場の動向を読み解き、経営戦略を計画する。 |
独立・新規事業の立案 | 会社を自ら起こしたり、社内で新規の事業を開発する際にも中小企業診断士は有効である。 この資格で学ぶ経営戦略から、人事、会計、法律など多くの知識が応用できるからだ。 |
参照元:資格合格パートナー「スタンディング」 中小企業診断士とは?どんな仕事?試験制度は? 上記のように、中小企業診断士の資格は、就職した後企業の中で使える能力である事が分かる。
この資格は、社会的に見てもステータスがあり、企業で活躍するにも、転職/独立するにも応用できる極めて汎用性が高いものと言える。
統計検定は、データサイエンティストの登竜門としても確立している、国際社会で認知された資格である。
この資格が就活でもおすすめな理由は、統計に強いことはビジネスのあらゆる局面で役に立つからだ。
統計検定は、統計に関する知識とそれを利用できる能力を表す資格である。
データに基づき、多角的な側面で問題を分析、解決できる能力となり、ビジネスで高いレベルで活躍するには、必須の知識だ。
またAIの導入も相まって、統計処理が行える人材の確保のニーズが急速に高まっている。
今後10〜20年先を見ても、統計に強いデータサイエンスに詳しい人間は市場から必要とされ続けるだろう。就活にもおすすめと言える。
会計・財務の世界で最上位に位置付けられるのがこの公認会計士である。
この順位としたのは、今回挙げた就活に有利な資格の中でも最高難易度を誇り、これを目指すのは相当な覚悟がいるからだ。
しかし、会計士となった際にその受けられるリターンは相当なものがある。
下記に主な会計士の業務を紹介する。
業務項目 | 内容 |
---|
財務諸表監査 | 財務諸表監査は、企業が作成する貸借対照表などの財務諸表が、その企業の財務状況、売上、赤字など正しく計算されているか、監査して意見をする事を言う。 監査業務があるおかげで、企業の利害関係者である株主や取引先は、信頼のおける中で投資や融資の活動ができるのである。 |
内部統制監査 | 内部統制監査は、企業においてリスク管理、意思決定、内部を統制する仕組みをチェックし、適切に評価していく仕事である。 |
コンサルティング | 公認会計士は、会計・財務に関する豊富な知識、経験、企業経営に対する会計士の視点を活かして、企業の経営コンサルを行う。 財務のプロがアドバイスを行うことで、企業の財務部分をサポートする。 |
参照元:資格の学校TAC 公認会計士の仕事|公認会計士 公認会計士の魅力としては、「将来性」、「安定性」があると言える。
会計という専門性は、どの業界の企業も必要不可欠な領域なため、企業の発展に貢献できる会計士の存在意義は大きいと言える。
さらに能力の高い会計士であれば、高い報酬を得られると共に、独立する者もいる。
会計士試験は高難易度だが、取得できれば社会的ステータスも得られるので、就活まで時間のある学生は候補に入れても良いだろう。
就活を有利にする資格として、宅建も良い。
宅地建物取引士 (宅建)は、毎年20万人前後の受験者数がいる国家資格である。
宅建士は、不動産の売買、賃貸物件のあっせんをする際、「登記、不動産の面積、電気・水・ガスの設備」等、契約に関する説明を行う。
不動産に関する重要事項の説明は宅建士だけが行える独占業だ。下記に宅建を取ることのメリット、使える業界をまとめておく。
メリット | 内容 |
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就職・転職に有利 | 不動産業界へ就職、転職をする際には強みとなる。その他、建築、金融業界でもこの資格を活かせる事がある。 |
独立や、キャリアアップを狙う | 宅建の資格を保有する事で、不動産会社においての昇格や、キャリアップを実現する事ができる。また自分で独立開業する際にも有資格者は信頼を築きやすい。 |
資格手当がつく場合がある | 資格を保有している事で会社によって手当がもらえる事がある。毎月のベース給が上がり、また一生有効な資格として損は無い。 |
宅建が役立つ業界 | 用途 |
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不動産業 | 不動産売買、賃貸借の媒介(仲介)を行う会社は、 従業員5名につき1名以上の宅建士を在籍させる事を法律で義務付けられている。 資格を保有している事は顧客から見ても安心材料と言えるだろう。 |
