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最終更新日 2023.06.16

学部・学科別の就職対策

建築学科なら就職するか院に進むか?"穴場の企業"も解説

建築学科なら就職するか院に進むか?
建築学科というと建築士のイメージが強いが、実は専門分野によって就職先は様々だ。

また、ほかの理系学部に比べると女性の割合も多くなっている。

この記事では建築学科の就職事情について進路先や資格、優良企業、現在の建築業界について解説していく。

ぜひこの記事を読んで今後の進路選択や、就活に役立てて頂ければ幸いだ。

この記事を書いた人

竹内 健登

Kento Takeuchi

東京大学工学部卒。大手一流ホワイト企業の内定請負人。就活塾「ホワイトアカデミー」を創立・経営。これまで800人以上の就活をサポート。塾はカリキュラムを消化した塾生のホワイト企業内定率100%を誇り、カリキュラムを消化したにもかかわらず、ホワイト企業の内定が出なければ費用を全額返金する返金保証制度を提供中。2019年に『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』(日経BP刊)を出版し、「親が子育ての集大成である"就活"に臨む際の必読書」、「これができれば本当に一流企業に内定できる」と話題。塾のYouTubeチャンネルではホワイトな業界の紹介や大手企業の倍率、ESの添削を公開するなど塾の就活ノウハウを一部紹介している。

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCm1vSnSBj7kksfi8GIBnu0g

建築学科の専門分野

建築学科の専門分野
まずは建築学科のそれぞれの分野について簡単に説明していく。どの分野かによって少しずつ就職先の傾向も違うので、しっかり把握しておこう。

単純に建築学科といっても材料、施工、環境系、歴史、構造など様々な分野に分かれている。

どれを専門的に学ぶかによって将来の選択肢も変わってくる。

意匠設計分野

意匠設計は建築について総合的に学んでいく分野になる。住宅や高層ビルの建築資材の研究開発や、現代建築についての建築工学を対象とする。

都市計画などの都市工学に加えて、歴史的な建造物についても学習する。

「意匠」というのは建築物を美術的、美学的に捉えることで芸術的意義を追求していく学問のことである。

建築物に限らず、その町の作りや自然環境などについても研究する。

この分野を学ぶには基礎的な科目である数学、化学、情報処理、建築学概論、構造力学などの素養が必要だ。

その後さらに学問をすすめ、建築設計、構造計画、建築施工を学んだ上で個人の専門研究に移行していく。

意匠設計は幅広い知識が必要とされる分野と言える。ここで学んだ人は設計事務所などを就職先に考える人が多い。

構造設計分野

構造設計分野
構造設計分野では、建築に使用する資源を利用することで安全、安心、快適な住宅やビルをデザインして開発する。

建築空間を管理していく上で必要なエネルギーを、どうやって少なくするかをその構造から省エネ化していくのである。

防災や省エネルギーに関する知識を持つとともに、その知識をもとにして新たなものを設計していくという、創造性も求められている分野だ。

構造に関する知識は建築でも基本となることから、建設会社をはじめ幅広い就職先が考えられる。

環境設備 設計分野

建物を建てる際に計画/設計、建設施工→運用→解体〜廃棄までのサイクルに出るCO₂を考えると、全体の約7割が運用時に排出されると言われる。

環境設備の運用時には換気や空調システムのエネルギー消費が、多く使用されている現状があるのだ。

建物利用者、居住者の健康や快適さを維持したまま、省エネ化を図っていくことが求められる。

その省エネと健康・快適さを両立させるような、システムを研究開発しているのが環境設備設計分野だ。

建設会社をはじめとして空調会社、電気メーカーなどが就職先として考えられる。

進学か就職、どちらが良いか?

