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最終更新日 2023.06.16

学部・学科別の就職対策

工学部の就職先はどこが良い?院に進む場合のメリットとは

工学部の就職先はどこが良い?
工学部の学生であれば、誰もが就職か大学院への進学かで迷う事になるだろう。

また、工学部といっても、専攻によって受ける授業や学ぶ内容は大きく異なり、就職先も変わってくる。

この記事では、学科ごとの特徴も見ながら工学部の就職事情について徹底解説していく。

工学部生の就活対策も載せているので、参考にしてもらえれば幸いだ。

この記事を書いた人

竹内 健登

Kento Takeuchi

東京大学工学部卒。大手一流ホワイト企業の内定請負人。就活塾「ホワイトアカデミー」を創立・経営。これまで800人以上の就活をサポート。塾はホワイト企業内定率100%を誇り、ホワイト企業の内定が出なければ費用を全額返金する返金保証制度が好評。2019年に『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』(日経BP刊)を出版し、「親が子育ての集大成である"就活"に臨む際の必読書」、「これができれば本当に一流企業に内定できる」と話題。塾のYouTubeチャンネルではホワイトな業界の紹介や大手企業の倍率、ESの添削を公開するなど塾の就活ノウハウを一部紹介している。

YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCm1vSnSBj7kksfi8GIBnu0g

工学部では院進学と就職、どちらを選ぶと良いか?

工学部では院進学と就職、どちらを選ぶと良いか?
すでにあなたもご存知かもしれないが工学部生は、就職活動をするより大学院に進学する人も多い。

工学部生の場合就活を考える際の一番初めのポイントは、就職か修士課程へ進学かの選択となる。

国公立大学や難関私立大学では、大学院修士課程進学者が6割以上であることが多く、8割に達することも珍しくない。

下記に学部卒と院卒のそれぞれのメリットやデメリットを解説していく。

学部卒就職のメリット

メリットの一つは、22歳で就職できるため2年分多く給与を得ることができる。

学部卒の場合、修士卒の人と比べて2年間長く働くことになる。その分”多くの給料を受け取れる”、と考える者もいる。

しかし、学部卒と修士卒では卒業後そもそもの収入も変わってくるので、必ず生涯賃金が多くなるというわけではない。

また、たとえ就職活動に失敗しても、そのタイミングで大学院を受験するという選択を取ることもできる。就職が上手くいかなくても道が残されているのは、学部生の特権だ。

学部卒就職のデメリット

学部卒就職のデメリット
一番のデメリットは、研究職にはつけないということである。

大手企業の研究部門では、院卒の人が多数を占め、学部卒の人はほとんどいない。 研究職に就職を志望する人にとっては、非常に不利なハンデとなるだろう。

もちろん院卒で研究職だから勝ち組とも限らない。

また技術職を志望している場合も、院卒の人と比べると多少不利になる場合が多い。 しかし、売り手市場の場合は「院卒でなければ就職できない」というほどではない。

大学院進学のメリット

大学院進学のメリット
大学院に進学すると、どこかに就職する前に専門的な研究を行う事ができる。

そのため、学部卒の人に比べ高度で専門的な知識を多く持つことになる。 この知識や経験は、研究職の就職を希望する場合にも非常に有利と言える。

また、大学院に進学するとその分長く研究室に在籍する。そのため、教授による企業推薦をもらえ、それで就職できる可能性が高まる。

さらには、英語論文を読んだ経験や、海外の学会で発表した経験なども就職に活かせるだろう。

大学院進学のデメリット

院卒の場合、就職に失敗した際はほぼ確実に就活浪人になってしまう。

修士で就職に失敗したとしても、そこから博士課程に進学するというのは難しい。また、博士課程に進学するとなると修士卒の人とは状況が変わってくる。

博士課程を卒業すると、高度すぎる専門知識を持つが故に、逆に企業から敬遠されることもあり得る。

特に商社や銀行などのいわゆる文系就職を希望する場合には、博士の称号がむしろ不利になってしまうこともある。

どんな職業に就きたいかも踏まえて、進学か就職のどちらにするかをしっかりと考える必要があるだろう。

大学別の就職先の進路

大学別の就職先の進路先
続いては、大学ごとに工学部の就職先の進路について見ていく。

工学部は理工学部の中にも含まれることが多々ある。一般的に工学部、理工学部は学部から就職か進学かで迷うことだろう。

下記の大学の就職、進学状況は参考になるはずだ。

上智大学 理工学部

2022年度卒業生 就職先の業界
業界割合
情報・通信37.3%
製造17.5%
調査・専門サービス12.4%
金融11.3%
その他6.2%
建設・不動産5.6%
卸・小売4.5%
その他業種5.2%