建築業 | 建築会社は、自社で建てた建築物を商品として販売する際に、宅建の資格が必要となる。 不動産と建築業は密接な業界である為、建築系に携わる者にもおすすめだ。 |
金融業 | 金融機関では、不動産の担保価値を調べて、融資を行う業務があり、宅建の知識はこの業界と相性が良い。 加えて不動産会社をグループに持つ銀行もあり、そこで活かせるケースがある。 |
参照元:資格の学校TAC 宅建とは?宅建士の仕事とは?資格概要・仕事内容を徹底仮説!ここからは、就活での自己PRネタとして使えそうな資格一覧を取り上げる。大学生の就活でガクチカの加点要素となるものなので、サブ的に必要と考えよう。
通関士の仕事は、物品の輸出/輸入に必要とする書類の作成、手続きを代行する。
端的に言えば、税関を通るために必要な業務の代行の仕事だ。通関書類を作成したり、通関の手続きをする。
通関士が活躍するフィールドとしては、通関業者の割合が高く、その他貿易/流通をメインとする会社が挙げられる。
運送業や物流業、航空会社、海運、商社まで、海外とやり取りをする業界であれば、この資格が活きる。
また貿易のスペシャリストとして、手続き代行だけではなく、アドバイザーの仕事を行うこともある。
通関士は、輸出入に関する手続き、書類作成を行う専門性以外にも海外情勢、国際取引に関しての知識が必要だ。
貿易に関する法規制も刻一刻と変化しているため、常に学習できるタイプの人間に向いていると言える。
参照元:生涯学習のユーキャン 通関士の仕事とは?仕事の魅力や必要な素質・資格試験についても解説 就活のネタとして、社会保険労務士の資格はアピール材料になる。
社会保険労務士は、労働・社会保険に関するスペシャリストとして、それらの法令に基づき、行政向けに書類・申請書などを作成する。
雇用や社会保険、労働に関する問題、年金を扱う分野での国家資格だ。
社労士の活躍の場として、社労士事務所、企業の人事総務部門、他の士業の法律事務所など挙げられる。
人事労務の問題を解決する際に、専門家としての立場からコンサルティングを行う事もある。
税理士とは、税務のプロフェッショナルである。
税理士は主に、独占業務の「税務代理」、「税務書類の作成」、「税務に関する相談」を担当とする。
これらの独占業務の他に、コンサルやアドバイザリー業務、会計参与、行政などの支援も行う。下記にそれぞれの業務をまとめておく。
業務項目 | 内容 |
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税務代理 | 確定申告、青色申告の承認申請、税務調査の立会いなど。 法人・自営業・個人事業主など顧問契約のような形で仕事を受ける事もあれば、遺産相続・不動産売買などの税務処理で単発案件を受ける事もある。 |
税務書類の作成 | 確定申告書、相続税申告書、青色申告承認申請書作成など。税務書類の作成は税理士の独占業務な為、有資格者以外はこの業務を行えない。 |
税務相談 | 節税相談、税金にまつわる疑問の解消、資金繰りや融資などの相談、社会保険、生命保険の相談など。 クライアントと顧問契約を結ぶ事もあれば、案件ごとのアドバイスを求められる事もある。 |
参照元:マイナビ税理士 税理士とは?仕事内容や税務業務・資格取得の難易度などを解説 最後に就活で少しでも有利に作用する資格として、この英語系の「英検・TOEFL・IELTS」も挙げておく。
英語の資格として、TOEICの方が就活で評価されるが、より英語を極めたい者に取ってはおすすめと言える。
英検は一般時事的な要素や日常会話、教養に関する社会的な問題を扱う。
英検1級になると、英字新聞レベルの単語が頻出するので、かなりの語彙力が必要と言える。
TOEFL・IELTSの内容
TOEFLやIELTSは、米国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、英国といった英語圏の国々に留学、就労、移住を考える人用に作られた英語の試験だ。
4つの英語能力、「書く、読む、聞く、話す」を満遍なく測るテストであり、アカデミックな英語の問題が出され、極めて難易度が高い。
