最終更新日 2023.07.22
既卒・就職浪人生向け
過酷過ぎる就職浪人の実態【既卒か留年どちらが良い?】
あなたは就職浪人を既にしていたり、これから就職浪人をする事を検討しているかもしれない。
実は卒業生の就職率が90%を切る大学は少なくないので、大学を卒業してから就職先を探す事自体は決して珍しい話ではない。
しかし、就職浪人の実態を知らずに大学を卒業してから就職活動に取り組むと内定がなかなか出ない可能性があるのもまた事実。
それに、就職留年するか、既卒者として就活に臨むかを考える際に就職浪人の実態を知らないと適切な選択が取れない可能性が高い。
そこで今回は、企業が就職浪人をする既卒生に抱いている本音や既卒者の立場で内定を勝ち取るための心得について解説していく。
本文の中では、就職浪人をするメリット・デメリットについても触れているので、これから就職浪人をするかどうかを迷っている人にも役に立つ内容になっている。ぜひ参考にしてほしい。
この記事を書いた人
東京大学工学部卒。大手一流ホワイト企業の内定請負人。就活塾「ホワイトアカデミー」を創立・経営。これまで800人以上の就活をサポート。塾はカリキュラムを消化した塾生のホワイト企業内定率100%を誇り、カリキュラムを消化したにもかかわらず、ホワイト企業の内定が出なければ費用を全額返金する返金保証制度を提供中。2019年に『子どもを一流ホワイト企業に内定させる方法』(日経BP刊)を出版し、「親が子育ての集大成である"就活"に臨む際の必読書」、「これができれば本当に一流企業に内定できる」と話題。塾のYouTubeチャンネルではホワイトな業界の紹介や大手企業の倍率、ESの添削を公開するなど塾の就活ノウハウを一部紹介している。
YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCm1vSnSBj7kksfi8GIBnu0g
就職浪人とは、大学卒業後にも就職活動を続けている人のことを指す。
就職浪人に至ってしまった理由は、人それぞれであるが、当スクールの生徒を見る限り、以下が代表的な理由になる。
- 新卒で内定が決まらなかった
- 内定はしたが、希望する企業の内定が取れなかった
- 新卒の就活は失敗したが、学費を払う余裕がないので卒業した
- 単位がギリギリのため、就活をする余裕がなかった
- 元々就活は大学卒業後にやる予定だった
上記のように就職浪人をする理由は、就活をしても内定が得られなかったから、という事に限られないのである。
それに人によっては、前向きな理由で就職浪人をする人もいるので、就職浪人をする事自体は悪い事ではない。
しかし、就職留年を選択すると、内定獲得のハードルが上がる事や既卒者ならではの就職活動における課題に直面せざるを得ないという事実がある。
詳しくはこれから解説するので、ぜひ目を通してほしい。
就職浪人はほとんどの場合で既卒扱いとなる。既卒に明確な定義はないが、次の人を指す場合が多い。
- 大学卒業後に一度も就職したことがない
- 大学卒業後に1度就職したが、1年未満で退職している
就職浪人は上記に該当し、既卒に分類される。
既卒の者は、就活で社会人経験がある人や、専門スキルを持っている人と競わなければならない。
そのため、新卒と比較して就職に苦労することも多い。
「新卒での就活が上手くいかなかったから、就職浪人して頑張ろう」という者は、新卒での就活よりさらに高いハードルを超える必要がある。
新卒と既卒の決定的な違いは、大学に籍を置いているかどうかである。
既に大学を卒業し、大学に籍がない場合は、卒業をしているので年齢が22歳であろうと既卒者となる。一方で留年や休学を繰り返していたとしても大学に籍があれば新卒と言える。
既卒と新卒の違いは大学に籍があるかどうかのため、能力や社会経験には大きな差はない。
それに浪人・留年をせずに大学を卒業した既卒生の場合、浪人・留年や院進学をした新卒者よりも年齢が若いこともあるくらいだ。