参照元:上智大学 就職(内定先)・進路統計 2022年度卒業・修了者 より筆者が作成

※2022年度卒業生384名の内48.2%が進学

横浜国立大学 理工学部

2021年度 就職先の業界
業界割合
情報通信業36.1%
輸送用機械器具 製造業9.0%
学術研究、専門・技術サービス業9.0%
卸売業、小売業6.9%
金融業、保険業4.9%
電気・情報通信 機械器具製造業4.2%
建設業4.2%
その他の業種25.7%

参照元:横浜国立大学 理工学部 就職実績 卒業生の就職状況  より筆者が作成

※2021年度 卒業生666名の内 進学者率は73.9%

法政大学 工学部

2023年度 5月時点HP 就職先の業界

業界割合
情報・通信42.5%
製造21.8%
サービス12.6%
卸・小売5.5%
運輸・郵便4.6%
建設3.7%
教育3.2%
その他業種6.1%

参照元:法政大学 学部別 就職状況 理工学部 より筆者が作成

※卒業生 555名の内 進学率 30.9%
参照元:法政大学 進路・就職データ 進学率一覧 

意外な結果かもしれないが、3大学ともに、情報通信業への就職率が極めて高い事が分かる。いずれの大学も4割近い学生が、就職の進路先として情報通信へ進んでいる。

こういった事実を早く知っておけば、ITへ就職する為に何をすべきか対策も打てるだろう。また2番目の進路先にはやはり工学と結びつきのある製造業が上にきている。

ある程度、自分の行きたい業界を決めておき、これらの業界へ就職するためには何をやっておくと良いか考えておこう。

また上智、横浜国大共に進学率が高いので、大学院を考えている方は進学の準備もしておくことだ。もちろん大学院に進んだ場合の就職先も、早めに目星を付けておこう。

学科系統から就職先の職種を知る

学科系統から就職先の職種を知る
ここからは、学科系統ごとに細かく候補になる職業を紹介していく。

工学部の就職先としては、どれも候補に入れたい職種ばかりである。進学か就職かは、下記をまずは判断の材料にしてみると良い。

機械工学系

機械工学系は、工学部生ならお馴染みの職種が並び、就職の候補として真っ先に挙げる事ができる。

機械開発・設計


工学部出身者の就職先の職業として、定番の機械開発・設計から説明する。

世の中には、下記の機械類が存在する。


  • 輸送機器:自動車や船舶、鉄道

  • 精密機器:カメラや時計、医療機器

  • 一般機械:工作機械や農業機械

  • 電気機械:発電機や通信機器


これら機器、機械は、基本的に機構部(メカニクス)と電子制御(エレクトロニクス)で成り立っている。機械開発・設計といえば一般的に、メカニクス部分の開発・設計に携わることを指す。