進学か就職、どちらが良いか?
建築学科は院卒で就職する人も多い。今後のキャリアにも関わってくるので、しっかり考えておく必要がある。

建築学科で学んだ学生がよく悩むことに「大学院に進学」、「就職」のどちらが良いかということが挙げられる。

どちらにも良い点、悪い点があり、個人の性格や資質によっても変わってくるため、どちらかが必ずしも正解とはならない。

ここではそれぞれのメリットや特徴を紹介していく。

就職のメリット

建築学科卒業後にすぐに就職をするメリットとしてはやはり「収入を得られる」ということが挙げられる。

逆に大学院に進学する場合には学費を払わなければならない。

国公立か私立かにもよるが、2年で130~300万円ほどの学費がかかる進学と、初年から300万円ほどの収入がある就職では大きな差がある。

大学院を卒業してから就職した場合は、数万円給料が多くなるということもあるが、学費の元がとれるかどうかはわからない。

また早いうちから建築業界に就職、もしくは社会人としてのキャリアを積むことができる。

ただしこれは就職先がどこかにもよる。

大学院卒でなければなかなか就職ができないアトリエや設計事務所、大手ゼネコンの設計、研究開発職などを目指す場合は進学を優先させた方が良い。

逆にハウスメーカーや建築施工職、建材メーカーなどに就職を希望している場合はすぐに就職をした方が良いだろう。

こういったところでは現場での経験が重視されるからだ。

大学院進学のメリット

では進学するメリットにはどういったものがあるだろうか?

まず就職する際に学部生よりも、幅広い選択肢があるということはメリットだ。

教授の元で勉強することで学べるものが大きい事や、その間に業界での人脈づくりを行える可能性もある。

また、専門性はとても高くなるので、それを社会人になって活かすことができる。

ただ、その分の費用はかかり、さらに大学院は楽ではなくレポートや教授の手伝いなどに時間を取られることがあるのは否めない。

結局、就職するのが良いか、進学するのが良いかはその人によるので、どちらが正しいとは言えない。

自分がやりたい仕事、勤めたい企業などを考えて判断するのが良いだろう。

大学別の就職先の業界

大学別の就職先の業界
ここでは、大学別の就職先の業界を紹介する。自分の行きたい業界があるか、チェックしよう。

明治大学 理工学部 建築学科

2021年度 就職者の進路先
業界割合
建設業59.2%
不動産業、物品賃貸業11.3%
製造業5.6%
卸売業、小売業5.6%
学術研究、専門・技術サービス4.2%
その他業種14.1%