しかし、多くの企業は新卒者向けの採用は、大学に籍を置いている大学生並びに大学院生を対象にしている。そのため、既卒者が新卒者向けの選考に応募をしても相手にされない事はよくある。
既卒者と新卒者の差は大学に籍があるかどうかでしかないが、就職の難易度については新卒枠での内定が狙いにくいため、はるかに既卒者の方が高いことは押さえておこう。
先ほどの話と少し矛盾するかもしれないが、企業によっては、既卒生を新卒扱いしている場合もある。
2010年に厚生労働省が定めた「青少年雇用機会確保指針」によると、事業者は大学卒業後3年以内の人を新卒扱いするように通達されている。
参照元:青少年雇用機会確保指針青少年雇用機会確保指針 これはたまたま厳しい就職環境の時期に当たった大学生が、就職の機会を失うことは企業にとっても大きな損失だと国が判断したためである。
現在では就職浪人であっても、新卒扱いで就活できる企業は多少増えてきているものの、その数は全体から見ると微々たるものである。
依然として、新卒より就活が不利なことに変わりはないので、就職浪人を考える者は、するかどうかの判断は慎重にした方が良い。
大学在学中に内定が決まらなかった場合の選択肢として、就職浪人のほかに就職留年がある。
就職留年とは就職が決まらなかったときにわざと留年し、もう1年大学生として就活することだ。就職浪人と就職留年の大きな違いとして、留年なら"新卒扱いのまま就活できる"点が挙げられる。
既卒として就活するデメリットは上記で述べたが、それらを回避したうえでもう1年就活できるのはメリットと言える。
留年期間中に追加で学費がかかるデメリットはあるが、それを上回るほどのメリットがあるのだ。
「就職浪人と留年のどちらを選ぶか迷っている」という方は、就職留年を選ぶと良いだろう。
新卒や就職留年と比較しても、既卒の就活は不利になることが分かったと思う。
新卒と既卒で2人の応募者がいた際、両者の能力は大して変わらないのに、既卒という理由で企業側が身構えてしまう事を覚えておこう。
自分とそんなに能力が変わらないレベルのライバルが、学歴が自分よりワンランク低いにも関わらず新卒というだけで、内定を取れる事もある。
新卒の採用枠に応募できないというのは、想像以上に大きな差が出るのだ。
社会人未経験者が"新卒"という大手への内定の切符を持てるのは、後にも先にも人生一度きりという事をまずは理解して欲しい。
既卒から一旦とりあえず中小企業へ就職し、数年経験を積んだら、大手へ転職すれば良いと思う者は考えを改めた方が良いだろう。
なぜなら、経験を積んでから大手へ転職できる人間というのは、元々新卒でも大手へ行けたポテンシャルを持っていた可能性が高いからだ。
例えば、大手商社に転職で行くとなると、ライバルは戦略コンサルティング会社出身のコンサルタントやDX推進を行ってきたITコンサルなどだ。
大手への転職組は、一つの領域を極めたスペシャリストがボリューム層であり、新卒以上に内定へのハードルが高くなる。
可能な限り、転職で大手へ行くという幻想は抱かない方が良いだろう。
就職浪人になってしまう人の主なパターンは次の3つだ。
- ESの書き方など就活対策をしなかった
- 自己分析や業界分析が足りなかった
- 応募企業が少なすぎた
それぞれ詳しく解説する。
就職浪人になる理由の一つに、就活対策の不足がある。
ESの書き方や適性検査、面接などを対策せずに就活に挑んでも、良い結果は望めない。
また、就活をするうえで押さえておくべきマナーを勉強せず、服装や発言に気を使っていないと内定は遠くなる。
自己分析や業界分析の不足も、就職浪人になる原因の一つだ。
自己分析を怠ると、自分の関心や適性、長所や短所を分析できず適当に企業にエントリーすることになる。
その場合、面接での自己PRが上手くいかず、面接官への印象も悪くなると言える。
また、業界研究や企業研究をせずに就活すると、エントリーシートへの記入内容や面接での返答がピントのずれたものになってしまう。