この職種では、製品に求められた仕様を満たせるように、熱力学、流体力学、機械力学、材料工学などの知識を用いる。

メカニクスの大まかな部分を決定し、さらにCADの技術を活かして詳細な部分を決めていく。機械開発・設計は工学部在学中に培った知識や経験が存分に活かせる職業になる。

そのため、機械工学系の出身者にとってこの職業に就職する事は、一般的といえる。

機械開発は、高品質な製品を短期間で納品するケースも多く、残業時間が多めの業界でもある。それでも就職先として人気が高い。

品質管理


品質管理
品質管理も工学部出身者の就職先の職種として考えたい。品質管理は工場などで製品を作る工程において、製品や生産ラインの管理・指導をする仕事である。

製品に対して、国際規格や国の安全基準を満たしているか、安全性や耐久性などの確認を行う。また、生産ラインや工場に対して汚染物質が出ていないかのチェックもする。

消費者の品質に対する目は年々厳しくなり、自動車のリコールなども増えてきている。品質管理者は今後も需要が増加すると言われている事もポイントだ。

品質管理の仕事は、就職先の職業として向き不向きもあるので、よく調べる必要がある。

生産管理


生産管理も工場で働く仕事だが、生産管理者は生産ラインの設計・導入・メンテナンスを行う職業だ。

生産管理の仕事も就職先の進路としては、工学部なら考えておきたい。新たに生産ラインを構築する、生産性向上のために既存の生産ラインを改善するなどの仕事がある。

生産ラインの入れ替え・改善は休日にしか行えないため、休日の休みが取れないことは多い。

もちろん企業によっては定時退社日を設けていたり、ほとんど残業のないこともあるので、事前にきちんと調べておくことが大切だ。

就職先の候補として、頭に入れておこう。

自動車整備、鉄道整備、航空整備


自動車整備、鉄道整備、航空整備
自動車整備や鉄道、航空整備も工学部の就職先候補として、覚えておこう。バスやタクシー会社、航空会社などで、使用する輸送機器の整備を行う職業である。

これらの職業は工卒や専門卒の人が多いイメージだが、機械に対する詳細な理解が必要なことも多く、機械工学系出身者も多く活躍している。

航空整備士は、格納庫内での抜本的な整備と、飛行機が飛び立つ前の最終整備を行う。航空整備士になるには二等航空整備士や二等航空運行整備士の資格が必要だ。

大型や中型機の整備を行う場合は、航空整備士としての実務経験を4年以上積み、一等航空整備士の資格を取る必要がある。

整備士は、機械を直接メンテナンスできる為、工学部のバックグラウンドを活かしつつ、機械いじりが好きな者に向いている。就職先の候補に考えておきたい。

参照元:U-NOTE 航空整備士になるには?

金型設計


工学部卒の就職先の職種として意外かもしれないが、金型設計といった道もある。機械設計とも似ているが、こちらは工業製品の生産のための金型を作る仕事だ。

日本の金型を作る技術は世界最高峰とも言われている。

金型は、日本製品の精密さを保ちながら均一に、そして大量に工業製品を生産するため、重要な資産とされている。

金型の設計は主にCADを使って行うが、金型の種類によっては異なる方法で設計することもある。近年では、マイクロ放電や3Dプリンタなどの新技術を利用する企業が増えている。

金型メーカーは、大手企業から仕事を受注するという関係上、納期が短いことや業務が集中することが多いと言われている。

就職先として珍しいが、設計が好きな人間に向いている。

※マイクロ放電:工具と工作物の隙間に小さな放電を何万発も発生させ、その熱で工作物を溶かし除去する技術である。

電気工学系・電子工学系

電気工学系・電子工学系
電気工学系は、高い専門性と技術力を要する分野で、この系統の学科を学んだのであれば就職では引く手数多と言える。順番に解説していく。

電子回路設計(回路設計・LSI設計・半導体技術者)


電子回路設計は機械における電子制御部分を設計する職業である。電子の回路設計が分かると、様々な業界で就職先の選択肢は広がる。

専門性が高いだけに、就職するには多くのことを学んでおかなくてはならない。電子回路設計者は2通りに分かれる。

一つは0と1の2つの信号レベルを扱うデジタル回路設計者、もう一つは波形のような連続変化する信号を扱うアナログ回路設計者だ。

アナログ回路設計のほうがデジタル回路設計よりも難しく、極めるのに長い年月がかかると言われているが、その分、市場価値も高い。

身の回りの様々な機器に電子回路は搭載されているため、電子回路設計者のニーズは非常に高い。電子回路設計は手に職が付く領域なので、専門性を高めたい者にもおすすめの就職先の進路だ。