参照元:明治大学 就職データ2021年度業種別就職状況(理系学部) より筆者が作成

※進学者は卒業生159名の内49.7%

東京理科大学 工学部 建築学科

2022年3月時点
業界割合
進学36.3%
建設業35.2%
不動産・物品賃貸業14.2%
その他14.3%

参照元:東京理科大学 工学部 建築学科  より筆者が作成

芝浦工業大学 建築学部 建築学科

2022年5月時点
業界割合
建設関連業85.0%
公務員7.0%
卸売・小売業3.0%
その他業種5.0%

参照元:芝浦工業大学 建築学科の進路 より筆者が作成
※卒業生239名のうち53.6%は進学

以上のように、明治、東京理科大、芝浦工大共に学部から就職する場合は、建設業が最も多く、明治/東京理科は不動産系なども上位に来ている。

また大学院の進学者率も明治、芝浦工大は5割くらいいる為建築学科の学生は、大学院に行くことは特段珍しいことでは無いようである。

もし金銭的に余裕があり、専門性を高めて就職先の進路を増やしたい場合は、進学する事を候補に入れても良いだろう。

主な職種

主な職種
それではここからは建築学科の主な職種について紹介する。

建築学科を卒業したのち、就職先としても様々な企業があるだろうし、その職種も多彩だ。

ここではその代表的な職業として、下記を紹介していく。


  • 設計士

  • インテリアコーディネーター

  • インテリアデザイナー

  • 不動産営業

  • 建築施工管理技士


設計士

建築学科の学生としては、この仕事が最もイメージしやすいかもしれない。

ただし設計士と言っても大きく分けると、見た目を作る意匠設計と構造の概念がある構造設計とに分かれている。

意匠設計というのは建物の外観のデザインを行う仕事だ。住居やビルなどの建物を設計する際に、その間取りや外観をデザインする。

設計図を描くのがメインの仕事になるが、それだけではなく行政手続、鑑定評価なども仕事の範囲に含まれる。

設計士になる人は、下記の建築士の資格を保有する事も考えておこう。

一級建築士と二級建築士


一級建築士と二級建築士
建築の仕事に就く者の資格と言えば「一級建築士」、「二級建築士」である。

ビルや大型の施設、軒高9m以上の住居といった、大きい建物を設計するのは一級建築士の仕事だ。

それよりも小さい建物であれば二級建築士で対応可、木造2階建て以下のような小さい建築物なら、資格無しに設計することができる。

構造設計は、安全性やコストの面から建物の全体的な構造や、強度を決める非常に重要な仕事だ。

専門的なソフトを使って構造図や構造計算書を作成するが、構造設計は建物の安全性を保つために重要度も高い。

就職する前に、これらの建築士の勉強をしておいても良いだろう。

参照元:一般社団法人 東京建築士会 建築士とは/各種関連資格情報

インテリアコーディネーター

インテリアコーディネーターは快適な住まいを追い求める、居住者の思いに答える専門家だ。

その人がどのように暮らしたいのか、どういった生活環境を希望するかヒアリングし、適切な生活環境を作り出す。

この仕事をするには、インテリアや住宅に関する幅広い知識が必要となる。

インテリア関連のメーカーだけでなく、住宅メーカーや設計事務所、内装工事会社などが就職先として考えられるが、中には独立する者もいる。

インテリアデザイナー

インテリアデザイナー
一部の仕事がインテリアコーディネーターと重なるインテリアデザイナーだが、実際にはかなり違った仕事内容だ。

インテリアデザイナーは設計段階から意見をすることがあり、その知識はさらに専門的なものが求められる。

設計図を正しく見れることはもちろん、CADや手書きによって設計図を作ったり、家具まで作るのであれば、工具デザインの知識などが求められる。

住宅や小規模な店舗に対応するインテリアコーディネーターと違って、商業施設やホテルなど大型の建物を扱うことが多いという特徴がある。

インテリアデザイナーの資格もあるが、同時に建築士の資格を持っている者もおり、幅広い対応能力を要する。

不動産営業

不動産の営業というと「家を売る」というイメージがあるが、実際には土地の買い上げや賃貸物件の取り扱いなど、仕事範囲は多岐に渡る。

また、居住用、投資用、事業用など用途も様々であり、マンションなのか一戸建てなのか、新築 or 中古かなどのように種類は数多くある。

何かに特化する営業もいれば、幅広い領域で対応する営業もいる。

もちろん顧客からは物件に関する質問が多いので、建築に関して知識がないと不動産の営業はできない。建築に直接関わらない職業だが、候補に入れておくと良い。

建築施工管理技士

建築施工管理技師
建築施工管理技士は、建築物を施工する際に、監督のような役目を果たす。

何か建物を建築する際には、数多くの専門分野の人たちが関わっている。それぞれが好き勝手していては、品質管理や工程を守るということができない。

それをトータルで管理するのは施工管理の仕事であり、施工管理技士ということになる。その仕事は種類が多く、下記が挙げられる。


  • 設計図の確認

  • 施工方法や工程の確認

  • 必要人員の確認と確保

  • それぞれの業者との打ち合わせ

  • 安全管理、工程管理


特に前工程が遅れ始めると、後工程の内装工事(クロス・床など)の工程も遅れてしまう。期限までに完成させるにはどうすれば良いか管理するのも、施工管理技士の仕事となる。

多くの人と関わるために高いコミュニケーション能力が求められ、管理能力も必要だ。当然だがそれぞれの分野に知識がないと話ができない。

記念碑や工事資料に名前が刻まれる事もあるので、自分の職業に誇りを持てるはずだ。建築業界の中でも建築施工管理技士は、かなりやりがいがある仕事だと言える。

就職の進路先に、こういった仕事も選択肢の一つにしておこう。

建築学科の主な就職先

建築学科の主な就職先
職種について分かったところで、ここからは具体的な就職先について紹介する。

建設業界といっても設計分野、施工分野と分かれており、やることはそれぞれの企業によって異なる。しかし全体的には建築学科を出た学生は、建設関連の企業に就職することが多い。

就職先の進路として、下記が挙げられる。


  • プラントエンジニアリング

  • 設計事務所

  • ゼネコン

  • ハウスメーカー

  • アトリエ

  • 不動産会社

  • 設備関連会社

  • 建設コンサルタント

  • 公務員


さらに細かく分類する方法もあるが、大まかに言えばこれくらいだ。これらの代表的な就職先について順番に紹介していく。

プラントエンジニアリング

プラントエンジニアリングとは、様々な原材料や資源を生産する為のプラントの建設から施工管理、運用やメンテナンスなどの業務を行う事をいう。

端的に言えば、「工場内に設備を作り、業種に合わせた生産物が生産できる仕組みを構築する」ことだ。プラントエンジニアは、属人的な知識とスキルが必要で、国内問わず海外でもニーズがある。