企業側からも「この人は業務内容に興味がない」と判断されてしまいかねない。
応募企業の少なさも原因の一つだ。
大企業や有名企業のみエントリーする方もいるが、これらの企業に入れるのはごく一部の就活生のみと言える。
保険として中小企業へのエントリーをしていなかった場合、大企業や有名企業への就活が失敗した時点で後がなくなってしまう。
その結果、就職浪人を強いられる就活生が少なくない。
企業から見た就職浪人の印象は、残念ながらネガティブなものが多くなっている。
新卒で内定が決まっていないことから、能力やメンタルに問題があるのではないかと勘ぐられるからだ。
新卒と比較してマイナスな印象からスタートするので、よりしっかりとした対策が必要になる。ただ、上記で述べたように既卒生を新卒と同じ枠で、採用している企業も増えてきた。
そういった企業であれば、就職浪人に対し悪いイメージを持っていないケースもあるだろう。
既卒だからといって最初から諦めるようなことはせず、いろんな企業に応募して不利にならない企業を見つけると良い。
企業が就職浪人している既卒生に求めるものは次の通りだ。
- 失敗から学ぼうとする姿勢
- 指導やアドバイスを受け入れる素直さ
- 入社意欲の高さや熱意
企業が求めるものの大部分は入社後の伸びしろである。
社会人経験がないため、ビジネスマナーなどを一から学んでいく必要がある一方で、前職の社風の影響を受けず馴染みやすいと企業は考えている。
そのため、採用する基準として素直な人柄や、学ぼうとする熱意を高く評価する。また、失敗から学ぶ姿勢も大切だ。
就活失敗という経験をしっかりと糧にして、面接時にエピソードとして話せるようにしておく必要がある。
就職浪人のメリットは、次の2つである。
- 就活の経験があるので反省を生かせる
- 自分の目的や就きたい職業が明確になる
下記に詳しく解説していく。
就職浪人のメリットに、過去の就活経験の反省を活かせる点が挙げられる。
就職活動の流れやマナーを知ったうえで、再度就活ができるのは有利と言える。その際、過去の失敗から改善すべき点を分析し、リベンジする事が可能だ。
ESや面接、グループディスカッションなど、自分が苦手だったものの対策をする余裕が生まれる。
一方で、これらの準備を怠ると同じ結果を繰り返すことになりかねないので、注意が必要である。
自分の何が駄目だったのかしっかりと分析したうえで就活に挑もう。
就職浪人のメリットとして、自分の目的や就きたい職業が明確になる点が挙げられる。
既卒の者は、時間に余裕が生まれるため自己分析にかける時間を増やせる。自己分析によって、自分のやりたいことや就きたい職業を明確化できるだろう。
また、自分のやりたい事をはっきりとすれば、ESや面接で強みを聞かれた際に、自信を持って回答できる。
就職浪人のデメリットは次の2つだ。
ここでは、就職浪人の2つのデメリットを解説する。
就職浪人の最大のデメリットは、既卒扱いになる点だ。
大学在学中と異なり、新卒枠ではなく中途採用枠での就活を強いられる。多くの企業で中途採用枠は、新卒より圧倒的に少ないため狭き門を突破する必要がある。
また中途では、社会経験や専門的なスキルを持つ転職者と、競わなければならない。
何の武器も無い既卒者が、中途の採用を目指すのは困難と言えるだろう。
就職浪人は、精神的にきつく辛いというデメリットがある。
大学在学中は、友人と情報交換したり励ましあったりしながら就活することが可能だ。
一方で、大学を卒業すると周りの友人が、すでに就職して働いている中で就活することになる。友人や家族と自分を比較して劣等感を抱えてしまったり、孤独感に苛まれてしまうことも少なくない。
周りの人に相談できないことから、不安や焦りが募り自分で自分を追い込んでいってしまう場合もある。
就職浪人する場合は、何もかもを一人で抱え込んで自分自身を追い込みすぎないように注意が必要だ。