※LSI設計:大規模集積回路を設計する業務。

電気設備設計


電気設備設計
工学部出身者の就職の進路先として、電気設備設計がある。電気設備設計は、ビルや工場など、建物内の電気設備の設計を行う職業である。

世の中のより多くの人々の暮らしに、明るさをもたらす事ができ、やりがいも感じやすい。

安全性や法規、コストなどを考慮して、照明やコンセント、空調や配電盤などのさまざまな電気設備の配線やレイアウトを決める。

建物の完成後の工程になるので、図面を修正する必要が多く、根気のいる仕事でもある。

電気工事施工管理


電気工事施工管理の仕事も、電気工学の専門性を活かせる就職先として考えておこう。

電気設備設計士が設計した通りに工事を進められるよう、電気工事の施工を管理する仕事だ。工事の施工計画を作成し、さらに工程の管理と監督を行う。

電気設備 設計同様、電気工事は工事の中でも最後の方の工程になるため、前の工程の遅れ次第では勤務時間が長くなる。

ただし、工事発注側のメーカーに勤務する場合、残業は比較的少なめだ。

電気工事に関わる仕事は、今後も電気が存在する限り無くならない。市場価値の高い人材になれるので、就職先としておすすめと言える。

関連記事:電力業界はもはや安定ではないのか?業界の現状や動向を徹底解説

情報系・通信工学系

情報系・通信工学系
情報系、通信工学系は近年特に、人気の就職先として注目されている。特にエンジニアは就職先の職種として、トップクラスにおすすめできる職業だ。

理由としては、属人的なスキルを要求されるので、専門性が高まり経験値を積むと、ビジネスでは無くてはならない存在になれるからである。

プログラマー・システムエンジニア


プログラマーやシステムエンジニアは就職先の職種として、適性がある無しも大きいが、俄然人気の部類に入る。

プログラマー・システムエンジニアは下記のような開発を行う。


  • 家電製品等に組み込むファームウェアの開発

  • Webサイトの開発

  • Webシステムの開発

  • PCやスマートフォンのソフトウェア開発


システムエンジニアは、工学部の就職できる職業として、候補に挙げられる。システムエンジニアの主な仕事は、発注者の要望に基づいてシステムの設計を行う。

またプログラマーはその設計に基づいて、実際にプログラミング言語を用いてコードを書いていく。

プログラマーやシステムエンジニアは現在でも需要が高く、また学生からも人気のある就職先の職業と言える。

業界全体として勤務時間が長めだが、自社で利用するシステム開発を行うインハウスシステムエンジニアなどは別だ。

開発の依頼元が自社内のため納期の調整が行いやすく、残業が少ない傾向にある。

システムエンジニアやプログラマーとして一旦就職し、キャリアを積んでおけば、別系統のエンジニアにも転職しやすくなり、人生の選択肢も広まる。

ファーストキャリアで就職するとしても、良いだろう。

ネットワークエンジニア


ネットワークエンジニア
エンジニア就職としては、ネットワークエンジニアも視野に入れておこう。

ネットワークエンジニアとは企業や学校、自治体などでコンピュータのネットワークの構築・保守・障害対応を行う職業である。

TCP/IP関連、無線LAN関係の知識や、ルーティング技術、スイッチング技術が必要となる。

企業や現場によるが、ネットワークを停止させての作業が必要な場合もあるため、休日や深夜に出勤する場合がある。

どの業界の企業も、ネットのセキュリティは最重要課題の一つでもある為、この職種は高い需要がある。

就職先の候補としては、セキュリティ関連の技術に興味のある者におすすめと言える。

※TCP/IP:インターネットで広く標準的に使用される通信プロトコル。PC同士が接続する方法や、どのように信号を送るかの通信の取り決めをすること。
※ルーティング技術:コンピュータが送信したデータ(パケット)を、宛先のコンピュータまで適切に転送する処理技術を意味する。
※スイッチング技術:データ転送経路を選択する技術。