またプラントエンジニアは高齢化も進んでおり、最近では人材が足りないとされている職種だ。就職先の進路としては、かなりおすすめと言える。

業界としては、石油・化学・発電・鉄鋼・環境系などがある。

※企業の例:「日揮」、「日鉄エンジニアリング」、「東洋エンジニアリング」など。

設計事務所

設計事務所
設計事務所は意匠設計や構造設計を主に行う会社である。

特に学生時代に意匠設計を学んだ学生はデザイン系を重視する傾向があり、こういった設計事務所に就職する人が多くなっている。

大きな事務所になれば、意匠設計や構造設計だけでなく、建築設備やエンジニアリングシステムの設計、建築現場の管理まで行うようになる。

就職先候補の一つとしておすすめである。

※企業の例:「日建設計」、「日本設計」、「日総建」など。

ゼネコン

建築学科の就職先として、ゼネコンはすぐに頭に浮かぶと思う。ゼネラルコントラクターを略したもので、通称ゼネコンと呼ばれている企業は総合建設業者である。

大型建築物に関して設計から施工までをトータルで請負って、建築工事のすべてを取り仕切る。

それぞれの地域で強い中小のゼネコンから、全国規模で仕事を行っているスーパーゼネコンと呼ばれている人気の大企業まである。

設計や施工など様々な仕事が企業内にあるので、学生時代の専門分野に関係なく就職先の候補として考えられる。

※企業の例:「大林組」、「竹中工務店」、「清水建設」、「鹿島建設」、「大成建設」など

特にこの5つはスーパーゼネコンと呼ばれ、これらの企業の管理職ともなれば高い年収が期待できる。建築系の就職先としては、最難関とも言える。

ハウスメーカー

ハウスメーカー
ハウスメーカーは設計だけでなく施工も行うのが仕事で、ゼネコンの小規模版ともいえる。主に一戸建ての住宅などの施工、販売を行っている。

ある程度地域を絞って事業を行っている会社を「工務店」と呼び、事業規模が広いものを「ハウスメーカー」と呼ぶ。

設計、施工どちらの分野を専門としていた人も就職できるが、一戸建ての住宅はある程度規格化されたものが多いため、設計の自由度は低くなる。

自分で自由に設計したいという人は、別の選択肢が良いだろう。

※企業の例:「大和ハウス」、「積水ハウス」、「パナホーム」、「一条工務店」など

アトリエ

アトリエはすでに規格化された建物の設計を行うのではない。独創性やデザイン性を重視して「新しいものを創造したい」という人たちが集まる設計事務所だ。

こちらも就職先の候補として、覚えておこう。

一般的な設計事務所よりも芸術性を意識している場合が多く、著名な設計士などはこういったところから生まれる場合が多い。

収入の幅が大きいことで知られており、名前が認知されると高額な報酬を得られる反面、大成するまでは収入は期待できない。

特に芸術性にこだわった設計を行いたい者には向いている。

※企業の例:「安藤忠雄建築研究所」など

不動産会社

不動産会社
不動産会社は法的な意味では「宅地建物取引業者」のことを指し、不動産の分譲や賃貸、仲介、鑑定などを主に行う。

どちらかと言えばビジネス要素が強く出るために、建築を学んだ人の中でも売買ビジネスに関心があるタイプが多く就職する。

建築以外の仕事がやりたいのであれば、不動産への就職も頭に入れておくと良い。

※企業の例:「平和不動産」、「野村不動産」など

設備関連会社

設備設計の中でも環境に配慮したものを設計、開発していく会社になる。

熱環境や音環境などの知識を利用して仕事をしたい人に向いており、空調機のメーカーや冷房、暖房メーカーなどはこれに含まれる。

建設コンサルタント

建設コンサルタント
道路やダムなどの建築計画や設計を行う企業で、基本的には「国土交通省に認定登録されている企業」のこと。主な仕事は設計になるので、大規模事業の設計を行いたいという人に向いている。

※企業の例:「日本工営」、「建設技術研究所」など

公務員

大規模なものから小規模なものまで「公共工事」を取り仕切るのは、自治体だ。

そのため土木や建築を学んだ人が公務員になることも多くある。特に公共工事は土木系の仕事が多いために、そういった知識が豊富な人間は公務員を目指すは良いだろう。

関連記事:【2024年卒版】新卒で入りたい一流ホワイト企業ランキングTOP100

建築学科の学生におすすめの優良企業7選

建築学科の学生におすすめの優良企業7選
ここでは建築業界の中でも、優良な企業を7つ紹介していく。

日揮

エンジニアリング会社では日本最大手。

基本的には石油やガスのEPCビジネスをメインにした事業を行っている。端的に言えば製品を製造する為の設備を造る会社である。

例えば、各種プラントや施設の管理、設計などを手掛ける。非常に慎重に事業を進めるという社風があるために、浮き沈みが少なくなっているのも建築業界では珍しい特徴があると言える。