ここからは、もうすでに既卒生になってしまった方へ、今後どうしていくべきか解説していく。
まずは下記のポイントをチェックして欲しい。
就職浪人の者は、中途採用の枠で応募する事になるが、とにかく自分を受け入れてくれそうな寛容な会社を見つける事だ。
なぜなら、100社中に1社は必ず自分を採用してくれる会社があるからだ。
22〜27歳くらいまでの若者は実務経験が無くても、中途採用の企業から見ればそこまで変わらない。
30歳を超えてくると、さすがに社会人未経験は厳しいが、それ以下であればそこまで絶望する必要もない。入社後に努力すれば十分巻き返せる。
企業もそれを理解しているので、そういった年齢に比較的寛大な会社をリサーチする事だ。
BtoBの会社で、ルートセールスのホワイトな会社を探す
就職浪人の者に、特に就職先としておすすめしたいのが、このBtoBでルートセールスを行う会社だ。
法人相手の既存顧客への営業は、ブラックの確率が低いからである。
加えて、取引先が大手企業とやり取りしている会社が狙い目だ。
取引先が大手の場合、相手の会社に資金力があり取引量も多くなる傾向が見られ、自然と自社の営業マンのノルマも厳しくならない可能性が高い。
優良企業に相手にされるという事は、その会社自体も優良であることが多いと言える。これは実際に社会に出てから、初めて分かるようなことでもある。
既卒の者が就活するうえで、意識しておくべきポイントは次の2つである。
- 高望みをしすぎないで中小企業も受ける
- 既卒専門の就職支援サービスを利用する
以下では、就活浪人生が意識すべき2つのポイントについて詳しく解説する。
これは新卒の者にも言える事だが、高望みしすぎずに中小企業にも応募することが重要だ。
前述した通り、既卒の者は在学中の就活と比較して不利な面が多い。そのうえ大手企業や有名企業にばかり応募すると、就活がさらに難しくなる。
就職浪人が決まった時点で視野を広げ、中小企業への就職も頭に入れて就活する事をおすすめする。
特に、中小企業の中でも法人向けの商材を扱っているBtoB企業であれば、待遇も良いと言える。
就職浪人の者は、既卒専門の就職支援サービスを利用するのがおすすめだ。
既卒専門のサービスは、新卒向けより手厚いサポートを受けられる。
これは、既卒は新卒よりも人数が少ないため、一人あたりに割けるサポートの量が多いためだ。
従って履歴書やESの添削、ビジネスマナー講座など一人では難しい就活対策を受けられる。
また既卒専門のサービスなので、就職できるか不安に思う人の気持ちに寄り添って支援してくれるのもメリットと言える。
就職浪人は周りの人に相談しづらく孤独になりやすいため、これらのサービスを利用するのは一つの選択肢だ。
おすすめの就職支援サービスについては後ほど解説する。
就職浪人する場合、新卒時とは違った面接対策が必要になる。
通常の質問に加えて、既卒になった理由やこれまでしてきたことを聞かれることが多い。
従って事前に回答を用意しておく必要がある。ここでは、よく聞かれる質問と回答例を解説していく。
就職浪人すると、必ず理由を聞かれる。
面接官によっては、マイナスな印象を持っているため、それを軽減するような説明が必要だ。説明するときのポイントは次の3つである。
- 前向きな説明になるようにする
- 就職浪人という失敗で、学んだことを盛り込む
- 学んだことをどのように活かすのか説明する
面接官には、できるだけ前向きな回答になるように心がけた方が良い。
また、失敗で学んだことやそれをどのように仕事に活かすかを、詳しく説明するようにしよう。
加えて、就活に対する熱意やモチベーションを示せたらベストである。また下記に、面接で既卒生がよく聞かれる質問をピックアップした。
面接では、大学卒業後に就職浪人になって何をしていたのかを聞かれることが多い。そのため、卒業後に学んだスキルや経験についてアピールすると良い。
回答例は次の通りだ。
「私は大学卒業後、御社の仕事に役立つスキルを身につけるため〇〇の資格を取得しました。