サーバーエンジニア


サーバーエンジニアはコンピューターに強い人間の就職先の進路としては、アリと言える。

サーバーエンジニアは企業や学校、自治体などで、LinuxやWindowsなどのサーバーの構築・運用・保守作業を行う職業である。

何らかのイベントでトラフィックの増加が見込まれる際に対策したり、サーバー攻撃に対処することもサーバーエンジニアの仕事だ。

また、サーバールームの配線やサーバーのラッキング作業などの力仕事もある。プログラマーやシステムエンジニアに比べれば勤務時間も長くない。

サーバーがダウンすると、サイトアクセスが不可能になるので、Web集客をメインとするような企業にとってサーバーエンジニアは”最後の砦”だ。

責任感の強い人間に向いていると言える。就職先の候補として覚えておこう。

※トラフィック:インターネットの通信量のこと。一般にネットアクセスに伴う通信量を示す。
※ラッキング作業:通信機器などをラックに設置し、使用可能にすること。

応用化学系

応用化学系
応用科学系は、工学部の就職先の候補として人気な部類に入るだろう。応用化学はその中でさらに細かく、様々な分野に分かれている。

印刷であればインクについて、機械系では特殊な金属など、化学の知識が必要な場面は多岐にわたる。

そのため、応用化学系の出身者の就職する業界は非常に幅広い。ただし、いずれの業界に就職しても、多くは製品の開発か基礎研究を行うことになる。

研究職に関しては、後ほど詳しく説明する。下記に専攻ごとの、就職の進路先についても載せておく。

専攻業界
有機化学系医薬品や化粧品に関連するメーカー
無機化学系電池やメモリ、セラミックスに関連するメーカー
物理化学系界面物性や光化学を生かせるメーカー
化学工学系プラントエンジニア
繊維工学系アパレル業界をはじめとする繊維を扱う会社


関連記事:化学業界の構造を徹底解説。これを見れば必ず就職に役立つ知識が手に入る。

土木系・建築系

工学部出身者の就職先として、忘れてはならないのが、土木や建築系の職業である。世の中の多くの人の生活や暮らしに直接貢献する、大変やりがいのある仕事だ。

下記に順番に解説していく。

建築士


建築士
建築士は建築学科を卒業した者が、建築業界の会社に就職して、なる職業だ。建築士は、主に建築物の設計を行ったり、工事の監理を行う。

他にも、建物が法律に違反していないか監修するケースもある。

建築士には、一級建築士や二級建築士、木造建築士などの資格があり、保有している資格によって扱える建物に制限があるので注意が必要だ。

建築業界に就職して、建築士になっても、デザインや建築基準法など建築に付随する事を学び続ける必要がある。

また建築業界の企業は売上高も大きい傾向にあり、大手のゼネコンなど人気の高い就職先である。

土木設計士


土木設計士は道路や橋、トンネル、ダムなどを設計する職業である。工学部なら就職先の候補に考えておきたい所だ。

一般道や高速道路、線路などのインフラの補修や建て替えもあり、需要のある職業と言える。

土木設計は公共事業となるが、その為、技術士の資格を取得して建設コンサルタントとして登録する必要がある。

土木設計は大自然を相手に、人類の叡智を結集させる仕事であり、安心して生活を送れるのは土木設計士の恩恵による所も大きい。

工学部の就職先として、忘れてはならない。

その他職種

その他職種
工学部からの就職先として、下記の進路もあることを考えておこう。

教員


工学部から中学、高校などの教員になる人もいる。就職というよりかは、公務員になるという形だ。この場合は、自分の専攻に応じた科目の教師になることが大半である。

ただ中学、高校で教員を行うには原則として教員免許が必要だ。教職課程の講義を取る必要があったり、学科によっては取れない免許もあるので注意しよう。

営業


営業といえば文系就職のイメージもあるが、工学部でも就職する事はもちろん可能だ。この場合は、専門的な知識をもとに製品を売り込むことができる。

理系のバックグラウンドを活かした、技術営業などは需要もあるため、人とコミュニケーションをするのが好きな人は営業も良いだろう。

商社でもメーカーでも、機械や化学など理系の知識が必要な営業の仕事がある為、就職先の進路として悪くない。

工学部は就活に有利?不利?

工学部は就活に有利?不利?
工学部の学生は就職に有利なのか? 下記に工学部出身者の特徴や、就活の実態について解説する。

工学関連は好調な業界が多い

工学部では学科が複数に分かれており、特定分野の専門的な勉強を中心に行う。勉強漬けの4年間になるだろうが、就職の意識も常にあるはずだ。

また、ほぼ全員が4年次に研究室に配属され研究をする事になる。そのため、専門知識を備えている人も多くなっていく。

何を専攻していてもその専門知識を必要とする業界は多々ある。専門知識を持たない他の学生は基本的にはライバルにならず、さほど就職には困らないというのが実情だ。

機械工学、電気工学、電子工学の知識を備えた者は様々な企業で活躍できるため、ニーズも非常に高い。こういった点からも、工学部は就職に有利と言えるだろう。

就職率は低い?