IELTSはイギリス英語の為、発音に慣れておく必要があり、ライティングパートが特に難しい。試験時間は約3時間程度である。
TOEFL iBTは、アメリカ英語だがリスニング、リーディング共に難易度は高い。試験時間は約2時間で(2023年7月26日〜)、高い集中力が求められるテストだ。
英語資格は他にも、国連英検 特A級やケンブリッジ英検CPEといった最高難易度を誇る資格試験もあるが、ここまでいけば世界中で英語が通用する。
結論から言えば、自動車の免許は就活に必須ではない。持っていないからといって不利になることはない。
しかし業務上車を使用する可能性が高い仕事の場合は注意すべきだ。営業系の仕事で社用車の運転を求められる場合がある。また、通常業務に運転が付随している場合は、応募資格に必須と書かなくても運転免許の有無を重視している場合もあるので、その場合は持っておいた方が良い。
ここでは、就活において企業側から”評価を得る事のできない資格”を取り上げる。
もしこれらの資格を取ろうと考えている者は、本当に必要かどうか熟考してもらいたい。
ファイナンシャルプランナーは、家計の収支、税金の知識、不動産、住宅のローン、保険から年金に至るまで、豊富な知識が必要だ。
FPは相談者のライフスタイルや価値観、経済状況を考慮して、家族構成、収入と支出のバランス、資産、負債から分析を行う。
長期的な視野で、資産を減らす事なく、確実にお金増やしていくアドバイスを行い、そのサポートを行う。
下記に主なFPの仕事内容を解説する。
相談事項 | 内容 |
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家計管理 | 日々の家計管理、将来を考えて貯金する適切な方法など。 |
教育資金 | 子どもの教育資金をどう準備していくか。奨学金の計画。 |
住宅資金 | サラリーマンが住宅ローンを借りる場合の説明。住宅ローンの繰上げ返済。 |
税金面 | 医療費の控除や所得税、累進課税制度の仕組みなど。 |
介護、医療 | 介護費用に対する備え、介護保険。 |
老後の生活 | 老後の生活資金の工面について。 |
年金、社会保険 | 年金や、社会保険の仕組み。 |
資産運用 | 投資信託、株式などの運用について。 |
保険 | 生命保険や損害保険、死亡保障に関することなど。 |
参照元:日本FP協会 ファイナンシャル・プランナー(FP)とは とはいえ、この資格は金融機関入社後にほぼ全員が取ることになるため、就活時にそれほど重要視されていない。
金融に興味を持つことくらいはアピールできるが、その程度である。
就活にあたって、秘書検定の資格を取得する事は、社会人マナーが備わっている事をアピールすることにつながる。
なぜなら秘書検定は、一般常識や敬語の適切な使い方、電話応対、ビジネスメールの作成など社会人に必須の基礎力を身に付けられるからだ。
さらに、「表情、態度、振る舞い、言葉遣い、話し方」といった人柄の要素で、相手に良い印象を与える事をこの検定で学ぶことができる。
とはいえ、この程度のことは「できて当たり前」であるため、就活で大きく評価されることはない。
加えて、昨今は秘書業務を派遣社員に担当させるため、正社員就職する際にこの資格は特に役に立たない。
秘書検定を取る人の多くが目指す一般職の募集枠は、昨今加速度的に減っている。そのため、この資格を取る意味も薄れていっている。
日経TESTは、日本経済新聞社、日本経済研究センターが主催する検定資格だ。この資格を保有する事で、経済知識がある事をアピールできる。
試験では、経済全般に関する問題が出るため、世の中の経済ニュースなどに詳しくなる。
日経TESTは主に下記のジャンルから問題が出される。
出題ジャンル | 内容 |
---|
経営環境 | 世界における日本経済の実力、経営環境に関する問題 |
企業戦略 | 環境変化に対応した産業動向、企業の経営戦略においての実践的な問題 |
会計・財務 | 企業会計・財務を中心に、金融商品に関する実践知識を含む問題 |
法務・人事 | コーポレートガバナンスや知的財産、雇用・労働に関する問題 |
マーケティング・販売 | マーケティングの基礎、デジタルマーケティングまで網羅した新しい領域も含む問題 |