また資格を取得するにあたって、諦めずに勉強し続ける継続力を得られました。」
関連記事:
就活を有利にする資格を7つに厳選!最大限に活かす方法も解説 既卒の者がよく受ける質問として、過去の就活の結果について質問される。
ごまかしたりせず、素直に結果を述べるのがおすすめだ。嘘をつくと面接官に伝わるので、正直に話した方が良い。
回答例は次の通りである。
「私は大学時代は、ゼミの研究に集中していたため、しっかりとした就職活動を行えませんでした。
今年の2月に研究結果を卒論にまとめられたので、そこから来年の就活のために準備をしておりました。
専門の研究で得た知識や経験を生かして、御社に貢献したいと考えています。」
どこかの企業に就職しなかった理由も、良く聞かれる質問事項だ。
できるだけ前向きな理由を述べ、マイナスイメージを与えるのを避けた方が良い。
回答例は次の通りだ。
「私がどこかの企業に就職しなかった理由は、就職先を妥協して選びたくなかったためです。
学生時代は研究で忙しかったため、自己分析や業界分析に時間を使えませんでした。
内定を頂いた企業もありましたが、どうしてもこの業界に就職したいと考え就職浪人を決意しました。
大学卒業後は、業界研究や企業研究を重点的に行なったため、その知識を活かせるように御社で働きたいと考えています。」
新卒の就活から何を学んだかもよく聞かれるだろう。自分が新卒の就活で得たものをしっかりとアピールすると良い。
回答例は次の通りだ。
「私が新卒の就活で得たものは、自分を客観的に分析する能力です。
どうして就活が上手くいかなかったのかを分析し、それを克服するための努力を続けてきました。
この問題解決能力を活かして御社に貢献したいと考えています。」
就職浪人も公務員試験を受ける事ができる。公務員試験とは、公務員になるための就職試験のことだ。
大きく分けて筆記試験と面接試験で構成されており、合格すれば公務員への道が開かれる。
公務員試験は学歴など条件を満たしていれば、新卒でなくても受験可能である。選択肢の1つとして公務員を考えても良いだろう。
ただし、公務員試験には年齢制限がある事に注意が必要だ。年齢制限は勤務地や職種によって異なるが、30歳が1つの目安である。
公務員試験は民間企業への就職と比較して難易度が高くなっている。公務員試験の合格率は自治体によって異なるが、10~30%が目安である。
筆記試験の出題数と範囲は膨大で、数ヶ月の試験勉強で合格基準に到達することは困難と言える。そのため、1年単位で毎日勉強をし続ければならない。
特に志望動機なしで公務員試験の勉強を始めると、モチベーションを保ち続けることが難しいのでおすすめできない。
職種を問わなければ、間違いなく民間企業への就職の方が難易度は低い。
「民間への就職が上手くいかないから、就職浪人から公務員になろう」といった安易な理由で受験を決意すると後悔するので気を付けよう。
就職浪人の公務員試験の勉強方法は、次の2つである。
以下では、公務員試験の2つの勉強方法について詳しく解説する。
独学で勉強する
独学で勉強するメリットは、教材代のほかにお金がかからない点だ。金銭的に余裕がない方におすすめの方法と言える。
ただし独学の場合、半年から1年の間、一人で勉強を継続しなければならない。
モチベーションの維持が困難であったり、勉強に集中できなかったりとデメリットもある。
就職浪人で独学で公務員の勉強をするというのは、メンタル的にもキツいので、できれば在学中に公務員に挑戦するのが一番良い。
予備校に通う
予備校を利用すれば短期間かつ、効率よく公務員試験の勉強ができる。
また、周りの人間も公務員試験を目指している人なので、刺激を受け勉強のモチベーションも保ちやすい。
就職浪人になると、精神的にキツくなるが、予備校などで気分転換もできるだろう。
デメリットは、お金がかかる点だ。
例を挙げると、資格の学校TACの総合本科生コースでは352,000円かかる。