就職率は低い?
工学部の場合、前述の通り進学をする人が多くなる。そのため、数字としての就職率は他学部と比べると低く出る。

しかし、就職を希望する人は自分の行きたい業界へ、進むことができているので不安はない。記事内に載せている大学別の就職先、業界の表も参考になるだろう。

教授推薦が利用できる

工学部の場合、自身の所属していた研究室の教授に、企業を推薦してもらい就職できる事も多々ある。

特に国公立大学では教授推薦が多くなっている。ただし、希望する会社に推薦してもらえるとは限らない。教授が紹介できるのはコネがある企業のみだからだ。

それ以外の企業や業界を志望する場合には、通常通り就職活動が必要になってくる。

また、学部4回生よりも院生の方が優先して推薦される場合が多い。そのため、学部で就職する場合には、推薦がもらえないこともある。

教授推薦のみならず学部推薦もあるので、一度調べてみることをお勧めする。これらは理系就職の特権と言える。

インターンシップからの就職も

インターンシップからの就職も
企業がインターンを行なっている場合、企業側は下記を意図する事がある。


  • 学生も労働力と考えている

  • 企業イメージをアップする

  • 優秀な学生との関わりを持っておく


この内、優秀な学生を見つけておくことを目的としたインターンに参加し、良い結果を残せば企業から声がかかったり、本選考の際に有利になる事がある。

従ってインターンは就職に大きな影響を与える。

文系就職はできるのか

理系でありながら、文系と同じ就職先を選択することには特に大きな障害はない。

むしろ編集職や営業職、コンサル系など理系の就職者が少ない業界では、重宝されることもある。

就職先として、多くの工学部生とは別の道になるかもしれないが、その分同じ専門性を持ったライバルも少なくなるという事である。

就活のポイントについて

就活のポイントについて
工学部の就活の為のポイントとして重要な点は、自分がやってきた研究をどう話すかだ。

下記に重要な点を挙げておく。

技術系・研究系に就職の場合

技術系や研究系に就職をする場合には、文系出身の面接官に配慮が必要だ。なぜなら、文系出身の面接官は、理系の専門的な話に付いていけないからである。

多くの企業では、技術職や研究職の面接官と、総合職の人の複数が面接担当となっている。また、面接で工学部の学生は、自分の行ってきた研究内容を聞かれることが多い。

技術職・研究職の面接官の多くは、学生の研究内容を理解でき、興味を持ってくれる為、非常に盛り上がることがある。

しかし、総合職の面接官は文系出身者が多く、専門的な内容に付いていけない。

その為、自分の研究内容を話すことは大切だが、文系の面接担当者にも分かるように説明をしなくてはいけない。工学部の就職活動で特に気を付けたいポイントである。

文系と同じ総合職へ就職の場合

いわゆる文系就職を行う場合、自分の研究がどのような成長に繋がったかアピールできると良い。

研究によって培われたコミュニケーション力や、困難を乗り越えた経験は面接で評価されやすいからだ。

ただ専門的な研究を行ってきたことは、文系出身者との大きな違いでもあるので上手く活用すると良い。

例えば、研究内容について深く細かく話すのではなく、研究でどんな努力をしたか、統計やデータを取ってどういった能力が身に付いたか説明するなどだ。

研究を通して自己成長に繋がったエピソードがあれば、他の就活生とはまた違った印象を与えられる。

理系が文系と同じ総合職を狙うのは、就職先として悪い選択でもない。人によってはその方が活躍できる事があるからだ。

関連記事:【2024年卒版】新卒で入りたい一流ホワイト企業ランキングTOP100

その他、工学部向けの職業

その他、工学部向けの職業
ここからは、工学部学生向けと言える職業を紹介する。どれも専門性が求められるものばかりだが、検討してもらいたい。

研究職

まずは研究職の種類や仕事内容を簡単に紹介する。研究職は修士卒でないと厳しいとされるが、大学院も考えている方には参考にしてほしい。

研究職は下記3つに分けるとイメージしやすい。


  • 基礎研究

  • 応用研究

  • 開発研究


基礎研究


基礎研究
基礎研究は、これまでにない新しいもの、未知の領域を探求し、研究していくものと考えると良い。

就職して働くというよりかは、自分の得意な専門領域の研究者になり、研究にのめり込むといった形だ。

特徴としては、研究対象の物や情報をどこまでも追求し、分析しながら本質に迫る要素が強い。

過去の事例が無い中で、法則などを見出し、新しいアイディアを創出する力が必要なので、継続力のある者に向いている。

何度も失敗を経験しなければならないので、研究が心の底から好きでないと、この仕事は務まらないだろう。また基礎研究の研究者として就職できるのは、工学部の院卒でも狭き門と考えておいた方が良い。