※EPC:設計、調達、建設・試運転の3つのフェーズからなる大型設備、プラントにおける建設事業を意味する。

日鉄エンジニアリング

日鉄エンジニアリング
日鉄エンジニアリングは製鉄・エネルギー関連の設備、都市インフラなどを展開してる日本製鉄グループの企業である。

上記の領域で、各プラントの設計・建設、運営から維持までを行う。

日鉄エンジニアリングの強みとして、廃棄物を融解し新たに使えるようにリサイクルする「ガス化溶融炉」分野で、世界随一のサプライヤーとして君臨することが挙げられる。

上司に意見を言いやすく、下の人の意見をしっかり聞くという環境もあり、現役社員のなかでも「人間関係」を高評価している人が多いことからも、働きやすさが強調されている。

参照元:日鉄エンジニアリング トップメッセージ

千代田化工建設

総合エンジニアリング企業として、1948年の設立し、世界60ヵ国以上の国々で展開。

石油、天然ガス、化学、石油化学、再生可能エネルギー、産業設備分野においてプラント建設事業を行う。

一つの仕事に区切りがつくと社内旅行に行ったり、大規模な飲み会が行われるという社風で社内の雰囲気が良いという声が多くある。

また、東洋経済の記事より、東京を除く関東圏の上場企業で「生涯給料5位」という報酬の高さも魅力的だ。

参照元:東洋経済 生涯給料「東京除く304社」最新ランキング

建設技術研究所

建設技術研究所
建設技術研究所は、日本で最初の建設コンサルタントの会社として、建設系のコンサルが主な事業だ。

特に河川分野のコンサル実績は、業界1位として、全国の河川整備を支えている。他にも、技術士を1300人以上社内で抱えており、高いレベルの技術力のある人間がこの会社に所属している。

また、新人社員でも積極的に大きい仕事に関わらせて、育成する意識が高く、社員教育にも力を入れている。

建築業界にありがちな残業に関しても、「ノー残業デー」を定めるなどして対策が取られている。

参照元:建設技術研究所 当社の強み
参照元:建設技術研究所 環境を知る

竹中工務店

日本の大手ゼネコン5社中、非上場で最高の財務基盤を有している優良企業。江戸時代から、民需をメインに設計施工一貫をモットーとする。

強みとしては、「棟梁精神」、「作品主義」などがあり、約400年にわたり、匠の心で建築し、作品の質を追い求め続けている。

会社の規模が大きく、福利厚生ももちろん充実している。また、ある程度大きなプロジェクトでも社員に裁量を任せることがあり、責任感を持って仕事ができるという声が出ている。
参照元:doda 株式会社竹中工務店

奥村組

奥村組
土木工事がメインの大阪・奈良を中心に事業を行っている関西系の中堅ゼネコンである。特に、道路、鉄道などのトンネルの施工技術が高いとされている。

※日本初の実用免震ビルを建設する高い免震技術レベルを持つ。

グローバル展開にも力を入れており、台湾に支店を持つなど、アジアのインフラ事業まで多数の工事実績を誇っている。

近年業績が安定して高くなっていることも、社員のモチベーションにつながっていると言える。

参照元:奥村組 CSRレポート

大林組

大型の案件を扱うことが多いスーパーゼネコンである。

2021年度では、トップの鹿島建設に次ぐ売上高1兆9,229億円と、その事業規模の大きさが売上高から読み取れると思う。

西日本の施工実績が多いものの、東京スカイツリーはこの大林組が建築を担当しており、首都圏の都市開発にも強い。国内だけではなく、海外でPFI事業を行い、国内PFIだとトップシェアを占めている。