参照元:資格の学校TAC 総合本科生コース 金銭的に余裕がないと予備校に通うのは困難である。
就職浪人が就活のために、利用すべき代表的なサービスは次の4つである。
- 就職エージェント
- 就職サイト
- ハローワーク
- 逆求人サイト
ここでは、就職浪人向けの4つのサービスについて詳しく解説する。
就職浪人する者は、就職エージェントの利用を検討すると良い。
就職エージェントとは、就活中の利用者に専任のアドバイザーがつき、就職活動を支援してくれるサービスのことだ。
履歴書・ESの添削や面接対策、カウンセリングといったサービスを受けられるのが特徴である。
また就職浪人向けの就職エージェントなら、既卒の就活事情に精通しているため的確なアドバイスを受ける事ができる。
既卒向け就活サイトも欠かせないと言える。就職浪人者にも、おすすめの就活サイトが次の通りだ。
既卒者向け就活サイトは、未経験者歓迎の求人が多い。
既卒は中途採用枠であるのと同時に、社会人未経験での就活になるので、未経験者歓迎の求人に応募することが多くなる。
また就活サイトによっては、説明会で企業の採用担当者と直接話せる機会を設けていたり、既卒者向けのインターン制度を利用できる場合がある。
就職浪人の人は複数の既卒者向け就活サイトを使い分け、就職を有利にすることだ。
就職浪人が利用するサービスの選択肢の一つにハローワークがある。
ハローワークは「新卒応援ハローワーク」という就職支援サービスを提供している。
新卒以外に、既卒3年以内であれば個別の担当者がつき、就活をサポートしてくれるのが特徴である。
また、中途採用枠だけでなく、就職浪人であっても新卒扱いされる求人も紹介してもらえる。
求人の良し悪しが分からないというデメリットがあるが、サービスを無料で利用できるメリットもあるので一度利用すると良い。
就職浪人する場合、逆求人サイトの利用もおすすめである。
逆求人サイトとは、就活生側がサイト上で自己アピールを行い、それを見た企業がオファーを出すサービスである。
求人サイトを利用する場合と異なり、幅広い業界からのオファーを受けられる特徴がある。
企業側から見て、自分がどういった人材なのかを判断する材料にもなるので、まずは一度逆求人サイトに登録してみることをおすすめする。
就職浪人の者からよく聞かれる疑問点【内定率を高めるコツ】
ここでは就職浪人、既卒生の就職活動で、よく聞かれる疑問について回答していく。あなたが疑問に思うことなどが、この中にもいくつかあるはずだ。
この質問の回答として、"企業の社風にいかにマッチするか"に尽きると言える。
理由としては、新卒の大量採用以上に、人物の中身が問われるからである。
例えば、新卒の一括採用では、学歴やその人間の総合的な能力、ポテンシャルが基準をクリアできれば普通は内定が出る。
しかし、就職浪人の場合は学歴や人物の能力以上に、その人の性格や人柄が企業の社風に合うかどうかが重要だ。
不動産営業のような体育会系でガンガン顧客に訪問していく会社なら、バイタリティーのある人物が採用される傾向にある。
また、まったりなインテリタイプのメーカー営業が軸である会社なら、そういった穏やかな勉強好きなタイプが採用されることが多い。
会社のHPである程度、社風を下調べする
自分の志望する会社は、最低限HPをチェックし、どんな社員が働いていそうかイメージする癖を付けよう。
働いている社員が自分と同じような系統のタイプが多ければ、あなたが就職浪人でも採用される確率は必然的に上がる。
理由は、企業は中途採用などで新しい社員を迎え入れる際に、できる限り他の社員と"協調してやっていける人"が望ましいと考えるからだ。
従って企業の要望、仕事の指示を柔軟に受け入れてくれて、多くの人に好かれやすいタイプがウケるという事だ。
自分が企業側の立場に立ち、採用されるあなた(部下)の上司になると、仮定して置き換えてみると良い。