生産・テクノロジー | AI等、今後のビジネスや事業展開において、必須なテクノロジーに関する問題 |
参照元:日経TEST HP トップ とはいえ、新卒の就職活動では上記のようなことを知っている必要はほとんどない。加えて、このTESTはそこまで普及していないため、知らない社会人も多い。
よって、就職活動で有効に働くことは少ない資格である。
MOSは、Microsoft Office Specialist の略称であり、Microsoft OfficeのWordやExcelといったツールが使える事を証明する。
この資格は一般レベルと上級レベル (エキスパート)に分かれている。
一般レベルは、基本的なWordでの表の作成、編集といったもの、Excelの数式、基本的な関数の作成、グラフ作成などの操作を対象とする。
上級レベルになると、Wordのスタイル機能、目次作成、他のアプリソフトからデータを取り込む高機能に対する理解を伴う。
Excelのピボットテーブル、データ分析、マクロの作成/編集といった高機能を扱う事を対象とする。
とはいえ、このMOSが就活で役に立つことは基本的にない。なぜなら、これらのPC操作ができることは、「社会人として当たり前」のことだからである。
自分自身が大学でレポートを書く際に役立てたいのであれば良いが、就職活動においては意味がないということを覚えておこう。
文系・理系に共通して就活で評価されやすい資格の条件は、企業に必要なスキルであり、しかも社会全体で保有者が少ない資格だ。
例えば、士業の難関国家資格(弁護士、税理士、会計士、社会保険労務士など)は代表的である。
それを取ったら仕事にできるレベルのもので、即戦力になることをアピールできる。
直近の資格保有者数は以下の通り非常に少ないのも特徴の1つだ。
- 弁護士:約4万4千人 *1
- 税理士:約8万人 *2
- 会計士:約4万1千人 *3
- 社労士:約4万4千人 *4
参照 *1:弁護士白書2022年度版 *2:日本税理士連合会ホームページ *3:日本公認会計士協会ホームページ *4:全国社会保険労務士 白書2022年版 これらは独占業務を行なう上で必要不可欠なものである一方、保有者がとても少ない資格である。
もしあなたがこれらの資格を持っていて、他の学生が持っていなければ、企業にとって積極的に採用する理由の1つになる。
ここでは、資格の取得にあたって気を付ける注意点を述べていく。意外と学生がやってしまいがちなポイントを3つ取り上げる。
志望する業界・企業に関係の無い資格を取得してしまう
自分の志望する業界・企業に関係の無い資格を取ってしまうと、せっかく取得してもリターンが得られにくい。
なぜなら、自分の行きたい企業で全く必要のない資格の場合、企業へのアピール材料として弱くなるからだ。
例えば、ビジネス英語が要求される職場で、宅建の資格保有者を企業側が採用するメリットはあるだろうか?
宅建を取得した努力は評価されるが、TOEIC900点の学生が他にいたら、そちらの者を積極的に企業は採用するだろう。
要は就活生自身が、企業側の需要を満たせる人材になることが必要なのである。
その為にも、自分の志望する企業にはどんな能力が必要か、業界別にしっかりと見極めなければならない。
資格取得に時間を取られ、肝心な就活対策を疎かにする
資格取得に集中してしまい、一番重要な就活の準備が疎かになってしまっては元も子もない。
資格の学習は並行する形で、ESや筆記試験、面接の対策などをした方が良い。
まだ1年生や2年生で本格的な就活が先の場合は、資格取得に集中しても大丈夫だが、3年生であまり時間の無い人は優先事項を考えよう。
資格の取得は補助的なものと考えて、最重要事項はESや筆記試験、面接の対策だ。それらが満足な状態になって初めて資格の取得がアピールポイントになる。
これも学生によく見られるケースだが、自分の興味の無い資格取得に力を注ぐことは推奨できない。
なぜなら、興味の無い事を永遠と学び続けても、記憶の定着も悪く、結果的に合格できない可能性が高いからである。
資格取得の最大のデメリットは、取得できなかったときに学生時代に力を入れたことが何も書けないということである。
もちろん、合格に向けて努力した経験を書くことは可能であるが、資格が取得できていない以上、説得力は弱くなる。