応用研究


基礎研究が新しい何かを見つけるものであるのに対し、応用研究は既存の研究結果を用いて、他の分野や領域に活かしていく事を主とする。

基礎研究の結果を用いて、他のものに応用し、材料、製品を新しく生み出す他、既存の材料やシステムを改良することもある。

既存の研究事例を深く理解できるほどの知識や能力が無いと、他にどう活かしていくかが分からない為、相応の高い専門性が要る。

基礎研究のように長年の研究の成果で作り出すものと違い、前もって期日が決められて基礎研究の成果物を応用させるような流れだ。

その為、セルフマネジメントやタスク処理の速さなどが求められる。

院卒から就職するのが一般的だが、誰しも簡単に就職できる道では無く、厳しい学問領域をくぐり抜けた一握りの者だけが辿り着く進路先だ。

開発研究


開発研究
開発研究も工学部生の就職先として、頭の片隅に入れておこう。

開発研究は、基礎や応用研究を利用し、新しい材料、システムを作り出したり、既存の製品、材料などを改良する研究を指す。

すでに一般に使われている研究成果を利用して、製品を開発していくのである。

研究分野について幅広い知識、見聞があると共に、市場のニーズに合わせて製品化させていける高度な技術とビジネスセンスがいる。

研究に関わるような進路先は、どれも就職先としては最難関だと考えることだ。

その他のエンジニア

先ほどもエンジニアについては解説したので、ここでは他の人気のあるエンジニア系統の職業について解説する。


  • データサイエンティスト

  • Webエンジニア


データサイエンティスト


データサイエンティスト
データサイエンティストも工学部の就職の進路先として、考えて良いだろう。

データサイエンティストは、統計学に情報工学などの手法を組み合わせて、大量のデータを分析し課題解決へと導く専門職である。

データサイエンスを用いれば、従来の統計学では扱いきれなかった膨大なデータ、画像などを解析していくことができる。

仕事の流れとしては、仮説を立て、蓄積された大量のデータを集め、アルゴリズムやモデル検証を行いつつ分析していく。

統計学の知識とプログラミング言語のスキルも必要だが、数学に慣れている工学部の学生であれば、身近なものにも感じるはずだ。

世の中でAIツールが活用されるようになってきたが、データサイエンティストは今後も人材不足が続き、もしなれれば市場価値の高い人材となる。

下記にデータサイエンスの活用事例を紹介する。


  • ECサイトでユーザーの購買、閲覧履歴から嗜好性などを分析し、おすすめ商品や関連商品を提案する。

  • 画像データを解析して、人間では認識できない病気を見つけ出す。


参照元:アガルートアカデミー データサイエンスとは?基本情報と統計学・情報工学との違いをわかりやすく説明します

Webエンジニア


Webエンジニア
工学部からの就職の進路先として、Webエンジニアも人気の職業だ。Webエンジニアは、WebサイトやWebアプリの設計、開発を担当するエンジニアの事である。

YoutubeやInstagram、Twitter、TiktokといったWebのサービス、アプリは人々の生活に大きな影響を与えている。

これらを支えているのが、アプリ開発エンジニア、Webエンジニアたちである。Webエンジニアには2種類のタイプに分けることができる。


  • フロントエンジニア

  • バックエンドエンジニア


参照元:イーデス ITエンジニア20種類の適性・仕事内容・年収・将来性わかりやすく解説!

フロントエンジニア

Webサイトなどの視認できる表面上の見た目部分を担当し、設計や構築を行う。HTML/CSS、JavaScript、PHPなどのプログラミングを使いサイト設計をする。

Webサイト設計は、フリーで活躍している者も多く、技術力や経験を積めば年収も比例して高くなる。

バックエンドエンジニア

Webサイトの見えない部分を担当し、仕組みなどの構築をメインとするエンジニアである。例えば、ユーザーがキーワードを入力し、検索ボタンを押すことで、検索の結果が表示される。

データベースから対象キーワードに合致するデータを探し、結果を表示させる仕組みの部分をバッグエンドエンジニアが担当する。

開発言語として、JavaやPHP、Rubyといった言語を扱いフロントエンジニアよりは難易度が高い。

学生からよくある質問

学生からよくある質問
ここでは工学部の学生からよく聞かれるような質問について解説していく。どれも就活に役に立つような内容ばかりなので、参考にして欲しい。

工学部だけど、あえて商社や金融などの総合職にいくのはどうか?