※PFI事業:公共施設の建設、維持や運営などを民間の資金と経営スキル、技術を活かして事業展開すること。

新人でも先輩社員や同じチームの社員からのフォローがあるために、思い切り仕事ができるという声が出ている。

参照元:セコカンプラス 【最新版】建設業の売上高ランキング|トップ20社を紹介
参照元:建設転職ナビ スーパーゼネコン5社の特徴を解説

建築に関連する資格

建築に関する資格
ここでは、建築学科向けに役に立つであろう資格を紹介していく。

先ほども解説した、建築士や建築施工管理技士などだ。

建築系は、業務を行うにあたって資格の保有が必須である場合も多いので、学生時代に必要なものは取得しておきたい。

二級建築士

二級建築士とは都道府県知事の免許を受けて、設計や工事管理を行う。一級建築士と比べると、設計できる建物の規模や構造に制限がある。

木造建築物であれば3階建てまでで、建物の高さが13m、軒高9mを超える建物については設計することができない。

また、鉄骨造等で延べ面積が300㎡を超える建築物の設計はできない、といった制限があるので、基本的には「一戸建て住宅の設計」がメインとなる。

参照元:一般社団法人 東京建築士会 建築士とは/各種関連資格情報

一級建築士

一級建築士
一級建築士は国土交通大臣からの認可を受けている国家資格である。簡単に言えば設計する建物に関して二級建築士のような「制限がない」ものだ。

そのため大型の施設の設計や工事管理を行える。その分、意匠設計や構造設計、設備構造など様々な知識が求められるので、勉強量もとても多くなる。

一級建築施工管理技士

建築に関わる様々な専門分野の業者と打ち合わせを行い、品質や工程を管理するという仕事を行う。

鉄筋、大工工事、内装の仕上げ工事など、建築工事すべての施工計画を担当し、各工程に問題無いかチェック、同時に安全の管理もする。

一級施工管理技士はその管理に関して規模の制限がないために、大規模な工事を主に扱う。

参照元:日建学院 1級建築施工管理技士とは?

建築学科の就職と選択肢

建築学科の就職と選択肢
建築学科の学生は、就職、自分の進路について考えることが多いと思う。

理由は、建築系は学部から就職するのか、もしくは大学院に行って専門性を高めるのか、建築系には進まないなど多様な選択肢があるからだ。

ここからは、建築学科の就職や進路先についてどんなものがあるか見ていく。

建築学科の専門性や資格を活かす

建築学科の学生であれば、まず最初に思い浮かぶのは「ディベロッパー」、「ゼネコン」、「ハウスメーカー」など建築系に関わる業種で働くことだろう。

これらの業界なら、自分の専門性をそのまま活かし、入社した後も建築のスキルを磨き続けることができる。

建築士や施工管理技士などの資格を取得して、自分の市場価値を高めるのも良い。

建築の知識/専門性を別の業界で応用する

建築の知識/専門性を別の業界で応用する
建築学科の学生は、全員が建築に直接関わる業界に行く必要も無く、一定数は別の業界で活躍する者もいる。インフラ業界なら、鉄道やプラント、電力業界などは、規模の大きい設備、施設の設計に携わることもできる。

大手のインフラ会社は海外展開を行なっているので、グローバルな環境で働きたい者にも良いだろう。都市計画やまちづくりに興味ある者は建築の専門性も活かせるので、おすすめと言える。

関連記事:電力業界はもはや安定ではないのか?業界の現状や動向を徹底解説

大学院に進学

建築学科で、大学院に進めばゼネコン、設計事務所の設計部などを選択肢に入れて就職を考えていける。

ただ大学院に行ったからといって、大手のゼネコンに必ずしもいけると限らないので、注意は必要だ。

建築系の企業は、募集条件で学部卒からは取っていないケースもあり、大学院に進む事で自分の選べる選択肢は増えるだろう。

問題は単純に2年間分の学費をどう工面するかだ。この問題さえ解決できるのなら、大学院に進むのも選択肢に入れておこう。

まとめ

まとめ
建築学科の就職は、学部から就職するか大学院に進むか選択肢が分かれる為、悩ましい所だと思う。

また建築学科から大学院に進学しても、大手の建築系の企業に行けるのは一握りなので、注意が必要だ。

学部から就職のメリットは、学費が掛からない、キャリアを早期に積めるなどがあり、一方の大学院はとにかくお金が掛かる。

もし自分一人で進路を決められないのであれば、当塾も検討してほしい。

建築業界に豊富な知識を持つ専門の講師もおり、あなたのバックグラウンドを考慮に入れ最適な進路先を提示できるはずだ。

ぜひ検討してみて欲しい。

関連記事:当スクールの公式サイトはこちら

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工学部の就職先はどこが良い?大学院に進む場合のメリットとは

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