加えて、「この程度の資格も取れない人」として企業から烙印を押されてしまう。
そのため、資格取得を目指すのであれば、必ず取得するという不倶戴天の気持ちが必要となる。
資格取得を目指す学生の中には受験勉強で失敗して、MARCHのような学歴上位の大学生ではなく学歴下位の大学生もいる。
ただ、そのような学生は資格取得に失敗しやすい。なぜなら、勉強が苦手だからだ。
勉強が苦手だから学歴下位の大学に入っているわけなのに、勉強が必要な資格を目指すこと自体が戦略として間違っていると言わざるを得ない。
そのため、次に挙げるような資格以外の能力を身につけることに、学生時代の時間を注ぐ方が得策だといえる。
ここからは、資格以外に社会に出て必要な能力、身に付けておくと活躍しやすくなるスキルを紹介する。
下記は、もちろん就活でも役に立つと言える、能力である。
社会に出て必要となる能力に課題解決力、目標達成力の2点が挙げられる。
理由としては、仕事においてこの2点がビジネスパーソンの価値を決定すると言えるからだ。
社会に出ればどの業界、どんな仕事をしていても基本的に、常に解決が困難な課題の連続である。
自分の頭で考えて、自社の抱える課題、クライアントの悩みなどを乗り越えていく必要がある。これらは机上の学問では決して身に付かない。
セールスなら、「雑談力、懐に入り込む柔軟さ」や、営業部の課長なら売上数字から現状の問題点を読み取り、「数字を多角的に読み解く力」がいる。
また途中で諦める事なく、粘り強く仕事をこなしていける”目標達成力”といったものも必要だ。
就活でも、資格以上にこれらの能力は評価されるので、特に学生のうちに身に付けておきたい。
ライティング能力は、ESを書く時はもちろん、面接での自己PRでも影響してくる必須能力だ。
良い文章が書けるという事は、それを話す事もできるからである。
ライティング能力が高いと、社会に出てから報告書を書く際や、顧客へのセールスレターを作成する時など、ビジネス上のやり取りで力を発揮できる。
ビジネスではプレゼンの際の資料や、企画書や設計書などあらゆるケースで文章を書く必要があり、ライティング能力は最重要スキルの一つと言える。
セールスのスキルは、できれば学生のうちに身に付けておきたい能力の一つだ。
理由は文系の学生なら、大半が営業職へ配属され、企業で売上を作る際に最も必要となるスキルとなるからだ。
セールスの弱い会社は、ビジネス規模の拡大が難しくなり、製品力やマーケティングがよほど強くない限り市場から淘汰される。
学生のうちから、長期インターンや販売のバイトでセールスの能力を高めておけば、どこの業界に行っても役に立つと言える。
売る力こそが、手っ取り早く企業で成果を出せる方法の一つだからである。
もちろんセールス力が高いという事は、自分を売り込む方法も理解している訳なので、就活の面接でかなり有利になってくる。
数的な能力もできれば、セールスと同じくらい注視しておきたいスキルだ。
理由は、統計でも簿記でも、数字に強いと社会に出てから必ず役に立つ時が来るからだ。
営業でも事務でも、人事でも、技術職でもどこに行っても売上数字、経費などと隣り合わせになってくる。
数字に強ければ、マネージメントでも売上の管理でも、経理でも信頼されやすくなる。企業で上の役職に就ける人間は、数字を見ることのできる人間が多い。
ゼミでも大学の講義でも良いので、数字に関わる学問を追求しておこう。
これも学生のうちにできるだけ、高めておきたい能力だ。語学力は、それを活かせる業界であれば、キャリアの選択肢が一気に広がる。
海外駐在や、海外出張、国際会議や外国企業との交渉など、大手の企業であればあるほどこれらの機会はやってくる。
そんな時に、自分は外国語が苦手だからと言って、与えられたチャンスを逃してしまうと2度とその機会はやってこない。
また企業はできるだけ若いうちに社員に経験を積ませたいので、新卒時にTOEICで900以上を持っていたりすると、多くの経験をさせてもらいやすくなる。
若いうちは失敗も許されやすいので、早いうちに語学力の壁はクリアしておきたい。
ここからは就活で資格取得以外に、企業から評価される事について解説する。
どれも資格以上にアピールネタとなるものばかりである。