工学部の学生が、商社や金融などの総合職に就職するのは選択肢としてアリだ。

なぜなら、商社や金融では文系出身者が多いため、理系のバックグラウンドを持つ工学部卒なら、入社後も他者と差別化を図れるからだ。

数的能力の高さやハードな研究で鍛えられた論理的思考力は、常に数字との戦いである商社や金融の世界で思いのほか力を発揮できる。

商社や金融に限らず、営業として配属され10〜20年後には、課長→部長などと役職が上がり管理職までいけば嫌でも毎日が数字との戦いになる。

特に統計に強いと、社内でもかなり活躍できる。結局ビジネスは、お金が付いてまわる為、数字に弱いと必然的に淘汰されてしまう。

工学部の学生として、学生時代にやっておくべき事は?

工学部の学生として、学生時代にやっておくべき事は?
これは賛否両論あるかもしれないが、できれば将来に役立つ専門性を高められる研究をしておくことだ。なぜなら、企業が工学部の学生に期待する事は、専門性の高さだからである。

学生時代にビジネスで直接活かせるスキルや能力を高めておけば、就職に有利になるのは言うまでも無い。

下記にどんな専門領域、スキルがおすすめか挙げておく。


  • 自分の所属する学科の知識:例えば電気工学なら電気系統、情報工学ならコンピューターサイエンス

  • 統計学 ※統計検定などを推奨

  • PCに興味あれば、プログラミング言語のスキル

  • ビジネス英語 ※TOEICで800点以上を目指す

  • 時間がある学生のみ、長期インターンで人に物を売る経験を積む

  • 誰にでも伝わりやすい文章力を身に付ける ※ビジネスの必須スキルである為


上記におすすめな領域、スキルを挙げたが、プログラミングやコンピューター関連の領域は専門性が高ければ高いほど、転職の際にも市場価値が高まる。

これらのスキルが高いともちろん就職でもかなり有利になってくるはずだ。

先ほども申し上げた、データサイエンスなどの領域は簡単に身に付くものではないが、それを職業にできればどこの業界でも通用するようになる。

また会社員でもフリーでも活躍しやすいのは、エンジニアの特徴でもある。

工学部なら普通に学生生活を送っておけば、就職できる?

これの回答としては、大手のトップ企業を目指さないのであれば、学業だけで就職するのは問題はない。

しかし、より就職偏差値の高い企業を目指すのであれば、工学部が就職に有利だとしても、普段の学生生活だけで大手から内定もらうのは難しい。

レベルの高い企業になるほど、文武両道の学生などの割合が増えてくるからだ。

いくら理系就職で専門性を見られるとは言え、企業に入社して現場に配属され、地位が上がればたくさんの部下を抱える事になる。

マネージャーのポジションになれば、学生時代にリーダー経験があったり、困難に打ち勝った事のある人間がやはり強くなる。

企業は将来の事も想定しているので、勉学だけ極めて専門性が高いだけでは、十分な評価が得られない。トップ企業に就職するには、学業も人間的にも高いレベルに到達しているのが条件なのだ。

まとめ

まとめ
今回は工学部の就職について解説してきた。

記事内で触れたように、工学部は難関大になると進学率も全体の半数以上になってくるので、研究職や開発職を狙うなら院に進む選択もある。

もちろん学部からでも、工学部は面接の際は今まで行ってきた研究内容や、それによってどう自分が変われたかをアピールしよう。

人間的な魅力を伝えられると、面接を上手く乗り切る事ができるはずだ。

もしこの記事を読んでもまだ自分の進路に悩む場合や、就活の対策が不安な者は”当塾も検討”してほしい。

ホワイトアカデミーでは、工学部出身者の就職先についてあらゆる業界の情報が蓄積されている。あなたの適正にあった最適な就職の進路先の提案ができるはずだ。

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