新しく入ってくる人が、すぐに打ち解けてくれて、仕事も進んでやってくれるタイプだったら一緒に働きたいと思うはずだ。
上記は能力以上に性格が重要とされる、一つの要因でもある。
就職浪人になると、早く内定を取らなければならないと焦りが出てしまい、ブラックな企業に行く者も少なくない。
既卒におすすめな会社は下記のものだ。
- 離職率が低い
- 月の平均残業時間20〜30時間以内 ※20時間以内がベスト
- BtoBの会社で、市場における競争力が極めて高い
- 社員に温和な人間が多い
就職浪人の人には、これらの点をクリアしている会社をおすすめしたい。
特に離職率の低い会社というのは、その会社で働く事が社員にとってメリットが大きい事を意味する。
離職率の低さや、市場競争力が極めて高い会社
定年まで働く人が多いかどうか、特に女性社員が60歳まで働いているかなどは、強力な判断材料になる。
結婚しても、辞められないくらいに魅力ある会社という事を意味するからだ。
他にも、業界において会社の市場競争力の高さはとても重要だ。
競争力が高ければ、社員がそれほど努力せずとも、企業の利益が勝手に増えていくからである。
中小企業でも頭の切れるCEOのいる会社には、このような自動で利益を上げていくシステム作りの上手い会社が存在する。
そういった会社であれば、社員のノルマ関係なしに高い給与や潤沢な賞与が与えられている可能性が高い。
関連記事:
【2024年度版】新卒で入りたい隠れ優良ホワイト企業ランキングTOP50 これの回答としては、あなたが何が理由で就職浪人になったかにもよるが、基本的に既卒で大手は厳しい。
理由としては、新卒で大手に行けなかったのに、既卒の不利の状態で大手に行くのはさらにハードルが上がるからだ。
もし既卒になった理由が、有名海外大学卒であるからだとか、自分で事業をやっていたなど特別な理由でない限り、厳しいと言えるだろう。
もちろん、高学歴+明らかに能力が高い者であれば別だが、そんな人間は初めから就職浪人でも悩む事がない。
大手が無理なら、中小へ
大多数の就職浪人の者は、大手ではなく、中小の優良企業に絞って就活を進める事を推奨する。
中小でも、大手に引けを取らないくらい待遇の良い会社は存在するからだ。
ただそういった会社は、求人募集する事自体が限定的なので、根気よく求人サイトなどをチェックし続ける必要がある。
優良企業は人が辞めていかない為、基本人員が不足するケースが少なく、求人募集している際はチャンスという事だ。
ただ中小と言えど、優良企業は基本狭き門なので、就活の対策を入念にしておく事が重要だ。
そういったチャンスを掴む為にも、就職浪人となってもできる限り面接の場数を踏み、慣れておくようにしよう。
ここまでの内容の振り返りとして特に重要なポイントをまとめてみた。ぜひ目を通してほしい。
- 既卒と新卒の違いは、大学に籍があるかどうかである
- 就職浪人生を新卒として扱ってくれる企業もある
- 多くの企業は就職浪人に対してネガティブなイメージがある
- 失敗から学ぼうとする姿勢や素直さや入社意欲の高い既卒者は評価されやすい
- 就職浪人よりも就職留年をした方が良い
- 既卒者にとして就活をするのであれば高望みは禁物
- あなたの事を受け入れてくれる会社は狙い目である
- 既卒専門の就職支援サービスを利用すると就職しやすくなる
- 既卒になった理由を説明できるようにしておく
- 企業が既卒者に良く聞く代表的な質問には答えられるようにする
- 既卒者が公務員を目指すのもありだが、合格の難易度は高い
上記の内容を頭に置きながら、就職活動に取り組めば、既卒というハンディを持つ就職浪人の立場でも内定はいつか出るはずである。
一方で今回の記事の内容を見る中で、一人で志望する企業の内定獲得をする事が難しいと感じた場合は、当スクールのような既卒者の就活の支援をしている就活指導塾に通うのも1つの手である。
当スクールの就職浪人者向けのコースを紹介するので、ぜひ目を通してほしい。
当スクールの就職浪人生向けの特別コース