これといった資格や語学力がない場合でも、部活動などの体育会系の活動も就職活動に有利に働く事が多い。
ただ、「体育会系であれば評価されやすいから大丈夫」と安心するのは危険である。
大切なことは、体育会系であることではなく、「厳しいスポーツの世界を通じて、社会人に必要な力が身に付いている」という事だ。
企業は次のような人物像を社員に期待している。
- 体力や粘り強さ、ストレスに対する耐性
- 目標の設定力と努力の姿勢
- 上下関係が身に付いている
- 変化に対応する能力を備えている
こういった力があり、今後活躍していくポテンシャルがあることをアピール出来れば、現在の実務経験やスキルはなくても評価されやすくなる。
そして最も説得力を持つのが「表彰された経験」だ。
大会で優秀な成績を収めるなど、抜きん出た結果を出している者は、他の人よりも実力があると評価される。
大学で優秀な成績を取り続けることも、評価される経験である。
授業にしっかり出席し、真面目に優秀な成績を取り続けられる事は簡単ではない、ビジネスで実績を出せる人として期待される。
地味な仕事も実行できる人だとアピールしよう。
レポートや論文などで文書力を磨くことでも、エントリーシートの質が上がり、書類審査に通りやすくなる。
また、社会人になると勉強時間を確保しづらくなるので、学生のうちにしっかり勉強しておいた方が良い。
腰を据えて体系的に勉強する時間があることは学生の特権だ。 これは社会に出ると身に染みて分かる。
長期インターンをやってみるのもおすすめである。就活で評価されやすい経験として使えるからだ。
ベンチャー企業や外資系企業などに多いが、企業の中に飛び込んで一緒に仕事をするので、業界や企業への理解が深まる。
ホームページなどの公開されている情報は誰でも見られるが、企業の中で得た実際の情報や経験は就活に有利に働く。
採用する側も、自社の社風をしっかり理解し、必要な能力も実践で身に付けている人は魅力的に映る。
インターン先の企業に就職しない選択をしたとしても、身に付けたスキルは社会に出た時、別の会社でも活きるはずだ。
短期のインターンは就活にはあまり意味ないが、企業研究くらいにはなる。
アルバイトでも具体的な成果を出せていれば、十分アピール可能なポイントになる。
成果が大きいほど効果的だが、それよりも「何をやり、どういう問題に直面して解決していったのか」が重要だ。
それにより企業の担当者が、実際の業務であなたが活躍する姿をイメージしやすくなるだろう。
自分で主体性を発揮し、問題解決していける人が企業の中でも率先して利益を生み出せる。
そういった人材であることをアピールしよう。
バイト経験のアピール方法
バイト中に試行錯誤して商品化したり、集客で発案した具体的な成果は、あなたの創造性や計画性、リーダーシップのPRに繋がる。
また面接でアピールすべきポイントは、実体験から構築された志望動機である。
志望動機がバイトの経験、志望業界が物流関係ならお店の棚卸作業などが動機であると説明した方が効果的だ。
サークルの幹事長などのリーダー経験や海外留学の経験
グローバル化が進み、社会情勢や働き方が急速に変わる世の中では、変化に強い組織が求められる。 そのために必要なのが採用する人材の多様性である。
性格はもちろん、性別・国籍・人種など全く違う人が企業には集まっている。
そういった多種多様な人たちと良い人間関係を築いて、チームとして動ける人は、企業にとって必要不可欠である。
サークルの幹事長としてリーダーシップを発揮したり、海外留学など文化や言葉が違う人と共に過ごした経験は面接で有利になる。
企業はあなたのスキルよりも、学生時代の経験を通して人柄を知りたいと考えている。
面接で自己PRや学生時代に一番頑張ったこと、挫折経験や志望動機、長所や短所を企業側が下記の質問を元に確かめている。
- 常に成長し続けるか
- 真摯に打ち込んで挫折しても努力できるか
- 経験から学び、客観的に把握できるか
アピール内容は誰もやったことのないことや、華々しい特別な経験である必要はない。入りたい会社をイメージし、どんな人材が求められているのか想像すると良い。
一方で、どんな経験や成長もすぐに得られるわけではない。
あなたが大学1・2年生であれば、自分の今までの経験を振り返り、自己成長に繋がる時間に投資をすることだ。
就活まで時間がない方は、何かに打ち込んだ事の内容などを振り返り、自己PRできるように整理しておこう。
安易に資格の勉強に走るよりも、自分自身がこれまで経験してきたことに向き合う方が効果的な時間の使い方になる。
自分の中で期限を決めて、優先事項を考えていくことだ。
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例えば、「ただ周りが取っていたから、自分も資格を取得した。」と話すのではなく、その資格を取る事をなぜ目指したかを語れるようにする。
資格を保有している事をアピールする際には、なぜその資格を取る事を決めたか、明確に話せるようにしよう。
なぜなら、資格を取った明確な理由が無いと、何も考えずにただ役に立ちそうだから取っただけと、面接官に思われてしまうからだ。
TOEICの資格なら、「将来海外の企業と通訳無しで交渉をし、外国の製品やサービスなどを日本に導入して展開したい」などが言えると良い。
数字に関する資格であれば、「マネージャーとなって、チームの数字を把握し独自の提案を行いたい」など、自分の目標をイメージしておくことが望ましい。
資格を取っただけで終わらせず、それを何に活かしたいのか明確に話せるようにしておくと良いだろう。
資格を取ることが出来たら、そのプロセスについても話せるようにしておこう。
どのような経緯を経て、資格試験の合格に繋がったのか、ストーリー性のある話ができると面接官の共感を得やすくなるからだ。
例えば、簿記1級を取得するにあたって、半年という期日を決め、その期間で1級を取るにはどのようなスケジュールを設定したか。
逆算して、日々の行動を管理し、"1日最低5時間はこの時間帯にやるようにした。"などを話せるようにする事だ。
また自分の実力チェックも兼ねて、友人にランダムに問題を出してもらうなど、資格の取得までどんな経緯があったのか、詳細に説明できると良い。
努力の過程をアピールすることで、会社に入社した後も同じような状況になった時、それを再現できると証明する事が狙いだ。
このプロセスの説明は、面接でもとても重要な要素なので、忘れないようにしておこう。
就活の履歴書やESを提出する前に、資格の記載で気を付けるべきポイントがある。
下記に述べることは、すぐに使えるテクニックでもあるので、参考してもらいたい。
例えば、英検2級やTOEIC500〜600点などのスコアは書かない方が良いだろう。
よほどの零細企業やブラック企業なら評価されるかもしれないが、大手企業ではマイナスの評価に繋がる恐れがあるからだ。
この記事で先ほど挙げた資格であれば、まず問題無いが、誰でも取れるような資格はかえって自分の評価を下げる事になる。記載する資格は、慎重になるべきだ。
※記載して問題無い資格:普通運転免許、教員免許など
もしあなたがこれから、何かの資格を取得する予定があったり、勉強中のものがあれば、それも記載できる。
また資格や免許の有効期限にも気を付けておこう。
【取得予定の例】
・20⚪︎⚪︎年⚪︎月 簿記2級 取得予定。 ※その資格の合否が分かる日付を入れておく。
【勉強中の例】
・中小企業診断士 合格に向け勉強中。
結論、何も資格を持っていないから嘘を書くという行為は就活ではNGだ。
技能に関わる資格は入社後当然バレてしまうし、嘘がバレた際にはあなたを退職させる理由となってしまうからだ。
よって嘘の資格を履歴書に書くことはやめておこう。
今回は、就活を有利にする資格について解説した。資格取得は、就活においてあくまで加点要素と捉える事が重要だ。
ESや筆記試験の対策をし面接の準備を万全にした上でプラスαの加点項目という位置づけで資格をアピールするべきである。
就活で一番重要な事は、その人間が入社する事で会社にどれほど利益をもたらしてくれるかである。
資格はあくまで能力のたった1要素と考えておこう。
もし資格のアピールの仕方に悩んでいたり、目指している資格が就活に活かせそうか疑問を持つ者は、就活塾ホワイトアカデミーに声を掛けて欲しい。
資格の適切なアピール方法や、今取り組んでいる資格の勉強がどれほど就活の役に立つかアドバイスできる。
またプロの講師があなたのタイプに合わせた、業界、職業も提案できるのでお役に立てるはずだ。
検討してもらえると幸いである。